即効性抜群のダンスミュージック
Title:キャンプ・パンゲア
Musician:ソウル・フラワー・ユニオン
ここのサイトでも、ライブレポートをアップしましたが、先日、本当に久しぶりにソウル・フラワー・ユニオンのライブに足を運んできました。このアルバム発売記念のライブだったんですけどね。もちろん、このアルバムからの曲もたくさん演りました。
で、私は事前に先行発売のシングルを聴いていなかったので、このアルバムに収録されている曲はその時にはじめて聴いた曲ばかりだったのですが、はじめて聴いただけで一発で曲を覚えてしまいました。まあ、正直、発売前のアルバムからの曲ということで、ファンの盛り上がりはいまひとつだったのですが、このアルバムに収録されている「ホップ・ステップ・肉離れ」では、会場はかなりの盛り上がりを見せていました。
彼らの曲は一発で覚えられる即効性があります。最初に彼らのステージを見たフジロックのメインステージでは、私を含め初見の観客を一気に踊らさせていましたが、今回のアルバムも、今後、彼らのライブではおなじみになりそうなダンスミュージックも多く収録されていました。
ただ、アルバム全体的な出来としては、良くも悪くもいつものソウル・フラワー・ユニオンといった感じ。ライブでも盛り上がった「ホップ・ステップ・肉離れ」をはじめ、「死ぬまで生きろ!」「ルーシーの子どもたち」など、彼らの代表曲となりそうな名曲も多いのですが、目新しさはありませんでした。
もっとも、一度聴いたら忘れられないようなインパクト十分な曲ばかり。そういう意味では、聴いたら癖になりそうなアルバムですし、SFUの最初の一枚としても申し分ない内容だと思います。
また、最近は辺野古でライブを行ったり、沖縄の米軍基地問題がらみの活動が目立つ彼ら。このアルバムの歌詞カードでも、辺野古の海の写真などが載せられています。
もちろん曲にも、「死んだあの子」のように、そんな彼らの主張を反映した曲も多く、それもまた彼らの魅力なのは間違いありません。ただ、その主張には決して押し付けがましさは感じられず、曲も、彼らの政治的スタンスに反対していても、あまり気にすることなく楽しめるようなものがほとんど。政治的な発言も多い彼らですが、自分たちはあくまでもリスナーを楽しませるミュージシャンなんだ、という強いスタンスも感じます。
そんな年齢立場問わず、幅広い方が楽しめる傑作だと思います。また、彼らのライブに行きたいなぁ~。
評価:★★★★★
ソウル・フラワー・ユニオン 過去の作品
満月の夕~90's シングルズ
カンテ・ディアスポラ
アーリー・ソウル・フラワー・シングルズ(ニューエスト・モデル&メスカリン・ドライブ)
エグザイル・オン・メイン・ビーチ
| 固定リンク
「アルバムレビュー(邦楽)2011年」カテゴリの記事
- これもくるりの最新作(2011.12.27)
- 牧歌的な暖かい作品(2011.12.24)
- 日常と非日常の間(2011.12.22)
- キリンジの意外な側面(2011.12.20)
- ソロアルバムらしいソロアルバム(2011.12.19)
コメント