未だに衰えぬ勢い
Title:1!2!3!4!
Mucisian:グループ魂
グループ魂の新作、とにかく笑わせていただきました(笑)。全79分16秒にも及ぶボリューム満点のアルバム。しかし、最初から最後までほとんどダレルことなく、あっという間にこの作品を楽しむことが出来ました。
登場するネタはある意味、いつものパターン。歪んだ愛の形を描く「ラブラブエッサイム'82」や、相変わらずの下ネタ満載の「押忍!てまん部」や「IN」、脇役芸能人をユーモラスに描写するいつものネタの今回のターゲットは、2ドラでおなじみの「中村梅雀」。さらにおなじみ大江戸コール&レスポンズシリーズは、おそらく市川海老蔵にインスパイヤされたのではないかと思われる「大江戸謝罪&レスポンズ」などなど。ある種パターン化しているネタも多いのですが、お笑いネタはある程度パターン化しちゃった方がおもしろいんですよね、やはり。
今回は、前半に音楽がまとまっていて、後半にコントがまとまっている内容。ある意味、音楽部分とコント部分の2枚組というか、別のアルバムのような感覚で聴けました。
いつものグループ魂は、2、3回聴けばもういいかな、と思うのですが、今回のアルバムに関しては、もっと何度か聴きたくなるような充実の内容だったと思います。まあ、グループ魂のネタに慣れてきて、笑いどころがわかってきた、ということもあるのですが、それ以上に、特に音楽の部分が充実してきたように感じます。
もともと、しっかりとバンドとしての実力を感じさせるロックチューンを聴かせてくれていた彼らですが、本作も思いっきりパンク(+ハードロックテイスト)の「パンク仲間はずれ」や、ギターリフを主導とする王道のロックを聴かせてくれる「フェス!!最高」など、バンドとしても聴かせる曲が多数あります。
その上、音楽とネタを融合させた、マイケル・ジャクソンのパロディー「職務質問」など、高度な音楽ネタも聴かせてくれたり、音楽の面で聴き所たくさん。そんな彼らのロックは、ネタ的な歌詞をのぞけば、いい意味でポピュラリティーが出てきていて、非常に馴染みやすく、メロディーが耳に残る曲が増えてきた感じがします。メロディーの壺を押さえてきているような印象を受けました。
コント部分も含めて、これまで聴いていた作品の中で、もっとも楽しめた作品だったと思います。これなら、何度聴いても楽しめそうです(笑)。いまだに成長し続ける彼らに、未だに衰えない勢いを感じさせる、そんな1枚でした。
評価:★★★★★
グループ魂 過去の作品
ぱつんぱつん
ほかに聴いたアルバム
クレシェンド/湯川潮音
全編アコースティックなサウンドがとても美しい作品。フォーキーなメロディーが彼女のボーカルとあわさって透き通るような美しい風景が展開されます。どこか幻想的な雰囲気を感じる作品になっていますが、ただ、オリジナルとして前作に比べると、若干、地に足をつけた印象も?
評価:★★★★
湯川潮音 過去の作品
灰色とわたし
Sweet Children O'Mine
秒針/TOMOVSKY
ギターを中心とした、ちょっとひねくれたポップソングというのはいつも通りのTOMOVSKY。ミディアムテンポのナンバーが多く、ちょっと地味な雰囲気なのも彼らしいといった感じ。そして、世の中を斜めから見たひねくれた歌詞も・・・・・・あれ?いまひとつ印象に残らない・・・どうも歌詞のインパクトが薄かったような感じがします。ちょっと残念。
評価:★★★★
TOMOVSKY 過去の作品
幻想
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