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2011年5月

2011年5月31日 (火)

雨の中の春フェス!

Rock on the Rock '11

会場:三河湾リゾートリンクス海岸特設会場 日時:5月28日(土)

以前から、地元で行われる数少ない野外ロックフェス、ということで行ってみたかったRock on the Rock。8回目(ただし第1回が台風で中止になったため、実質7回目)にして、はじめて足を運んできました。

で、この日は季節はずれの台風2号の影響で、あいにくの雨。まだ台風は、三河湾から遠く離れていたので、風はなく、雨だけだったのですが・・・レインコートを着て、最寄駅の名鉄蒲郡線三河鳥羽駅から会場を目指します。

正直、ちょっと寂しい雰囲気の道を、トコトコと20分ほど進むと・・・目の前の視界が開け、海水浴場が!そこが、Rock on the Rockの会場でした。

まず、チケットをリストバンドに交換し、いざ、メインステージのROCK FIELDへ・・・・・・

お、思った以上に小さい・・・・・・(^^;;

Rockontherocks1

(左 メインステージのROCK FIELD)

大きさとしては、フジロックのFIELD OF HEAVENのステージをひとまわり小さくした感じかなぁ。イメージしていたステージより小さくて、ちょっとビックリ。もっとも、雨の影響か、最後まで、メインステージ前の観客の入りも、ちょっと寂しい状況だったのですが(とはいえ、逆に見ている分には快適だったのですが)。そして、ステージの後ろには巨大な岩がそびえたっていて、まさに「Rock on the Rock」。迫力満点のシチュエーションでした。

竹内電気 @ROCK FIELD

で、会場に着くと、ちょうど竹内電気のステージの真っ最中でした。名古屋を中心に活動している4人組のパワーポップバンド。Wikipediaで経歴を見ると、思いっきり地元じゃん!メンバーの一人に至っては、吉良町出身だし。

竹内電気自体は、アルバムは聴いたことあるバンドなのですが、ライブを見るのはこれがはじめて。アルバムも、正直、あとひとひねりが・・・と思ってしまったのですが、ステージも、うーん、といった感じ。ポップなメロディーと、分厚いバンドサウンドが、それなりに楽しめるステージであるのは間違いないのですが、音は全体的にかたまりのように聴こえてしまうし、アルバムでは感じられたようなバリエーションの多用さもあまり感じられず・・・。地元だし、がんばってほしいんだけどなぁ~。

で、そんな感じのステージだったので、途中で切り上げ、フードコートへ。Rock Fieldからフードコートまでが微妙に遠い(^^;;いや、多分、晴れていればそんなに気にならなかったのかもしれませんが、雨の中の移動はちょっと辛いものが。フードコートも砂浜に作られているだけに、足元はドロドロだし(苦笑)。

Rockontherocks2

フードコートには、シシカバブや豚ホルモンを売る店、大阪の串揚げ屋や、たこ焼きの店、他にもオーガニックなグッツや服などを売る店が並んでいます。ちょっと普段のフェスの店揃えとは違った感じかも。地元からの出店も多いみたいで、そんな中、おいしそうだったのが、「あさりラーメン」(右の写真)。地元三河湾のあさりを具としていれたラーメンで、食べると、磯の風味がダシに効いていて、口の中に広がります。暖かいスープも、雨で冷えた身体にピッタリ!とてもおいしかったです。ごちそうさま!!

で、ラーメン+ビールで気持ちよくよっぱらったところ、BEACH FIELDで次のアクトがはじまったみたいなので向かいます。

Yoshie Ebihara @BEACH FIELD

Yoshie Ebiharaは、今回、名前も音もはじめて聴く女性シンガー。ギター1本をかかえたシンガーソングライターで、フィーキーな雰囲気の暖かいポップソングを聴かせてくれました。社会派な活動も多く行っているみたいで、今回のステージでも、東日本大震災に関するMCが多く、先日まで、被災地に行っていたらしいです。

の~んびりとした雰囲気のステージで、BEACH FIELDは、すぐ横に海が見える最高のシチュエーション。晴れていたら、曲間に波の音がいい具合に入って、最高の雰囲気で・・・となったのでしょうが、聴こえるのは雨の音だけ(^^;;うーん、正直、この雰囲気に、彼女みたいなタイプの曲はあまり似合わなかったなぁ。晴れている中で聴けば、印象はまた変わったんでしょうけどね。ちょっと残念です。

Riddim Saunter @ROCK FIELD

続いて、ROCK FIELDでRiddim Saunterのステージ。Riddim Saunterは、単独でのアルバムは聴いたことないのですが、以前、カジヒデキと組んだアルバムは聴いたことがあります。とはいえども、正直、そんなにステージに期待して見に行った訳ではないのですが。

しかし、そのステージは、期待をいい意味で裏切るステージでした。楽曲は、ちょっとthe band apartに近い感じの、アシッドジャズの要素を感じ、ファンキーなリズムがとても楽しい感じ。トランペットをバンドに取り入れることによって、より楽しいサウンドを作り上げています。

爽やかな雰囲気の音ながらも、同時にこの悪天候に負けない力強さを感じ、会場を盛り上げていました。全体的にブラックミュージックの影響を感じさせるテンポのよいリズムが好印象。とても楽しいステージでした。また彼らのステージ、是非見てみたいなぁ。

ギターパンダ @BEACH FIELD

続いてみたのは、BEACH FIELDでギターパンダなる謎のミュージシャン。パンダの気ぐるみを着て登場したギターをかき鳴らすソロミュージシャンなのですが、てっきり「正体は謎」という位置付けだと思ったら、1曲目で、いきなり本名「山川のりを」を大声で連呼したり、全然隠してねー(笑)。さらに、途中からパンダの気ぐるみを普通に脱いでるし(^^;;

楽曲は、骨太のブルースロック。歌詞もかなりユニークで、ついつい聴いてしまいます。途中のMCも漫談みたいでユニークだし(笑)。途中、ついには服まで脱ぎだしたかと思うと、白地のシャツに水玉模様で、「実は私の本名はエルヴィス・プレスリーならぬ『カルピス・プレスリー』なのです」だそうで、エルヴィス・プレスリー風の曲を披露。で、これが聴いていて苦笑いしちゃうような、露骨なエロ歌詞(^^;;好き嫌いはわかれそうですが、かな~~りインパクトがありました。

若干、会場もひいている部分もありましたし、賛否わかれそうな雰囲気もあったのですが(笑)、ただ、ひきつけられるステージであるのは間違いないし、忘れられないインパクトの強いステージでした。一方で、楽曲自体は、かなりの本格派。ちょっと忌野清志郎っぽい雰囲気もあるブルージーな骨太のギターサウンドはとても魅力的でした。

で、帰って気になって調べたら、「1980年代にはTHE BLUE HEARTS結成前の甲本ヒロトとともにザ・コーツのメンバーとして活動。その後ディープ&バイツのフロントマンとしてデビューし、1990年代には忌野清志郎&2・3’Sにギタリストとして参加」こちらの記事より)・・・めちゃくちゃ大御所じゃん!!やはり、それだけの実力があるミュージシャンだったんですね。いろいろな意味でそれも納得のステージでした。

次へ続く

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2011年5月30日 (月)

UNDERWORLDの魅力が凝縮

Title:LIVE FROM THE ROUNDHOUSE
Musician:UNDERWORLD

Live from The Roundhouse [日本独占企画盤 / CD+DVD2枚組] (PCDT29)

ライブバンドの実力、というのは、ワンマンライブでももちろん実感できるのですが、フェスやイベントライブでのステージでもまた、ミュージシャンの実力の有無を強く感じることが出来ます。

フェスやイベントでは、ワンマンと違い、持ち時間は短め。また、観客も、必ずしもそのミュージシャンを目当てに来ているわけではありません。そんな「他流試合」の中にこそ、ある種ミュージシャンのライブでの実力が発揮されるのではないでしょうか。

で、今回のUNDERWORLDのライブ盤。日本のみでの企画盤なのですが、昨年7月、ロンドンのRound Houseで行われた「iTunes Festival」で行われたライブの模様を収録したライブアルバム。イベントライブでの一環でのステージで、そのため、わずか50分程度の長さのライブアルバムになっています。

ただ、それだけの短い時間でのステージ、それもファンでない観客も盛り上げるためのステージということで、UNDERWORLDの魅力がギュッと凝縮されたライブステージを見せてくれています。

とにかく曲の選曲がすごい。彼らのライブでのアンセムを、惜しげもなく披露しています。前半「ALWAYS LOVED A FILM」「SCRIBBLE」は、このライブの直後に発売されたアルバム「Barking」からの楽曲ですが、後半は「REZ/COWGIRL」に、さらにラストには「BORN SLIPPY NUXX」といった、ライブの定番曲を並べて、会場を盛り上げています。

わずか1時間程度で、UNDERWORLDの魅力をしっかりと観客に伝えているステージで、彼らのライブミュージシャンとしての実力も感じます。ただ、DVD付とはいえ、一般のライブアルバムに比べると、ボリューム感の物足りなさは否めないのですが・・・UNDERWORLDの魅力を、手早く伝えるには最適のアルバムだと思います。DVD、CDともに、聴いていて思わず踊りだしたくなるようなアルバムです。

評価:★★★★

UNDERWORLD 過去の作品
Oblivion with Bells
The Bells!The Bells!
Barking


ほかに聴いたアルバム

Sigh No More/Mumford&Sons

Sigh No More

グラミー賞にノミネートされ、話題となったイギリスの4人組バンド。発売後、1年以上経つのに、いまだにビルボードチャートではベスト10入りしているなど、驚異的な売上を見せています。基本的に、フォークロックという枠組みになるのでしょうか?アコースティックギターでちょっと懐かしい感じの暖かいメロディーを聴かせてくれます。一方で、アメリカンロックのような泥臭さも感じらるのも特徴かも。全体的に、どこか70年代的な香りが漂い、新人バンドとは思えない老成した感じがするのが、広い層に受けているのでしょうか?個人的には、ちょっとノスタルジックな要素が強すぎる気も・・・。

評価:★★★★

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2011年5月29日 (日)

ヘイト船長のルーツ

Title:ヘイト船長回顧録
Musician:鈴木慶一

ヘイト船長回顧録 ラヴ航海士抄

曽我部恵一プロデュースによる、ムーンライダーズ鈴木慶一の「ヘイト船長」ソロ3部作の完結編。本作は、ヘイト船長(=鈴木慶一)の作品が、ラヴ航海士(=曽我部恵一)によって地中から発掘され、復刻された、という設定。今回のアルバムは、タイトル通り、自らのルーツについて、回顧録的に探る作品になっているそうです。

そんな感じで、鈴木慶一のルートをたどる旅、のような作品になっているのですが、これがバラエティー豊かで、かつ、ユーモラスたっぷりでとてもおもしろい!前半は「Harbour-side」と名づけられ、世界各地の港を船でまわっているよう。

「小舟は、語るよ、珊瑚礁を」は南洋風のレトロポップ、「あたしの故郷は流木なの」はカントリーロック、「物語を書きすぎた男」はテクノポップ風のニューウェーヴということになるのでしょうか?

妙に印象に残ったのが「流木のうた」で、どこかシュールな雰囲気が漂う合唱曲。そのシュールなユーモラスさに、個人的にはどこか電気グルーヴ的なものを感じたんですが・・・(笑)。

後半「City-side」は、タイトル通り、洗練されたシティーポップ風の作品が多く、そのメロディーラインを楽しむことが出来る、良質なポップスが楽しめます。

最初から最後まで聴きどころたっぷり。音楽の幅は広いのですが、一方、どの曲にも共通するような洗練されたサウンドに、メロディーラインが、耳を惹きつけ、かつ、アルバム全体にもどこか統一性を感じられます。

ベテランとしての安定感を感じるのですが、一方で、決して古臭さみたいなものは感じず、かつ、あくまでもポップにまとめあげているこのアルバムは、ムーンライダーズを知らない方でもお勧めできる、良質なポップスアルバムでした。

前作「シーシック・セイラーズ登場!」もコンセプチュアルな舞台設定がとても楽しい作品だったのですが、こちらも同じく、コンセプチャルな内容を、最後まで楽しめた傑作でした。

評価:★★★★★

鈴木慶一 過去の作品
シーシック・セイラーズ登場!


ほかに聴いたアルバム

PASSENGER/NICO Touches the Walls

PASSENGER

えっと・・・・・・ミスチル??(^^;;

というのは、アルバム毎に言及しているのですが、今回も、聴いていて、どーしてもミスチルの影がチラホラ。メロディーはフックが効いていてインパクトがあるし、例えばシングル曲じゃなくても「マトリョーシカ」などは、十分シングルとしてヒットポテンシャルがある曲をアルバム曲としていれてこれるし、売れそうなバンドだと思うのですが、いまひとつ、大ブレイクしきれないのは、やはり聴いていて、ミスチルに似ている部分が気になってしまって、彼らだけの個性というのが、まだまだ薄いからなのかなぁ・・・。

評価:★★★★

NICO Touches the Walls 過去の作品
Who are you?
オーロラ

BEST MATERIALS/椿屋四重奏

BEST MATERIALS

昨年いっぱいで解散した3人組バンドのベスト盤。和風で哀愁たっぷりのメロディーが特徴的のバンドでした。NICO Touches the Wallsも、そこそこの人気を確保しながらも、ブレイクしきれない地位が続いていますが、彼らも似た感じ。オリコンでいうと、ベスト20入りは出来ても、なかなかベスト10には入れない感じ。

1曲1曲は魅力的でも、アルバムを通して聴くと、似たタイプの曲が多く、これといってずば抜けたインパクトを持った曲が少ない・・・という点が、いまひとつブレイクしきれなかった理由なのかなぁ。ただ、オリジナルとしては最終作「孤独のカンパネラを鳴らせ」が、彼らのアルバムの中では最高傑作だと思っていただけに、まだまだこれから、といった印象も持っていたのですが・・・残念です。

評価:★★★★

椿屋四重奏 過去の作品
TOKYO CITY RHAPSODY
CARNIVAL
孤独のカンパネラを鳴らせ

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2011年5月28日 (土)

「電車男」の主題歌・・・だけではありません!

Title:サンボマスター究極ベスト
Musician:サンボマスター

サンボマスター 究極ベスト

「世間に誤解されているミュージシャン」・・・音楽ファンと、そうでない人たちとのイメージのギャップが大きいミュージシャンっていますよね。このサイトでもよく取り上げるKANちゃんなんかがその代表格だと思うのですが。

おそらく、彼ら、サンボマスターも、そんな「世間に誤解されているミュージシャン」の一組。世間的には、おそらく「ドラマ『電車男』の主題歌を歌っていた一発屋」的なイメージが強いのでしょう。また、下手にメンバーのキャラが立ってしまっただけに、「ブサンボマスター」みたいな形でお笑い番組で取り上げられたりして、変なイメージがついてしまいました。(かなしい事に、オリコンのシングルチャートの順位的には、パロディーバンドの「ブサンボマスター」の方が上、という・・・・・・。)

ただ、実際の彼らは、「電車男」の主題歌「世界はそれを愛と呼ぶんだぜ」以前から、評価の高かった実力派ロックバンド。今回発売されたベスト盤は、そんな彼らの実力を、余すことなく感じることが出来ます。

彼らの最大の魅力は、同時期にデビューした他のロックバンドやパンクバンドとは大きく異なり、ソウルやファンクの影響を、楽曲から強く感じる点。「全ての夜と全ての朝にタンバリンを鳴らすのだ」「朝」などのようにソウルテイストが強いナンバーや、新曲「スーパーガール」のようなファンキーなナンバーなどが並びます。「夜が明けたら Naked」では、「ガッタガッタ」叫んでいますし(笑)。最近ではTHE BAWDIESやOKAMOTO'Sみたいに、ソウルの影響を感じる新人バンドが次々とデビューしてきましたが、彼らがデビューした頃は、ブラックミュージックからの影響を強く感じる新人バンドは少なく、そういう意味でも、大きな注目を集めていました。

さらに、今回のベスト盤では、ライブ音源も収録されているのですが「絶望と欲望と男の子と女の子」「あなたといきたい」など、緊張感あり迫力のあるバンドサウンドが耳をひきつけるライブ音源が収録されています。ライブバンドとしての実力も、垣間見えることが出来ます。

ただなぁ・・・ブレイクした後のシングル曲に関しては、こういうソウルやパンクの要素も感じられる一方、かなりポップで、「普通の」ロックバンドになっちゃったなぁ、って感じるシングルも少なくないんですよね・・・。ある意味、早い段階で売れちゃったから、変にポップス路線を走らされているという印象もぬぐえないんですよね。そういう意味で、売り方を間違えたバンド、ともいえるかもしれないのですが・・・。

とはいえ、このベスト盤を聴けば、彼らの実力が理解できるはず。2枚組フルボリュームでおなかいっぱいになりそうですが、入門盤としても最適な作品だと思います。サンボマスターをきちんと聴いたことない方は、是非。

評価:★★★★★

サンボマスター 過去の作品
音楽の子供はみな歌う
きみのためにつよくなりたい


ほかに聴いたアルバム

THE BEST OF DOPING PANDA/DOPING PANDA

THE BEST OF DOPING PANDA

基本的に打ち込み全開のディスコチューンがメインな一方、ギターサウンドを前面に押し出した、ハードロックテイストのロックチューンも。どちらも脳天直撃の、直感的な気持ちよさを感じるサウンドが多く、理屈抜きで楽しめる楽曲が多く収録されています。音源もいいけど、ライブも楽しそうだなぁ。

評価:★★★★★

DOPING PANDA 過去の作品
Dopamaniacs
decadance
anthem

月と専制君主/佐野元春

月と専制君主(CD+DVD)

佐野元春のセルフカバーアルバム。セルフカバーといっても、いわゆる彼の代表曲がメイン、といった感じではないのが彼らしいところ。しっかりとした安定感のあるカバーに、ベテランとしての余裕を感じられる一方、音は決して古臭くなく、現役感も同時に醸し出しています。

評価:★★★★

佐野元春 過去の作品
ベリー・ベスト・オブ・佐野元春 ソウルボーイへの伝言

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2011年5月27日 (金)

大ヒットなるか?

今週の着うたチャート

2011年5月18日~2011年5月24日付チャート

今週のチャートは、何かと話題のあの曲が1位!

マル・マル・モリ・モリ!

今週の1位は、薫と友樹、たまにムック。の「マル・マル・モリ・モリ!」が先週の2位からランクアップし、1位を獲得しました。フジテレビ系ドラマ「マルモのおきて」の主題歌を歌う、子役2人+犬(笑)のユニット。シングルも25日に発売され、デイリーチャートで3位まであがってきており、ベスト10入りは確実。着うたともども、ロングヒットの予感が。

2位はこちらも何かと話題のAKB48「Everyday、カチューシャ」がランクイン。こちらは、シングルチャートでは、既にミリオンを突破した模様。ただ、シングルチャートは、ファンによる複数買いの影響が大きく、正直、なんだかなぁ・・・という感じは否めません・・・。

3位は、先週1位の西野カナ「Esperanza」が2ランクダウン。「着うたの女王」の割りには、ちょっと不調気味か??

以下、初登場組は・・・7位にSuperfly「Rollin' Days」がランクイン。フジテレビ系ドラマ「BOSS 2ndシーズン」主題歌で、彼女のパワフルなボーカルが気持ちいいロックンロールなナンバー。配信限定シングルですが、6月15日発売予定のアルバム「Mind Travel」への収録が予定されています。

パワフルなボーカルがカッコいいといえば、負けていないのが、先週の24位からランクアップし、4位に入ってきた福原美穂「O2 featuring AI」。5月11日に発売された、ソウルをテーマとしたミニアルバム「The Soul Extreme」に収録されている曲で、タイトル通り、同じくR&BシンガーのAIとのコラボ。どちらもパワフルなボーカルをグイグイと押してくるような楽曲で、文句なくカッコいいナンバーになっています。

最後10位にはアニメ「マクロスF」で、作中の歌姫シェリル・ノームの歌を担当していることでも有名な、May'n「Scarlet Ballet」がランクイン。アップテンポで、ちょっとゴシック調のナンバーは、TBS系アニメ「緋弾のアリア」のオープニングテーマで、作曲は、浅倉大介が担当しています。シングルチャートでは惜しくも最高位11位だったのですが、着うたでは見事にベスト10入りとなりました。


今週のアルバムチャート
http://www.oricon.co.jp/rank/ja/

先週に引き続き、今週も韓国のグループが1位獲得です。

FIVE TREASURE ISLAND(通常盤)

1位は韓国のバンドFTisland「FIVE TREASURE ISLAND」が初の1位獲得となりました。雰囲気としては、90年代のアイドル色の強いビートロックバンドといった感じでしょうか。

2位には相変わらず強い安室奈美恵「Chakemate!」が今週も2位をキープ。3位には、柴咲コウ「CIRCLE CYCLE」が入ってきました。ただ、残念ながら初動売上1万7千枚は、オリジナルとしては前作「Love Paranoia」の4万1千枚を大きく下回る結果となってしまいました。

6位にはちょっと初耳のwowaka「アンハッピーリフレイン」がランクイン。動画サイト「ニコニコ動画」などで人気のミュージシャンで、こちらもVOCALOIDをつかった作品。デビュー作でのベスト10入りとなりました。

アルバムチャート最後は、10位にアメリカの人気女優でシンガーでもあるJennifer Lopez「Love?」がランクイン。初動売上8千枚は、前作「Brave」の1万9千枚を大きく下回ってしまいましたが、アメリカビルボードチャートでは、最高位5位を記録するなど、好調なセールスを記録しています。

今週の着うた&アルバムチャートは以上。チャートレビューはまた来週の水曜日に~。

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2011年5月26日 (木)

i Padでつくった旅行記

Title:THE FALL
Musician:GORILLAZ

ザ・フォール

私自身は持っていないので、詳しくは知らないのですが、iPhoneやiPadなどには、楽器のアプリも入っていて、自由に演奏できたり、音楽もつくれたりするそうですね。あんな、簡単に持ち運びできる薄い板みたいな道具で、一丁前に音楽をつくれるなんて・・・・・・感心しちゃいます・・・なんてのはオヤジっぽい表現だな、これは(^^;;

というわけで、前作からわずか1年のインターバルを経てリリースされたGORILLAZのニューアルバムは、GORILLAの、昨年10月から11月にかけて行われた全米ツアーの最中に、デーモン・アルバーンがiPadをつかった制作したアルバム。その後、12月には公式サイトで、ストリーミング形式ながらも無料配信されて、大きな話題を呼びました。

ツアーの最中にアルバムを1枚つくれてしまう手軽さに、それが、わずか1ヶ月のインターバルでファンの耳に届けるリアルタイムさが、今時を感じさせます。そして、その後、4月になり、CD盤がリリースされました。

ツアーの最中に、iPadだけでつくられたアルバム・・・といっても、「iPadでつくられた」ということが信じられないようなサウンドの充実さなのですが・・・なので、全体的には「地味」という印象はぬぐえません。あまり、インパクトの強い曲は収録されておらず、いつものGORILLAZを期待すると、ちょっと期待はずれになるかも。

とはいえ、それだけに、逆に変な肩の力が抜けた、リラックスした作風のアルバムになっています。なにより、デーモンが自由きままにつくったアルバムなだけに、楽曲のバリエーションは豊富。ウクレレのリズムが哀愁をさそう「REVOLVING DOORS」や、エレクトロな作風が、作品が誕生した街にふさわしい感じのする「DETROIT」、スペーシーなサウンドが壮大さを感じる「THE JOPLIN SPIDER」など多様。国内盤のライナー・ノーツでは、楽曲がどの街で作成したか書かれているだけに、それを読みながら、アメリカの街並みを想像するのも楽しいところ。

そんな中で、このアルバムのひとつの核となっているのが、ソウル界の大御所、ボビー・ウーマックがギターとボーカルで参加した「CALIFORNIA&THE SLIPPING OF THE SUN」でしょう。ブルージーなギターが哀愁たっぷりに音色を奏で、ソウルフルなボーカルが、力強く響く楽曲。全体的には小品が多い本作の中で、数少ない、今後のGORILLAZを代表する1曲になりそうな作品です。

まあ、そんな訳で、GORILLAZの代表作・・・にはなれなさそうな作品だけれども、ファンならチェックしておきたい佳作といった感じでしょうか。アルバムを聴きこんではまる、というよりも、リスナーの側も、ゆっくりとした気分で聴けそうな、そんな作品でした。

評価:★★★★

GORILLAZ 過去の作品
D-Sides
Plastic Beach


ほかに聴いたアルバム

SOILDER OF LOVE/SADE

Soldier of Love

デビューから26年で、アルバムがわずか6枚。超寡作で知られるイギリスのバンド、SADEの10年ぶりとなるアルバム。ちょっとジャジーな雰囲気の入った、アコースティックテイストのポップスは、どの曲も美しいメロをしんみりと聴かせてくれて、10年ぶりの作品としても、ファンとしては満足いく内容では?ある意味、新しい刺激、という面ではちょっと薄味ですが・・・。

評価:★★★★

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2011年5月25日 (水)

アイドル系がズラリ

今週のシングルチャート
http://www.oricon.co.jp/rank/js/w/

アイドル系がチャートを占めることが珍しくなくなって久しいシングルチャートですが、今週は1位から4位まで、アイドルソングがズラリと並んでいます。

そんな中、1位はジャニーズ系。KAT-TUN「WHITE」が初登場で1位獲得です。花王「ソフィーナ 大人の美白」CMソング。ただ、初動売上15万枚は、前作18万1千枚からさらにダウン。前々作は初動23万1千枚だったので、かなり厳しい結果になっています。

2位にランクインしたのがPerfume「レーザービーム」。「キリンチューハイ氷結」CMソングで、もちろん、中田ヤスタカによる作品。初動売上は9万3千枚で、前作「ねぇ」の8万5千枚からはアップしました。

3位DiVAは、また出てきたAKB48からの派生ユニットデビューシングル「月の裏側」。また、4位には、韓国の男性アイドルグループ2PMのデビューシングル「Take off」がそれぞれランクイン。なんか、次から次へと新しいユニットが出てくるんですが・・・売れる時に売っておこうという戦略はわかるものの、ちょっとさすがに・・・。

以下、初登場は・・・

5位に西野カナ「Esperanza」が初登場。先週の着うたチャートでも1位を獲得した、「着うたの女王」と呼ばれる女性シンガーの作品。本作は、いつもとはちょっと違うラテン風の作品に。初動売上2万8千枚は、前作「Distance」の3万5千枚からダウン。ちょっと下落傾向が続いているのが、気になるところです。

6位には、ビジュアル系バンドNIGHTMARE「VERMILLION」がランクイン。avex移籍後第1弾となるシングルで、初動売上1万9千枚は、前作からほぼ横バイ。こちらは完全にファンが固定されている感じですね。

9位には、ヘヴィーなサウンドが話題の4人組ロックバンド9mm Parabellum Bullet「新しい光」がランクイン。初動売上1万3千枚は、前作「命ノゼンマイ」の1万6千枚からはダウン。もっとも、6月には、このシングルも収録されているニューアルバム「Movement」の発売も控えているだけに、初動ダウンはその影響でしょう。

最後。10位には布袋寅泰「PROMISE」がランクイン。「日本を元気にする」をテーマとした楽曲だそうで、ロック色は薄めのポップな作風になっています。布袋寅泰名義のシングルでのベスト10入りは2002年の「DESTINY ROSE」以来。初動売上1万2千枚も、前作「STILL ALIVE」も6千枚より大幅アップし、久しぶりのヒットとなりました。7月30日に、吉川晃司とのユニットCOMPLEXの1日復活ライブが行われることでも話題になりましたが、その影響もあるのかな?

今週のシングルチャートは以上。アルバム&着うたチャートは金曜日に~。

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2011年5月24日 (火)

SOPHIAの歴史

昨年、デビュー15周年を果たしたロックバンドSOPHIA。その彼らが、そのキャリアで発売したシングルをすべてまとめた、オールタイムのシングルコレクションが発売されました。初回限定版で「ALL 1995~2010」として、豪華5枚組のボックスセットが発売されましたが、その後、いわゆるA面の曲のみあつめた「ALL SINGLS 『A』」と、カップリングのみあつめた「ALL B-SIDES『B』」として、通常販売されています。

Title:ALL SINGLES 「A」
Musician:SOPHIA

ALL SINGLES「A」

こちらはデビューシングル「ヒマワリ」から、最新シングル「Baby Smile」まで3枚組のCDに網羅。残念ながら、配信とライブ会場限定で発売された「BANDAGE」は収録されていません。

Title:ALL-B SIDE 「B」
Musician:SOPHIA

ALL B-SIDE「B」

で、こちらはカップリング集。デビューシングルのカップリング「Dancing in the moonlight」から、「星」のカップリング「男の子」までが2枚組のCDに収録されています。

シングル曲を網羅的に入手できるのは、やはりファンにとってはうれしい話。特にカップリング曲に関しては、アルバム未収録で入手困難な曲もあるだけに、ファンにとってはありがたい作品でしょう。ただ、ヴァージョン違いやライブ音源などは収録されていません。むしろコアなファンにとってほしかったのは、そちらでは?その点は、ちょっと残念です。

SOPHIAといえば、デビューした時期はちょうどヴィジュアル系バンドブームが全盛期の頃。今のブームのように、一部のファンで盛り上がっているというよりも、10代20代全体の支持を得たバンドが数多く活躍していました。SOPHIAも、そんなヴィジュアル系のカテゴリーでデビューしてきたバンドでした。

そんな中で、彼らが他のバンドと違っていたのは、ハードロックやヘヴィーメタルからの影響が皆無という点。他のヴィジュアル系バンドは、ハードロックやヘヴィーメタルからの影響の強いバンドが多いのですが(それは、今も、ですが)、彼らは数少ない、オルタナ系ギターロックバンドから強い影響を受けたバンドでした。

そういうこともあって、個人的には、メロディーもポップで聴きやすく、また、軽快なギターロックが心地よいため、比較的、デビュー当初よりアルバム毎にチェックしていたバンドでした。

で、今回あらためてシングルを通して聴くと、やはり「ゴキゲン鳥~crawler is crazy~」あたりから「ROCK STAR」あたりの勢いは突き抜けていたなぁ、ということを感じます。特に、彼らの代表曲の1曲である「黒いブーツ~oh my friend~」は歌詞、メロともに本当に名曲!悲しい内容の歌詞と相反するような明るい雰囲気のアレンジとメロディーラインのバランスが秀逸で、何度聴いても、おもわず涙が出てきそうに・・・。

また、「HARD WORKER」も間違いなく聴きどころ。この曲、なんとプロデューサーは、あの岡村靖幸!岡村ちゃんプロデュースのもと、最高にファンキーでロックな作品に仕上がっており、SOPHIAを普段スルーしているような方でも聴く価値あり!です。他にもシングルでは「ミサイル」のようなファンキーな曲もあるのですが、「ALL B-SIDE 『B』」を聴くと、デビュー曲のカップリング「Dancing in the moonlight」からファンキーなナンバーに仕上がっており、もともと、こちらの方面からの影響も強く受けたバンドだったんだなぁ、とわかります。

正直、ここ最近のシングルに関しては、全盛期は過ぎてしまったかなぁ、という印象は否めず、インパクトが薄い感じがするのですが、それでも佳作が揃っている感じで、ところどころ、メロディーセンスの良さは感じます。

「ALL B-SIDE『B』」の方は、「コーヒーの二つの役割~two parts of coffee」のような、ちょっとこジャレた、カフェミュージックを意識したような曲があったり、エディット・ピアフの「愛の讃歌」をカバーしていたり、「GJ escAPE」ではガレージ風にまとめたりと、それなりに新しいことに挑戦はしているのですが、全体的にはシングルの延長のような形になってしまっているのはちょっと残念な印象も受けました。

あ、あとやはり、これだけ聴きなれても、ボーカル松岡充の声量のなさと音域の狭さはちょっと厳しいなぁ・・・。全盛期の曲は、それを感じさせない勢いはあったのですが、これだけ長く聴くと、ちょっとその点が、ひっかかってしまいました。まあ、こればかりは、逆に「味」になっている曲もあり、彼らの個性でもあるので、いかんともいがたい点ではあるのですが・・・。

CDが全5枚になるので、ちょっと入門盤として向かない、ファンズアイテム的要素の強い作品。ただ、SOPHIAというバンドに興味がある方は、彼らの歴史を知る上では、うってつけの作品だと思います。

評価:
ALL SINGLES 「A」 ★★★★
ALL B-SIDE 「B」 ★★★★

SOPHIA 過去の作品
2007
BAND AGE
15


ほかに聴いたアルバム

FAKEBOOKII/大橋トリオ

FAKE BOOK II

トリオとついても大橋好規のソロプロジェクト、大橋トリオによるカバーアルバム第2弾。洋楽のポップチューンを、いずれもジャジーに、しっとりとしたカバーに仕上げています。エアロスミスやスティーヴィー・ワンダー、アリシア・キーズなどの曲をカバー。ベタすぎず、でもマニアックでもない絶妙な選曲センスもなかなか。部屋のBGMにでも、しっかりと聴きこむ場合にも十分耐えられる、最適な名カバー集でした。

評価:★★★★★

大橋トリオ 過去の作品
A BIRD
I Got Rhythm?
NEWOLD

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2011年5月23日 (月)

女性の声を効果的に用いる

Title:The Only She Chapters
Musician:Prefuse 73

The Only She Chapters [解説付・ボーナストラック収録 / 国内盤] (BRC291)

アメリカのミュージシャン、ギレルモ・スコット・ヘレンのソロプロジェクト、PREFUSE73のニューアルバム。様々な名義でのリリースが相次いでおり、多作で知られる彼ですが、さすがに追いきれない・・・・・・(^^;;ので、一番有名なプロジェクトであるPREFUSE73の新作を、聴いてみました。

今回のアルバムは、「女性」をテーマとした作品、だとか。重なりあう音の世界が、どこか荘厳、というか、幻想的な世界を作り出しています。ただ、無機質な感じのするエレクトロニカな音の中で、女性のボーカルが入ることによる強烈な人間味が不思議なバランスを感じます。冷たさを感じる音の中と、母性的というか、暖かさを感じるボーカルとの対比が、アルバムに奇妙なバランスをもたらしている印象。その不思議な世界観に、ついつい聴き入ってしまいます。

女性の神秘性というか、暖かさというかを前面に出している印象が。そういう意味では、男性的な切り口といった感じで、「『女性』をテーマ」と言われて想像できそうな内容だったかも。もっとも、そういうある種のイメージに沿った作風だからこそ、決して難解にならず、ポップにまとまっている作品になったようにも感じました。

今回の作品は、HIP HOP色はほとんどなく、そういう意味では、Prefuse73に対する期待とは、ちょっと違う作風だったかもしれません。ただ、幻想的な森の中を散歩するような今回のアルバムは、とても魅力的で、ついつい聴き入ってしまいます。多作の中、これだけの作品をコンスタントにリリースしてくるというのはさすが・・・。Prefuse73名義での前作「Everything She Touched Turned Ampexian」はどうもピンと来なかったのですが、今回は十分楽しめた作品でした。

評価:★★★★

Prefuse73 過去の作品
Everything She Touched Turned Ampexian


ほかに聴いたアルバム

HAVE ONE ON ME/Joanna Newsom

Have One on Me

ハープ奏者でシンガーソングライターのアメリカの女性シンガー。3枚組というフルボリュームながらも、1枚あたりの時間は40分程度なので、ボリュームの割りには意外とあっさりと聴くことが出来ます。美しいハープの音色にピッタリマッチする、彼女のボーカルの実に美しいこと。メロディーも、静かな曲がメインながらも、実に魅力的なメロディーを聴かせてくれます。フルボリュームを気にせず楽しめるのは、このメロディーの魅力があるからでしょう。彼女のボーカルとメロディーに、終始聞き惚れた作品でした。

評価:★★★★★

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2011年5月22日 (日)

いろいろな意味で懐かしさを感じます。

Title:Today Is A Beautiful Day
Musician:supercell

Today Is A Beautiful Day

90年代、J-POPがもっとも勢いのあった時代。もっとも、90年代のJ-POPって、例えばビーイング系にしろ小室系にしろ、リアルタイムでは、決して高評価を得ていた訳ではありません。ただ、メロディーと歌詞主体の素直な作風だからでしょうか、あるいは、その時代に青春時代を過ごしていた団塊の世代ジュニア層が、いまなお、CDの購買者層として、一種のボリュームゾーンになっているからでしょうか。90年代のJ-POPをストレートに引き継いだミュージシャンは少なくありません。

supercellに関しても、そんな90年代J-POPからの影響を感じます。シンプルなメロディーと歌詞、そしてビートロックというのか、オルタナ系とハードロックの中間を行くようなバンドサウンドも、変なひねりがなく、ストレートに耳に入ってきます。ある意味、ちょっと懐かしさすら感じてしまいます。

彼の2枚目となる今回の作品。前作は、初音ミクをボーカルに起用してきましたが、今回のアルバムは、全編、人間の(笑)ボーカルによる作品。ちょっとアニメ声っぽいのは好き嫌いがわかれる部分はあるのでしょうが、必要以上に嫌味のないクリアなボーカルは、曲にもピッタリとマッチしています。

曲に関しては、どうのこうの言う前に、素直にいい曲だなぁ、と感じる、ストレートなポップソングがメイン。90年代J-POP云々言うとおり、新鮮味が感じられないのは否めないのですが、リスナーの壺をついたようなせつないメロディーラインを聴かせてくれたりして。耳に残るフックがしっかりと効いた作品が並びます。

歌詞に関しては、懐かしい学生時代の風景を思い出させるような、どこかノスタルジックな作品が多い・・・・・・のですが、こちらに関しては、似たタイプの曲が多く、ちょっとワンパターンな感も。個人的に、彼の書く歌詞の世界は好みなのですが、「あれ?さっきも似た感じの曲なかったっけ?」とアルバムを聴いていて思ってしまいました(^^;;

もうひとつ気になった点。前作でも感じたのですが、音数がちょっと多いかも・・・。これも90年代のJ-POP風といえばそうなのですが、アレンジに関しては、ちょっと仰々しさも感じてしまいました。この点もちょっと残念。

ただ、「初音ミク」という枠組みをはずせば、「よくあるポップソング」という枠組みを出ないように感じた前作に比べると、楽曲のバリエーションも増え、メロディーもグッとよくなり、「初音ミク」やら「同人音楽」やらといった枠組みで、ネット社会の支持を頼らなくても十分勝負できそうなアルバムだったと思います。次回作以降も楽しみです。

評価:★★★★

supercell 過去の作品
supercell


ほかに聴いたアルバム

VISIONAIR/VERBAL

VISIONAIR

m-floのVERBALによる、初のソロアルバム。安室奈美恵にLil Wayne、さらにはNicki Minajiと、妙に豪華なゲスト陣が参加。ただ、楽曲はエレクトロのインストモノがメインで、歌モノはほとんどなし。1曲1曲は決して悪くはないのですが、正直、あまり印象に残らず。☆Taku Takahashiも、この間リリースしていたアルバムはエレクトロ路線だったし、結局同じ方向に興味があるのなら、またm-floとして活動すればいいのに・・・と思ってしまったのですが・・・。

評価:★★★

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2011年5月21日 (土)

ロックンロールリバイバルの行方?

Title:ANGLES
Musician:THE STROKES

Angles

2000年代はじめ、「ロックンロール・リバイバル」というのが、一種のブームとなりました。RADIOHEADやCOLDPLAYのような、内省的なバンドが人気を集める中、ロックンロールが本来持っている初期衝動を前面に押し出したようなバンドが人気を集めました。

それから10年近く。「ロックンロール・リバイバル」の枠組みで出てきたバンドは、今でも評価は高く、そういう意味で、決してハイプではありませんでした。ただ、今から振り返ると、例えば70年代のパンクや、90年代のグランジのような、大きな流れにはならなかったなぁ、という印象を受けます。代表的なバンド、The White Stripesは先日、残念ながら解散を発表してしまいましたし、THE LIBERTINESも、復活というニュースはあるものの、まだ、新作は出てきていません。むしろ、RADIOHEADやCOLDPLAYの方が、いまだに高い人気でその活動を続けているほど。

そんな「ロックンロール・リバイバル」の代表的なバンド、THE STROKESも、2006年にアルバムをリリースしたきり、沈黙に入ってしまいます。・・・・・・そして、5年の時間を経て、待望のニューアルバムがリリース。どう考えても「いけてない」ジャケットに、一抹の不安を覚えながらも、久しぶりの新譜を聴いてみました。

で、そんな待望のニューアルバムなのですが、そんな一抹の不安は、残念ながら的中してしまいました。

序盤「UNDER COVER OF DARKNESS」こそ、軽快でシンプルなギターサウンドが心地よい、彼ららしさを感じるナンバーになっていましたが、以前のような初期衝動は感じられません。むしろ「MACHU PICCHU」「TWO KINDS OF HAPPINESS」などは、80年代のニューウェーヴ風の作品に、「悪くはないけど・・・」と感じてしまいました。

さらに「YOU'RE SO RIGHT」「TAKEN FOR A FOOL」などは、ダークな作風が、RADIOHEADの雰囲気すら感じられるようなナンバーになっていましたし、「METABOLISM」などは分厚いシンセなど入って、ゴス風な雰囲気すら?

彼らが世に出てきた「ロックンロール・リバイバル」という流れからすると、かなり「?」がついてしまう内容になっていました。もちろん、彼らもいつまでも初期衝動は維持できませんし、あらたな作風に挑戦した作品、と言えるかもしれません。ただ、そう考えても、出来はいまひとつ。5年ぶりの新作としては、かなり物足りなさが残る作品になってしまいました。

あらたなTHE STROKESへの第一歩となる・・・のかなぁ??次回作以降の動向に注目したいところですが・・・。このアルバムだけに関しては、ちょっと残念な内容に。熱烈なファン以外には、あまりお勧めできない内容かも。

評価:★★★


ほかに聴いたアルバム

RAYMOND V RAYMOND/USHER

Raymond V Raymond

全体的に、メロウで聴かせる楽曲が多かったアルバム。美しいメロディーラインを聴かせるナンバーが多く、メロウなソウルチューンが好きなら、たまらない作品かも。「Foolin' Around」のようなソウルフルなナンバーだったり、「So Many Girls」みたいなエレクトロチューンだったり、様々な作風の曲も楽しめます。

評価:★★★★

Usher 過去の作品
Here I Stand

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2011年5月20日 (金)

女王、お決まりの1位

今週の着うたチャート

2011年5月11日~2011年5月17日付チャート

今週のチャートは、また、着うたの女王が、当然の1位獲得となりました。

Esperanza

今週の1位は、西野カナ「Esperanza」。タイトルとジャケ写通り、これからの夏のシーズンに向けての、ラテン風の楽曲になっています。5月18日発売予定のシングルからの先行配信となります。

2位は薫と友樹、たまにムック。「マル・マル・モリ・モリ!」。フジテレビ系ドラマ「マルモのおきて」の主題歌を歌うユニットで、子役の芦田愛菜と鈴木福の劇中の役名での名義、さらにムック。は、あの赤い生き物・・・・・・ではなく、劇中に出てくる犬の名前だそうです。軽快な曲の雰囲気や、歌手の年齢から、小学生や幼稚園児向けの楽曲で、5月25日に発売が予定されていますが、かつての「ダンゴ3兄弟」みたいなヒットを記録するか?ちょっと狙いがわかりやすすぎる気もするのですが・・・。

3位は、今週のシングルチャートでも4位に入ってきた男性5人組バンドUVERworld「CORE PRIDE」がランクイン。着うたでも上位に入ってきました。

以下、初登場は・・・

6位に、AKB48の板野友美によるソロ作「Wanna be now」がランクイン。エレクトロなアレンジで、ちょっと大人な雰囲気が、安室奈美恵っぽいかも??配信限定のシングルになります。

8位には、Lady Gaga「Judas」がランクイン。5月23日に発売が予定されているニューアルバム「Born This Way」からの先行シングルで、ダウンロードオンリーでのリリース。アルバム発売を控えてのシングルだけに、伸び足はいまいちですが、堂々のベスト10入り。アルバムは、日本でも大ヒットが期待されます。

他にベスト10以下からのランクアップ組では、ナオト・インティライミ「今のキミを忘れない」が46位から一気にランクアップして4位にランクイン。3月1日付チャートで5位にランクインして以来のベスト10復帰となりました。アルバム発売の影響でしょうか。また、今週のシングルチャートでも7位にランクインしたEXILEの弟分ユニット三代目J Soul Brothers「LOVE SONG」が、ランクイン2週目にして11位から、7位にランクアップ。ベスト10入りを果たしています。


今週のアルバムチャート
http://www.oricon.co.jp/rank/ja/

今週は、韓国のアイドルグループが初の1位獲得です。

BIGBANG2 (初回限定盤A)(G-DRAGON携帯ストラップ付)(DVD付)

BIG BANGの日本では3枚目となるニューアルバム「BIG BANG 2」が1位獲得。初動売上は6万5千枚で、前作「BIG BANG」の初動2万7千枚を上回り、初の1位獲得となりました。

2位は安室奈美恵「Chakemate!」。2週連続1位の次は、2位と好セールスをキープ。今週も4万4千枚を売り上げ、堂々の2位ランクインです。

3位には、ちょっと意外・・・ナオト・インティライミの2ndアルバム「ADVENTURE」がランクインです。デビュー前に、世界一周の旅に出かけ、各地でパフォーマンスを行ったというエピソードも話題となった男性シンガーソングライター。正直、着うたではそこそこ売れていたものの、レコード会社のプッシュの割りにはシングルはいまひとつだっただけに、アルバムのいきなりのヒットはちょっと意外でした。初動2万枚は前作「Shall We Travel?」の初動1万枚から大きくアップ。初のベスト3獲得です。

以下、初登場は・・・

7位にピコ「1PIKO」がランクイン。ニコニコ動画で話題となった男性シンガー。女性的な高音ボイスが特徴的なシンガーらしく、これがメジャーデビューアルバムで、見事ベスト10入りを果たしました。

8位は、台湾と日本のハーフの女性シンガーJAMOSA「SKY」がランクインです。JAY'EDと、湘南乃風の若旦那を迎えたシングル「何かひとつ」が初のベスト10ヒットとなりましたが、アルバムも、初のベスト10入り。初動売上は8千枚。発売週に恵まれた影響もありますが、前作「LUV~collabo BEST~」が初動4千枚で19位だったので、初動売上は大幅アップです。

今週の着うた&アルバムチャートは以上。ではチャート評は来週の水曜日に~。

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2011年5月19日 (木)

まりんによるリマスターは魅力だけども・・・。

Title:ゴールデンヒッツ~Due To Contract
Musician:電気グルーヴ

電気グルーヴのゴールデンヒッツ~Due To Contract

「契約のため」という、人を食ったようなタイトルが実に彼ららしい、電気グルーヴのベスト盤。リリース枚数の契約のために、嫌々ベスト盤とか、企画盤とかをリリースするのは、リスナーの側でもよく聞く話。ただ、ともすればおざなりになりがちなこの手のベスト盤ですが、なんと、砂原良徳によるリマスタリングが行われている、という、ファンにはちょっとうれしい内容になっています。

とはいえ、全体的に聴きやすくなったリマスター以外には、特に新鮮味のないベスト盤。選曲的にも、比較的最新の曲が多く、かつ、どちらかというと真面目系のナンバーの多い選曲。アルバム全体としての統一感はあるものの、個人的には、もうちょっとユニークな楽曲も収録してほしかったかも・・・。電気初心者にも、どちらかというと、2004年にリリースしたベスト盤「SINGLES and STRIKES」の方がお勧めかも。

「契約のために」ファンに対してもレコード会社に対しても、とりあえずの義務は果たしたようなベスト盤。ファンなら買って損はないと思うけど・・・という感じでしょうか?

評価:★★★★

むしろお勧めしたいのは、同時発売されたPV集の方。

電気グルーヴのゴールデンクリップス~Stocktaking [DVD]

PV集の「ゴールデンクリップス~Stocking」。もともと、映像作品にも力を入れていた彼らなだけに、全曲、どこかに見所があるというPVの連続。2時間弱というボリュームながらも、飽きることなく、一気に見れてしまいます。

ある種の資料的価値があるのが前半で、初期の若い電気グルーヴのメンバーが、とても新鮮(笑)。特にピエール瀧なんて、かなり雰囲気が違っていて、最初、わかりませんでした(笑)。

「BECAUSE」のPVを見ると、初期の彼らは、HIP HOPユニットとして売り出されていたんだなぁ、ということを実感できますし、また、ボディコンの姉ちゃんが、時代を感じる初期のPVは、バブルの香りを感じて、PVの出来よりも、資料的な価値を感じます。

その後も見所は多いのですが、特に後半は、どの曲もクオリティーの高い作品ばかり!アニメのパロディーをちりばめた「Cafe de 鬼(顔と科学)」は、アニメ好きでなくても必見ですし、80年代のアイドルのパロディーをちりばめた「少年ヤング」も非常にユニーク。ちょっとシュールな笑いは、好き嫌いある部分もあるかもしれませんが、電気グルーヴの音楽が好きでなくても(笑)楽しめる内容だと思います。

同じ3,000円くらいを出費するのなら、断然PV集がお勧め!ファンでなくても必見の価値あり、です。

電気グルーヴ 過去の作品
J-POP
YELLOW
20

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2011年5月18日 (水)

GW明けの新譜ラッシュ

今週のシングルチャート
http://www.oricon.co.jp/rank/js/w/

今週は、GW明けの驚異の新譜ラッシュ。10曲中9曲が初登場という結果になっています。

まず1位を獲得したのが、関ジャニ∞「マイホーム」。3ヶ月連続リリースシングルの第2弾で、タイトルの通り、暖かい雰囲気の新曲。テレビ朝日系ドラマ「犬を飼うということ」主題歌で、初動売上は15万8千枚。こちらは、先月リリースした「T.W.L」の20万1千枚を下回る結果になってしまいました。

2位は、こちらはAKB48からの派生ユニット、フレンチキス「カッコ悪いI love you」がランクイン。デジロック風のアップテンポなナンバー。初動売上は11万2千枚で、前作「If」の6万7千枚からアップです。

3位はBUMP OF CHICKEN「Smile」が入ってきました。ソフトバンクの「復興支援ポータルサイト」のCM曲。このCMに、漫画家井上雄彦のイラストレーションが抜擢された際、井上雄彦本人により、音楽をBUMP OF CHIKENに担当してほしいという依頼があったとか。PVも井上雄彦が監督しており、話題となっています。9月30日までの限定発売で、売上収益は全額、東日本大震災の被災者への寄付にあてられるとか。初動売上は8万6千枚で、前作「友達の唄」より若干アップ。ただ、話題性や期間限定発売というレア度に比べると、思ったほど売上は伸びなかったような・・・。

4位はaiko「恋のスーパーボール」。一昔前の歌謡曲みたいなタイトルですが、軽快なポップチューン。カルピスのCMソングに起用されています。初動売上は7万2千枚で、前作「向かいあわせ」の5万2千枚よりアップ。両A面扱いの2曲目「ホーム」は、映画「阪急電車 片道15分の奇跡」の主題歌で、関西限定仕様として、「ホーム」を1曲目に持ってきた別バージョンがリリースされているのですが、その影響・・・・・・というタイプじゃないよな、多分(^^;;

5位初登場は男性5人組バンドUVERworld「CORE PRIDE」。TBS系アニメ「青の祓魔師」オープニングテーマに起用されています。前作「MONDO PIECE」からわずか5ヶ月強のスパンでの新作。初動売上6万1千枚は、前作の4万5千枚からアップ。前作がノンタイアップだったので、タイアップの影響でしょうか。

6位には、椎名林檎率いる5人組ロックバンド東京事変「空が鳴っている」が入ってきました。前作「能動的三分間」から約1年半ぶりのシングルで、グリコ「ウォーターリング キスミント」CMソング。もともと2月に発売が予定されていたのですが、直前にメンバーの刄田綴色が公務執行妨害で逮捕されたため、販売が延期されていました。初動売上4万1千枚は、前作の4万5千枚から若干ダウンしてしまいましたが、不祥事に、6月にニューアルバムのリリースが予定されている先行シングルという影響を考えると、健闘といったところでしょうか。

7位には、EXILEの弟分的ユニット、三代目J Soul Brothers「LOVE SONG」がランクイン。初動売上3万8千枚は、前作の4万1千枚から若干ダウン。ただこちらも、6月発売予定のアルバムからの先行シングルなので、この数字は、十分健闘といった感じでしょうか。

9位初登場は、吉川友「きっかけはYOU!」。もともと、Milky Wayとしてデビューした経験のある、ハロプロ系女性アイドルのデビューシングルです。

最後10位には女性声優4人によるユニットスフィア「Hazy」がランクイン。アニメ「花咲くいろは」エンディングテーマで、初動売上1万3千枚は、前作「MOON SIGNAL」から横バイという結果になっています。

今週のシングルチャートは以上。着うた&アルバムチャートは金曜日に~。

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2011年5月17日 (火)

さらに新たな音への挑戦

Title:THE KING OF LIMBS
Musician:RADIOHEAD

The King of Limbs

前作「In Rainbows」をリリースした時、そのリリース形態が大きな話題になりました。ダウンロードでは、価格をファンに決定させ、ファンは、好きな金額を支払うと、楽曲をフルダウンロードできる、という形態。音楽シーンで大きな話題を呼びました。

残念ながら、このリリース形態に続くミュージシャンは、その後あらわれなかったものの、今回の新作も、新作の発売を発表した後、わずか4日後に先行配信の形でリリース。また、公式Twitterで、「渋谷 ハチ公前 金曜 18時59分」というつぶやきが日本語で書かれ、その時間に、渋谷ハチ公前にファンが集まるなど、大騒ぎになりました。(当日は、渋谷交差点の大型ヴィジョンにPVを映す予定だったそうですが、人が集まりすぎたために中止になったそうです)

リリース形態でも大きな話題を呼んだ、突然リリースされた3年半ぶりのニューアルバム。毎回、新たな作風を私たちの前に提示してくれる彼ら。今回は、どんな音の世界を私たちに聴かせてくれるのか、大きな注目を集めました。

今回のアルバムで彼らが大々的に取り入れたのが、最近のイギリスのクラブシーンで人気となっている、ダブ・ステップというリズム・・・といっても、偉そうに語れるほど詳しくは知らないのですが(^^;;wikipediaによると「非常に太いベース音と、リバーブのかかったドラムパターン、細切れにされたサンプル音、時折挿入されるボーカルなどを特徴とする」リズムパターンだそうで、その説明の通り、ドラムが、特徴的で、印象に残るリズムを聴かせてくれます。

ただ、リズムパターンなどで、最新のサウンドを取り入れている一方で、アルバム全体の印象として、斬新さを感じたか、と言われると、そこまで強くは感じませんでした。まあ、毎回、新しいタイプの曲を聴かせてくれる彼らだけに、ちょっとやそっと、新しい音を取り込んだくらいでは、驚かなくなった、という面もあるのでしょうが。

また、メロディーに関しては、あくまでもポップ。ちょっと寂しげな、聴かせるメロディーが魅力的な作品が並んでいます。特に後半、「LOTUS FLOWER」や、ピアノが印象的な「CODEX」、アコースティックベースでゆっくりと曲を聴かせる「GIVE UP THE GHOST」など、メロディー主体の曲が並んでいますし、最後の「SEPARATOR」も、リズムパターンとベースラインが印象に残りますが、あくまでもポップなメロディーが耳に残るナンバーに仕上げています。

個人的には、パッと聴いた雰囲気だと「OK COMPUTER」に近いものを感じました。「LITTLE BY LITTLE」など、リズムパターンは新しいかもしれませんが、全体的な雰囲気的な点では、「OK COMPUTER」に並んでいても、不思議ではない感じはしますし。

そういう意味で、「衝撃的」という意味では薄味だった作品ですが、聴けば聴くほど、新たな魅力を感じ、随所におもしろさを感じさせるのはさすがといった感じ。わずか40分弱という短さも、まだ、彼らがこの方向性を模索中で、リリースできるレベルになった作品が少なかったということ、かもしれません。

次の傑作への場つなぎ的な、一歩・・・・・・なのかなぁ?とりあえず、まだまだこれからの可能性を感じさせる作品だと思いました。

評価:★★★★★

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2011年5月16日 (月)

かわいらしさが魅力!

Title:YOU MORE
Musician:チャットモンチー

【特典QRコードステッカー無し】YOU MORE

男の子と女の子がキスしているジャケット写真もとてもかわいらしい新作。チャットモンチーの良さのひとつって、ギャルバンだから「女だと思ってなめるな!」的な姿勢ではなく、女の子のかわいらしさを素直に出している点だと思います。

今回のアルバムでも、「バースデーケーキの上を歩いて帰った」では、家までの帰り道を、バースデーケーキに例える表現は、とても女の子らしさを感じます。ただ、そんな中で、単純なファンタジーの世界に終わるのではなく、現実感を読み込んでくるのも彼女たちの魅力ですが。

他にも、例えば「謹賀新年」のように、恋人と過ごすお正月を、暖かい視点で描いたり、はじめての彼とのデートの素直の心境を描いた「Boyfriend」のように、等身大の女の子の姿を素直に描いているのが、どこかかわいらしくてとても魅力的。そして、そんな素直な表現は、「女の子」からもっとも遠い位置にいる(笑)私にとっても、魅力的に感じます。

今回のアルバムに関しては、そんなチャットモンチーの魅力を歌詞にちりばめつつ、ポップなギターロック路線は健在。安心して聴けるアルバムになっていたと思います。

ただ、この「安心して聴ける」というのは表裏一体の言い方で・・・ある意味「無難」。もっと言ってしまえば、これまでのアルバムの中では、印象の薄いアルバムだったかなぁ~という感じがします。

ちょっとレゲエ風のリズムを入れてきた「涙の行方」や、サイケ風なギターを聴かせる「Last Kiss」みたいに、それなりに幅を広げた表現を目指してはいるみたいですが、全体的には、ちょっとマンネリ気味では?以前のアルバムに比べると、「これ」といったキラーチューンが少なかったような気がします。

それなりに満足の出来る作品だった一方、ファンでない方に最初の1枚としてお勧めするにはちょっと辛いアルバムだったかも。ちょっとパワーダウンが気にかかるところ。オリジナルフルアルバムとしては前作「告白」は、新たな一歩を模索した作品と感じたのですが、次の一歩をまだ見つけられていない感じがします。次回作以降に期待したいのですが。

評価:★★★★

チャットモンチー 過去の作品
生命力
告白
表情
Awa Come


ほかに聴いたアルバム

killing Boy/killing Boy

killing Boy

ART-SCHOOLのフロントマンとして活躍している木下理樹と、以前はART-SCHOOLに在籍し、現在は、ストレイテナーなどのバンドで活躍しているベーシスト日向秀和によるユニット。全体的にベースが前に出た音づくりが目立ち、また、リズムに一工夫あるサウンドが魅力的。1曲目「Frozen Music」は、リズミカルなサウンドがカッコいい名曲。後半は、ちょっといつものART-SCHOOLっぽくなっちゃっているのが、残念な点ですが・・・。

評価:★★★★★

HEROES/東京スカパラダイスオーケストラ

HEROES

映画「ONE PIECE 3D 麦わらチェイス」の主題歌と、同じく少年ジャンプ連載漫画のアニメ映画「トリコ3D 開幕!グルメアドベンチャー!!」の主題歌を収録した、企画盤的ミニアルバム。曲の合間に、アニメキャラクターの声などが挟まっていたりして、ちょっとスカパラファンには邪魔に感じるかも。楽曲自体は悪くはないのですが、いかにもアニメ映画からの企画的アイテムといった感じで、熱烈なファン以外は次のアルバムを待ってもいいかと。

評価:★★★

東京スカパラダイスオーケストラ 過去の作品
Perfect Future
PARADISE BLUE
WILD SKA SYMPHONY
Goldfingers

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2011年5月15日 (日)

むしろ「スペシャルCD」が本編?

THE BAWDIES:THIS IS MY SOUL (P‐Vine BOOKs) Book THE BAWDIES:THIS IS MY SOUL (P‐Vine BOOKs)

著者:THE BAWDIES
販売元:ブルース・インターアクションズ
Amazon.co.jpで詳細を確認する

どんなミュージシャンでも、おそらく自身の音楽のルーツになったようなミュージシャンというのがあると思います。まあ、たまにルーツがまったくないように感じられるミュージシャンもいますが・・・。そんな中でも、THE BAWDIESほど、自身のルーツを表明しているミュージシャンも少ないかもしれません。で、そんな彼らの音楽的ルーツを紹介する本がリリースされちゃいました。タイトル通り、彼らのルーツとなるソウルミュージックを紹介した書籍。彼らが選曲したお勧めのソウルミュージックをあつめたスペシャルCDもついています。

ただ・・・肝心の本の方は、正直、かなり中途半端に感じました。本を開くと、いきなり彼らの写真が続いて、ソウルミュージックの紹介本という以上に、THE BAWDIESのファンズブックという要素が強い点にちょっととまどいも。そして、本編の方も・・・うーん、彼らの素直なソウルミュージックへの愛情は感じられるのですが・・・この本、対象となるのは誰??

THE BAWDIESのファンで、はじめてソウルミュージックに触れるような方にとっては、正直、ちょっと内容がディープすぎて不親切。この本を読んで、「で、誰のアルバムを聴けばいいの?」と、次の一歩に踏み出すためのガイドブックの役割を果たしていません。逆に、ディープなソウルリスナーにとっては、内容が軽くて物足りなさを感じるかも・・・。

ただ、そんな本の部分に感じた不満を一気に解消したのがスペシャルCDの方。こちらも、いわゆるレア・グルーヴと呼ばれそうな選曲で、有名な曲は入っていないのですが、どれも珠玉の名曲揃いでした。

特に、Vernon Garrettや、ここでも昨年リリースされたリイシュー音源を紹介したSpencer Wigginsのキュートなポップスが、実に素晴らしい!ポップな作風な曲が並ぶ前半とうってかわって、後半は、ソウルフルだったりファンキーだったり、より「黒い」作品が並び、こちらも実に魅力的。2,000円で発売されているこの本ですが、この値段は、このスペシャルCDのために支払ったと考えれば、十分お釣りがくるほどの内容でした。

そんな訳で、スペシャルCD目当てで、ソウルミュージックに興味がある方にはお勧めしたい作品。THE BAWDIESに興味がなくても、そのCDだけで、十分満足できる内容かと。

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2011年5月14日 (土)

話題の新人バンド2組

今回紹介するのは、最近話題の新人バンド2組です。

Title:We are the fuck'n World
Musician:The Mirraz

We Are The Fuck’n World

「新人」といっても、アルバムはもう5枚目なのですが・・・。以前のアルバムの雑誌の紹介で、判で押したように「Arctic Monkeysのパクリという声もあるけれど、だけれども・・・」みたいな書き方をしていたのがすごく嫌に感じました。つーか、最初からパクリ前提って、それなに?

ただ、今回のアルバムに関しては、Arctic Monkeysからは、「影響」という程度で、パクリという感じはしませんでした。ロックというよりも、ポップス色が強く、エッジの効いたバンドサウンドもなかなかカッコよかったのですが、サウンドよりもメロと歌詞重視という印象を受けました。

そのうち、特に印象的だったのが歌詞。「スタバ」やら「ガスト」やら、おなじみの飲食店が固有名詞で出てくる「We are the fuck'n World」や、ゲームの名前が固有名詞で出てくる「ソシタラ~人気名前ランキング2009、愛という名前は64位です~」など、インパクトあるフレーズを、メロディーにあわせて上手く組み込んできます。ここらへんは、バンドとして、かなりのプラス要素かも。

ただ、一方で、そんな歌詞も含めて、ちょっと理屈っぽいかなぁ?自虐的に自分をフランケンと例える歌詞のタイトルが「正式にはフランケンというのは博士の名前である」というのは、ちょっとトリビアテイストでユーモラスといえばユーモラスだけど、ちょっと理屈っぽい気も。それ以外も、いかにも狙ったような歌詞が、直感よりも計算高さみたいな部分を感じる部分もありました。

プラス面マイナス面含めて、いろいろな意味でひっかかりのあるバンドで、そういう意味では、今後、もっと注目度は高まりそうな感じが。このアルバムも、売上面でもそこそこの成績を記録しており、人気も高まりそう。次回作も、要注目といったところでしょうか。

評価:★★★★

で、もう1組は。

Title:door
Musician:androp

door/androp

基本的にライブ以外での露出はなし。情報も極端に限られて、表に出てくる情報は、楽曲とバンドのロゴのみ、ということで、逆に話題になっているギターロックバンドです。

ただ、それだけに、「どんな音を出すバンドなんだろう」と期待して聴いたのですが・・・うーん、音的には、普通のギターロックバンドといった感じ(^^;;むしろポップなメロディーラインと、はっきりとしたボーカルで、逆に人なつっこさを感じることすら。

テンポのよいリズムや、メロディーラインは魅力的で、その実力は感じられます。それだけに、謎のバンドを貫くというのは、最初は話題性があっていいかもしれませんが、長い目で見ると、固定ファンがつきにくく、不利な気がするけどなぁ。特に、際立って特別なタイプの音を出しているわけではない彼らの場合には・・・。

評価:★★★★

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2011年5月13日 (金)

あの大物アイドルの新作が・・・。

今週の着うたチャート

2011年4月27日~2011年5月10日付チャート

今週の着うたチャート1位は、SMAPの新曲「not alone~幸せになろうよ~」が初登場で獲得しました。

本作は、香取慎吾主演の月9ドラマ「幸せになろうよ」の主題歌という好タイアップながらも、東日本大震災の影響による流通事情を考慮して、CDシングルでの発売が取りやめ。配信のみのリリースとなったことが話題となりました。ただ・・・SMAPのCDは、前作「This is love」が27万枚以上の初動売上は記録しているものの、これは、バージョン違いを何種類か発売したり、特典をつけたり、AKB48商法を利用した結果。前々作「そっと きゅっと」は初動10万5千枚でしたので、正直、そこまで考慮する必要はなかったと思うのですが・・・一種の話題づくりか?ちなみに、作曲は菅野よう子が担当しています。

2位は中島美嘉「Dear」が2週連続で2位。シングルでは、初登場8位に終わってしまい、不調だったのに対して、着うたチャートでは健闘しています。

3位には、福山雅治「家族になろうよ」が初登場でランクイン。結婚をテーマとしたバラードナンバーで、「ゼクシィ」のCMソング。着うた配信オンリーでのリリースとなっています。

以下、初登場のうち、シングルチャートで既にランクインしているのは・・・

4位にコブクロ「あの太陽が、この世界を照らし続けるように。」、6位平井堅「いとしき日々よ」がランクイン。平井堅は着うたでももうちょっと伸びると思ったのですが・・・。また、少女時代「MR.TAXI」が先週の13位からランクアップで5位にランクイン。こちらは、初登場2位を記録したシングルほどは売上を伸ばしていません。

他には、7位にWISE「I loved you feat. HIROKO」がランクイン。TERIYAKI BOYZにも参加しているHIP HOPミュージシャンなのですが、mihimaruGTのHIROKOをフューチャーした、着うた系の泣き歌。4月27日にシングルリリース済みなのですが、こちらはベスト50にも入らず。着うたのみでのヒットとなりました。しかし彼、すっかり、この路線に定着してしまいましたね・・・。


今週のアルバムチャート
http://www.oricon.co.jp/rank/ja/

アルバムチャートベスト3は、いずれも旧譜が占めています。

【送料無料】CD+DVD 21%OFF安室奈美恵 アムロナミエ / Checkmate! 《ベストコラボレーションアルバム》(CD+DVD) 【CD】

1位は安室奈美恵「Checkmate!」が2週連続で1位獲得。8万3千枚という好セールスで、強さを見せ付けています。2位は先週7位だった「Songs For Japan」が、売上を1万1千枚から4万枚に一気に伸ばして2週ぶりにベスト3に返り咲き&自己記録を更新です。5月4日に国内盤がリリースされた影響と思われます。3位には、先週2位の徳永英明「VOCALIST&BALLADE BEST」がワンランクダウンながらもベスト3をキープ。初動売上4万6千枚に対して、今週も売上3万9千枚をキープしており、ロングヒットの兆しが。

4位には、2人組として活動を再開した、韓国のアイドルグループ東方神起のニューアルバム「ウェ(Keep Your Head Down)日本ライセンス盤」がランクインです。ただ、初動売上は3万8千枚。オリジナルアルバムとしての前作「The Secret Code」が初動15万8千枚だったことを考えると、大幅ダウン。いろいろなゴタゴタで、ファン離れが進んでしまったといった感じでしょうか?

6位に、倖田來未のリミックスアルバム「KODA KUMI DRIVING HIT'S 3」がランクイン。タイトル通り、3作目となるリミックスアルバム。初動売上は1万6千枚。昨年3月にリリースした「DRIVING HIT'S 2」は初動2万5千枚だったので、ダウンしてしまっています。

9位には、あの人の作品が入ってきました。一時代を築いたプロデューサー、小室哲哉が、TETSUYA KOMURO名義でリリースしたソロアルバム「Digitalian is eating breakfast 2」がベスト10入り。ソロアルバムとしては、iTunes Store限定で発売した2008年の「Far Eastern Wind - Autumn」以来ですが、ベスト10入りは、1992年にリリースした「Hit Factory」以来となりました。

ベスト10最後。10位には7人組のアイドルグループ腐男塾・中野腐女シスターズのスプレットアルバム「『腐レンズ』」がランクインしています。

今週の着うた&アルバムチャートは以上。チャートはまた来週の水曜日に~。

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2011年5月12日 (木)

期待のUKロックバンド

Title:WHAT DID YOU EXPECT FROM THE VACCINES?
Musician:THE VACCINES

The Vaccines / What Did You Expect From The Vaccines? 【CD】

日本って、アメリカとイギリスのロックバンドを比べると、どちらかというとイギリスのバンドの方が、注目度が高かったりしますよね。音楽雑誌の「Rockin'On」がイギリス寄り、というのも理由かもしれませんが、底抜けに明るいか、妙に泥臭いアメリカのロックと比べると、ちょっと憂いを帯びたようなイギリスのロックの方が、日本人受けするのかもしれませんね。

そんなイギリスの新人ロックバンドで、最近、注目を集めているのが彼ら。イギリスBBCが公表している、今年ブレイクしそうな新人ミュージシャンのランキング「Sound of 2011」で見事3位に輝きました。(ちなみに1位はJessie Jという女性シンガーソングライター、2位は、こちらも最近注目されているJames Blake)

まあ、私もご他聞に漏れず、oasisとかblurとか、どちらかというとイギリスのバンドの方が好きだったりするんで(^^;;メディアの煽りにそのまま載ってみて、彼らのデビューアルバムを聴いてみました。

いきなり最初の「WRECKIN' BAR(RA RA RA)」は、UKロックというよりも、むしろちょっとアメリカっぽいメロディアスパンクなナンバー。ライブでは盛り上がりそうながらも、彼らに期待していた音とはちょっと違うかなぁ・・・と思ったりしたのですが、それ以降は、「これぞイギリスのバンド!」らしい楽曲が続きました。

「A LACK OF UNDERSTANDING」みたいに、ノイジーなギターロックにポップなメロというのが、実に壺にはまりますし、「BLOW IT UP」は、まさにシューゲイザー系直系のノイズサウンドに、メロディーはブリティッシュビート直系のような、甘いポップチューン。こちらも私の壺にはまりまくりです!(笑)

「NORGAARD」みたいなパンキッシュなナンバーもあれば、ダークな雰囲気で静かに聴かせる「FAMILY FRIEND」は、VELVET UNDERGROUND風??(・・・ってアメリカのバンドですが)。ただ、どの曲も、メロディーがとてもポップでキュート。ついつい聴き入ってしまいますし、30分強という長さも、勢いにのれてだれずに聴けて、理想的。確かに、UKロック好きなら、聴いてみて損のないバンドだと思います。

まあ、この手のバンドって、毎年1、2組出てきては、いつの間にか消えちゃうケースが多いので、彼らも、本当の勝負はこれからだ!といった感じなんでしょうが(笑)、この内容なら、間違いなく次のアルバムも聴いてみたいなぁ~。ハイプにならず、がんばってほしい、これからが期待のバンドです。

評価:★★★★★

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2011年5月11日 (水)

また日韓のアイドルグループが・・・。

今週のシングルチャート
http://www.oricon.co.jp/rank/js/w/

今週もまた、日韓のアイドルグループが1位2位・・・って、もう最近、シングルって、それしかないような・・・。

少女飛行

1位は、芸能事務所「プラチナム・パスポート」が、「みんなでつくるアイドルユニットプロジェクト」として結成した10人組アイドルユニットぱすぽ☆のメジャーデビューシングル「少女飛行」が見事1位を獲得しています。旅行をコンセプトにしたアイドルグループだそうで、楽曲も基本的にはガールズロック路線。80年代あたりのハードロックベースのポップスロックの曲調になっています。メンバーそれぞれのアップ写真がジャケットになった、初回限定盤10枚+通常盤1枚が当時に発売。つーか、AKB48以来のこの売り方は、今後も続くのでしょうか?ある意味、劇薬みたいなもので、長い目でみれば、音楽業界にとってマイナスにしかならないと思うのですが。

2位は韓国の男性5人組アイドルグループMBLAQのデビューシングル「Your Luv」がランクイン。楽曲は、一昔前のJ-POP風。なんで韓国のアイドルグループは、女性グループは今風なのに、男性グループは、一昔前の雰囲気を持った楽曲が多いんでしょうか?

3位はTHE ALFEE「LET IT GO」。あいかわらずのTHE ALFEEらしいドラマチックな作風の楽曲。初動売上2万3千枚は、前作「この愛を捧げて」の3万9千枚から大幅ダウンながらも、「メリーアン」から続く45作連続ベスト10入り記録は難なくクリアしています。一時期、ベスト10入りがかなり微妙な位置に来ていたけど、がっちりと固定ファンがついている彼らだけに、この記録、まだまだ伸びそうですね。

続く初登場は6位The feversなるバンドの「第九のベンさん」がランクインしています。横浜出身の大工、仁さん、岩さんからなる謎のパンクバンドのデビューシングル・・・というスタイルをとっておきながら、なぜかゆずの最新アルバム「2-NI-」に先行収録してしまっているというところがかな~り中途半端。ちなみに演奏にはTRICERATOPSも参加しています。初動売上2万枚は、ゆずの最新シングル「Hey和」の3万3千枚から大幅にダウンしていますが、アルバムからのリカットと考えると、かなりの健闘かと。

逆に、かなり厳しい結果になってしまったのが7位にランクインした平井堅「いとしき日々よ」でしょう。大人気ドラマTBS系「仁-JIN-」の主題歌という絶好のタイアップながら、初動売上1万3千枚と、前作「アイシテル」の1万8千枚からダウン。平井堅といえば、「瞳をとじて」みたいに、好タイアップ曲で大ヒットを飛ばすけど、タイアップがつかないといまひとつ・・・というくり返しだったのですが、今回は、好タイアップで、かつ、人気のバラードナンバー。かなり力を入れた楽曲と思うのですが・・・厳しい結果になってしまいました。

初登場最後は、9位に俳優松下優也「Naturally」がランクイン。今風のR&Bチューンで、初動売上1万枚は、前作「Paradise」の8千枚よりアップ。昨年2月にリリースした「Trust Me」以来のベスト10ヒットとなりました。

今週のシングルチャートはここまで。アルバムチャートと、2週ぶりの着うたチャートは金曜日に~。

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2011年5月10日 (火)

最後のグループサウンズ

Title:THE CAPTAINS ANTHOLOGY
Musician:ザ・キャプテンズ

ザ・キャプテンズ / THE CAPTAINS ANTHOLOGY 【CD】

ひとつのキャラクターを作り上げて、そのキャラクターを演じるミュージシャンって、少なくありませんよね。邦楽で、典型例として、悪魔を演じる(「演じる」といったら「信者」に怒られそうですが(笑))聖飢魔IIなんかが典型例だと思うのですが、ザ・キャプテンズなども、そのキャラクターを演じているバンドのひとつ。自称「最後のグループサウンズ」と名乗る彼らは、その姿かたちから、60年代後半に一世を風靡したGSバンドそのものを演じています。

今回発売されたのは、結成10周年を総括する意味合いでリリースされたベスト盤。曲名を見てみると、いかにもなタイトルの曲が並んでいます。ただ、グループサウンズからの影響という意味では、本格的なグループサウンズバンドにダイレクトに影響を受けた、というよりもあくまでも「いかにもグループサウンズ」というイメージを取り入れている感じかな、と思いました。

実際、「ハートにピットイン」とか「恋のゼロハン」などは、60年代の歌謡曲を強く意識されるのですが、「黄昏流星群」「月影ロマンス」あたりは、60年代というよりもむしろ80年代のアイドル歌謡曲を思い出す作品になっていますし、「ひまわりの丘」はフォーク、「フユノホタル」はアレンジが大滝詠一風ですし、「薔薇の檻」はむしろ演歌の香りすら・・・(笑)。

ただ、逆に言えば、それだけ楽曲のバリエーションも多かったですし、グループサウンズをそのまま取り入れるのではなく、あくまでも2011年の音としてアップデートしているとも解釈できるのかも。

その一方で、グループサウンズは、ブリティッシュビートやガレージ、サイケなどの影響を強く感じる曲も少なくないのですが、そこらへんの影響を感じられなかったのはちょっと残念。良くも悪くも、メロディーと歌詞がメインで、ロックバンドとしての要素はちょっと薄めだったかなぁ、と感じました。

実はザ・キャプテンズ、ボーカルの傷彦が、昨年11月、突然の意識不明となり入院。検査の結果、脳腫瘍と判明し、現在、活動を休止しています。手術は成功し、現在、回復に向かっているようで、Twitterなどでも元気な書き込みを続けているみたいで一安心ですが、まだまだ心配なところ。はやく元気な姿でステージに復活して、その華麗なパフォーマンスを再び魅せてほしいところです。

評価:★★★★


ほかに聴いたアルバム

COLORS/清水翔太

【送料無料】清水翔太 シミズショウタ / COLORS 【CD】

清水翔太の3枚目となるニューアルバム。全編、しっとりとしたボーカルを聴かせるミディアムテンポのナンバーがメイン。一方で、「GOODBYE」ではエレクトロテイストを入れてきたり、「Winter Love Song」でははやりの(・・・というのは終わったか?)いわゆる「ロボ声」を入れてきたりと、バリエーションが多く、最後まで楽しめます。尾崎豊のカバー「Forget-me-not」も、切ない歌い方がなかなか良い感じ。「君が暮らす街」は、別れた彼女を思い出す、切なく、ドラマ性ある歌詞が、ちょっと槇原敬之っぽくて、個人的には好きな曲です。ただ、ちょっとボーカルの線が細い感じがするのが残念な感じ。まあ、切ない雰囲気を出しているという意味では、長所にもなりうるといえば、なりうるのですが・・・。

評価:★★★★

清水翔太 過去の作品
Umbrella
Journey

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2011年5月 9日 (月)

インディーっぽい

Title:Several Shades Of Why
Musician:
J.Mascis

J Mascis / Several Shades Of Why 【CD】

音楽をあらわす形容詞として、よく「インディーっぽい」という表現をされることがあります。いかにもインディーズの音楽らしい。しかし、よくよく考えると、インディーズとメジャーの違いは、本来的には、その流通形態の違いでしかないはずです。

しかし、それでも実際に、いかにもインディーズらしい、というアルバムがあります。録音の状況が粗かったり、あるいはメロディーに、必要以上のフックがなく、地味な雰囲気だったり。

1980年代から90年代にかけて、グランジロックバンドとして人気を得たDinosaur Jr.も、まさにそんなインディー・ロックバンドの一員でしたし、そのDinosaur Jr.のボーカリスト、J.Mascisのソロアルバムも、そんな「インディーらしい」という形容詞がピッタリと来るようなアルバムでした。

今回のアルバムの大きな特徴は、全編、アコースティックギターを中心にすえた作品である、ということ。そのため、Dinosaur Jr.らしいバンドサウンドを期待すると裏切られる作品だったかもしれません。ただ「Is It Done」「Where Are You」、さらに「Can I」みたいに、要所要所にノイジーなエレキギターのサウンドが入っていたりすると、ちょっとうれしくなっちゃったりするんですが(^^;;

で、やはり聴かせどころはそのメロディーライン。「インディーらしい」といったのは、決してメロディーに派手なフックがあるわけではない点。しかし、しっかりと練りこまれた美メロは、聴いた後に、妙に印象の残るものになっています。その「Where Are You」や、「What Happened」などのメロディーが、特に気に入りました。

全体的に、やはり地味な雰囲気は否めず、また、個人的には、やはりバンドサウンドの方が・・・と思ってしまったのは事実ですが、バンド形態とは違う、J.Mascisの魅力がしっかりとつまったアルバムだったと思います。次はDinosaur Jr.としての新作か??

評価:★★★★


ほかに聴いたアルバム

EMOTION&COMMOTION/JEFF BECK

約7年ぶりとなるJEFF BECKの新作。ストリングスを取り入れた壮大な雰囲気のナンバーが多く、クラッシック風の作品は、いい意味でも悪い意味でも大物然とした雰囲気も。ただ、ソウルやブルース、ジャズなどの要素も取り込んだ曲などもあり、その作風の幅広さに、さすがのその実力を感じさせます。

評価:★★★★

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2011年5月 8日 (日)

大人への応援歌

Title:ケツノポリス7
Musician:ケツメイシ

【送料無料】ケツノポリス7

そろそろ「ここ最近」といえないほどの期間になってきましたが、J-POPシーンでは、根拠もなく前向きだったり、抽象的な応援歌だったり、どうも地に足をついていないような、前向きソングが多くヒットを続けています。

下手に具体的な内容にしてターゲットを絞らない方が、多くのリスナーを獲得できる、という思惑かもしれませんが、実際は逆に、そういう曲は、誰の心にも響かない、ということになってしまっているのではないでしょうか?

ケツメイシの最新作もまた、そんな前向きソングが多く収録されています。しかし、彼らの歌詞は、そんな地に足をつけていないような前向きソングとは異なり、現実感ある歌詞が特徴的。そして、そんな中でも、今回は、もっと20代後半や30代といった社会人に向けたメッセージ性ある曲が多く収録されていました。

先行シングルにもなった「闘え!サラリーマン」などは、もっとも典型的ですが、タイトルそのままの「現実は戦場だ」もそうですし、「流れ星」なども、まさに現実に疲れた社会人に対する応援歌と言える歌詞が心に染みます。

もともと、彼らの歌詞のターゲットは、よくあるJ-POPのヒット曲のような、10代や20代前半ではなく、もっと上の世代を向いていましたが、今回の作品では、そんな傾向が、さらにはっきりとあらわれた作品になっていたと思います。

一方では、「君と僕の季節」みたいな、ベタなラブソングがあったり、「ランジェリーパブ」みたいな、ちょっと痛々しいユニークな曲もあったり。曲の面でも、テクノポップ風の「リディムドライバー」やダンスホール風の「叫び」、ケツメイシらしい、叙情性あふれる「伝えたいこと」があったりと、歌詞、曲両面でバリエーションがあり、70分を超えるフルボリュームながらも、最後まで飽きさせません。

ケツメイシは、「ケツノポリス3」が最高傑作で、その後、「5」まで下降線をたどり、「6」でまた上昇基調に・・・と思っていたのですが、その上昇基調は続いたようで、個人的には、傑作だった「3」「4」までとはいかないものの、ここ最近の作品の中では一番の出来だったと思います。彼らの実力を再認識したアルバムでした。

評価:★★★★★

ケツメイシ 過去の作品
ケツノポリス5
ケツノポリス6


ほかに聴いたアルバム

Single Collection/P-VINE YEARS /クレイジーケンバンド

【送料無料】Crazy Ken Band クレイジーケンバンド / Single Collection & Rare / P-VINE YEARS 【CD】

「せぷてんばぁ」から「てんやわんやですよ」までのシングルが発売順にならべられて、プラス、企画盤などに収録されたレア音源を加えたシングルコレクション。ユニークなのが、シングルに関しては、普通、この手のアルバムでは省略されそうな、「eye catch」や、次のシングル、アルバムのインフォメーションのトラックもそのまま収録されているのがうれしいところ(さすがにカラオケは収録されていませんが)。遊び心を感じる、ファンにはうれしいベスト盤です。

評価:★★★★★

クレイジーケンバンド 過去の作品
ZERO
ガール!ガール!ガール!
CRAZY KEN BAND BEST 鶴
CRAZY KEN BAND BEST 亀

MINT CONDITION

PLAYGROUND acoustic+/山本精一

山本精一 / PLAYGROUND〜acoustic 【CD】

ROVOや羅針盤などでも活躍中の山本精一が、昨年7月に発売した「PLAYGROUND」の、こちらはアコースティックバージョン。もともとがフォーキーな作風の曲が多かったので、イメージが大きく変わったという感じはしなかったのですが、メロディーと歌詞がよりクリアになった印象が。不条理というか、虚無的というか、ちょっと不思議な歌詞と、意外とシンプルでメロディアスなメロディーラインが魅力的でした。

評価:★★★★

山本精一 過去の作品
PLAYGROUND

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2011年5月 7日 (土)

美メロを聴かせる3枚目

Title:BREAD AND CIRCUSES
Musician:the view

[CD] The View/ブレッド・アンド・サーカシズ(通常盤)

イギリスの4人組ロックバンドの3枚目。もともと、デビュー作から、メロディーラインの良さには定評があった彼ら。前作「Witch Bitch?」は、そのメロディーラインをより前面に押し出していたのですが、今回のアルバムは、さらにそのメロディーを聴かせることに主眼を置いたようなアルバムになっていました。

「美メロ」という表現は、一度聴けば忘れられず、心に染み入るような、よく練られたポップなメロディーラインを指して使う表現です。今回の彼らのアルバムは、まさにそんな美メロを聴かせる曲が連続していました。

先行シングルとなった「GRACE」から、まずそのポップセンスが光ります。「LIFE」などは、ストリングスも使ったバラードナンバーは、王道のUKロック路線。もともと、oasisが彼らを絶賛して話題になったのですが、oasisファンなら気に入りそうなナンバーです。

また、「FRIENDS」は、哀愁たっぷりの聴かせるナンバーですし、「BEAUTIFUL」は、最初のマイナー主体のメロディーから、サビのメジャーのメロディーへの展開が、パッと目の前の風景が突き抜けるような感じを覚えて、とても気持ちいい作品に仕上がっています。

ただ、以前のようなパンキッシュな作品はほとんどなく、バンドサウンドを押し出したような作品はありません。そういう意味では、全体的にはインパクトは控えめ。最初に聴いた感じだと、ともすれば物足りなさも感じてしまうかも・・・。

そういう意味では、2度3度聴くうちに、そのメロディーの良さに気が付いて、徐々にはまっていくようなアルバムだと思います。the viewに求めるものによって、好き嫌いはわかれそうな感じ。個人的には、最初、正直物足りないなぁ、と思ったのですが、2度3度聴くうちに、むしろ好きなアルバムになってきました。

チャート1位を獲得したデビュー作の勢いに比べて、この作品はイギリスのチャートでは14位に終わってしまうなど、ちょっと失速気味の彼ら。ただ、楽曲の良さはいままでと変わらないように感じます。今後、また上昇基調になっていくのか、それとも??このアルバムを聴く限り、もっと幅広く愛されそうなバンドになる予感もするのですが。

評価:★★★★★

the view 過去の作品
Which Bitch?

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2011年5月 6日 (金)

安室奈美恵、強し!

今週は、ゴールデンウィークの影響で、着うたチャートはお休み。アルバムチャートのみの紹介となります。

今週のアルバムチャート
http://www.oricon.co.jp/rank/ja/

今週のアルバムチャートも、先週に引き続いての新譜ラッシュとなりました。

【送料無料】CD+DVD 21%OFF安室奈美恵 アムロナミエ / Checkmate! 《ベストコラボレーションアルバム》(CD+DVD) 【CD】

そんな中、見事1位に輝いたのが安室奈美恵「Checkmate!」。彼女のコラボ曲を集めた企画盤で、AIや山下智久などといった豪華なメンバーが参加しています。幅広い活動を垣間見れることが出来ます。初動売上は25万2千枚。ただ、残念ながら前作「Past<Future」の初動33万1千枚は下回ってしまいました。

<お詫び>安室奈美恵のコラボレート相手に、一部誤った記載がありました。お詫びして訂正させていただきます。

2位は、徳永英明「VOCALIST&BALLAD BEST」が初登場でランクイン。タイトル通り、彼が、女性ボーカルの曲をカバーし、大ヒットした「VOCALIST」の楽曲と、過去のバラードの名曲をセレクトした2枚組のベスト盤。ただ、直近のリリース「VOCALIST4」が初動12万枚だったのに対して、こちらは初動わずか4万6千枚。ベスト盤ですが、ちょっと苦戦気味の様子。

3位は先週1位の小田和正「どーも」が2週連続でベスト3をキープ。根強い人気を感じさせます。

以下、初登場は・・・まず4位に「KAMEN RIDER BEST 2000-2011」がランクイン。タイトル通り、2000年代の仮面ライダーシリーズの主題歌、挿入歌を集めたベスト盤です。

5位には、avexが社運をかけて売り出したのに、そろそろ消えかけているGIRL NEXT DOOR3枚目のアルバム「Destination」がランクイン。初動売上1万6千枚は、前作「NEXT FUTURE」の5万6千枚から大幅ダウン。かなり厳しい結果になりました。

6位には、フジテレビ系バラエティー「クイズ!ヘキサゴンII」の中で結成されたアイドルグループサーターアンダギー「サーターアンダギー」がランクイン。既にシングル4枚をリリースされている彼らですが、これが初のアルバムとなります。初動売上1万2千枚は、直近のシングル「卒業」の初動1万8千枚も下回ってしまっています。アイドル系のアルバムなので、シングルほどは売上が伸びなかったのでしょうが・・・。

初登場最後は、8位に相対性理論「正しい相対性理論」がランクインです。相対性理論は、独特の世界観が話題の4人組ロックバンド。このアルバムは、「正しい」と題されていながらも、リミックスアルバムで、坂本龍一や鈴木慶一、小山田圭吾など層々たるメンバーが、相対性理論の曲をリミックスしています。初動売上は1万枚で、前作「シンクロニシティーン」の2万3千枚を下回りましたが、リミックスメインと考えると、大健闘といった感じでしょう。

今週のアルバムチャートは以上。次のチャート評は、来週の水曜日に~。

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2011年5月 5日 (木)

もっと若ければ、もっと共感できたかも。

Title:絶体絶命
Musician:RADWIMPS

おそらく、今、もっとも勢いのあるギターロックバンドは、彼らRADWIMPSではないでしょうか。前作「アルトコロニーの定理」は、彼らの勢いをそのまま反映させたような傑作でしたが、続く新作「絶体絶命」もまた、今の彼らの勢いを感じさせる傑作になっていました。

今回、特に印象に残ったのが、その歌詞の世界。ユニークな死生観が反映された「DADA」をはじめ、心にひっかかるような歌詞が多かったように思います。

ある種、自意識過剰で、世界の中で孤独を感じているような、10代中盤、思春期あたりの感情を描写した歌詞が多いように感じました。

「一人ぼっちは寂しいけれど みんな一人ぼっちなら
寂しくなんかない 一人ぼっちなんかじゃないから」

(「だいだらぼっち」より 作詞 野田洋次郎)

だったり

「端っこに立った少年D 誰も彼なんか見ちゃいない
でも僕にとってはVIP そう僕がいないと始まんないんだよ
僕の世界は」

(「学芸会」より 作詞 野田洋次郎)

だったり、特に、「携帯電話」の歌詞など、実に今風の若者のスタイルを、上手く描写している、逆にオーバーサーティーの私くらいの年代には絶対書けないような歌詞に感じます。

ただ、彼の歌っている歌の主人公って、確かに今時の若者かもしれないのですが、ただ、どの時代の若者も、多かれ少なかれ、ここで歌われるような心境を抱えていた時期があったと思うんですよ。

そういう意味で、野田洋次郎の書く歌詞は、オーバーサーティーの私にとっては、今の自分としては共感はできないものの、「こういう時期もあったよな」と、ちょっと苦笑いしながらも、懐かしく感じてしまいました。

ただ、そんな歌詞が印象的だった今回のアルバムですが、その一方、バンドサウンドやメロディーは、前作の方が上だったかも。

ちょっと全体的には、個性が薄れて、普通のギターロックにおさまってしまった感じ。「DADA」みたいなテンポよい曲があったり、そのまんまエミネムみたいな(笑)「G行為」があったり、カントリー風にまとめている「携帯電話」があったりと、それなりにバラエティーは豊富で最後まで楽しめるのですが、音から来る個性という意味では、「アルトコロニーの定理」の方がよかったなぁ・・・。

そういう意味では、傑作であることは間違いないのですが、比較すると、前作の方がよかったかも。ただ、それでもこのアルバムがお勧めなのは間違いありません。ちょっと若者向きなバンドだとは思うのですが、もうちょっと上の世代でもお勧めできるバンドだと思います。まだ、この勢いは続きそうです。

評価:★★★★★

RADWIMPS 過去の作品
アルトコロニーの定理


ほかに聴いたアルバム

15 Doors/moumoon

【送料無料】moumoon ムームーン / 15 Doors 【CD】

ヒットした「Sunshine Girl」を含む、2枚目となるフルアルバム。「Sunshine Girl」と同じ方向性の、洋楽テイストの強い爽やかなポップチューンがほとんど・・・と思いきや、「青い月とアンビバレンスな愛」あたりはむしろCoccoあたりの方向性に近い感じだし、「EVERGREEN」もロックテイストが強いし。ひょっとしたら、もっとロック志向のユニットなのか?「Sunshine Girl」のヒットで、本人たちが望まないイメージがついてしまったら、不幸なのですが、本人たちの嗜好はどっちだ??

評価:★★★★

moumoon 過去の作品
SPARK

CHEMISTRY 2001-2011/CHEMISTRY

【送料無料】Chemistry ケミストリー / Chemistry 2001-2011 【CD】

CHEMISTRYのオールタイムベスト。一時期に比べて、すっかり影の薄くなってしまった彼ら。確かに、このベストを聴くと、似たタイプの曲が多く、当初の勢いに比べて、最近、いまひとつ人気が奮わないのはわかるような。特に2人、似たタイプの声で、そういう意味では相性ばつぐんの反面、曲の幅が狭くなってしまった感が・・・・・・・・・といっても、結局は、結果論に過ぎないんですけどね(^^;;もちろん、「似た曲」といっても、いまでも心に染みるような名曲が多いだけに、かつて好きだった方も、あらためて是非。

評価:★★★★

CHEMISTRY 過去の作品
Face to Face
the CHEMISTRY joint album
regeneration

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2011年5月 4日 (水)

韓国勢が1位2位

今週のシングルチャート
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今週のヒットチャートは、1位2位に韓国勢が並びました。

Jang Keun Suk チャングンソク / Let me cry 【通常盤】 【CD Maxi】

1位は、韓国の人気俳優チャン・グンソク「Let me cry」がランクイン。これが日本でのデビューシングルとなるこの曲は、ハードなロック風のナンバー。海外ミュージシャンのデビュー作で初登場1位は、オリコン史上初だそうです。ただ・・・彼の名前は、全くの初耳だったのですが・・・。

2位は、同じく韓国の女性アイドルグループ少女時代「MR.TAXI」。こちらも初動売上10万枚は、前作の6万6千枚を上回りましたが、1位獲得はなりませんでした。こちらは、いかにも今風のエレクトロなダンスチューンです。

で、ようやく3位に日本勢。コブクロ「あの太陽が、この世界を照らし続けるように。」。映画「岳-ガク-」主題歌。タイトルもかなり仰々しいのですが、楽曲もかなりのスケール感を感じさせる作品に仕上がっています。ただ、初動売上は、前作の5万9千枚からダウンの4万8千枚。一時期の勢いにくらべると、ちょっとブレーキがかかってしまった感じが。

コブクロが太陽なら、5位BREAKERZ「月夜の悪戯の魔法」だそうです。DAIGO率いる3人組バンドの新作。日テレ系アニメ「名探偵コナン」のエンディングテーマというタイアップの良さからか、初動売上1万9千枚は、前作の1万8千枚から若干のアップ。ちょっと妖艶な感じの曲は、子供向けアニメのテーマ曲としては、ちょっとどうなんだろう?とも思うのですが・・・。

6位はハロプロ系アイドルグループのスマイレージ「恋にBooing ブー!」がランクイン。初動売上1万9千枚は前作からほぼ横バイです。

7位にはUNICORN「デジタルスープ」が入ってきました。タイトルとは異なり、骨太なミディアムテンポのギターロックナンバー。「ぶたぶた」との両A面シングルで、前のスマイレージとおなじブタつながり・・・(^^;;こちらも彼ららしいユーモラスな楽曲になっています。初動売上1万7千枚は、前作2万3千枚からダウン。5月25日には待望のニューアルバム「Z」の発売も予定されています。

8位は中島美嘉「Dear」が初登場でランクイン。映画「八日目の蝉」主題歌で、先週の着うたチャートでは2位にランクインしています。彼女らしいしっとりと聴かせるナンバーなのですが、初動売上は1万5千枚で、初動1万7千枚だった前作よりダウンしてしまっています。

初登場最後。10位に本間芽衣子(茅野愛衣),安城鳴子(戸松遥),鶴見知利子(早見沙織)名義で「secret base ~君がくれたもの~」がランクイン。フジテレビ系アニメ「あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。」のエンディングテーマで、タイトルからわかるように、2001年にガールズバンドZONEがヒットさせた曲のカバーです。

今週のシングルチャートは以上。着うたチャートは今週はお休みなので、アルバムチャートのみ、金曜日に更新予定です。

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2011年5月 3日 (火)

安定感ある新作

Title:STAR
Musician:RIP SLYME

RIP SLYME リップスライム / STAR

約1年9ヶ月ぶりとなるRIP SLYMEのニューアルバム。ベスト盤リリース後初となるオリジナル、ということもあり、今回の作品は、「基本姿勢に立ち返り、「5 人で作る」ことをテーマにして作られた一枚」だそうで、「5 つの頂点を持つ星印にちなみ、アルバムに『STAR』と名付け」たそうです。

以上、斜字は公式サイトのオフィシャルインタビューから引用

確かに、今回の新作は、フューチャリングとしてのゲストミュージシャンの参加はなし。また、様々な作風の作品が、次々と展開されるアルバムでした。

前半は、RIPらしい楽しくにぎやかな「Don't Panic」、エレクトロなディスコ風ナンバー「Pop Upなう」、ちょっとフワフワとした感じのスペーシーなトラックとポップなラップが印象的な「センス・オブ・ワンダー」など、アップテンポで、ダンサナブル、かつ作りこまれた音を聴かせるような曲が並んでいた印象を受けました。

一方後半は、ボサノヴァ風のトラックでしっとりと聴かせる「甘い生活~La dolve vita~」や、ゆったりとしたフォーキーな雰囲気の「○×△=」など、メロディーをしっかり聴かせるタイプの曲が並んでいました。

様々なタイプの曲が並び、かつ、凝ったアレンジの作品を含めて、あくまでもポップにまとめあげています。ここらへんのクオリティーは、あいかわらず。RIP SLYMEの実力を実感できる作品。既にベテランの領域に入る彼らですが、安定感ある作品に仕上げていました。

ただ・・・その一方、1曲1曲のクオリティーはあいかわらずなのですが、デビュー当初の「雑念エンタテイメント」や「楽園ベイベー」のような、一度聴いたら忘れられないようなキラーチューンがないのが残念・・・。これは、今回のアルバムだけではないのですが。そのため、アルバム全体としては聴いた後「傑作!!」と感じるのですが、どうもその後、いまひとつ印象に残らない作品になってしまっているのが否めません。

やはりデビュー当初と比べると、いまひとつ勢いが落ちているのかなぁ??作品の出来としては、間違いなく傑作だと思うのですが・・・。

評価:★★★★★

RIP SLYME 過去の作品
FUNFAIR
JOURNEY
GOOD TIMES
BAD TIMES 2000-2010 URA-BAN BEST


ほかに聴いたアルバム

OK!!!C'MON CHABO!!! 仲井戸"CHABO"麗市リスペクトアルバム

【送料無料】OK!!!C'MON CHABO!!!

RCサクセションや古井戸などで活躍した、日本を代表するギタリスト、CHABOこと仲井戸麗市へのトリビュートアルバム。奥田民生や桜井和寿、TRICERATOPSや曽我部恵一など、数多くの実力派ミュージシャンが参加。CHABOの影響力の大きさを感じさせます。

そんなカバーも、さすが実力のあるミュージシャン揃いなだけあって、それぞれ自分の個性を出しつつ、曲の良さをしっかりといかしたカバーになっていました。各々のファンはもちろん、仲井戸麗市のファンも聴いて損はない、はず。

評価:★★★★★

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2011年5月 2日 (月)

歌謡曲にも通じる魅力

Title:THE EARLY PERIOD OF FAIRUZ
Musician:FAIRUZ

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アラブ世界で、絶大な支持を誇るレバノン出身の歌姫FAIRUZ(ファイルーズ)。1935年生まれの彼女は、1950年代からそのキャリアをスタートさせ、現在もなお、活発な活動を続けています。そんな彼女の最初期の作品を、音楽評論家の中村とうよう氏監修の元、まとめられたのが今回のアルバム。主に、彼女がそのキャリアをスタートさせた、1950年代の作品がおさめられています。

アラブ音楽については、何枚かアルバムを聴き、ここでも紹介したことがあります。その日本人の壺にはまるような、哀愁たっぷりのメロディーラインは魅力的に感じる一方、あまりに感傷を込めたようなそのメロディーは、ちょっと仰々しく感じる部分もあり、正直なところ、その壺がいまひとつわからない部分もありました。

しかし、この作品は、そんな私にとっても、しっかりと壺にはまるアルバムでした。彼女の初期の作品に関しては、シンプルなメロディーラインと、適度にこぶしの聴いたボーカルが魅力的。優しさと力強さを兼ね備えたようなボーカルもとても魅力に感じました。

ただ、そんな中で感じたのは、歌謡曲との共通性でした。もともと、アラブ系の音楽の、哀愁を感じさせるメロディーは、歌謡曲に通じるところがあるなぁ、と感じたのですが、彼女の作品に関しては、どこかレトロで懐かしい、同時代の歌謡曲と似た部分を多く感じました。

もともと、様々な国の音楽を拝借している日本の歌謡曲というジャンルだけに、アラブ音楽からの影響があったとしても不思議ではないのですが。それとも、どこの国でも、心に染み入るメロディーラインというのは共通するのでしょうか?

そんな訳で、非常に日本人にとっても親しみやすいメロディーが並んでいるアルバムだと思います。「ワールドミュージック」「アラブ世界の音楽」ということで、ちょっとした感じ、なじみのないようにも感じられますが、おそらく、聴いてみれば素直に楽しめる作品だと思います。気になる方は、是非。

評価:★★★★★

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2011年5月 1日 (日)

まさかの第2弾!

Title:レキツ
Musician:レキシ

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元SUPER BUTTER DOG、100sのキーボーディスト、池田貴史によるソロプロジェクト、レキシ。2007年に発売されたデビューアルバムは、ミュージシャン名通り、歴史上の出来事をネタとした、笑える(一部真面目な)歌詞が魅力的でした。正直、ちょっと「ネタ」的な印象もあり、この1枚だけで終わりかなぁ・・・と思っていたのですが、まさかの第2弾リリースとなりました!

今回も、とにかくネタ満載の作品。1曲目「そうだレキシーランドに行こう」は、いきなり某ディズニーランドのエレクトロニカルパレードそのままの出だしからスタート。タイトル通り、ペリー来航をネタにした「ペリーダンシング」は、出だしのトークがめちゃくちゃ笑えますし、他にも戦国の三英傑を比較した有名な川柳をネタにした「ほととぎす」だったり、小野妹子やら隠れキリシタンやら縄文土器やら、まさに日本史でおなじみのキーワードが頻発しています。

また、豪華なのは前作同様、そのゲスト陣。スチャダラパーのANI&BOSSや安藤裕子、前作に引き続きのいとうせいこうやRhymesterのMummy-Dなどが参加しています。その中で、ダントツで印象に残ったのが椎名林檎ことDeyonna。彼女が参加した「キラキラ武士」は、一発で彼女とわかる個性的なボーカルが、曲をひきたたせています。他にも堂島孝平ことマウス小僧JIROKICHIが参加した「妹子なぅ」も印象的。堂島孝平らしい爽やかなシティーポップチューンが、ファンク、ディスコ中心のアルバムの中の一服の清涼剤となっています。

ただ、アルバム全体としては、「聴いていて、知らず知らずのうちに日本史の知識が身につく」・・・といった感じのものではありません。その要素は、むしろ前作の方が強かったかも。あくまでもメインは音楽。その曲のリズムに合うような歌詞の選び方をしていて、符割りも、歌詞をしっかり聴かせるというよりも、リズムを重視したものが多く、「キラキラ武士」などが典型的でしたが、さらっと聴いていると、日本史がネタになっていると気が付かなさそうな曲もチラホラ。そういう意味では、前作より、より純粋な音楽性を前面に出した曲が増えた印象を受けました。

HIP HOPやファンク、ディスコ、タンゴ、シティポップなどを自在に行き来する幅広い音楽性の魅力は相変わらず。音楽的な面では、前作よりもより進化した感じがします。ただ一方、ネタ的には、正直、前作の方が笑えたし、おもしろかったかも?ただ、前作「レキシ」を気にいったのなら、間違いなく聴くべきアルバムだと思います。

他にも日本史に興味がある方、SUPER BUTTER DOGのファンだった方や、ファンクやディスコチューンが好きな人も聴いてみて損のない1枚だと思います。おふざけっぽい雰囲気を出しながらも、音楽的には至って真面目。これはまた是非第3弾も・・・あるのか??

評価:★★★★★


ほかに聴いたアルバム

SOIL&"PIMP"SESSIONS presents STONED PIRATES RADIO/SOIL&"PIMP"SESSIONS

【送料無料】Soil&amp;Pimp Sessions ソイルアンドピンプセッションズ / Soil &amp; Pimp Sessions Presents Stoned Pirates Radio 【CD】

架空のラジオショーに仕立て上げたカバーアルバム。途中でDJなどが入っているのですが、お遊び的な要素は薄めかも?曲は、サンバ風だったりスカ風だったり、SOILらしい味つけがしてあるのがなかなか楽しいアルバムになっています。正直、あまり馴染みな曲が少なかったので、純粋にSOILのニューアルバム的に楽しめた1枚でした。

評価:★★★★

SOIL&"PIMP"SESSIONS 過去の作品
PLANET PIMP

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