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2011年5月26日 (木)

i Padでつくった旅行記

Title:THE FALL
Musician:GORILLAZ

ザ・フォール

私自身は持っていないので、詳しくは知らないのですが、iPhoneやiPadなどには、楽器のアプリも入っていて、自由に演奏できたり、音楽もつくれたりするそうですね。あんな、簡単に持ち運びできる薄い板みたいな道具で、一丁前に音楽をつくれるなんて・・・・・・感心しちゃいます・・・なんてのはオヤジっぽい表現だな、これは(^^;;

というわけで、前作からわずか1年のインターバルを経てリリースされたGORILLAZのニューアルバムは、GORILLAの、昨年10月から11月にかけて行われた全米ツアーの最中に、デーモン・アルバーンがiPadをつかった制作したアルバム。その後、12月には公式サイトで、ストリーミング形式ながらも無料配信されて、大きな話題を呼びました。

ツアーの最中にアルバムを1枚つくれてしまう手軽さに、それが、わずか1ヶ月のインターバルでファンの耳に届けるリアルタイムさが、今時を感じさせます。そして、その後、4月になり、CD盤がリリースされました。

ツアーの最中に、iPadだけでつくられたアルバム・・・といっても、「iPadでつくられた」ということが信じられないようなサウンドの充実さなのですが・・・なので、全体的には「地味」という印象はぬぐえません。あまり、インパクトの強い曲は収録されておらず、いつものGORILLAZを期待すると、ちょっと期待はずれになるかも。

とはいえ、それだけに、逆に変な肩の力が抜けた、リラックスした作風のアルバムになっています。なにより、デーモンが自由きままにつくったアルバムなだけに、楽曲のバリエーションは豊富。ウクレレのリズムが哀愁をさそう「REVOLVING DOORS」や、エレクトロな作風が、作品が誕生した街にふさわしい感じのする「DETROIT」、スペーシーなサウンドが壮大さを感じる「THE JOPLIN SPIDER」など多様。国内盤のライナー・ノーツでは、楽曲がどの街で作成したか書かれているだけに、それを読みながら、アメリカの街並みを想像するのも楽しいところ。

そんな中で、このアルバムのひとつの核となっているのが、ソウル界の大御所、ボビー・ウーマックがギターとボーカルで参加した「CALIFORNIA&THE SLIPPING OF THE SUN」でしょう。ブルージーなギターが哀愁たっぷりに音色を奏で、ソウルフルなボーカルが、力強く響く楽曲。全体的には小品が多い本作の中で、数少ない、今後のGORILLAZを代表する1曲になりそうな作品です。

まあ、そんな訳で、GORILLAZの代表作・・・にはなれなさそうな作品だけれども、ファンならチェックしておきたい佳作といった感じでしょうか。アルバムを聴きこんではまる、というよりも、リスナーの側も、ゆっくりとした気分で聴けそうな、そんな作品でした。

評価:★★★★

GORILLAZ 過去の作品
D-Sides
Plastic Beach


ほかに聴いたアルバム

SOILDER OF LOVE/SADE

Soldier of Love

デビューから26年で、アルバムがわずか6枚。超寡作で知られるイギリスのバンド、SADEの10年ぶりとなるアルバム。ちょっとジャジーな雰囲気の入った、アコースティックテイストのポップスは、どの曲も美しいメロをしんみりと聴かせてくれて、10年ぶりの作品としても、ファンとしては満足いく内容では?ある意味、新しい刺激、という面ではちょっと薄味ですが・・・。

評価:★★★★

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