おや??
Title:オカモトズに夢中
Musician:OKAMOTO'S
前作「10'S」が大きな話題となった4人組ロックバンドOKAMOTO'Sの新作。今回の作品でも、60年代のロック直系のバンドサウンドを聴かせてくれています。
ただ、大傑作だった「10'S」と比べると、この作品、最初聴いた時はちょっと「おや??」と感じました。時にはファンキーに、時にはハードに聴かせるバンドサウンドは、ちょっとブラックな要素も入っていてカッコいいのは相変わらずなのですが、前作よりも、ちょっと分厚くなった印象があります。
それはそれでいいのですが、そのサウンドに対して、ちょっとボーカルが弱いように感じました。ボーカルのオカモトショウは、決して歌が上手いというタイプではなく、ボーカルはヘナヘナとした感じ。バンドがしっかりしているだけに、ボーカルの弱さが、かなり悪い方に浮かび上がってしまったように感じました。
ただ、じゃあ、ボーカルがダメか、と言われるとそうじゃないと思うんですよね。実際、前作ではボーカルが弱いとか、ほとんど気にならなかったですし、このアルバムでも「Midnight Icecream」みたいな曲だと、逆にちょっとかすれた彼のボーカルが味になっているように思います。
RUN D.M.C.の「Walk This Way」のカバーだったり、ギタポ風の「Telephone Telephone」や、サイケ風の「美しい」など、バリエーションはグッと増えたのですが、ちょっとボーカルに合わない曲が多かったかも・・・。
前作が傑作だっただけに、ちょっと「おや?」と思ってしまった本作。より広くなった音楽性に彼らの実力は感じられるのですが、ボーカルとのバランスがちょっと気にかかりました。
評価:★★★★
OKAMOTO'S 過去の作品
10'S
ほかに聴いたアルバム
Long Good-bye/浅川マキ
昨年1月、急逝した浅川マキ。アンダーグラウンドの女王として、一部では熱狂的な支持を集めた彼女。もともと彼女の曲をはじめて聴いたのは、「青春歌年鑑」の中に収録されていた「夜が明けたら」。他のヒット曲の中で、明らかに異質な作風がなんともいえないインパクトがあり、時代を超えた魅力を感じました。
そして今回発売されたベストアルバム。その歌声にはゾクゾクするものがあります。ジャズ、ブルース、ロック、あるいは歌謡曲などが包括された作風は、曲によっては少々時代を感じるものもあるものの、彼女の歌声は間違いなく時代を超えるものがありました。「情念」とでもいうのでしょうか、心の底からの叫びのような歌声は、様々なジャンルの曲を、すべて浅川マキの色に染めていました。
アンダーグラウンドの女王、といっても、よくありがちな「アングラ」のようなわかりにくさはありません。それよりも、社会でむくわれず、アンダーグラウンドでしか生きられないような心の叫びを聴くような、今聴いても全く魅力を失っていない、独特の輝くがある作品です。
評価:★★★★★
HI-FIVE/DABO
なんか、風貌が「ジャイアン」みたいだな(笑)。アルバムを聴いて、妙に「ケツにマシンガン ケツにマシンガン~♪」というフレーズだけが頭に残りました(^^;;全体的には、高いトーンの明るいトラックがメインとなっている作品。ポップな感じで聴きやすい作風に仕上がっています。ただ、ガツンとした一発がない点は、ちょっと物足りなさも。
評価:★★★★
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