なじみあるクラッシックや映画音楽が多数
Title:ライムライト
Musician:寺井尚子
先日、そのステージにはじめて足を運んだ、寺井尚子の最新アルバム。今回の作品は、クラシックや映画音楽など、聴きなじみあるナンバーを中心に収録した作品になっています。
作品に関しては、ジャズというよりも、彼女の持ち味である、ラテン風の曲が多く収録されていました。「エル・チョクロ」もタンゴの名曲のカバーですし、「シャコンヌ」もラテン風。ラテンのメロディーといえば、日本人にとっても、どこか郷愁を誘うのですが、この2曲に限らず、日本人の心の琴線に触れるような作品が続いて行きます。
「チャップリン・メドレー」や「メリー・ゴー・ラウンド」あたりはクラッシックのテイストを強く感じますし、「クロスオーバー」という言葉が一番ピッタリ来そうな感じが。最後の「夢の旅路」や「サマー・ファンタジー」などは、メロディーをきちんと聴かせるポップな作品で、最後を締めくくっています。
その中でも個人的にやはり印象に残ったのは、コンサートでも、東日本大震災の被災者に捧げるという形で披露した「アヴェ・マリア」。切なく歌うような彼女のヴァイオリンがとても印象に残るナンバーで、CDで聴いても思わず涙腺が緩みます。
おなじみの楽曲も多く、全体的にポップで聴きやすいアルバムのように感じました。まるで歌っているように哀愁たっぷりに聴かせる彼女のヴァイオリンが本当に魅力的。その後ろでジャジーなサウンドでしっかりと支えるピアノ、ドラム、ベースのプレイも魅力的でした。
評価:★★★★
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