シンプル・イズ・ベスト
Title:Oi! Um bobo
Musician:ザ・クロマニヨンズ
とにかくシンプル。シンプルなロックンロールというスタイルは、ヒロトとマーシーがいままで組んでいたバンドでも共通するところがあります。しかし、ザ・クロマニヨンズになって、より楽曲は、シンプルなロックンロールになってきているように感じます。
今回の楽曲も至ってシンプル。キャデラックをあくまでも賛美する「キャデラック」や、温暖化になってあったかくなった!と無邪気にはしゃぐ「あったかい」(環境破壊を皮肉っている?)など、どこかユーモラスを感じつつ、至ってシンプルなロックンロールを奏でています。
ただ、今回のアルバムは、加えてシンプルな中に、一種の味わいの深さも感じました。ほんわりとした暖かさを感じる「多摩川ビール」のメロディーだったりだったり、パンキッシュな「ひらきっぱなし」の歌詞
「はじめから 全開で 行けるとこまで
はじめから 全開で 待つ事もなし」
(「ひらきっぱなし」より 作詞 真島昌利)
だったり、シンプルだけれども、どこか心に引っかかりを感じるのが彼らのアルバムの大きな特徴のように感じました。
なんか、ヒロトとマーシー、ザ・クロマニヨンズになってから、はずれがないなぁ~。すごく肩の力を抜いた傑作を作り続けていますね。これからも、まだまだ彼らの活動からは目が離せなさそうです。
評価:★★★★★
ザ・クロマニヨンズ 過去の作品
CAVE PARTY
ファイヤーエイジ
MONDO ROCCIA
ほかに聴いたアルバム
Ken Hirai 15th Anniversary c/w Collection '95-'10 ”裏 歌バカ”/平井堅
彼は以前「歌バカ」というベスト盤をリリースしていますが、「裏歌バカ」、つまりカップリングベスト盤。2枚組のアルバムに加えて、初回盤ではリミックス音源をまとめたリミックスベストも収録されている豪華3枚組。初回盤は装丁もしっかりしていて、ファンにとっては、貴重なアイテムとしてうれしいところです。
カップリング集は発売順にならんでいるのですが、平井堅の成長がはっきりと感じられるのがおもしろいところ。正直、デビューシングルからしばらくの曲に関しては、全く面白みがありません。よくありがちな、爽やかなポップソングといった感じで、平井堅としての個性はほとんど感じられません。
これが面白くなってくるのが「キャッチボール」あたりから。ソウル、R&Bという方向性がはっきりとして、平井堅の個性も際立ってきています。この曲がカップリングに収録された「HEAT UP」の2作後のシングル「楽園」でご存知のように大ブレイクを果たしたのですが、このブレイクはある意味、必然だったんだなぁ、というのは、このカップリング集からも感じることが出来ます。
その後の活躍はご存知の通り。カップリングの出来も抜群によくなります。ファンクありソウルありピアノバラードありメロウなR&Bあり。バリエーションも増え、同時に、どんなタイプの曲でもしっかりと平井堅としての個性を曲から感じられるナンバーが並んでいます。
かなりボリュームがあるので、ファンズアイテムといえばファンズアイテムなのですが、ファン以外の方が聴いても、十分楽しめる内容なのは間違いないかと思います。何気に隠れた名曲も多く、聴きどころは満載。平井堅の魅力がしっかりとつまったカップリングベストでした。
評価:★★★★★
平井堅 過去の作品
FAKIN' POP
Ken's Bar II
| 固定リンク
「アルバムレビュー(邦楽)2011年」カテゴリの記事
- これもくるりの最新作(2011.12.27)
- 牧歌的な暖かい作品(2011.12.24)
- 日常と非日常の間(2011.12.22)
- キリンジの意外な側面(2011.12.20)
- ソロアルバムらしいソロアルバム(2011.12.19)
コメント