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2011年3月 8日 (火)

新境地開拓の志しを強く感じるけど・・・

Title:You can't catch me
Musician:坂本真綾

You can’t catch me

デビュー15周年企画として発売された、坂本真綾のニューアルバム。大きな特徴は、なんといっても、様々なミュージシャンとのコラボが実現している点でした。

軽快なピアノの音が心地よいポップスが自分好みだなぁ、と思った「eternal return」はSUEMITSU&THE SUEMITHの作品で「やはり」と思ったり、シュガー・ベイブの名曲「DOWN TOWN」をスカテイストでカバーしたり。他にも、おなじみの菅野よう子の他、柴田淳、スネオヘアー、スキマスイッチの常田真太郎、かの香織、鈴木祥子、真心ブラザーズ桜井秀俊、キリンジ堀込高樹、ROUND TABLE北川勝利、矢吹香那と、かなり豪華なメンバーが顔をそろえています。

アルバム全体の雰囲気としては良質なシティポップといった感じ。いわゆるアニソンテイストの曲もないため、幅広い層が純粋にポップソングとして楽しめるようなアルバムになっていると思います。

ただ、アルバムとしてはこれだけ豪華なミュージシャンを集めた割りには、それがいまひとつ生かしきれていないように感じました・・・。出来の良い曲といまひとつの曲がまじっているような印象。特に、ストリングスのアレンジで、ちょっといまひとつかも、と思うような曲も多く、また、曲自体は悪くなくても、彼女の声を生かしきれていないのではないか、と思うような曲もチラホラ。

ファン的には、菅野よう子とのコンビがいわゆる一番でしょうし、実際、このアルバムの中でも、もっともすっきりとは彼女の声がはまっていた曲が「美しい人」だったように感じます。ただ、完成度の高い菅野よう子の作品は、坂本真綾の可能性を制限している部分も感じる部分もあっただけに、様々なミュージシャンとコラボをして、音楽の幅を広げようとする彼女の志しに、強く惹かれるものがあります。

その中で、「stand up,girls!」などの出来がなかなかよく、個人的には、鈴木祥子との組み合わせが、結構合っているんじゃないかなぁ、と思いつつ、これからに期待したいところです。

前作「かぜよみ」で、新しい坂本真綾の方向性がひとつ示されたような感もあったのですが、彼女としては、まだまだその可能性を広げようと模索している最中ということなのでしょうか。まだまだ新しい彼女の姿が、これからも見えてきそう。そういう意味ではこのアルバム、出来としてはいま一歩の部分も大きかった一方で、これからが楽しみになるような要素もつまった作品だと思いました。

評価:★★★★

坂本真綾 過去の作品
かぜよみ
everywhere


ほかに聴いたアルバム

ALMA/ACIDMAN

ALMA

あれ?ACIDMANといえば、様々な音楽の要素を取り込んだ、複雑でスケール感のある音楽が魅力的のバンド・・・だと思ったのですが、このアルバムに関しては、フツーのギターロックといった感じ。「ノエル」のようなスケール感のある作品もあるのですが、全体としては、あまりACIDMANとしての個性が出ていないような・・・。

評価:★★★

ACIDMAN 過去の作品
LIFE
A beautiful greed

LESSON2/SADS

Lesson 2(ジャケットA)

黒夢も復活させたし、清春の活動が、かなり活発化しているなぁ~。前作からわずか5ヶ月のインターバルでリリースされたのは8曲入りのミニアルバム。雰囲気としては、ハードコア路線に、少々パンク的な要素を入れた感じ。正直、似たような曲が並んでいたのですが、30分弱というアルバムの長さから、だれることなく勢いで聴けたような感じでした。

評価:★★★★

SADS 過去の作品
THE 7 DEADLY SINS

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