歌詞はひいてしまう人もいるかも・・・。
Title:クロなら結構です
Musician:モーモールルギャバン
なにより話題となっているのは、その奇抜な歌詞の世界でしょう。タイトル名になっている「クロなら結構です」は、「パンティー泥棒の唄」から。この曲、何のひねりもない、タイトルそのままの唄。「クロなら結構です」とは・・・・・・つまり、そういうことです(^^;;他にも、「ユキちゃんの遺伝子」は、好きだった女の子に子供が出来たから、その子供(=赤ちゃん)を愛する、というちょっと異常ともいえるラブソング(?)。人によっては、かなりひいてしまいそうな内容です(苦笑)。
ところが、こんな奇抜な歌詞を書きながらも、メロディーは至ってポップで正統派。十分ヒットポテンシャルのある内容のメロディーを聴かせてくれます。
さらに耳を惹くのが、彼らの奏でるそのサウンド。「mobile call」など、かなりファンキーなインストチューンで、エレピとベースとドラムスのからみはかなりグルーヴィーで耳を惹きますし、「ユキちゃんの遺伝子」も、異常な歌詞に耳がいきがちですが、バンドサウンドには、どこかソウルフルなものを感じました。
聴いているうちに、歌詞の奇抜さに隠れがちですが、なにげにバンドとして、かなりの演奏能力を持っているのでは??と思いました。ジャズやアバンギャルド的な要素も含みつつ、ちょっと黒っぽいサウンドが、妙に耳に残る音を奏でています。
歌詞にしても、失恋直後の心象風景を描いた「悲しみは地下鉄で」みたいに、なにげに心に響くような歌詞もきちんと書いてくるし(でも、そんな歌詞の中に「風俗」なんて単語を入れてくるあたりが彼ららしいかも・・・)、かなりの実力者であることを感じさせます。
歌詞の奇抜さにひいてしまう方がいるかもしれませんが、それだけで聴かないというのはもったいない!ちょっと微妙な(笑)歌詞のユーモアセンスも含めて、非常に魅力的なバンドに思いました。最近、続々とおもしろい新人バンドが出てきていますが、彼らも間違いなくその1組。今後の活躍も楽しみです。
評価:★★★★★
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