「未発表曲集」のジレンマ
Title:MICHAEL
Musician:Michael Jackson
2009年6月、突然この世を去ったMICHAEL JACKSON。若くして亡くなった人気ミュージシャンにはよくありがちな話なのですが、予想通り、「未発表曲集」として、過去、彼が録音しながらも発表されなかった曲をまとめたニューアルバムが発売されました。
この手のアルバムによくありがちなファン心理として、ファンとして、彼の曲はどんな形であれ聴きたいという思いがある反面、彼が世に出すことを望まなかった曲を、はたしてこういう形でリリースすることは許されるのか、という一種のジレンマがあります。
このアルバムに関しても、Ne-Yoやブラック・アイド・ピースのウィル・アイ・アムが反対を表明したり、先行試聴で公表された「Breaking News」に関して、「これはマイケルの声ではない」という意見が出るなど、様々な懸念が表明されました。
なかなか難しい問題で、簡単には答えは出ないのでしょうが・・・彼くらいの大物になると、ある程度仕方ない部分もあるのかなぁ、なんてことも思いつつ。ただ、ファンとしてはやはり複雑な感情になるのは否めないでしょう。
正直、さほど熱心なファン、という訳ではないので、そういう感情抜きに、マイケル・ジャクソンの新譜感覚でこのニューアルバムを聴いたのですが、ただやはり未発表曲ということもあって、悪くはないけどいま一歩かな、という感想を持ちました。
「Hollywood Tonight」や「Best Of Joy」あたり、心に残るような名曲もあったのですが、彼がいままで世に出した様々な名曲のように、一度聴いたら思わず口ずさんでしまうようなインパクトのあるメロディー、というのが、このアルバムの曲にはあまりなかったような気がします。
マイケルのボーカルが未完成なだけに、アレンジやリズムなどで引っ張ろうとする曲が多かったような・・・。そのため、メロディー部分の印象がちょっと薄かったような印象を持ちました。
決して悪いアルバムではないし、それなりに楽しめるのですが、やはり未発表は未発表なだけの理由があるのかな、といった感じで。どちらかといえばファンズアイテム的な作品だったかな。彼に興味を持った方の最初の1枚としてはちょっと薦めにくいかも。
評価:★★★
MICHAEL JACKSON 過去の作品
Thriller(25th Anniversary Edition)
MICHAEL JACKSON'S THIS IS IT
KING OF POP
ほかに聴いたアルバム
Number Ones(邦題 ベスト・オブ・ジャネット・ジャクソン)/JANET JACKSON
で、こちらは実妹によるベスト盤。タイトル通り、No.1ヒットを集めた(といっても、ダンスチャートやR&B/HIP HOPチャートを含めて、ですが)ベスト盤。なんとなく、日本でヒットしているR&Bというジャンルのイメージに最も近いのが彼女の曲なのかも。ある意味、耳なじみのある曲が並んでいて、ファンではなくても確実に楽しめそうなベスト盤です。ここらへんのポピュラーセンスはやはりマイケルと同じ血が流れているからなのかなぁ?評価:★★★★★
GREATEST HITS/FOO FIGHTERS
カラッとして骨太なアメリカンロックといった感じなのですが、疾走感があってポップなメロディーが親しみやすい感じ。「Learn To Fly」って、CM曲だったよね。この人たちの曲だって、はじめて知りました(^^;;ちょっと苦手なタイプと思っていたのですが、思った以上にポップで最後まで楽しむことが出来ました。評価:★★★★
FOO FIGHTERS 過去の作品
ECHOES,SILENCE,PATIENCE&GRACE
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