垢抜けてきた?
Title:Spin The Music
Musician:Crystal Kay
フルアルバムとしては2年4ヶ月ぶり。ちょっと久々となるCrystal Kayのニューアルバム。まず感じたのは、いい意味で彼女、垢抜けてきたのでは?ということでした。
前半、耳を惹くファンキーな「今夜はNo.1」や、ロッキンなエレクトロチューンに、ボーカルの迫力を感じる「FLASH」など、いままでも今風のR&Bチューンを積極的に取り入れてきた彼女ですが、いままではどこか優等生的にまとまっていたのが、より垢抜けてきたように感じました。
一方、「君がいれば」や「I prey」のような、彼女らしい、日本人になじみやすいベタなメロディーのバラードナンバーも健在。耳なじみやすいメロディーをしっかりとしたボーカルで丁寧に聴かせるこれらのナンバーも、いわゆる「本格派」ではないのかもしれませんが、彼女の大きな魅力のように感じます。
彼女のさらなる成長を感じさせる1枚。より大人の女性へと成長していく彼女を感じさせます。これからの活躍も楽しみです。
ちなみに・・・聴きどころがもう1曲。Yellow Magic Orchestra feat.Crystal Kay名義になるのですが、「Thank You For Talkin' To Me Africa」が素晴らしい!Sly & the Family Stoneの曲をYMOがカバーしているのですが、ファンキーな演奏がめちゃくちゃカッコいい(特にうねるような細野さんのベースが!)。もちろん、Crystal Kayのボーカルも魅力的なのですが、テクノポップというYMOのイメージとはちょっと異なるソウルフルな演奏に、思わず惹きつけられてしまうような名カバーです。
評価:★★★★★
Crystal Kay 過去の作品
Shining
Color Change!
BEST of CRYSTAL KAY
THE BEST REMIXES of CK
FLASH
ほかに聴いたアルバム
YUKI"The Present" 2010.6.14,15 Bunkamura Orchard Hall/YUKI
タイトル通り、昨年6月渋谷文化村オーチャードホールで、オーケストラをバックに行われたYUKIのライブの模様をおさめたライブアルバム。どんなスタイルでも、「YUKIの曲だ」と一発でわかり、あらためてジュディマリとは全く異なるYUKIのオリジナリティーを獲得したのだなぁ、とあらためて感じました。ジュディマリ解散直後のソロでは迷走を続け、どうなることかと思ったのですが、もう、元ジュディマリという肩書きは不要ですね。MCも収録。ちょっと寒い部分もあるのですが、それはお愛想で(笑)。
評価:★★★★
YUKI 過去の作品
five-star
うれしくて抱きあうよ
MIXTURE/Dragon Ash
アルバムの内容はタイトル通り。ここ最近、ラテン方向に向かっていたDragon Ashが、昔のようなミクスチャーロック路線に回帰した作品。さすがにこのジャンルに関しては十八番というか、聴いていて安心できる内容に。そういう意味では、かつてからのファンにとっては純粋に楽しめる内容だと思います。なんだかんだいって耳に残るメロディーも、迫力あるバンドサウンドも、Dragon Ashの実力を再認識できる作品だとは思います。が、以前の作品のように、強烈にシーンを変えてやろうというパワーが薄いというか・・・。スタイルこそヘヴィーですが、その内実は、前作と同様、攻撃性はあまり感じられません。「羊の皮をかぶったオオカミ」という表現はよくあるのですが、あえていえば「オオカミの皮をかぶった羊」といった感じで・・・。評価:★★★★
Dragon Ash 過去の作品
The Best of Dragon Ash with Changes Vol.1
The Best of Dragon Ash with Changes Vol.2
FREEDOM
GALAXY HEAD MEETING/PONTIACS
ベンジーこと浅井健一の新バンドは、ブランキー時代の盟友、照井利幸と有松益男を迎えての3人組。うーん、もうちょっとひとつのバンドに腰を落ち着けて曲を発表してほしい感じがするのですが・・・。ソロになって以降、どうもいまひとつなベンジーですが、このバンドはさすが照井と組んだだけあって、ブランキー解散以降の作品の中では、なかなかカッコいい出来に。ただ、それでもちょっとマンネリ気味にも感じさせるバンドサウンドは、最初こそ惹き込まれるものの、後半はちょっと飽きてきたかも。でも、このバンドで2作3作と作品を発表していけば、傑作が産まれそうな予感も。評価:★★★★
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