10年ぶりの復活作!
1990年代、そのフォーキーで心暖まるサウンドが、多くのリスナーの心をひきつけたサニーディ・サービス。2000年に惜しまれつつ、その活動の幕を降ろしました。
その後、ボーカルの曽我部恵一は、ソロ名義だったりバンド名義だったり、かなり活発な活動を続けてきましたが、2010年になって、なんと復活!な~んとなく、サニーディは再結成しないんじゃないかなぁ、と勝手に思い込んでいただけに、ちょっとビックリしました。
で、アルバム発売から1年近くたつのですが、ようやくサニーディとしての10年ぶりの新譜を聴いてみました。
Title:本日は晴天なり
Musician:サニーディ・サービス
1曲目「恋人たち」から、爽やかでフィーキーな楽曲に、実にらしいタイトルも含めて「これぞサニーディだ!!」と思った方も多かったのではないでしょうか?その後も、実にキュートなメロディーがたまらない「南口の恋」や、アコギで静かに聴かせる「水色の世界」など、魅力的な曲がたくさん。途中には、ちょっとファンキーな雰囲気のギターが楽しい「まわる花」など、ちょっとしたスパイスになっています。
ただ・・・ちょっと気になったのは、全体的に、ちょっと内輪的というか、以前のサニーディのような、ある種の垢抜けた感が薄くなったかなぁ、という感じがしました。
正直、サニーディ解散後の曽我部恵一は、音楽を楽しんでやっているなぁ、と感じる反面、内輪テイストが強くなってしまっていたのが気にかかっていました。そんな中のサニーディ復活。どういう方向で行くのか、期待半分不安半分といった感じでした。
で、結果としては、とても魅力的な楽曲も多く、「あぁ、サニーディはやはり素晴らしいバンドだなぁ」と感じる反面、ここ最近の曽我部恵一の活動で気になっていた、内輪ノリみたいな部分も出てしまったかなぁ・・・とも感じました。
とはいえ、サニーディのファンにとっては、うれしい1枚となったのではないでしょうか。最後の「だれも知らなかった朝に」も、これからはじまる朝を予感させるような曲で、これからの活動にも期待できそう。これからも、どんどん名曲を作っていってほしいです!!
評価:★★★★
で、ほぼ同時期に、ソロでもアルバムをリリースしてしまうあたりに、彼のバイタリティーの強さを感じます。
Title:けいちゃん
Musician:曽我部恵一
で、ちょっとファンキーモンキーベイビーっぽいジャケット写真の(笑)曽我部恵一のソロ名義での新作。サニーディというバンドを再スタートさせたからでしょうか、こちらは全編弾き語りの作品となっています。
「パリへ行ったことがあるかい?」などは、「え?地獄のミサワ??」みたいに歌詞を感じてしまったのですが(笑)、全編、肩の力の抜けたような暖かさが感じられます。「そしてぼくはうたをうたう」のように、シンプルなメロディーに、身近な日常の描写が魅力的な曲が多く、「けいちゃん」というタイトル通り、曽我部恵一というミュージシャンを身近に感じられる作品でした。
サニーディが以前より内輪っぽさが出てしまったのに対して、こちらは以前のソロよりも内輪っぽさが抜け、いい意味で垢抜けている感じも。サニーディと共に、今後もソロでもコンスタントに曲を聴かせてくれるのでしょうか。楽しみです。
評価:★★★★
曽我部恵一 過去の作品
キラキラ!(曽我部恵一BAND)
ハピネス!(曽我部恵一BAND)
ソカバンのみんなのロック!(曽我部恵一BAND)
Sings
ほかに聴いたアルバム
リズム/RYTHEM
今年2月のライブを最後に解散した、女性2人組ポップスデゥオ。デビュー当初のクリアなコーラスラインが絶品だった作風と比べると、全体的には普通のポップスになっちゃったかなぁ、といった感じ。1曲1曲の出来は、さすがといった感じで、決して悪くはないと思うのですが。
評価:★★★
RYTHEM 過去の作品
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