ひょっとしたら「離婚」前提??
Title:淫ビテーションe.p.
Musician:MONOBRIGHT
突然、解散したばかりのBEAT CRUSADERSのヒダカトオルが加入!ということで大きな話題となったMONOBRIGHT。ヒダカトオル加入を「結婚」になぞらえており、そのアルバムも、「招待状=インビテーション」と、とことん「結婚」というスタイルにこだわっています。
ただ、MONOBRIGHTにヒダカトオル加入というニュースに関して、不安を感じた方も少なくないのではないでしょうか。BEAT CRUSADERSも、かなり個性の強いバンドだったのですが、ヒダカトオルが加入することにより、MONOBRIGHTがビークルになってしまう・・・そう心配されたファンもいるかもしれません。
そして、ヒダカトオル加入後初となるアルバムを聴く限り、その危惧があたってしまったのではないか、とも感じました。
「旅立ちと少年2」をはじめ、MONOBRIGHTらしいひねくれたメロディーは健在ながらも、どの曲もバンドのアレンジがグッと太くなり、BEAT CRUSADERSっぽい雰囲気に。ボーカルこそ桃野がメインであるため、MONOBRIGHTらしさを感じるのですが、曲によっては、ヒダカがメインボーカルをとったら、ビークルの曲になるのでは?なんて曲も・・・。
MONOBRIGHTもしっかりとした個性を持っていたバンドだっただけに、ヒダカが加入しての方向転換はちょっと「?」な部分もあります。MONOBRIGHTの良さを殺してしまっている部分もあり、残念な感じがしました。ただ、ひょっとしたら本人たちもそれに気がついているのでは?新メンバー加入を「結婚」というコンセプトで押しているというのは、逆に、あくまでも一時的な加入であって、アルバムを何枚かリリースした後に「離婚」と銘打って、ヒダカが脱退することもありうるのでは?それを見越しての「結婚」だったのでは??なんて邪推もしてしまいました。
アルバム数枚だったら、この方向性もありかなぁ、とは思います。ただもし永続的にこのスタイルで続くということになったら、せっかく個性的なバンドの個性を殺してしまったような感じがして、とても残念。ともかく、いろいろな意味で今後の展開に注目したくなる作品でした。
評価:★★★
monobright 過去の作品
monobright one
monobright two
adventure
ほかに聴いたアルバム
赤いコート/スネオヘアー
全4曲入りのミニアルバム。タイトル曲は、アップテンポながらも切ないメロが印象に残ります。全体的にも切なく聴かせる雰囲気のメロディーは彼らしい感じに。ただ、やはり4曲は物足りないかなぁ・・・というよりも、事実上のシングルか?
評価:★★★★
THE LABORATORY/NITRO MICROPHONE UNDERGROUND
前作「BACK AGAIN」もかなりポップ寄りの作品だったのですが、続く本作もポップ寄りの軽い作品に。個性的なMCによるマイクリレーは魅力的なのは間違いないのですが、やはりヘヴィーとポップの狭間でちょっと中途半端な感じは否めないような・・・。今後もこのスタイルで行くのかなぁ?評価:★★★
NITRO MICROPHONE UNDERGROUND 過去の作品
SPECIAL FORCE
BACK AGAIN
NITRO X 99-09
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コメント
ビークルが好きだった私は、加入当時「ヒダカさんがモノブラに?!」と驚きました。
そして、それまで聴いたことがなかったMONOBRIGHTのアルバムを聴いてみたりもしました。
「ダカさんが加入して、どのように変わるのか。
年齢的にもミュージシャンのキャリア的にも大先輩なダカさんを、うまく活かすことができるのか。
逆にダカさんに飲み込まれ、モノブラ色が一変してしまうのか。」
という意味で、気にはなっていました。
まだダカさん加入後の音源は聴いてませんが、この記事を読んで「やっぱりそうなっちゃったか…。」と思いました。
でも、「もしや離婚前提?」という発想は、斬新ながらも納得してしまいますね。
投稿: SEIYA | 2011年3月22日 (火) 04時46分
>SEIYAさん
そうなんですよ~。かなり飲み込まれちゃったみたいで・・・。
MONOBRIGHT feat.ヒダカトオルみたいな感じで、数作のみ参加というのでしたら、これはこれでおもしろいと思うのですが・・・残念です。
ただ、個人的には、やはりこの組み合わせは一時的かなぁ、とも思いました。それなので「離婚」を考えているのではないかと(笑)。どうなるんでしょうか?いろいろな意味でこれから注目ですね。
投稿: ゆういち | 2011年3月24日 (木) 00時40分
モノブライトらしさってなんでしょうか?
個性もなくイマイチなバンドだったので、プラスになったのでは
投稿: 通りすがり | 2011年3月26日 (土) 20時57分
>通りすがりさん
ひねくれた独特のメロディーラインと、ほどよく力の抜けたバンドサウンドが、monobrightの大きな個性だったと思います。
まあ、確かにおっしゃるとおり、個性的といってもいまひとつな部分があったので、ブレイク出来なかったのは事実なのですが・・・(^^;;
ただ、それでも、このアルバムだと、完全にヒダカトオルの個性につぶされそうになっている気がします。どうなるのでしょうか・・・。
投稿: ゆういち | 2011年3月26日 (土) 22時58分