やはりギターはカッコいい!!
Title:WHAT'S MY NAME?
Musician:雅-MIYAVI-
ちょっと前、確かネット上のアンケートで、詳細は覚えていないのですが、「バンドの中で、あなたが最も好きな楽器は?」という質問で、ギターを差し置いてベースがもっとも票を集めた、というのが、ちょっとした話題となりました。某アニメの影響では?という意見も少なくなかったのですが、確かに、最近、ギターヒーローというのがあらわれていません。なにより、最近のHIP HOPにしてもR&Bにしても、ベース、ドラムスのリズムを前面に押し出すような音楽が主流。一時期のように、ギターが前面に出てきて、という音楽があまりはやらなくなったような気がします。
そんな中、ギターという楽器のカッコよさに、あらためて気がつかさせてくれるようなアルバムが発売されました。雅-MIYAVI-というソロギタリスト。デビューは2004年なので、既に中堅の域に入っているミュージシャンということになるでしょうか?このアルバムでは、くるりのサポートなどでも知られる54-71のBOBOをドラムスに迎え、彼のギターとドラムスだけでのセッションを聴かせてくれています。
このギターがめちゃくちゃカッコいい!緩急のつけたギターの音は、とてもタイトでかつシンプル。緊迫感のあるドラムスとのセッションは、CDで聴いていても息をのんでしまうほど。このアルバム、話題になっていたのではじめて聴いたのですが、予想以上の作品に、ビックリしてしまいました。
また、一言でギターがメインのアルバムといっても、様々なギターの音を聴かせてくれるのが、とても魅力的。リズム感が素晴らしいファンキーなギターを聴かせてくれるタイトル曲「WHAT'S MY NAME?」にはじまり、ブルージーな「CHILLIN' CHILLIN' MONKEY BLUE$」に、「UNBREAKABLE」はガレージ風。かと思えば、「すてきな みらい」ではアコギの弾き語りを聴かせてくれたりと、ギターという楽器の幅広さを感じます。
その中でも「MOON」では、音数を絞ったギターとドラムスのからみが、音こそ静かながらも、スリリングなサウンドを奏でていて、手に汗を握ってしまいます。最後まで耳の離せない名曲でした。
もともと、彼、いわゆるビジュアル系にカテゴライズされたミュージシャンだったのですが、レコード会社移籍後、このアルバムでも54-71のドラマーと組んだり、ライブでもZAZEN BOYSと対バンしたりと、なぜか急に、サブカル系(ロキノン系(?))に急接近。なぜ??ま、そんな「○○系」みたいにカテゴライズなど関係ない傑作には間違いないのですが・・・。
最後に。
あらためてBOBOのドラムスがいい!必要以上に目立たず、でも、しっかりと後ろで正確なリズムで、時には陰で、時にはギターに積極的に絡んで雅を支えています。くるりのサポートといい、最近、様々な活躍が目立つ理由がわかるような気がしました。こちらも要注目でしょう。
やはりちょっとビジュアル系の入ったようなジャケット写真や、おなじくいかにも「らしい」ミュージシャン名から、ちょっと抵抗感を覚える方もいるかもしれませんが、それはもったいない!文句なしのギターロックの傑作だと思います。お勧めです。
評価:★★★★★
ほかに聴いたアルバム
THE GUIDE/SPECIAL OTHERS
インストバンドながらも、メロディアスな楽曲の数々は、まるで楽器が歌っているかのよう。「Parabola」や「luster」など、哀愁あるメロディーがとても魅力的。かと思えば、アバンギャルドな作風ではじまる「RCA」などジャムバンドらしい作品もあり、いい意味で幅広いリスナー層が楽しめる作品に仕上がっていました。
評価:★★★★★
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コメント
ロケノン系って何ですか?
投稿: We | 2011年1月25日 (火) 17時05分
>Weさん
ロキノン系ですね。修正します。
投稿: ゆういち | 2011年1月25日 (火) 21時38分