いかにもアメリカのロックらしい
Title:COME AROUND SUNDOWN
Musician:KINGS OF LEON
「王道」。KINGS OF LEONの紹介文では、よくこの2文字を見受けられます。確かに、KINGS OF LEONの音楽は、いかにもアメリカのロックといった感じ。海岸線に、夕陽を思わせる赤みがかったジャケット写真も、いかにもアメリカ的ですし、彼らの風貌自体も、ごっつい雰囲気の男性4人といかにもといった感じ。
楽曲も、いかにもスケール感があって泥臭さを感じる「THE END」からはじまり、カラッとしたカントリーの影響を感じる「BACK DOWN SOUTH」など、いかにもアメリカ的といった感じがします。
ただ、この手の「いかにも」なアメリカンロックって、日本だと、なかなか売れないんですよね。典型例としては、アメリカでは爆発的な人気を確保しているのに、日本ではほとんど無名のロックバンドCREEDあたりでしょうか?実際、彼らもグラミー賞を獲得するなど、話題になってから、ようやく日本でも注目されはじめた、といった感じで。
まあ、確かに、この手の泥臭さや大陸的なスケール感を感じるアメリカンロックって、日本人の肌にはあわない部分もあるのはわかるのですが。実際、私自身、このアルバムが壺にはまったか、といわれれば、少々微妙なのも正直なところ。
しかし、それでもこのアルバム、最後まで、飽きることなく楽しんで聴くことが出来ました。それはおそらく純粋にメロディーラインの良さもあるんでしょう。ストレートでポップなメロディーラインは、派手さはないし、いわゆる「美メロ」でもありませんが、飽きることがありません。
また、「王道」とはいっても、決して昔からのロックをそのまま演っているような、様式的なバンドではありません。「BEACH SIDE」あたりなど、王道ロックというよりも、ちょっとギタポ風?な要素も感じましたし、「NO MONEY」などはオルタナ系の雰囲気も。王道とはいっても、どの曲も、決して昔のままの音ではなく、「今」のロックの要素が入っているように感じました。
はまれるかどうかは人それぞれかもしれませんが、大多数の人は、最後まで楽しんで聴ける、そんなアルバムのように感じました。「安心して聴ける」というのは、ロックにとっては必ずしも褒め言葉ではないかもしれませんが・・・ただ、どこかほっとするものを感じさせる1枚でした。
評価:★★★★
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