17年前から変わらず
Title:Loading Myself
Musician:東野純直
「君とピアノと」「君は僕の勇気」などのスマッシュ・ヒットで知られる男性SSW東野純直の、約5年ぶりとなるニューアルバム。彼が話題になったのは自分が高校生の頃なのですが、残念ながら、その後は大きなヒットに恵まれず。しかし、今なおコンスタントに活躍してくれているのがうれしいところです。
そして、彼の曲は、17年たってもあの時代からあまり変わりません。いい意味で。冒頭の「Light House」の最初のシンセなど、実に90年代風。続く「MY DAYS」など、軽快なピアノも実に彼らしいポップスになっています。このアルバムの最後に、彼の3rdシングル「君だから」のセルフカバーが収録されているのですが、最新の曲と並べても、ほとんど違和感がありません。
とはいっても、ちょっと懐かしさこそ感じられ、いわゆる「マンネリ」はあまり感じられません。決して曲のバリエーションに幅がある、というタイプではないのですが、おそらく、純粋にメロディーを聴かせる曲が多く、そしてそのメロディーラインの良さゆえに、マンネリを感じられないのでしょう。90年代の男性SSWの曲が、そのままパッケージされたような、懐かしさと楽しさが同居するような1枚でした。
評価:★★★★
東野純直 他の作品
GOLDEN☆BEST 東野純直~アーリーシングルコレクション~
ほかに聴いたアルバム
5WOMEN/SEAMO
SEAMOが5人の女性シンガーとコラボ、と聞いて、すごく嫌な予感がして、あまりにも着うた系泣きメロそのまんまな「クリスマス大作戦」でがっくり来て・・・。ただ、DEEP PURPLEの大ネタそのままをサンプリングした「Hungry」はベタだけど、ロッキンな内容がなかなかカッコよく、続く「Change」もソウルフルな女性ボーカルで、なかなか悪くありませんでした。しかし、続く「Slow Down」もまた泣きメロ系で・・・。
なんか正直ビミョーな感じ。とりあえず、着メロヒット狙いの「男性ラッパー+女性シンガーの泣きメロ」路線にちょっとのっかりつつ、一応、それ以外の路線で、単純なセルアウトではないとエクスキューズしている感じで・・・。こういう企画は、これ1枚だけにしてほしいなぁ・・・。
評価:★★★
SEAMO 過去の作品
Round About
Stock Delivery
SCRAP&BUILD
Best of SEAMO
MODERN AGE/DOES
アニメ「銀魂」関連のシングルだけベスト10ヒットするほど売れて、それ以外だと全く売れないDOESのニューアルバム。曲にしかファンがつかないプロモーション手法って正直どうよ?とも思うのですが。
ただ、実際、このアルバムを聴くと、そのシングル「バクチ・ダンサー」が一番良く聴こえるのも事実で。また、全体的にも「バクチ・ダンサー」と同タイプの、マイナー系の楽曲が彼らには似合っているような印象を受けました。
悪くはないと思うのですが、終わった後、シングル曲以外、いまひとつ耳に残っていない点、なんとなく曲についたファンがミュージシャンにつかない理由がわかるような感じも。
評価:★★★
DOES 過去の作品
SUBTERRANEAN ROMANCE
THE WORLD'S EDGE
SINGLES
悪魔のささやき~そして、心に火を灯す旅~/エレファント・カシマシ
ブレイク後、いろいろと迷走を続けていたように感じたエレカシですが、ここ最近は、徐々にそのスタイルを固めつつあるように感じます。それは、一見ポップでありながらも、その奥には、デビュー当初のような荒々しさを隠し持っているというスタイル。このアルバムも、特に前半、ポップなメロディーを聴かせながらも、バンドサウンドは骨太で荒々しいという、両面性を感じます。
さらに後半、爽やかな曲がならぶかと思えば、最後の最後、「悪魔メフィスト」では、ヘヴィーなギターリフに、宮本浩次のシャウトが炸裂という、荒々しいナンバーで締めくくり。ポップス路線と、ハード路線の間で迷走を続けていた彼らですが、その2つの路線を両立させるような方向性をようやく見つけ出したかのような1枚でした。
評価:★★★★★
エレファント・カシマシ 過去の作品
STARTING OVER
昇れる太陽
エレカシ自選作品集EPIC 創世記
エレカシ自選作品集PONY CANYON 浪漫記
エレカシ自選作品集EMI 胎動記
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