おとといの続き。東日本大震災の被災者への支援を目的として、音楽配信サイトOTOTOYで販売を開始しているチャリティーコンピレーションアルバム「Play for Japan」。昨日はVol.1からVol3までの感想をアップしましたが、続いてVol.4からVol.6までの紹介です。
「Play for Japan」配信サイトはこちら
Vol.1~6 Vol.7~10
Title:Play for Japan Vol.4
Vol.4は、主にハードコア、パンクバンドがメインとなるコンピレーション。OKI DUB AINU BANDやLimited Express (has gone?) といったミュージシャンが参加しています。
勢いあるロックなナンバーが並んでいるのですが、その中でもよかったのが、福岡のガールズパンクバンド、ガロリンズの「異なる」。迫力あるガレージチューンがとても魅力的。ただ、残念なことにボーカルの藤井よしえは昨年11月に逝去したとか・・・。
タイプは異なりますが、DRY&HEAVYの元ボーカリスト、Likkle Maiの「Home Sweet Home」もよかったなぁ。暖かい雰囲気のポップなレゲエチューンで、聴いていて気持ちよくなれます。
他にも、ピアニカをはじめとする暖かい音が気持ちよいインストチューン、4人組ダブ・インストバンドあらかじめ決められた恋人たちへの「錆びる灯」や、ヘヴィーなバンドサウンドとシャウトが印象的な、ハードコア・パンクバンドSAFARIの「ツイストアンドシャウト」、ちょっとファンキーさも感じられる、疾走感あるギターロックを聴かせてくれるLimited Express (has gone?) の「ナイチンゲール」なんかが良かったなぁ。他にも、サンバとパンクを繰り返すという曲構成がユニークな、イルリメややけのはらなども参加しているユニットyounGSoundsの「ヤングサウンズのテーマ」もインパクト大でした。
個人的には、Vol.6までの中で、このVol.4が一番良かったかも。勢いのあるロックサウンドを多く聴けるこのアルバムは、ロックリスナーには特にお勧めかと。
評価:★★★★★
Title:Play for Japan Vol.5
桜を見上げるジャケット写真が印象的なVol.5。明日への希望を感じさせるVol.5のジャケットが一番好きかも。ちょっと懐かしい名前の松崎ナオや、プロデューサーとして有名な佐久間正英、World Standardや朝日美穂、元たまの柳原陽一郎らが参加しています。
このVol.5も、フォーキーな雰囲気の女性ボーカルの曲がメインで収録されていた印象が。ただ、一癖あるようなボーカリストの曲が並んでいます。
2人組ユニットSAKANAの「Angelique」や、青葉市子の「つよくなる」、遠藤友梨恵のソロユニットユビトークの「神様がくれたもの」、朝日美穂の「小春日」やプロデューサー鈴木惣一朗によるポップスユニットWorld Standardの「アキ・アイ」、柳原陽一郎の「ファミリープラン」など、メロディーと、そしてちょっと癖のあるボーカルが印象的な、暖かいポップソングの佳曲が揃っています。
他にも、京都出身のポップバンド、ロボピッチャーの「ファンファーレ」もポップで楽しい作品になっていましたし、福岡のバンドnontroppoの「赤い彗星」のライブバージョンも、パンキッシュでサイケなサウンドが文句なしにカッコいい!男女4人組バンドSEBASTIAN Xの「DUB湯」もパンキッシュでユニークなサウンドがなかなか良かったですし、さらに最後はTHE CORONAの「旅人の朝」は、クリアなボーカルとピアノが心地よいナンバー。Vol.4は素直な良作が多かったように思います。
評価:★★★★★
Title:Play for Japan Vol.6
そしてVol.6にはthe telephonesの石毛輝やLITTLE CREATURESなどが参加。こちらは比較的、ギターロックが多い構成になっていたかな?
LITTLE CREATURESの「Morning People」は、やはり独自の音をしっかりと出していて、さすがの内容。男性2人+女性1人のbroken little sister「don't be afraid」は、昔ながらのシューゲイザーといった感じで、新鮮味は感じないのですが、個人的には好み。それに続くlily of the valley「marble chocolate」も一応「シューゲイザー」の枠組みになるのでしょうか?美しいピアノとギターで幻想的な音世界を作り上げていて、なかなか良かったです。
一方、骨太のロックバンドも。3人組ロックバンドSorrys!の「All right」は力強いバンドサウンドと、思いっきり歌い上げているボーカルがインパクト大。THE BITEの「トラベリンバンド」も、昔ながらの骨太なブルースロックが印象的に残るナンバーでした。
他にもちょっとユーモラスなギターロックが楽しい5人組ロックバンド東京カランコロンの「ヴァージニアだったっけ?」や切ないメロが印象に残る大阪出身4人組バンドPaperbagLunchboxの「Watching You」、キュートでメロディアスなメロが特徴的なアナ「PLANET」、力強いサウンドが印象的なidea of joke「No Mercy」などもよかったです。
評価:★★★★
全112曲。聴いていて本当におなかいっぱいになるコンピでした(笑)。でも、このコンピではじめて聴いたミュージシャンも多く、こういう形とはいえ、様々なミュージシャンと出会えるというのはやはりうれしいこと。そして、それが同時に被災者への支援になる、というのは、音楽ファンにとっては願ってもいないこと。
このアルバムを皮切りに、続々とチャリティアルバムがリリースされています。さすがに全部は聴けないのですが・・・・・・。時間が許せば、いろいろと聴いてみたいですね。とりあえず、このコンピのVol.7からVol.10、そしていろいろと話題になっているU2ら大物海外ミュージシャンが参加し話題となっている「SONGS FOR JAPAN」は聴いてみたいなぁ。
ただ、ひとつ残念なのが、販売期間が6月17日までと短いこと。6月では、まだまだ復興がはじまったばかりの時期のような気がします。採算度外視なので仕方ないのかもしれませんが・・・もうちょっと長い期間、販売してほしいなぁ・・・。
ほかに聴いたアルバム
Kilk Sampler 2011 Spring
で、同じOTOTOYで無料配信しているアルバムがこちら。ポストロック、エレクトロニカ系のレーベル、Kilk Recordsのミュージシャンの曲を集めたコンピレーションです。ストリングスやピアノ、またはクリアな女性ボーカルを用いて、美しく幻想的ながらも、どこか不思議な雰囲気を持った世界をつくりあげているミュージシャンが多く、ついつい聴き入ってしまいます。ただ、いい曲だな、と思う曲は少なくなかったのですが、「これは!!」と他のアルバムをすぐにでも聴いてみたい!と思わせるようなミュージシャンはいなかったかも・・・。Bronbaba、Ferriあたりがよかったかなぁ。Ferriは他のアルバムを聴いてみてもいいかも。
評価:★★★★
Kilk Sampler 2011 Springのダウンロードはこちらから。6月17日までだそうです。
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