世界の人たちが・・・
Title:SONGS FOR JAPAN
先日、音楽サイトOTOTOYからいち早くリリースされた、東日本大震災へのチャリティーアルバム「Play for Japan」を紹介しましたが、それに続いてリリースされたチャリティーアルバム。今回のアルバムは、主に、英米のミュージシャンたちを中心に、レコード会社の枠組みを超えた楽曲が収録された内容になっており大きな話題となりました。
参加ミュージシャンも、John Lennonの「Imagine」にはじまり、U2、ボブ・ディラン、レッチリ、Lady Gaga、ビヨンセ、マドンナ、Bruce Springsteen、BON JOVI、エミネム、Elton John、QUEENなど、まさに層々たるメンバーが名前を連ねています。基本的にアメリカの音楽業界主導のため、アメリカで人気のミュージシャンがメインとなっているのですが・・・。
このアルバム、iTunesで先行配信され、ビルボードチャートでベスト10入りしたほか、全22ヶ国中18ヶ国のiTunesチャートで1位を獲得したとか。日本でも人気のミュージシャンのみならず、Lady Antebellumのように、アメリカで人気でも日本ではいまひとつ、というミュージシャンまで参加しているのがうれしいところ。こういう形で世界中の方から支援を受けているという事実がとてもうれしく感じる反面、原発事故の件については、日本人として世界中に迷惑をかけていることにとても申し訳なくも感じます。
また、過去の名曲も多く収録されている反面、収録曲の大多数を締めるのが、最近のアメリカのヒット曲。そのため、純粋なコンピレーションアルバムとしても、ある意味、とてもお得感の強い作品になっています。被災者に貢献できて、なおかつ私たちも楽しめる、というのは、本当にうれしいですね。
ただ・・・ちょっとこの手のチャリティーアルバムに関して、こういう感想を書いてしまうのは申し訳ないのですが・・・最近の洋楽シーンのパワー不足も、このコンピから感じてしまいました・・・。
1曲1曲取り上げれば、確かにいい曲も多いものの、全体的にR&B系の聴かせるバラードナンバーか、エレクトロアレンジのポップチューンの似たタイプの曲が並びます。圧倒的な個性やパワーを感じる曲が少なく感じました。ただ、いわゆる「ヒット曲」というのは、いつの時代にも、こういう傾向はあるのかなぁ・・・?
とはいえども、もちろん名曲も数多く。U2やレッチリなどの大物の曲は言うまでもないのですが、エレクトロのサウンドメイキングがなかなかおもしろかったNicki Minajの「Save Me」や、ポップで楽しいソウルミュージックのCee Loの「It's OK」あたりが良かったです。他にも、以前から気になっていて、結局聴かずじまいのBruno Mars「Talkin To The Moon」のメロディーメイキングはさすがといった感じ。他にも、Queenの、ファンにはおなじみ日本語が含まれているということで発売当初話題になった「Teo Torriatte(Let Us Cling Together)」は、このコンピにピッタリの粋な選曲だなぁ~。
選曲には、好きな曲と嫌いな曲がわかれそうですが、お得感も強いですし、なによりも私たちが支払ったお金が、被災者のみなさんの役にたつわけですから、是非とも聴いて欲しい、というよりも購入してほしい1枚です。ちなみに、iTunesでの販売に続き、CDでの販売も4月22日からスタートします。配信よりもやはりCDで、という方は、こちらを是非。
評価:★★★★
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