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2011年4月17日 (日)

対照的な2人

Title:IN SESSION...
Musician:ALBERT KING WITH STEVIE RAY VAUGHAN

イン・セッション(DVD付)

モダン・ブルースの巨匠として、数多くのロックミュージシャンにも影響を与え、「3大キングの1人」なんて呼び方もあるアルバート・キング。そして、そのアルバート・キングに多大な影響を受け、そのギタープレイが高い評価を受けながらも、わずか35歳にして事故で夭折した天才ブルースギタリスト、スティーヴィー・レイ・ヴォーン。このアルバムは、1983年に、テレビ番組として収録された2人のセッションの模様を収録したもの。もともと、CDだけで発売されていましたが、このたび、なんと1時間20分にも及ぶ映像がついたDVDもつけてのリメイクとなりました。

2人のセッションを音だけで楽しめるCDももちろん迫力満点で素晴らしいのですが、やはり感動したのはDVDでの映像の方。もちろん、今はなき2人の天才のセッションというだけで非常に貴重な映像なのですが、そのプレイする2人の姿がとても印象的でした。

齢60歳を過ぎながらも、全く力の衰えていないアルバート・キングは、おなじみフライングVを抱えながら、余裕のプレイといった感じ。終始、笑顔で楽しそうに、チョーキングを多用しながらプレイをするその姿は、純粋にブルースという音楽を楽しんでいるんだなぁ、という感じを受けます。これでもかというほど、スティーヴィーを褒めまくっているのも、自分を慕ってくれる可愛い後輩、と感じているからでしょうか?とてもほほえましくも感じました。

一方、スティーヴィー・レイ・ヴォーンは、まだ20代。なぜか日本の半被を着て登場(笑)。アルバート・キングの前では初々しさすら感じてしまいます。尊敬する巨匠の前で、こちらは終始緊張気味なのが、こちらもどこかほほえましい感じ。それでも敬愛する人とプレイする喜びに満ち溢れ、自由にギターを弾きまくる姿が印象的でした。

若々しく勢いがあり、かつ緊張感のあるスティーヴィーのギターに対して、包容力があって余裕も感じられるギターをパワフルなプレイで弾くアルバート・キングのプレイも対照的で印象的でした。

純粋に音楽のセッションを楽しんでいるスタジオの雰囲気もとても魅力的でしたし、とても素晴らしい作品でした。国内盤DVDには、会話の部分に字幕がついているので、少し値段は高めでもこちらの方がお勧め。2人の会話のやり取りもまた、大きな魅力でした。

評価:★★★★★

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