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2011年4月12日 (火)

あらたなチャレンジ。だけれども・・・。

Title:2-NI-
Musician:ゆず

2-NI-

ゆず、といえば、2人組のアコースティック・デゥオ。シンプルなフォークソングを歌うユニット、というのが、彼らに関するパブリック・イメージでしょう。

ただ、メジャーデビューから既に12年。相変わらず高い人気を誇り、そろそろベテランの域に入ってきた彼らは、ここ最近、街角のフォーク・デゥオというよりも、スタジアム・ミュージシャンという、最近の彼らのライブスケールにふさわしい、スケール感のある作品を作ってきています。

前作「FUSUSATO」は、まさにそんなアルバム。壮大な世界観を感じさせる楽曲と、アルバム全体でひとつの世界を作るコンセプチュアルな内容が、とても印象的な作品でした。

それに続く今回の新作は、基本的にはそんな前作を引き継いだアルバムだと思います。前作が傑作だっただけに、当然本作への期待も高まったのですが・・・

う~ん・・・正直言ってしまえばいまひとつだなぁ・・・・・・。

どうも、全体的に、ストリングスなどを大胆に入れてきているアレンジがちょっと過剰気味。正直言ってしまうと、スケール感というよりも、仰々しいという感じを抱いてしまいました。

確かに、今回、彼らは次へとつなげる挑戦心あふれるナンバーもありました。TRICERATOPSと組んだロックンロールな「第九のベンさん」みたいな曲も、ユーモラスでありながら、新しいバンドと組むという挑戦心も感じられる作品になっていたと思います。

父親への思いを歌った「背中」なども、その歌詞の内容がストレートに心に響いてくる、ゆずらしいナンバーだと感じました。ただ、楽曲のテーマ性も、どうも取り扱うテーマが壮大すぎて、いまひとつ現実味が薄いんですよね。以前から、社会派の歌詞も書いていて、それもまた彼らの魅力だったのですが、今回のアルバムに関しては、どうもテーマが、あまりにも大上段に構えすぎ、そんな印象を受けました。

1曲1曲のポピュラリティーやインパクトは、もちろん「さすが」といった感じなのですが・・・もちろん単純に「昔がよかった」とは思わないのですが、ちょっとしっくりと来ない1枚でした。

評価:★★★

ゆず 過去の作品
WONDERFUL WORLD
FURUSATO


ほかに聴いたアルバム

Remember the name/Pay money To my Pain

Remember the name(通常盤)

迫力あるハードコアなサウンドやデス声と、ポップ、というよりも爽やかなメロディーラインの部分の対比がおもしろいスクリーモバンドの最新作。曲のバリエーションも増えたし、メロディーラインも、前作よりもインパクトを感じられ、前作に比べて一歩の成長を感じます。

評価:★★★★

Pay money To My Pain 過去の作品
after you wake up

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