ミュージシャンとのコラボで広がる幅
Title:NEWOLD
Musician:大橋トリオ
フルアルバムとしてはメジャー2枚目となる大橋トリオのニューアルバム。「トリオ」という名前がつきながら、いままで、基本的に作詞を除き、作曲や演奏をほぼ1人だけで行ってきた彼ですが、今回の作品では、様々なミュージシャンとのコラボを行ったことが大きな特徴となっています。
「This is the love」では浜田真理子とのデゥオを、「真夜中のメリーゴーランド」では手嶌葵とのデゥオを聴かせてくれます。どちらも個性的な女性ボーカルが作品にいいインパクトを与えています。
「JASMINE」ではなんと布袋寅泰がギターで参加。しかし、バリバリのロック・・・ではなく、ソフトロック風の静かなナンバーに、ちょっとブルージーな布袋のギターが、目立ちすぎるわけでもなく、ほとよいバランスで楽曲に彩りを加えています。
そして印象的だったのが、半野喜弘とタッグを組んだ「CUBE」。ちょっとエレクトロニカ的な打ち込みに、無機質なピアノの音が響く不思議な世界観が魅力的。暖かみを感じる大橋トリオの作品の中では、ちょっと異質な感じがおもしろい作品になっています。
ただ、そうとはいっても、ジャズをベースに、あくまでもポップにまとめあげている、という大橋トリオのいままでのスタンスはそのまま。いままでの作品でファンになった方も間違いなく気に入る作品だと思います。プラス、様々なミュージシャンとのコラボで、さらに曲の幅が広がった感じ。特にコラボを組んだどのミュージシャンも、あくまでも大橋トリオの引き立て役に留まりながらも、しっかりと存在感を出しているあたり、非常にバランスのよいコラボになっていたと思います。
そろそろブレイクしないかなぁ~。これだけの作品を続けてリリースしていれば、そろそろ大ヒットも産まれそうなんですけどね・・・。
評価:★★★★★
大橋トリオ 過去の作品
A BIRD
I Got Rhythm?
ほかに聴いたアルバム
UTAU/大貫妙子&坂本龍一
大貫妙子と坂本龍一がタッグを組んで発表した新作は、教授のピアノのみをバックに、大貫妙子がしとやかだけど力強く美しいボーカルで歌を歌うという贅沢な内容。どこか郷愁を誘うような和風のメロディーラインも実に魅力的です。
評価:★★★★★
NEW ME/オシリペンペンズ
全5曲。あわせてもわずか10分弱のミニアルバム。いわゆる「関西ゼロ世代」のミュージシャンで、不条理な歌詞にメロディーライン、そしてとことん音数を絞りながらも、サイケチックなバンドサウンドが独特。以前聴いた「ミクロで行こう」は壺にはまらなかったのですが、今回の新作は、聴いていたら徐々にその独特な音にはまっていきました。特に、間スカスカな音が絶妙で魅力的。中毒性ある作品かも。
評価:★★★★
オシリペンペンズ 過去の作品
ミクロで行こう
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