ロックファンもブラックミュージック好きも
Title:NOTHING
Musician:N★E★R★D
約2年半ぶりとなるニューアルバム。もともと、ニューアルバムのタイトルは当初「Instant Gratification」と公表され、2009年には、新たなメンバーとして、女性シンガーのRheaが参加し、ニューアルバムの発表が待ち望まれる・・・状態だったのですが、2010年には早くもRheaが脱退。さらに、一度レコーディングしたものを一から作り直し、タイトルも「Nothing」とあらため、今回のリリースに至ったそうです。
そんな紆余曲折があり、ようやくリリースされたニューアルバム。いつも、基本的にはR&BやHIP HOPに軸足を置きながらも、ジャンルレスな音楽を聴かせてくれる彼らですが、今回も、そんなロックリスナーもブラックミュージックリスナーも楽しめるようなアルバムになっています。
1曲目「PARTY PEOPLE」は、T.I.をフューチャリングした、文字通りの楽しいパーティチューン。続く「HYPNOTIZE U」はエレクトロなナンバーに仕上げています。ロックリスナーにとって耳を惹くのは、ゴキゲンなギターサウンドが楽しめる「I WANNA JAM」あたりでしょうか?他にもソウルバラードな「LIFE AS A FISH」なども楽しめます。
相変わらずジャンルを超えた、楽しい音楽を聴かせてくれる彼らですが、そんな中でも一番の珠玉のナンバーだったのが、やはり「VICTORY」でしょう。暖かみの感じられるポップなナンバーは、いい意味で万人の心に響きそうな普遍性をもっています。
そんな最初から最後まで、バラエティー富んだ作風が楽しめるアルバムなのは間違いないのですが、ただ、アルバム全体の感想としては、「無難にいいアルバムだな」といった感じ。特に、N★E★R★Dとしての新しさみたいなものは感じられませんし、卒なくまとめてきたかな、という印象も持ちました。
とはいえ、幅広いリスナーが楽しめるアルバムだったのは間違いありません。手放しの大傑作ではありませんが、聴いて損のない良作、ということは間違いないと思います。とりあえず、興味がある方は是非。
評価:★★★★
N★E★R★D 過去の作品
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