ソウル・マナーに沿った新作
Title:Love Letter
Musician:R.Kelly
ジャケット写真からして、かなり雰囲気が異なるのですが・・・今回のR.Kellyの作品は、50年代~60年代のソウル・ミュージックのスタイルを取り入れたになっています。彼は、もともとからゴスペルやソウル・ミュージックをルーツとする作風の曲も少なくなかったのですが、そんな彼のルーツを全面的に押し出した作品になっています。
そのため、いつもは彼のその過激なエロ歌詞のためについてくる「Parental Advisory」(アメリカで、不適切な歌詞表現を含むCDに貼られる警告表示)もなし。ある意味、お子様でも安心(笑)な内容になっています。
ただ歌詞はともかく、もともとからソングライターとして定評のあった彼なだけに、このアルバム、昔ながらのオールド・ソウルのスタイルに沿った、美メロで聴かせる曲の連続。スウィートな曲の数々に、ソウル・ミュージック好きにはたまらない作風になっていそう。
特に聴かせどころは中盤の「When A Woman Loves」で、王道ともいえるソウルバラード。情感たっぷりのボーカルをしっかりと聴かせてくれます。個人的には、ピアノの美しい音色にメロウで軽やかなボーカルがのった、爽やかな「Lost In Your Love」が好きだなぁ。
最後にはシークレットトラックとしてマイケル・ジャクソンへ提供した「You Are Not Alone」のカバーも収録。基本的に原曲そのままのセルフカバーなのですが、R.Kellyのボーカルもなかなか魅力的な作品になっています。
50年代60年代のオールド・スタイルなソウル好きも楽しめそうな、心地よいソウル・ミュージックがたくさんおさめられた傑作でした。
評価:★★★★★
で、昨年リリースされたのがこちら。
Untitled/R.Kelly
こちらは、発売が予定されていたアルバムの音源が事前に流出したため、やり直しを余儀なくされた、といういわく付きの2009年の作品。こちらはエロ歌詞満載の、お子様にはやさしくないアルバムですが(笑)、それでもメロウに美メロを聴かせる曲も多く、彼の本領が発揮されています。HIP HOPテイストの曲やエレクトロ、ダンスチューンなども取り入れた作品も楽しめる作風になっていました。
評価:★★★★
R.Kelly 過去の作品
Double Up
ほかに聴いた作品
Tourist History/TWO DOOR CINEMA CLUB
北アイルランドを拠点に活躍を続ける3人組のインディーポップバンド。「Kitsune Maison」に楽曲が収録されるなど、大きな注目を集めています。ドラムレスなのですが、打ち込みのリズムがどこかVampire Weekendを彷彿とさせるような独特なもの。インディーバンドらしく、いい意味での素人っぽさを残しつつ、メロディーは耳にはなれつく美メロ、という感じではないものの、リズムとあわせて、強烈な中毒性があります。最初はあまり・・・と思っていても、アルバムを聴き終わった頃にはバンドにはまっていそうな、そんなアルバムでした。
評価:★★★★★
| 固定リンク
「アルバムレビュー(洋楽)2011年」カテゴリの記事
- Merry X'mas!!(2011.12.25)
- まさかこれだけ続くとは・・・。(2011.12.26)
- 歌ごころあるHIP HOPアルバム(2011.12.29)
- マニックスの歩み(2011.11.29)
- アフロビートの今(2011.11.28)
コメント