栄光の40年
Title:ALLIGATOR RECORDS 40TH ANNIVERSARY COLLECTION
(邦題 アリゲーター・レコード 栄光の40周年コレクション)
1971年に設立された、アメリカ・シカゴのブルースレーベル。今現在、活動を続けている中では最も古いブルースのレーベルだそうで、今年でなんと40周年。それを記念して、アリゲーター・レコードから発売された代表曲を収録したオムニバス・アルバムがリリースされました。
ALBERT COLLINS、BUDDY DUY&JUNIOR WELLS、JOHNNY WINTER、HOUND DOG TAYLOR、PROFESSOR LONGHAIRなどなど、層々たるメンバーが名前を連ねる今回のオムニバスアルバム。ただ、収録されているのは、いわばブルースの名盤ガイドの類に収録されているような、過去の偉人たちの作品のみにとどまりません。今回のアルバムでは、2000年代にリリースされた作品からの曲が多く収録されています。ブルースという音楽が、決して過去の遺物ではなく、いまなおプレイされ続ける現役のジャンルだ、ということを主張しているのかもしれません。
とはいっても、正直言って、そんな有名どころの作品がやはりいいなぁ、と思ってしまうのが事実でして(^^;;個人的に、このアルバムの中で一番のお気に入りがBuddy Guy&Junior Wellsの「Give Me My Coat And Shoes」で、静かだけど力強いBuddy Guyのギターと、Junior Wellsのハープが素晴らしい!ブルース界で有名な黄金コンビですが、その息の合ったプレイを、これでもかというほど聴かせてくれます。
1曲目「I'm A Woman」Koko Taylorのパワフルなシャウトから、身震いを覚えますし、Corey Harrisの「Fish Ain't Bitin'」もシンプルだけど、どこか楽しいホーンが印象に残るポップな作品。Corey Harrisは去年の「Japan Blues&Soul Carnival」でこの眼に見ているんですよね。ライブの時の印象とはちょっと異なるのですが、そんな曲幅の大きさも魅力、ということでしょうか。
2枚目にうつってAlbert Collins, Robert Cray & Johnny Copeland「T-Bone Shuffle」も、軽快なナンバーでブルースの楽しさが伝わってきますし、アリゲーター・レコード設立のきっかけとなったHound Dog Taylorの「Sitting At Home Alone」も、ちょっと乱暴さを感じながらも、力のあるギターにパワフルなボーカルが素晴らしい作品。
そして、ちょっと毛色が違うかもしれませんが、Saffire-The Uppity Blues Womenの「Going Down To The River」も、ポップで軽快なピアノと、オールディーズを思わせる懐かしい雰囲気のポップスが魅力的。これがリリースされたのが2009年というのが信じられない感じもしてしまいます(^^;;
ブルースのレーベルとはいえ、もっとロック寄りの作品もあったり、ソウル寄りの作品もあったりとバリエーションがいろいろ。それが逆に、ブルースという音楽の大きさを感じさせてくれる、のかな?2枚組全38曲というフルボリュームの作品ですが、最初から最後まで魅力的な曲がたくさんつまった素晴らしいコンピでした。
評価:★★★★★
ほかに聴いたアルバム
Animal/Ke$ha
このアルバムにも収録されている「TiK ToK」は、昨年、全世界において、デジタル配信で最もダウンロードされた曲だったとか。人気絶頂の彼女のこのアルバムは、ビルボードでも初登場1位になるなど、当然、大ヒットを記録しています。ちょっとパンキッシュ(?)なジャケットと異なり、楽曲自体は、ガーリッシュな雰囲気の、明るい今風のエレクトロポップが並んでいる感じ。聴きやすいポップな作風は、洋楽を普段聴かないようなリスナー層まで楽しめそうなポップソングで、全世界で大ヒットを記録しているのには納得感もあります。まだまだ快進撃は続きそう・・・?
評価:★★★★
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