2010年ベストアルバム(邦楽編) その2
おとといに続き、2010年ベストアルバム邦楽編の5位から1位です。
5位 KIMONOS/KIMONOS
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向井秀徳がLEO今井と組んだ異色のユニットKIMONOS。ある種の泥臭さが魅力的な向井秀徳と、スタイリッシュなイメージが強いLEO今井の組み合わせが、どのように音楽に作用するのか、とても気になっていたのですが、出てきた音楽は、いい意味で2人の個性が足しっぱなしになったような、独特の方向性を持ったアルバムになっていました。今後の活躍にも注目です。
4位 マニフェスト/RHYMESTER
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ある意味、日本のHIP HOPの理想形のひとつかもしれません。しっかりと耳に入るリリックは、リアリティーがあり、また、地に足をつけたような社会派の歌詞も多く、しかしユーモラス。バラエティーに富んだトラックも、最後まで飽きることがありません。その実力を、あらたえて実感した1枚でした。
3位 言葉にならない、笑顔を見せてくれよ/くるり
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アルバム毎に、そのスタイルを変えていったくるり。このアルバムは、そんな彼らが、たどりついた場所のように感じました。そこにあったのは、シンプルなメロディーラインと歌詞。もともとくるり岸田は、実に素晴らしいメロディーラインを書く才能の持ち主でしたが、この最新アルバムでは、そんなメロディーを惜しみなく聴かせる名曲の連続。いい意味で力の抜けた部分も感じられ、結成から12年、そろそろ中堅からベテランの領域に入ろうとしている彼らの余裕も感じられます。安定して傑作をリリースし続ける彼らですが、最新作もまた、彼らの代表作のひとつとなりそうな傑作でした。
2位 2010/クラムボン
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ヘッドフォンでしっかり聴けば聴くほど、そのアレンジの奥の深さにはまっていく一方、そんなじっくりと聴きこまなくても、ポップなメロディーが楽しめる作品。ここ最近、実験的な作品が続き、ポップスさが後ろに下がってしまったような印象があったのですが、最新作ではグッとポップになり、かつてのクラムボンらしさを強く感じさせてくれる傑作でした。
そして・・・
1位 友だちを殺してまで/神聖かまってちゃん
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はい、そうです。上半期の2位と1位が逆転しています。そうなんです。上半期ベスト5の時も、聴けば聴くほどこのアルバムにはまっていったのですが、その後も何度か聴くうちに、どんどんとはまっていってしまいました。神聖かまってちゃんのこのアルバムは、好き嫌い関わらず2010年という年を代表する1枚でしょうし、また、正直彼ら、この1枚以降傑作をリリースできなくても、日本のポップス史に名前を残すのではないでしょうか。12月には早くも最新アルバムを、それも2枚同時にリリースしています。その2枚のアルバムに関しては・・・いまのところ、このアルバムほどはまっていません。ただ、その2枚に関しても、聴けば聴くほどはまっていってしまうかも・・・。
以上、今年のベスト10でした。あらためて10枚並べると・・・
1 友達を殺してまで/神聖かまってちゃん
2 2010/クラムボン
3 言葉にならない、笑顔を見せてくれよ/くるり
4 マニフェスト/RHYMESTER
5 KIMONOS/KIMONOS
6 THERE'S NO TURNING BACK/THE BAWDIES
7 カンチガイもハナダハしい私の人生/KAN
8 ナクナイ/たむらぱん
9 10's/OKAMOTO'S
10 キャンプ・バンゲア/ソウルフラワーユニオン
音楽不況だなんだの言われるここ最近の音楽シーンですが、洋楽同様、リリースされる作品の内容から考えると、むしろシーン全体は、非常に活気を帯びているのでは??と考えさせられる充実した内容でした。
特に、神聖かまってちゃんをはじめとする、若者の気持ちを代弁するバンドや、THE BAWDIESやOKAMOTO'Sのように、オールドスタイルのロックをリスペクトし、今に再生しようとしているバンドなど、興味深い新人バンドが続々と登場し、今後のシーンが実に楽しみになってきます。
それを反映し、正直、10枚に絞り込むのにもとても苦労した今年の年間ベスト10でした。今、言われている「音楽不況」は、単なるCDの売上云々に係る話しに過ぎない、ということを実感した2010年でした。2011年も、たくさんの素晴らしい作品に出会えますように。
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