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2011年3月26日 (土)

音楽の楽しさにあふれています

Title:ティン・パン・アレイ
Musician:毛皮のマリーズ

ティン・パン・アレイ

今回、毛皮のマリーズのアルバムタイトルとなった「ティン・パン・アレイ」とは、もともとは、ニューヨークはマンハッタンの一角の地名。1800年代、当時のポピュラーミュージックの販売スタイルはもっぱら楽譜の販売だったのですが、楽譜を買ってもらうために、街角でその楽譜の演奏をしていたそうです。そのため、ブリキをたたいているかのようににぎやかな状況だったため、「ティン・パン・アレイ」という名前がつき、転じて、その時代の楽曲のスタイルのことも、「ティン・パン・アレイ」と称したりしているそうです。

ある意味、ポピュラー・ミュージックの元祖的な意味合いのあるこの言葉をアルバムタイトルにつけるあたり、彼らの意気込みを感じられます。そして、今回のアルバムは、その「ティン・パン・アレイ」というタイトルにふさわしい、様々なタイプの曲がにぎやかに収録された作品になっていました。

ロックンロールバンドという彼らのイメージからすると、今回のアルバムは、かなりポップ寄り。違和感を覚えたファンも少なくないかもしれません。今回の作品は、なんでも志磨遼平ほとんど一人の手による作品だそうで、ある意味、彼が好き勝手に自分の影響を受けた楽曲を奏でた作品。「毛皮のマリーズ」のアルバムとしては異色作といえるかもしれません。

1曲目「序曲(冬の朝)」こそノイジーなギターサウンドからスタートしますが、これはある意味、いままでの毛皮のマリーズのファンが、アルバムをスタートさせて、すぐに聴くのをやめるのを防ぐための手かもしれません(笑)。

その後のレトロの・・・60年代どころか、50年代あたりのポピュラーミュージックの雰囲気を感じさせる「さよならベイビー・ブルー」や、タイトルもユニークな「おっさんOn The Corner」。先行シングルになった「Mary Lou」も、60年代のギタポの色を強く感じる、せつないポップチューンになっています。

「C列車でいこう」は、分厚いアレンジが、どこか大滝詠一風(?)ですし、「星の王子さま(バイオリンのための)」はヨーロッパ風のワルツ。最後の最後まで、様々なスタイルのポップソングが楽しめます。

1曲目をのぞいて、ロックというほとんどはほぼなく、そういう意味では、いままでのファンにとっては賛否両論のような感じもします。ただ、前作「毛皮のマリーズ」も、ロックンロールの中に、様々な音楽の要素が入っていて、楽しいポップな内容に仕上がっていて、続けて聴くと、なにげにあまり違和感がありません。毛皮のマリーズ志磨遼平のコアな部分はここでしょうし、また、このコアな部分は、いままでの彼らの作品にも多分に含まれていた要素だったのかもしれません。

まあ、せっかくいままでのスタイルで十分な個性を築いてきたバンドなだけに、今後もこのスタイルで・・・という感じにはならないでしょう。異質な作品ともいえる今回のアルバム。「問題作」という言い方がもっともふさわしいのかもしれません。

さて、このアルバムのあと、彼らがどんな作品をつくってくるのか・・・それもとても楽しみになります。ファンにとっては好き嫌いはわかれそうな作品ですが、これも間違いなく毛皮のマリーズの音楽の一部、そう感じたアルバムでした。

評価:★★★★★

毛皮のマリーズ 過去の作品
毛皮のマリーズ

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