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2011年1月

2011年1月31日 (月)

ドリカムワールド全開!!

Title:LOVE CENTRAL
Musician:Dreams Come True

LOVE CENTRAL

前々作「AND I LOVE YOU」から、全盛期を彷彿させるようなアルバムを連発し、まさに第2の全盛期ともいうべき今のドリカム。今回のアルバムは、約1年半ぶりとなるアルバムなのですが、またもや全盛期を思い出させるような勢いのあるアルバムになっていました。

前作「DO YOU DREAMS COME TRUE?」が、ちょっと実験的に、新しいドリカム路線を模索した部分が見れる作品だったのですが、本作はそれとはまた異なる路線。アルバム全体としてはポップでとても楽しい雰囲気が印象的な作品になっており、また、曲も、ドリカムの王道路線をなぞるような作品になっていました。

同じ事務所のFUZZY CONTROLとフューチャーした先行シングル「その先へ」は、ドリカムらしいスケール感ある前向きなポップソングですし、しんみりと聴かせるバラードナンバー「ANOTHER JUNK IN MY TRUNK」も彼女たちらしいナンバー。爽やかなポップナンバー「FALL IN LOVE AGAIN」はいかにも90年代的なポップスで、ちょっと懐かしさも感じます。

歌詞にしても好きだけど結ばれない男性を思う女性心理をどこかユーモラスに描いた「せつなくなぃ?」など、まさに吉田美和だからこそ書ける世界。他にも、基本前向きな女性心理を描いた曲も多く、ドリカムらしさ満載の楽曲が並んでいます。

実にドリカムらしい王道を行くアルバムは、どこか懐かしさも感じられるほど。ただ、聴いていて、懐かしさを感じても、あまりマンネリや古臭さは感じられませんでした。それは、「LIES,LIES」のように、今風のエレクトロの要素をスパイス的に加えているのも大きな理由かもしれません。しかし、それ以上にポップなメロディーや歌詞が時代を超えた普遍的な魅力を持っているから、でしょうか。

どの曲もスケール感や豪華さをあわせもった作品で、不況の中、どこかチマチマしてしまった今の時代の中、聴いていて、お腹いっぱいになり満足感を覚えるようなアルバムでした。ドリカムの全盛期はまだまだ続きそうです。

評価:★★★★★

Dreams Come True 過去の作品
AND I LOVE YOU
DO YOU DREAMS COME TRUE?


ほかに聴いたアルバム

楽しい人は世界を救う/YO-KING

楽しい人は世界を救う

無難といえば無難。ベテランとして安定感もあり、安心して聴けるような作品。骨太なロックというよりも、ピアノやストリングスを使ったり、フォーキーだったり、しっかりと落ち着いて聴かせるような作品が多かった印象を受けました。

評価:★★★★

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2011年1月30日 (日)

暖かい世界を紡ぐ

Title:COSMONAUT
Musician:BUMP OF CHICKEN

COSMONAUT

本当に久しぶり。3年ぶりとなるBUMP OF CHICKENのニューアルバムが発売されました。

さて、そんなインターバルを経てリリースされたアルバムなのですが、内容としては、実にBUMP OF CHICKENらしいアルバムだなぁ、という感想を持ちました。

「君」と「僕」を主軸とした歌の世界ながらも、1対1の閉じた世界ではなく、アルバムタイトルのように、宇宙全体まで広がりそうな壮大な世界観もあわせもった内容。

また、ノスタルジックな学生時代の風景描写から歌詞の世界がスタートするのも彼ららしいといった感じでしょうか。中高生のリスナーにとってはリアルな世界であり、そしてそれより上の世代にとっては、ちょっと懐かしさを感じる世界に、胸がキュンとなります。

シングル曲が(両A面曲も含め)5曲収録されているのですが、あまりシングルだから、ということで浮いておらず、アルバムのパーツとしてしっかりはまっているのも見事。逆に言うと、アルバム曲に関しても、シングル曲同様のクオリティーを保っているということでしょうか。

ただ一方、ちょっと気になるのが、パッと聴いて歌詞の世界が頭の中に入ってくるような曲が少なかったかなぁ、という点。もちろん、しっかりと聴きこめば、その歌詞の世界に魅了されるのはいつも通りなのですが・・・。ハッとするような歌詞のフレーズが少なかった影響かな?それとも、抽象的な歌詞が多かったせいでしょうか??ちょっと残念な気もします。

とはいえ、1曲1曲珠玉のポップソングばかり。いい意味で、大物バンドとしてのスケール感を持った曲も多く、そろそろデビューから10年以上経ち、ベテランバンドとなった彼ららしい安定感も持っています。その一方、いまだ若手バンドのような瑞々しさも感じられるのも彼ららしいといった感じでしょうか。

彼らの中では飛びぬけた傑作という感じではないのですが、ファンなら安心して聴ける佳作だと思います。まだまだこれからもたくさんの名曲が誕生しそう。これからの活躍も楽しみです。

評価:★★★★★

BUMP OF CHICKEN 過去の作品
orbital period


ほかに聴いたアルバム

TOUR2010 "LAGRANGIAN POINT"/スキマスイッチ

スキマスイッチ TOUR 2010“LAGRANGIAN POINT”

スキマスイッチ2枚目となるライブアルバム。正直、あまりCDとライブが違いミュージシャン・・・といった感じではないので、ファンズアイテム的な要素も強いのですが、安定感のあるステージに、ベスト盤的な選曲は、初心者の最初の1枚としても悪くないかも?会場の臨場感も感じられ、ライブの楽しさも伝わってくるライブ盤です。

ただ、前のライブアルバムから、わずかオリジナル1枚挟んでまたライブ盤ですか・・・どちらかというと、早くオリジナルアルバムを聴きたいなぁ・・・。

評価:★★★★

スキマスイッチ 過去の作品
ARENA TOUR'07 "W-ARENA"
ナユタとフカシギ

devil's hand/ACO

devil’s hands

なんと約4年半ぶりとなる新作。前作はストレートなオルタナ系ギターロック。後半はストリングスなどを入れて聴かせる作風に。癖がなくて、聴きやすい作風だったので、幅広い層が楽しめそうな作品になっている反面、あまりヒネリがない作品で、ちょっと薄味だったような気が・・・。

評価:★★★★

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2011年1月29日 (土)

「未発表曲集」のジレンマ

Title:MICHAEL
Musician:Michael Jackson

MICHAEL

2009年6月、突然この世を去ったMICHAEL JACKSON。若くして亡くなった人気ミュージシャンにはよくありがちな話なのですが、予想通り、「未発表曲集」として、過去、彼が録音しながらも発表されなかった曲をまとめたニューアルバムが発売されました。

この手のアルバムによくありがちなファン心理として、ファンとして、彼の曲はどんな形であれ聴きたいという思いがある反面、彼が世に出すことを望まなかった曲を、はたしてこういう形でリリースすることは許されるのか、という一種のジレンマがあります。

このアルバムに関しても、Ne-Yoやブラック・アイド・ピースのウィル・アイ・アムが反対を表明したり、先行試聴で公表された「Breaking News」に関して、「これはマイケルの声ではない」という意見が出るなど、様々な懸念が表明されました。

なかなか難しい問題で、簡単には答えは出ないのでしょうが・・・彼くらいの大物になると、ある程度仕方ない部分もあるのかなぁ、なんてことも思いつつ。ただ、ファンとしてはやはり複雑な感情になるのは否めないでしょう。

正直、さほど熱心なファン、という訳ではないので、そういう感情抜きに、マイケル・ジャクソンの新譜感覚でこのニューアルバムを聴いたのですが、ただやはり未発表曲ということもあって、悪くはないけどいま一歩かな、という感想を持ちました。

「Hollywood Tonight」「Best Of Joy」あたり、心に残るような名曲もあったのですが、彼がいままで世に出した様々な名曲のように、一度聴いたら思わず口ずさんでしまうようなインパクトのあるメロディー、というのが、このアルバムの曲にはあまりなかったような気がします。

マイケルのボーカルが未完成なだけに、アレンジやリズムなどで引っ張ろうとする曲が多かったような・・・。そのため、メロディー部分の印象がちょっと薄かったような印象を持ちました。

決して悪いアルバムではないし、それなりに楽しめるのですが、やはり未発表は未発表なだけの理由があるのかな、といった感じで。どちらかといえばファンズアイテム的な作品だったかな。彼に興味を持った方の最初の1枚としてはちょっと薦めにくいかも。

評価:★★★

MICHAEL JACKSON 過去の作品
Thriller(25th Anniversary Edition)
MICHAEL JACKSON'S THIS IS IT
KING OF POP


ほかに聴いたアルバム

Number Ones(邦題 ベスト・オブ・ジャネット・ジャクソン)/JANET JACKSON

Number Ones

で、こちらは実妹によるベスト盤。タイトル通り、No.1ヒットを集めた(といっても、ダンスチャートやR&B/HIP HOPチャートを含めて、ですが)ベスト盤。なんとなく、日本でヒットしているR&Bというジャンルのイメージに最も近いのが彼女の曲なのかも。ある意味、耳なじみのある曲が並んでいて、ファンではなくても確実に楽しめそうなベスト盤です。ここらへんのポピュラーセンスはやはりマイケルと同じ血が流れているからなのかなぁ?

評価:★★★★★

GREATEST HITS/FOO FIGHTERS

Greatest Hits

カラッとして骨太なアメリカンロックといった感じなのですが、疾走感があってポップなメロディーが親しみやすい感じ。「Learn To Fly」って、CM曲だったよね。この人たちの曲だって、はじめて知りました(^^;;ちょっと苦手なタイプと思っていたのですが、思った以上にポップで最後まで楽しむことが出来ました。

評価:★★★★

FOO FIGHTERS 過去の作品
ECHOES,SILENCE,PATIENCE&GRACE

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2011年1月28日 (金)

新譜ラッシュです。

今週の着うたチャート

2011年1月19日~2011年1月25日付チャート

着うたチャートも先週に引き続き新譜が多いチャートに。特にベスト3すべて新譜が並んでいます。

【特典生写真なし】Dear J(Type-A)(DVD付)

初登場1位は、AKB48の板野友美のソロ「Dear J」がランクイン。1月26日発売予定のシングルの先行配信です。今風のエレクトロチューン。AKB48もついに切り売り開始って感じですか。いつぞやのおニャン子みたいに、ソロシングルがシングルチャートで週替わりで1位ということにあるのでしょうか??

2位はJUJU「願い」が入っていています。最近、人気上昇中の彼女。映画「犬とあなたの物語 いぬのえいが」の主題歌。ストリングスと彼女の歌い上げるようなボーカルでスケール感ある作品になっています。ヒットポテンシャルは十分ありそう。ちょっと懐かしい90年代のJ-POPの香りのするナンバーで、ロングヒットの可能性も?特にシングルリリースは予定されていないようで、配信限定のシングルとなる模様です。

続く3位にはソナーポケット「100年先まで愛します。」がランクインです。以前、「好きだよ。~100回の後悔~」が着うたチャートで5位にランクインしましたが、それを上回るチャート。一応、「HIP HOPグループ」らしいのですが、タイトルを見るだけでおおむね予想のつくようなラブソングです。うーん、あまりにも歌詞が安直では?

初登場もう1曲は7位初登場のLil'B「大好きだよ」。着うたチャートでは以前からおなじみのミュージシャン。泣きメロのポップスに薄くラップが入る、いかにも着うた狙いの曲・・・って毎回言っているような(^^;;この手の曲のヒットって、いつまで続くんだろう・・・。

他にはベスト10返り咲きでKARA「ジャンピン」が先週の15位から6位にランクアップ。昨年12月14日付チャートで7位を記録して以来のベスト10ヒットとなりました。ちなみにKARAは「ミスター」が4位に入っていて2曲同時のランクインです。最近、事務所とのトラブルがニュースになっている彼女たちですが、このランクアップは、それで話題が増えたことによる影響か??


今週のアルバムチャート
http://www.oricon.co.jp/rank/ja/

アルバムチャートも新譜ラッシュ。今週は5枚の新譜が初登場でランクインしています。

EXIT TUNES PRESENTS Vocalonexus (ボカロネクサス) feat.初音ミク(ジャケットイラストレーター 左) 【数量限定オリジナルストラップ付き】

そんな中で1位を獲得したのは、おなじみの初音ミクのコンピレーションアルバムシリーズ「EXIT TUNES PRESENTS Vocalonexus feat. 初音ミク」。初動売上3万1千枚は、同じシリーズの前作「Vocaloanthems」の2万7千枚を上回りました。ちなみに今回のコンピでは、Gacktの声をつかった「がくっぽいど」を使用した曲もあるのですが、こういうのって、本人にはなんらかの印税は入るのでしょうか???

2位はまだまだ強いいきものがかり「いきものばかり」が、3位にはKARA「ガールズトーク」が、それぞれ先週から同順位をキープしています。

4位には、活動再開後2作目となるDo As Infinity「EIGHT」がランクイン。順位は活動再開後初となる前作「ETERNAL FLAME」の9位から大きくアップしましたが、初動売上は1万9千枚から1万2千枚にダウンしています。

続く5位はアメリカの女性シンガーRIHANNAの新作「LOUD」がランクイン。前作「R指定」の最高位10位を大幅に上回ったものの、売上1万1千枚は前作の初動1万8千枚からはダウンです。

初登場あと2枚はいずれもロックバンドが並んでランクイン。6位に毛皮のマリーズ「ティン・パン・アレイ」、7位にGRAPEVINE「真昼のストレンジランド」が並びました。毛皮のマリーズは4人組バンド。グラムロックという感じでしょうか?もちろん初のベスト10入り。以前から話題のバンドではあったのですが、ここまで人気とは。ちょっとビックリです。

GRAPEVINEの方は、このサイトでもおなじみ。既にベテランの域に達しているバンドですね。初動9千枚は前作からほぼ横バイながらも、なんと2002年のアルバム「another sky」以来のベスト10ヒットとなりました。なにげに固定ファンをしっかりとつけて根強い人気を誇っていますね。

今週の着うた&アルバムチャートは以上。チャートはまた来週の水曜日に~。

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2011年1月27日 (木)

モーサム復活!!!

Title:STRUGGLE
Musician:MO'SOME TONEBENDER

STRUGGLE

正直言うと、ここ最近のMO'SOME TONEBENDERの作品については、あまり期待していませんでした。確かに、1曲2曲カッコいいナンバーはあるのですが、アルバム全体としては平凡な感じ。一番最初に彼らのナンバーを聴いたのは「echo」だったのですが、その時に感じた衝撃が忘れられず、いままでアルバムはすべて聴いています。ただ、昔のアルバムで感じたような衝撃は、ここ最近の作品からはほとんど感じられませんでした・・・。

このアルバムも、1曲目「Hammmmer」は爆音+打ち込みという楽曲で、確かにその音に衝撃を感じるような名曲でした。ただ、最近の彼らは、序盤にこそ名曲を1、2曲聴かせてくれるのですが、その後は徐々に尻つぼみというパターンが多く、この段階でも、正直、このアルバムには期待していなかったのですが・・・・・・。

しかし、曲を聴きすすめるにつれ、不安は消え、期待のみが残りました。

MO'SOME TONEBENDERが傑作を連れて帰ってきた!!

そう確信できるアルバムを、ようやく聴くことが出来ました。

このアルバムを気に入ったのは、中盤「教祖様はスレンダー」(すごいタイトルだな・・・(^^;;)を聴いたあたりから。デビュー当初のモーサムを彷彿とさせる、轟音ギターが鳴り響いたと思えば、ピタリと止んで静寂が支配する、いわば静と動との対比が見事なナンバー。かつて彼らのサウンドに衝撃を受けた時のことを思い出しました。

この曲をはじめとして、この作品は実にバラエティー豊か。前半は「youth」「けだるいDays」などメロディアスでポップなナンバーが並んでいて、リスナーを惹きつけます。

バンドが、その本質をむき出しにするのは後半から。「教祖様はスレンダー」からはじまり、バンドサウンドをこれでもかというほど前面に押し出したSONIC YOUTHのカバー「PURR」に、単調なメロがインパクトのあるパンキッシュな「アイデンティティ」、ギターリフ主導で曲が進むロックンロールチューン「Black In,Black Out」と続きます。

ダイナミックなバンドサウンドと無機質なピアノが印象的なインストチューン「七月二十日」に、最後は、無秩序が曲を支配するサイケデリックなナンバー「Kingdom Come」は、そのサウンドに思わずゾクゾクっとしてしまいました。

ある意味、モーサムとしての活動の集大成にも感じられる今回の作品。前作「SING!」ではニューウェーヴ方面に走ったり、いろいろと迷走しているようにも感じられましたが、そのすべてが彼らの糧になっていたんだなぁ、ということを遅ればせながらも実感させられる傑作でした。

個人的にはやはりモーサム復活!と叫びたい傑作。あらためて彼らの実力を実感できる作品でした。

評価:★★★★★

で、このアルバムに先立って、レンタル限定でミニアルバムがリリースされていました。こちらも、もちろん事前にレンタルして聴いてみましたが・・・・・。

youth/MO'SOME TONEBENDER

「STRUGGLE」に収録されている「youth」や、配信限定で発売された「Bluebird is Dead」の他、ライブ音源が収録された作品・・・なのですが、このライブ音源が酷い(苦笑)。音は完全に割れていて、確かに会場のパッションは伝わってくるのですが、ファンでも聴きとおすのが厳しいのでは?まあ、正直、これじゃあ売り物にはならないなぁ、と思う反面、「STRUGGLE」のプロモーション的なアルバムに使用するのも厳しいのでは?と思ってしまいます。かなり熱心なファン以外にはレンタルでも全くお勧めできない作品です。

評価:★★

MO'SOME TONEBENDER 過去の作品
C.O.W.
SING!


ほかに聴いたアルバム

ADVENTURE/monobright

ADVENTURE

BEAT CRUSADERSを解散させたばかりのヒダカトオルの突然の加入で話題となったmonobright。こちらはヒダカトオル加入前最後のオリジナルアルバム。いままでのひねくれポップはそのままながらも、エレクトロやレゲエ、サイケロックなどの要素を加味したサウンドは、新たな彼らの音楽性の模索を感じます。タイトル通り、「挑戦心」豊かな作品。アルバムの出来自体は若干地味なので、このアルバム自体は万人にお勧めというタイプではないのですが、次の傑作のための鍵となる、重要な作品だと思います。

評価:★★★★

monobright 過去の作品
monobright one
monobright two

RAZZLE DAZZLE/BUCK-TICK

RAZZLE DAZZLE

前作「memeonto mori」も、ポップな作風だったのですが、本作も、かなりニューウェーヴテイストでポップな作風。ただ、それでも妖艶な雰囲気の曲が多く、BUCK-TICKらしさもきちんと出ていた点、ベテランバンドとしての懐の深さと、確固たる個性を感じさせる作品でした。

評価:★★★★

BUCK-TICK 過去の作品
memento mori

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2011年1月26日 (水)

新譜ラッシュ!

今週のシングルチャート
http://www.oricon.co.jp/rank/js/w/

先週から、正月休みも終わり、新譜がグッと増えましたが、今週は久しぶりの新譜ラッシュ。なんと、ベスト10のうち9曲までが初登場となりました。

そんな中で話題となったのは、デッドヒートとなった1位獲得戦。NEWSの山下智久のソロシングル「はだかんぼー」と、AKB48からのユニット、フレンチキッス「If」がデイリーチャートで並びました。

しかし結果は山下智久の惨敗。そこでこの週末、急遽CD購入者に対する握手会が行われました。あまりに露骨な1位狙いが話題となったみたいですが・・・そのかいあって、ウィークリーでは見事1位獲得。ただ、初動売上は6万7千枚と前作の16万1千枚から大暴落。2位フレンチキッスとは、わずか600枚の差という、まさに僅差での逃げ切りとなりました。

参考:「525円で山下智久に会える! CD売り上げ惨敗でまさかの緊急握手会」

まあ、この手でCDの売上を上げるという手法は、今回敗れたAKB48の常套手段なだけに、フレンチキッスには正直あまり同情できないのですが(苦笑)。ただ、かつてシングルが売れていた時代は、握手会という、ある意味、参加できるファンが限られるようなイベントでのCDの売上程度ではチャートを動かすことが出来なかったであろうだけに、シングルの売れ行きが不振になればなるほど、今後、同じような露骨なCDの販売手法が目立ちそうな予感が。

ちなみにフレンチキッスの初動6万7千枚は前作の4万1千枚からアップ。山下智久側からすると、こんな僅差になるとは思わなかったんでしょうね、多分。

ベスト3もう1曲も初登場。ゆず「Hey和」がランクインです。日本赤十字社「はたちの献血」キャンペーンソング。ゴスペル風のコーラスが印象的な、雄大な雰囲気のナンバーになっています。初動売上は3万3千枚。前作の4万4千枚からダウンしています。

で、5位以下にまたズラリと並んだのが、TBS系アニメ「けいおん!」のキャラクターソング。5位に平沢憂(米澤円)「ウキウキNew! My Way」、8位に鈴木純(永田依子)「純情Bomber!!」、9位に真鍋和(藤東知夏) 「Jump」がランクインしています。初動は平沢憂が1万2千枚。他が1万1千枚でほぼ横バイに並んでいます。いずれもどこか80年代のバンドブームから90年代のJ-POP期のヒット曲を彷彿させるようなポップソング。ファン層の年代にマッチするのか、やはりこの時期の曲が受けるということなのでしょうか・・・?

で、90年代J-POPといえば、その代表格だった徳永英明「春の雪」が7位にランクインしています。フジテレビ系ドラマ「さくら心中」の主題歌。昼ドラなので、あまりタイアップ効果は強くないのでしょうが、初動1万1千枚は、前作の6千枚より大幅アップしています。アコギとストリングスの音色が切ない、歌謡曲風のバラードナンバーで、ある意味、昼ドラのイメージにピッタリかも。

初登場もう1枚は6位にビジュアル系バンドViviD「『夢』~ムゲンノカナタ~」が入ってきています。テレビ東京系アニメ「レベルE」エンディングテーマというタイアップの良さから、初のベスト10ヒットとなっています。曲の内容は、タイトルから推して知るべし、といった感じで・・・(^^;;

久しぶりに新譜で埋まった今週のチャート。着うた&アルバムチャートは金曜日に~。

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2011年1月25日 (火)

即効性抜群のダンスミュージック

Title:キャンプ・パンゲア
Musician:ソウル・フラワー・ユニオン

キャンプ・パンゲア

ここのサイトでも、ライブレポートをアップしましたが、先日、本当に久しぶりにソウル・フラワー・ユニオンのライブに足を運んできました。このアルバム発売記念のライブだったんですけどね。もちろん、このアルバムからの曲もたくさん演りました。

で、私は事前に先行発売のシングルを聴いていなかったので、このアルバムに収録されている曲はその時にはじめて聴いた曲ばかりだったのですが、はじめて聴いただけで一発で曲を覚えてしまいました。まあ、正直、発売前のアルバムからの曲ということで、ファンの盛り上がりはいまひとつだったのですが、このアルバムに収録されている「ホップ・ステップ・肉離れ」では、会場はかなりの盛り上がりを見せていました。

彼らの曲は一発で覚えられる即効性があります。最初に彼らのステージを見たフジロックのメインステージでは、私を含め初見の観客を一気に踊らさせていましたが、今回のアルバムも、今後、彼らのライブではおなじみになりそうなダンスミュージックも多く収録されていました。

ただ、アルバム全体的な出来としては、良くも悪くもいつものソウル・フラワー・ユニオンといった感じ。ライブでも盛り上がった「ホップ・ステップ・肉離れ」をはじめ、「死ぬまで生きろ!」「ルーシーの子どもたち」など、彼らの代表曲となりそうな名曲も多いのですが、目新しさはありませんでした。

もっとも、一度聴いたら忘れられないようなインパクト十分な曲ばかり。そういう意味では、聴いたら癖になりそうなアルバムですし、SFUの最初の一枚としても申し分ない内容だと思います。

また、最近は辺野古でライブを行ったり、沖縄の米軍基地問題がらみの活動が目立つ彼ら。このアルバムの歌詞カードでも、辺野古の海の写真などが載せられています。

もちろん曲にも、「死んだあの子」のように、そんな彼らの主張を反映した曲も多く、それもまた彼らの魅力なのは間違いありません。ただ、その主張には決して押し付けがましさは感じられず、曲も、彼らの政治的スタンスに反対していても、あまり気にすることなく楽しめるようなものがほとんど。政治的な発言も多い彼らですが、自分たちはあくまでもリスナーを楽しませるミュージシャンなんだ、という強いスタンスも感じます。

そんな年齢立場問わず、幅広い方が楽しめる傑作だと思います。また、彼らのライブに行きたいなぁ~。

評価:★★★★★

ソウル・フラワー・ユニオン 過去の作品
満月の夕~90's シングルズ
カンテ・ディアスポラ
アーリー・ソウル・フラワー・シングルズ(ニューエスト・モデル&メスカリン・ドライブ)
エグザイル・オン・メイン・ビーチ

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2011年1月24日 (月)

やはりギターはカッコいい!!

Title:WHAT'S MY NAME?
Musician:雅-MIYAVI-

WHAT’S MY NAME?(期間限定低価格盤)

ちょっと前、確かネット上のアンケートで、詳細は覚えていないのですが、「バンドの中で、あなたが最も好きな楽器は?」という質問で、ギターを差し置いてベースがもっとも票を集めた、というのが、ちょっとした話題となりました。某アニメの影響では?という意見も少なくなかったのですが、確かに、最近、ギターヒーローというのがあらわれていません。なにより、最近のHIP HOPにしてもR&Bにしても、ベース、ドラムスのリズムを前面に押し出すような音楽が主流。一時期のように、ギターが前面に出てきて、という音楽があまりはやらなくなったような気がします。

そんな中、ギターという楽器のカッコよさに、あらためて気がつかさせてくれるようなアルバムが発売されました。雅-MIYAVI-というソロギタリスト。デビューは2004年なので、既に中堅の域に入っているミュージシャンということになるでしょうか?このアルバムでは、くるりのサポートなどでも知られる54-71のBOBOをドラムスに迎え、彼のギターとドラムスだけでのセッションを聴かせてくれています。

このギターがめちゃくちゃカッコいい!緩急のつけたギターの音は、とてもタイトでかつシンプル。緊迫感のあるドラムスとのセッションは、CDで聴いていても息をのんでしまうほど。このアルバム、話題になっていたのではじめて聴いたのですが、予想以上の作品に、ビックリしてしまいました。

また、一言でギターがメインのアルバムといっても、様々なギターの音を聴かせてくれるのが、とても魅力的。リズム感が素晴らしいファンキーなギターを聴かせてくれるタイトル曲「WHAT'S MY NAME?」にはじまり、ブルージーな「CHILLIN' CHILLIN' MONKEY BLUE$」に、「UNBREAKABLE」はガレージ風。かと思えば、「すてきな みらい」ではアコギの弾き語りを聴かせてくれたりと、ギターという楽器の幅広さを感じます。

その中でも「MOON」では、音数を絞ったギターとドラムスのからみが、音こそ静かながらも、スリリングなサウンドを奏でていて、手に汗を握ってしまいます。最後まで耳の離せない名曲でした。

もともと、彼、いわゆるビジュアル系にカテゴライズされたミュージシャンだったのですが、レコード会社移籍後、このアルバムでも54-71のドラマーと組んだり、ライブでもZAZEN BOYSと対バンしたりと、なぜか急に、サブカル系(ロキノン系(?))に急接近。なぜ??ま、そんな「○○系」みたいにカテゴライズなど関係ない傑作には間違いないのですが・・・。

最後に。

あらためてBOBOのドラムスがいい!必要以上に目立たず、でも、しっかりと後ろで正確なリズムで、時には陰で、時にはギターに積極的に絡んで雅を支えています。くるりのサポートといい、最近、様々な活躍が目立つ理由がわかるような気がしました。こちらも要注目でしょう。

やはりちょっとビジュアル系の入ったようなジャケット写真や、おなじくいかにも「らしい」ミュージシャン名から、ちょっと抵抗感を覚える方もいるかもしれませんが、それはもったいない!文句なしのギターロックの傑作だと思います。お勧めです。

評価:★★★★★


ほかに聴いたアルバム

THE GUIDE/SPECIAL OTHERS

THE GUIDE

インストバンドながらも、メロディアスな楽曲の数々は、まるで楽器が歌っているかのよう。「Parabola」「luster」など、哀愁あるメロディーがとても魅力的。かと思えば、アバンギャルドな作風ではじまる「RCA」などジャムバンドらしい作品もあり、いい意味で幅広いリスナー層が楽しめる作品に仕上がっていました。

評価:★★★★★

SPECIAL OTHERS 過去の作品
QUEST
PB

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2011年1月23日 (日)

海の上で飛び跳ねるように

Title:SENSE
Musician:Mr.Children

SENSE

ミスチルの最新作について話題になったのは、まずその「売り方」でした。事前のシングルカットは配信シングルをのぞいてなし。収録曲もジャケット写真も明かされず、タイトルすら、発売日まで未定というスタイル。シングルをリリースしまくって、アルバムは、まるでベスト盤のよう、という、最近の潮流から逆らうように、あくまでも「オリジナルアルバム」を聴かせようというスタンスを感じさせます。

前作「SUPERMARKET FANTASY」が、このアルバムとは逆に、ヒットシングルを詰め込んだ、まるでベスト盤のようなアルバムになっていました。彼らがかつて、コンセプトアルバム「深海」のあとに、ヒットシングルをつめこんだ「BOLERO」を発売したように、ヒット曲の詰め合わせだった「SUPERMARKET FANTASY」の後は、「深海」のように、アルバム単位で売って来る作品がリリースされるのかなぁ・・・と思っていただけに、先行シングルが収録されていないこのアルバムのスタイルは、ある意味、予想通りでした。

ただ、アルバムの内容としては、タイトル通り、暗い海の底をイメージさせるような「深海」と異なり、アルバム全体として前向きの希望を感じるアルバムになっていたように感じました。

楽曲としてユニークだなぁ、と感じたのは、「ロックンロールは生きている」。とかく音楽雑誌などがやたらと「殺したがる」ロックという音楽のジャンルですが、

「ロックンロールは生きている 君のそばに
自由と希望を意味している」

(「ロックンロールは生きている」より 作詞 桜井和寿)

と高らかに歌い上げる彼らには、まだまだロックという音楽は人々を救うという力強い主張と未来への希望を感じます。偶然でしょうが、昨年話題となった神聖かまってちゃんの代表曲にも「ロックンロールは鳴り止まないっ」という曲がありました。グローバリゼーションという名前の下に、より過酷な競争を強いられようとしている現在、再びロックンロールという音楽が、その効力を増しているのでしょうか?

他にも

「今にも手を差し出しそうに優しげな笑顔を見せて
水平線の彼方に希望は浮かんでる」

(「擬態」より 作詞 桜井和寿)

「夢見なくちゃつまんねぇ 淡々と死んでいきたくはない
振り返りながらも目指す未来
少し痛いとしてもダイブ!
そしてバタフライ」

(「HOWL」より 作詞 桜井和寿)

など、未来への希望を感じられる曲が並んでいます。なんといっても、希望に満ち溢れているのは、映画「ONEPIECE」のテーマ曲になり、配信シングルとしてリリースされた「fanfare」でしょう。爽やかでアップテンポなメロと、軽快なギターリフが心地よい曲ですが、「ONEPIECE」の世界観ともマッチする前向きな歌詞は、このアルバムのイメージにもピッタリ来る名曲に仕上がっています。

閉塞感が漂い、未来への希望が失いかけている現在だからこそ、力強く未来への希望を歌おうとしている、そんなアルバムに感じました。ある意味、「深海」とは対照的な、海の上でくじらが飛び跳ねているジャケット写真も、そんな彼らのメッセージを感じることが出来ます。

一方で、メロディーやアレンジに関しては、ミスチルらしさという壺を押さえた感じがします。そういう意味では、多くのファンにとっては、納得いく内容になっているのではないでしょうか。ミスチルというバンドがどう見られているのか、きちんとわかった上でのつくりになっている点、ベテランバンドとしての実力を感じます。

反面、悪く言ってしまうと、少々無難といった印象を受けてしまいます。先行シングルなし、アルバムで聴かせる内容の割りには、「アルバムならでは」といった感じのとっつき難い曲が少なかったような印象も受けます。そういう意味では、安心して聴ける内容ではあるのですが、新たな驚きみたいなものは少なかった感がありました。

とはいえ、「365日」のような、今後彼らのスタンダードになりそうな名バラードもあり、基本的には文句なしの名作だと思います。ミスチルにしては売上がちょっと苦戦しているのは残念。とはいえ、最初のブレイクから15年以上経って、いまだにこれだけ売れるのは驚異的ではあるのですが・・・。

評価:★★★★★

Mr.Children 過去の作品
SUPERMARKET FANTASY

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2011年1月22日 (土)

正月休みもおしまい。

今週の着うたチャート

2011年1月12日~2011年1月18日付チャート

着うたチャートもお正月モードは終了。新譜が多く入ってきています。ただし、上位3曲はロングヒットの曲が並んでいます。

トイレの神様(DVD付)

1位は、先週に引き続き植村花菜「トイレの神様」が獲得。強さを見せつけています。そして2位はいきものがかり「ありがとう」。昨年5月18日付チャートで2位を獲得した後、チャートの上下を繰り返しながら、常時ベスト50をキープ。15位→5位→3位とランキングをあげ、一気に2位を獲得しました。

3位はKARA「ミスター」が先週よりワンランクダウンながらもベスト3をキープしています。

初登場組では、まずシングルチャートでも上位にランクインしてきた湘南乃風「爆音男 ~BOMBERMAN~」が4位に、RADWIMPS「DADA」が8位にランクイン。湘南乃風は偶然にもシングルと同順位になっています。RADWIMPSはファン層が着うたユーザーと重ならなさそうな印象が・・・。

9位にはYUI「Your Heaven」がランクイン。1月26日発売予定シングルからの先行配信です。ソニーウォークマンCMソングとなっています。

10位はMAY'S「君に届け...」が入ってきています。日テレ系アニメ「君に届け 2nd Season」のエンディングテーマだそうで、歌い上げるバラードナンバーになっています。


今週のアルバムチャート
http://www.oricon.co.jp/rank/ja/

アルバムチャートも、正月休みはおしまい。今週、3枚の新譜がランクインしてきました。

You can’t catch me

まず1位。坂本真綾「You can't catch me」が、初の1位獲得です。おなじみ菅野よう子をはじめ、柴田淳、スネオヘアー、スキマスイッチの常田真太郎、鈴木祥子など、豪華なミュージシャンが楽曲を提供していることでも話題になっています。ただ、初動売上は、2年前の前作「かぜよみ」の3万6千枚よりダウン。2万6千枚にとどまりました。

2位は、先週1位のいきものがかり「いきものばかり」がまだまだロングヒットを続けています。3位にはKARA「ガールズトーク」が先週の5位からランクアップしています。

続く4位は初登場。ストレイテナー「STOUT」がランクインです。過去の作品を再録したセルフカバーアルバム(+新曲が1曲)。ベスト盤的に買われたのでしょうか?4位はおそらくアルバムでは自己最高順位。ただ、初動1万1千枚は、前作の1万3千枚よりもダウンしています。

6位には、槇原敬之へのトリビュートアルバム「We Love Mackey」が入ってきました。ゴスペラーズ、藤井フミヤ、一青窈など、豪華なミュージシャンが、マッキーの名曲をカバーしています・・・・・・が、正直、どうもいまひとつ、「このカバーは聴きたい!」という組み合わせがないような・・・多分、このアルバムは聴くと思うのですが、どうなんでしょうか??

他には、先週16位だった映画「バーレスク」のサントラ「バーレスク・オリジナル・モーション・ピクチャー・サウンドトラック」が8位にランクアップ。2週目にしてベスト10入りです。クリスティーナ・アギレラ主演のミュージカル映画のサントラで、クリスティーナ・アギレラの曲も多くおさめられており、話題になっているみたいです。

今週の着うた&アルバムチャートは以上。また来週の水曜日に~。

※ストレイテナーの「STOUT」に関しまして、記述に誤りがありました。訂正させていただきます。申し訳ありませんでした。

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2011年1月21日 (金)

むしろ絶頂期なのでは??

Title:Utada Hikaru SINGLE COLLECTION VOL.2
Musician:宇多田ヒカル

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昨年12月のライブを最後に活動休止となった宇多田ヒカルが、最後にリリースした自身2枚目となるベストアルバム。同時にUtada名義のベストアルバムをレコード会社が勝手に発売したため、彼女がTwitterで遺憾の意を表明し、話題になったりもしました。

今回の活動休止に関しては、いろいろな憶測が流れ、「ネタ切れだ」なんてことを言う人もいました。しかし、このベスト盤を聴いて、彼女のネタが尽きてきた、なんて感じる人はいないのではないでしょうか。ここ最近の楽曲を聴く限りにおいて、社会現象となるほど売れまくったデビュー当初よりも、むしろ勢いを感じさせるような曲が並んでいます。

ここ最近の曲を聴いて感じるのは、爆発的に売れた直後の変なプレッシャーから開放されて、自由に曲作りをしているなぁ、ということでした。「本物だ」みたいなことを言われて、本格的なR&Bを要求されたデビュー当初と比べて、ここ最近の曲は、アメリカのR&Bシーンの潮流からはずれたポップなメロディーラインは、どこか懐かしさもあり、むしろ日本的なものすら感じられます。

このベスト盤は2枚組になっていて、2枚目の方には新曲も収録されていますが、この新曲も実にいい!先行シングルとなった「Goodbye Happiness」は、爽やかながらどこか切ないメロディーが耳に残りますし、CMソングとしても話題となった「Can't Wait 'Til Christmas」も、悲しげなメロディーが胸に染みます。やはり彼女は、稀代のメロディーメイカーだなぁ・・・と、新曲を聴いてもあらためて感じます。

それだけに、このタイミングでの活動休止というのはちょっと残念なのですが、活動休止中にしっかりと充電して、さらなる傑作を産み出してくれる、はず。このアルバムの売上が、前のベストアルバムに比べて大きく落ち込んだのはすごく残念なのですが・・・これだけの名曲を次々リリースしているのですから、また、活動再開後は売上も上向きになるのでは??活動再開前最後のベスト盤ながらも、いつか来る活動再開後の作品が楽しみになってくる内容でした。

評価:★★★★★

宇多田ヒカル 過去の作品
HEAT STATION
This Is The One(Utada)


ほかに聴いたアルバム

acoakko debut/MY LITTLE LOVER

acoakko debut

2枚組となるMY LITTLE LOVERのアルバムは、アコースティックアレンジでのセルフカバーアルバム。そのうち1枚は、2年前に配信限定で発売された「acoakko」のCD化。もう1枚は、今回はじめて発売される新作となります。

で、その2枚なのですが、内容は断然、「acoakko」の方が上。軽快な「Free」に、ボッサ風の「悲しみよ今日わ」など、原曲の雰囲気を保ちながらも、新たなる味付けを加えて、原曲とはまた違った魅力を感じさせてくれるカバーになっています。一方、今回の新作は、確かにAKKOの歌声はアコースティックにあっているなぁ、とは思いながらも、原曲のイメージからほとんど変わらないアレンジがほとんどで、アコースティックによるセルフカバーという特色があまり生かせていないような印象が・・・。純粋に、曲としてはもちろん名曲揃いなのですが・・・。

評価:★★★★

MY LITTLE LOVER 過去の作品
アイデンティティー
そらのしるし
Best Collection-Complete Best-

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すいません。

諸般の事情につき、今日の着うた&アルバムチャートはお休みさせていただきます。また、近いうちにアップしますので、よろしくお願いします。

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2011年1月20日 (木)

アラフォー男のリアリティ

Title:ARE YOU READY?
Musician:斉藤和義

ARE YOU READY?

また、せっちゃんらしいキラーチューンが誕生しました!このアルバムの先行シングルで、CMソングとしてもおなじみの「ずっと好きだった」。往年のアイドルが登場するCMも話題になりましたが、そんなCMにもピッタリな作品。学生時代のあこがれのあの子に同窓会で再開する歌詞は、リアルに経験がなくても、思わずキュンとしてしまいます。

この曲に限らず、相変わらず同世代、40代の男性のリアルな心境を描くのが上手いですね~。「ずっと好きだった」と並んで、同世代の心境を見事に描いたのが、スチャダラのBoseをゲストに迎えてラップを導入した「いたいけな秋」でしょう。いつの間にか40代半ばになってしまった自分を見つめなおした歌詞は、まだ30代半ばの私にとっても、胸に来るものがあります。

前作「月が昇れば」は、ちょっと低迷気味だったせっちゃんの久しぶりの傑作でしたが、おそらく彼、今、勢いがあるんでしょうね。前作に引き続きの傑作アルバムに仕上がっていました。アルバム全体としては、どちらかというと前作に軍配があがりそうですが、キラーチューンが収録されている、という意味では、こちらに軍配があがりそうです。

そのキラーチューン「ずっと好きだった」もそうだったのですが、今回のアルバムの特徴は、ロックテイストを強く感じた、という点。特に前半、タイトル曲の「Are you ready?」「Small Stone」など、ギターを聴かせるロックなナンバーが続いていました。

また、豪華なゲストとのコラボレーションも話題のひとつ。「いたいけな秋」のスチャダラパーBoseもそうですが、「黒塗りのセダン」では中村達也がドラムスで参加。「罪な奴」ではコーラスにリリー・フランキー、妻夫木聡、真島昌利も参加していたりします。

その様々なゲストの影響でしょうか、ロックテイストが強い前半と比べて、後半はラップあり、ジャジーな曲あり、ドゥーワップ調の曲ありと、バラエティー富んだ作風になっていました。

いずれにしろ、今の斉藤和義の勢いを強く感じることが出来た傑作になっていました。ちなみにWikipediaですら無視されているのですが(笑)、なにげに日本レコード大賞優秀アルバム賞を受賞しています。ここらへんでは、一応レコ大も「優れた」作品を選んでいるんですね。

評価:★★★★★

斉藤和義 過去の作品
I (LOVE) ME
歌うたい15 SINGLES BEST 1993~2007
Collection "B" 1993~2007
月が昇れば
斉藤“弾き語り”和義 ライブツアー2009≫2010 十二月 in 大阪城ホール ~月が昇れば 弾き語る~


ほかに聴いたアルバム

LIFE/アンジェラ・アキ

LIFE

ここに来て、かなり楽曲全体として安定感が出てきたなぁ、といった感じ。いい意味でも悪い意味でも優等生的で、「優れたポップソング」として、幅広い層が聴いて楽しめそうな作品。ただ、逆にさらりとBGM的に聴きながされそうなリスクも・・・。

評価:★★★★

アンジェラ・アキ 過去の作品
ANSWER

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2011年1月19日 (水)

動き出したチャート?

今週のシングルチャート
http://www.oricon.co.jp/rank/js/w/

ここ2週、お正月シーズンで新譜がほとんどありませんでしたが、今週は、久しぶりにベスト10圏内に新譜が4曲ランクイン。長らくお正月休みだったチャートもようやく動き始めました。

DADA

まず1位が初登場。RADWIMPS「DADA」がランクインです。CDからネット配信にシフトする中、これでもかというほどCDであるということを主張するジャケットがインパクト十分(笑)。曲も彼ららしい、飛び跳ねるようなリズムとメロがインパクトがあり、一度聴いたら忘れなさそう。初動売上も8万9千枚で、前作の5万8千枚から大幅アップしています。2月9日には次のシングルが、3月にはアルバムもリリース予定。RADWIMPSの今年は、さらなる飛躍の年になるか??

2位は植村花菜「トイレの神様」がワンランクダウンながらも2位をキープ。3位はビジュアル系バンドSuG「Crazy Bunny Coaster」がランクイン。前々作「小悪魔Sparkling」が7位を獲得していますが、ベスト3入りは初。ラップも取り入れた楽曲は、ノイジーなギターポップで、メタルからの影響を受けたバンドが多いビジュアル系の中では珍しい感じ。初動売上1万2千枚も、前作の8千枚から大幅アップです。

4位には湘南乃風「爆音男~BOMBERMAN~」がランクインしてきています。メロはポップなのですが、ロックテイストが強く、なかなか聴かせる楽曲に仕上がっています。ただ、初動1万1千枚は、前作の1万5千枚よりもダウンしてしまいました。

初登場最後は7位のNICO Touches the Walls「Diver」がランクイン。テレビ東京系アニメ「NARUTO-ナルト-疾風伝」のオープニングで、やはりタイアップの良さから、初のベスト10ヒットとなりました。アニメタイアップからのヒットだと、ミュージシャン自身にファンがつきにくいだけに、次につながりにくいのですが・・・今後、この曲の人気がバンドの人気につなげられるでしょうか?

このほか、今週はまたAKB48の曲が4曲ランクイン。「ヘビーローテーション」が2位から5位、「Beginner」が4位から6位、「チャンスの順番」が3位から8位、「ポニーテールとシュシュ」が6位から9位とそれぞれランクダウンしているもののベスト10に留まりました。3週連続4作同時にベスト10入りは史上初だそうです。

今週のシングルチャートは以上。着うた&アルバムチャートは金曜日に~。

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2011年1月18日 (火)

いかにもアメリカのロックらしい

Title:COME AROUND SUNDOWN
Musician:KINGS OF LEON

カム・アラウンド・サンダウン

「王道」。KINGS OF LEONの紹介文では、よくこの2文字を見受けられます。確かに、KINGS OF LEONの音楽は、いかにもアメリカのロックといった感じ。海岸線に、夕陽を思わせる赤みがかったジャケット写真も、いかにもアメリカ的ですし、彼らの風貌自体も、ごっつい雰囲気の男性4人といかにもといった感じ。

楽曲も、いかにもスケール感があって泥臭さを感じる「THE END」からはじまり、カラッとしたカントリーの影響を感じる「BACK DOWN SOUTH」など、いかにもアメリカ的といった感じがします。

ただ、この手の「いかにも」なアメリカンロックって、日本だと、なかなか売れないんですよね。典型例としては、アメリカでは爆発的な人気を確保しているのに、日本ではほとんど無名のロックバンドCREEDあたりでしょうか?実際、彼らもグラミー賞を獲得するなど、話題になってから、ようやく日本でも注目されはじめた、といった感じで。

まあ、確かに、この手の泥臭さや大陸的なスケール感を感じるアメリカンロックって、日本人の肌にはあわない部分もあるのはわかるのですが。実際、私自身、このアルバムが壺にはまったか、といわれれば、少々微妙なのも正直なところ。

しかし、それでもこのアルバム、最後まで、飽きることなく楽しんで聴くことが出来ました。それはおそらく純粋にメロディーラインの良さもあるんでしょう。ストレートでポップなメロディーラインは、派手さはないし、いわゆる「美メロ」でもありませんが、飽きることがありません。

また、「王道」とはいっても、決して昔からのロックをそのまま演っているような、様式的なバンドではありません。「BEACH SIDE」あたりなど、王道ロックというよりも、ちょっとギタポ風?な要素も感じましたし、「NO MONEY」などはオルタナ系の雰囲気も。王道とはいっても、どの曲も、決して昔のままの音ではなく、「今」のロックの要素が入っているように感じました。

はまれるかどうかは人それぞれかもしれませんが、大多数の人は、最後まで楽しんで聴ける、そんなアルバムのように感じました。「安心して聴ける」というのは、ロックにとっては必ずしも褒め言葉ではないかもしれませんが・・・ただ、どこかほっとするものを感じさせる1枚でした。

評価:★★★★

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2011年1月17日 (月)

シンプル・イズ・ベスト

Title:Oi! Um bobo
Musician:ザ・クロマニヨンズ

Oi! Um bobo

とにかくシンプル。シンプルなロックンロールというスタイルは、ヒロトとマーシーがいままで組んでいたバンドでも共通するところがあります。しかし、ザ・クロマニヨンズになって、より楽曲は、シンプルなロックンロールになってきているように感じます。

今回の楽曲も至ってシンプル。キャデラックをあくまでも賛美する「キャデラック」や、温暖化になってあったかくなった!と無邪気にはしゃぐ「あったかい」(環境破壊を皮肉っている?)など、どこかユーモラスを感じつつ、至ってシンプルなロックンロールを奏でています。

ただ、今回のアルバムは、加えてシンプルな中に、一種の味わいの深さも感じました。ほんわりとした暖かさを感じる「多摩川ビール」のメロディーだったりだったり、パンキッシュな「ひらきっぱなし」の歌詞

「はじめから 全開で 行けるとこまで
はじめから 全開で 待つ事もなし」

(「ひらきっぱなし」より 作詞 真島昌利)

だったり、シンプルだけれども、どこか心に引っかかりを感じるのが彼らのアルバムの大きな特徴のように感じました。

なんか、ヒロトとマーシー、ザ・クロマニヨンズになってから、はずれがないなぁ~。すごく肩の力を抜いた傑作を作り続けていますね。これからも、まだまだ彼らの活動からは目が離せなさそうです。

評価:★★★★★

ザ・クロマニヨンズ 過去の作品
CAVE PARTY
ファイヤーエイジ
MONDO ROCCIA


ほかに聴いたアルバム

Ken Hirai 15th Anniversary c/w Collection '95-'10 ”裏 歌バカ”/平井堅

Ken Hirai 15th Anniversary c/w Collection’95-’10”裏 歌バカ”

彼は以前「歌バカ」というベスト盤をリリースしていますが、「裏歌バカ」、つまりカップリングベスト盤。2枚組のアルバムに加えて、初回盤ではリミックス音源をまとめたリミックスベストも収録されている豪華3枚組。初回盤は装丁もしっかりしていて、ファンにとっては、貴重なアイテムとしてうれしいところです。

カップリング集は発売順にならんでいるのですが、平井堅の成長がはっきりと感じられるのがおもしろいところ。正直、デビューシングルからしばらくの曲に関しては、全く面白みがありません。よくありがちな、爽やかなポップソングといった感じで、平井堅としての個性はほとんど感じられません。

これが面白くなってくるのが「キャッチボール」あたりから。ソウル、R&Bという方向性がはっきりとして、平井堅の個性も際立ってきています。この曲がカップリングに収録された「HEAT UP」の2作後のシングル「楽園」でご存知のように大ブレイクを果たしたのですが、このブレイクはある意味、必然だったんだなぁ、というのは、このカップリング集からも感じることが出来ます。

その後の活躍はご存知の通り。カップリングの出来も抜群によくなります。ファンクありソウルありピアノバラードありメロウなR&Bあり。バリエーションも増え、同時に、どんなタイプの曲でもしっかりと平井堅としての個性を曲から感じられるナンバーが並んでいます。

かなりボリュームがあるので、ファンズアイテムといえばファンズアイテムなのですが、ファン以外の方が聴いても、十分楽しめる内容なのは間違いないかと思います。何気に隠れた名曲も多く、聴きどころは満載。平井堅の魅力がしっかりとつまったカップリングベストでした。

評価:★★★★★

平井堅 過去の作品
FAKIN' POP
Ken's Bar II

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2011年1月16日 (日)

はじめてのJAZZライブ

McCOY TYNER TRIO with special guests Eric Alexander&Jose James

会場:Nagoya Blue Note 日時:2011年1月8日(土)20:00~

産まれてはじめて、ジャズのライブというものに足を運んできました。

以前から、チラホラとジャズのアルバムも聴いてきたのですが、その中で、気に入ったピアニストがMcCOY TYNER。とはいっても、アルバム「INFINITY」を買って聴いた程度なのですが・・・(^^;;また、以前から、Blue Noteでお酒をのみながら、まったりとジャズのライブなんていいなぁ~なんて思っていた矢先、McCOY TYNERがBlue Noteにやってくる!!ということで、はじめてジャズのライブに足を運びました。

Blue Noteは、SAKAE SP-RINGなどのライブイベントで何度か足を踏み入れたことはあるのですが、本来のスタイルでのライブははじめての経験。クロークに荷物をあずけ、席につくためスタッフのエスコートを受けるなど、いつものライブとは全く違った雰囲気にちょっとドキドキ。ただ、席は、隣の人と思ったより詰まっていて、おもったほどゆったりとはしていなかったのはちょっと残念なのですが・・・仕方ないのですね。

ゆっくりとカクテルを楽しんでいると、やがてライブがスタート。最初はベースのGerald CannonとドラムスのFrancisco Mela、そしてゲストのサックスのEric Alexanderが登場後、盛大な拍手に迎えられ、McCoy Tynerが登場してきました。

彼は今年で御年73歳。さすがに最初はピアノに手をついて、「よっこいしょ」といった感じでピアノに腰掛けたのですが、しかし、演奏がはじまると、年齢を感じさせないアグレッシブな演奏を聴かせてくれました。

最初はこの4名によるステージ。CDで聴いた時よりちょっとムーディーな感じだったかな?2曲が終わると、McCoy以外のメンバーがステージが去り、McCoy一人で、しんみりとピアノを聴かせる演奏に。しばし、彼のピアノに聴きほれました。

その後、メンバーが戻ってくると、さらにスペシャルゲストのボーカリストJose Jamesが登場。彼のボーカルはかなりムーディーで甘い感じ。そのため、楽曲自体もかなりムーディーな雰囲気に仕上がっていました。

彼が2曲くらい歌った後、再び4人のみの編成に戻り、最後は明るく楽しい雰囲気のナンバーへ。この日のステージを締めくくりました。

約1時間半程度のステージ。CDで聴いて予想していたよりも、もっとムーディーでロマンチックな感じのステージでした。スペシャルゲストとしてサックスとボーカルが入ったために、一部の曲では、McCoyのピアノが単純に伴奏になっていた感じだったのは、彼のピアノ目当てだったのでちょっと残念な感じもしたのですが、それはそれで仕方ないですね。

上にも書いた通り、McCoyのピアノは、年齢を感じさせない力強いもので、十分にこの日のステージを楽しむことが出来ました。お酒をのみながら、ちょっと大人の雰囲気のステージ。ただ、もっと気難しい雰囲気なのかなぁ?とも思ったのですが、ライブ自体は全然そんなこともなく、普段のライブと同様に楽しむことが出来ました。ジャズのライブもいいですね~。また機会があれば、足を運びたいです。

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2011年1月15日 (土)

予想外??

Title:KIMONOS
Musician:KIMONOS

Kimonos

ZAZEN BOYSの前作から2年強。向井秀徳が、次にどんな作品をリリースするか待ちわびていたところに届いたのが、LEO今井とのユニット、KIMONOSとしての新作でした。

LEO今井の作品に、向井秀徳が参加していたこともあり、そういう意味では十分ありえたユニットとも言えるかもしれません。ただ、どちらかというと和風で、どこか無骨さのある向井秀徳と、洋風でスタイリッシュというイメージがあったLEO今井。ある意味、この組み合わせというのは、予想外でした。

しかし、この新作というのが、2人の個性が見事にマッチした、素晴らしい作品に仕上がっていました。

基本的に作品は、ニューウェーヴの要素が強い、打ち込みをメインとして構成された作品。音数は出来る限り削ぎ落とされているため、ひとつひとつの音に一種の緊迫感があります。大きな括りでは、ZAZEN BOYSとしての最新作「ZAZEN BOYS IV」と同じ方向に、いまだ向井秀徳の興味がいっているんだな、ということを感じさせます。

そして、向井秀徳とLEO今井という2つの個性がそのままあわさったような作品は、どこか無国籍なテイストを感じます。アフロビートにTALKING HEAD風の雰囲気を感じる「No Modern Animal」や、ファンキーなベースが特徴的な「Mogura」「Almost Human」ではどこかジャジーな要素も感じます。さらにラストの「Tokyo Lights」では、ガレージロック風のギターが鳴り響いています。

一番おもしろかったのは「Soundtrack To Murder」でしょうか?和風な向井秀徳のボーカルパートと、一転スタイリッシュな雰囲気になるLEO今井のボーカルパートの対比が実にユニーク。2人の個性を足して2つで割るのではなく、足しっぱなしにしているKIMONOSのおもしろさが感じられました。

また、全体的には、ポップな作風に仕上がっているのも、このアルバムの大きな特徴のように感じました。ZAZEN BOYSは、ある意味、向井秀徳が好きにやっている・・・というと響きがいいのですが、彼が暴走してしまっていると感じる点もあるのも事実でした。

しかし、このアルバムでは、テクノポップ風の「Miss」をはじめ、LEO今井のボーカルも大きな要素となっているのでしょうが、いい意味で、必要以上に癖のない、ポップで聴きやすい作品も並んでいました。

向井秀徳とLEO今井、ちょっと予想外の組み合わせで、最初、ビックリしたのですが、出てきた音楽は、予想外の相性の良さ・・・というよりも、合わないような部分も、合わないままで作品として出してしまっていて、それが結果として逆に音楽の面白さを増している、そんなアルバムだったように感じました。

評価:★★★★★


ほかに聴いたアルバム

ベリー・ベスト・オブ・佐野元春 ソウルボーイへの伝言/佐野元春

ソウルボーイへの伝言 The Very Best Of Motoharu Sano A Message to Soul Boy

デビュー30周年を記念してリリースされたベスト盤。「アンジェリーナ」「ガラスのジェネレーション」「サムデイ」「約束の橋」などといった代表曲を卒なく収録し、1枚におさめています。彼くらいのキャリアの持ち主だと、ベスト盤というと、ともすれば2枚組3枚組になりがちなところを、1枚にまとめてくれた点、はじめの1枚としてはうれしいところです。

評価:★★★★★

Hello!"Z"/ねごと

Hello!“Z”

全員、若干19歳という女性4人組ロックバンド。若さから来る勢いみたいなものを感じられます。楽曲はポップなメロディーがインパクトのあるギターロックなのですが、如何せん、チャットモンチーに似ている部分が強いのが残念なところ。チャットモンチーよりも、ヘヴィーなバンドサウンドを聴かせる部分もあるのですが・・・。実力はあると思うので、今後、いかに彼女らしさを出せるか、注目したいところです。

評価:★★★★

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2011年1月14日 (金)

シングルチャートに続いて

今週の着うたチャート

2011年1月5日~2011年1月11日付チャート

今週の着うたチャートでは、シングルチャートに続き、あの曲が1位獲得です。

トイレの神様(DVD付)

先週、2位にランクアップしてきた植村花菜「トイレの神様」が、1位にランクアップ。シングルチャート同様、1位獲得となりました。

今週も、新譜が少なかった着うたチャート。ベスト10には旧譜が並んでいます。2位はKARA「ミスター」が先週の8位からランクアップ、3位はいきものがかり「ありがとう」が5位からランクアップし、ベスト3入りしています。

ベスト10圏外からのランクアップとしては、シングルチャートで旧譜がベスト10を独占しているAKB48「Beginner」が12位から10位にランクアップ。AKB48は他に「ヘビーローテーション」が6位にランクインしています。

唯一の初登場曲は8位の中村舞子「The Answer feat. CLIFF EDGE」。1月12日発売のアルバム収録曲。LGYankeesらが所属するノーダウトトラックス所属の女性シンガーで、女性ボーカルのバラード+ラップという着うたヒットの王道パターンのナンバーです。


今週のアルバムチャート
http://www.oricon.co.jp/rank/ja/

先週に引き続き、新譜が少ない今週のアルバムチャート。ベスト10のうち新譜は1枚だけでした。

いきものばかり~メンバーズBESTセレクション~

そんな中、1位を獲得したのはいきものがかりのベスト盤「いきものばかり」。11月22日付チャート以来、8週ぶりの1位返り咲きとなりました。売上3万9千枚は先週の4万7千枚より下回っているとはいえ、現在もなお売れ続けているこのベスト盤。まだまだロングヒットは続きそうです。

2位は浜崎あゆみ「Love songs」が先週よりワンランクアップ。そして3位には、ゴールデンボンバー「ゴールデン・アワー~下半期ベスト2010~」がついに入ってきました。

10月にリリースされたシングル「また君に番号を聞けなかった」がベスト10入りを果たし話題となったバンド。一応、ビジュアル系「バンド」なのですが、全員、楽器を弾くふりをするだけのいわばエアーバンド。ユニークなPVなどがネットでも大きな話題となり、口コミで人気が広まり、アルバムもベスト3入りという好セールスを記録しました。あ、ユニークなタイトルですが、ベスト盤じゃなくて、オリジナルアルバムです、念のため。

今週の着うた&アルバムチャートは以上。次のチャートは来週の水曜日に~。

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2011年1月13日 (木)

キュートなエレポップ

Title:Out Tracks & Remix for you
Musician:EeL

Eel

今回取り上げたEeLというミュージシャンは、関西在住の女性ミュージシャン。1999年からキャリアをスタートしたみたいで、なにげに長いキャリアの持ち主なのですが、不勉強ながら、今回、はじめて知りました。

今回知ったのは、ここでも時々紹介する音楽配信サイト「ototoy」で、このアルバムがフリーダウンロードで聴けたから。2001年に発売したアルバム「Kung-Fu Master」と、同じく2001年に発売したアルバム「people people」から選曲した企画盤「Kung-Fu People Etcetra」が配信開始になったのですが、そこから漏れた曲を集めてフリーダウンロードとしてリリースされたのがこのアルバムだそうです。

楽曲は、ボーカルがキュートでかわいらしいエレポップ。パンキッシュな打ち込みが前面に押し出されて、ボーカルは後ろで「音」の一つみたいになっている感じ。ポップで楽しく聴きやすいのですが、楽曲の雰囲気は、ちょっと懐かしい「渋谷系」の匂いを感じます。2001年の作品なのですが、確かにあの時期はまだこういう音もあったかな??ちょっと時代も感じさせます。ちなみに彼女、あの今をときめく中田ヤスタカのユニットcapsuleにゲストボーカルとして参加したこともあるとか。capsule、特に初期のcapsuleが好きならはまりそう。

なお、この作品で聴き所なのが最後の「I'm crying on a straight road」のworld's end girlfriendによるリミックス。最初は静かにスタートし、全体的に美しいピアノの音が流れる中、ノイジーなギターが不気味な雰囲気を曲に与えています・・・まさにWEGらしい作品。WEG好きなら要チェックかも。

ちなみにダウンロードページはこちらから。1月25日までの期間限定らしいので、興味がある方は急いで!

評価:★★★★

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2011年1月12日 (水)

先週に引き続き

まず、残念なニュースから・・・。

椿屋四重奏が解散を発表 (ナタリーより)

正直、いまひとつ、煮え切らない感が強いバンドで、ただ、最新作「孤独のカンパネルラを鳴らせ」は、彼らの作品の中では一番の作品だと思っていて、それだけに、これからかな、とも思ってただけに、突然の解散のニュースは残念。まだまだこれからのバンドだと思っていたんだけどなぁ~。

それでは、今週のシングルチャート。

今週のシングルチャート
http://www.oricon.co.jp/rank/js/w/

今週もベスト10に新譜はなし。旧譜が上位を占めるチャートとなっています。

トイレの神様(DVD付)

そして1位は先週に引き続き植村花菜「トイレの神様」。売上も先週の1万1千枚から2万2千枚と倍増・・・とはいっても、1位の売上としてはかなり寂しい結果になってしまいましたが・・・。しばらく、新譜が少ないチャートが続くと思われるだけに、今度、どれだけロングヒットを記録するのか、注目です。

また、先週に引き続きAKB48のシングルが4枚同時にランクイン。2位に「ヘビーローテーション」、3位「チャンスの順番」、4位「Beginner」そして6位に「ポニーテールとシュシュ」という並びになっています。また、SKE48「1!2!3!4!ヨロシク!」も先週の24位から9位に一気にランクアップしベスト10入り。AKB48関連が5作並ぶ結果となりました。なんとなくかつてのビーイング系や小室系全盛期を彷彿とさせるチャート。ただ、チャートを独占してからビーイング系も小室系も、一気に人気を落としていった過去があるだけに、彼女たちも浮かれていられない状況だとは思うのですが。

他は、先週ランクインした旧譜組では、EXILE「I Wish For You」が7位をそのままキープ。少女時代「Gee」が6位から8位にランクダウンという結果になっています。

ちょっと短めですが今週のシングルチャートは以上。着うた&アルバムチャートは金曜日に~。

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2011年1月11日 (火)

名曲もたくさん。珍曲も・・・(笑)。

以前、紹介した、徳間ジャパンが管理するレーベルが昭和期にリリースした作品を集めたオムニバスアルバム「Groovin' 昭和」。9月から11月にかけてリリースされていますが、今回紹介するのは、10月に発売された、2枚のアルバムです。

Title:GROOVIN'昭和4~自衛隊に入ろう

GROOVIN’昭和!4~自衛隊に入ろう

タイトル曲「自衛隊に入ろう」は、おそらく、音楽ファンにはよく知られた高田渡の名曲なのですが、有名な歌詞の・・・

「日本の平和を守るためにゃ
鉄砲やロケットがいりますよ
アメリカさんにも手伝ってもらい
悪い ソ連や中国をやっつけましょう」

(「自衛隊に入ろう」より 作詞 高田渡)

「アメリカ」「ソ連」「中国」の部分に、自主規制の「ピー」音が・・・!!

なにをチキンなことをやっているんだ!と最初、腹立たしく感じたのですが、この音源、1983年のスタジオ録音を初CD化ということで、もともとの音源に自主規制音が入っていたみたいです。それなら、このオムニバス盤には罪はないですね・・・。

さて、この「4」は、基本的にフォークの曲を中心におさめた作品。いままでの「1」から「3」は名前も聞いたことない人たちの曲が多かったのですが、こちらは高田渡からはじまり、西岡恭蔵、あがた森魚、南正人、友川かずき、友部正人に喜納昌吉と、有名なミュージシャンの曲がズラリと並んでいます。

また、同じく「1」から「3」は、「昭和のレアグルーヴを聴くぞ」と構えた姿勢で聴かないと(笑)あくの強い曲に抵抗感を覚える曲ばかりでしたが、「4」におさめられている曲は、今の耳で聴いても、すんなりと抵抗感なく「いい曲だな」と思える曲が多く、純粋に、昭和の名曲を探すためのオムニバス盤としてもお勧めできる作品です。

もっとも、その中でも強烈なナンバーもあり、特に、友川かずきの「死にぞこないの唄」は、その歌詞の怖さに、夜一人ではとても聴けません(^^;;他にインパクトある歌詞としては金森幸介の「もてないおとこたちのうた」。早川義夫のカバーなのですが、歌詞はまさにタイトル通り(苦笑)。サンボマスターあたりがカバーしてくれたら・・・なんて思ってしまいます。

他にもはちみつぱいの「塀の上で」やあがた森魚の「サルビアの花」などが、個人的には気に入りました。全体的に名曲が多く、ある意味聴く人を選んだ「1」から「3」とは異なり、昔の名曲やフォークソングに興味のある方に、文句なしにお勧めできるオムニバス盤。まだ知らぬ名曲の数々を、このアルバムで聴いてみませんか?

評価:★★★★★

Title:GROOVIN'昭和5~ぐでんぐでん

GROOVIN’昭和!5~ぐでんぐでん

こちらはソウル、ブルース、ファンクな作品をメインに収録しています。最近のミュージシャンは、やはりリズム感がよくなったのでしょう、ソウルやファンクも、実にリズミカルに自然に歌っているミュージシャンも多くなりましたが、正直、この時期の曲を聴くと、野暮ったさがそのままで、どこか手探り状態。ただ、その歌謡曲的な泥臭さが、ひとつの魅力といえば魅力なんですが(笑)。

そんな中、よかったのが上田正樹とSOUTH TO SOUTHかなぁ。ブルージーな楽曲が、耳に残ります。ユーモラスな歌詞が印象的な「俺の借金全部でなんぼや」も、ある意味、ブルース的???(笑)

他にも、ファンキーなインストチューンが魅力的なSooo Baad Revueの曲もなかなかよかったですし、ちょっとサイケな要素も加えた、めんたんぴんのブルースロック「今日も小松の街は」は名曲!というか、調べたら、めんたんぴんって、元THE HIGH-LOWSのキーボード、白井幹夫がいたバンドなんですね(!)。意外なつながりにビックリです。

ラストの「SOULチョンワ」は、どおくまんのギャグ漫画「嗚呼!!花の応援団」のテーマ曲だそうで、チープな雰囲気の珍曲(笑)。ある意味、聴き所になっています。

上にも書いたのですが、「3」と同じく、まだ本場のソウル、ブルース、ファンクを手探り状態で取り入れているのが、どこか初々しくももどかしく感じられる曲が並んでいます。でも、それもまた魅力に感じられるオムニバス盤でした。

評価:★★★★

癖が強く、リスナーを選んだ「1」から「3」に比べると、もし、今リリースされたも、話題になりそうな名曲も多く、そういう意味では、どちらも興味があれば、是非チェックしてみてもおもしろいのでは?いわゆる誰もが知っているヒット曲は少なめなのですが、魅力ある名曲も多く収録されていました。

GROOVIN'昭和1,2,3


ほかに聴いたアルバム

Golden Circle/Golden Circle of Friend

Golden Circle

寺岡呼人を中心に、様々なミュージシャンたちが集まったライブイベント、Golden Circle。そこに参加したミュージシャンたちにより出来た曲を集めたコンピレーションアルバムです。とにかく、参加ミュージシャンがめちゃくちゃ豪華。ユーミンに小田和正、ゆず、斉藤和義、奥田民生、ミスチルから桜井と鈴木英哉などなど。

どの曲もミュージシャンたちがとてもリラックスして、楽しげに曲を歌っています。そういう意味では、聴いていてこちらも楽しくなってくるような素敵なアルバムだと思います。ただ、一方、これだけ豪華なミュージシャンが集まった割りには、誰かの持ち歌を歌うだけだったり、いまひとつ、お互いの個性を融合したコラボがなかったり。そういう意味ではちょっと惜しい感じもするアルバムでした。

評価:★★★★

R.A.M/WAGDUG FUTURISTIC UNITY

R.A.M

THE MAD CAPSULE MARKETSのKYOによるプロジェクトの3作目。基本的に前作と同様(というか、マドカプと同様)、ハードコアな爆音+サビでは、ふっと抜けるようなポップなメロというスタイル・・・・・・なんですが、さすがにちょっと飽きた(^^;;やはり爆音の快感は、このアルバムでも健在で、最初は素直に楽しめるのですが、後半になると、同じパターンの曲ばかりで、やはりちょっと・・・。もうひとひねりが欲しいんですが・・・。

評価:★★★

WAGDUG FUTURISTIC UNITY 過去の作品
HAKAI

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2011年1月10日 (月)

90年代を代表する傑作

Title:FANTASMA
Musician:cornelius

Fantasma

1997年に発表された、corneliusの3rdアルバムにして、名盤の呼び声高いアルバム「FANTASMA」。アルバムリリースから13年目にして、盟友砂原良徳の手によるリマスター盤がリリースされました。

実は、私、13年前のこのアルバムをリアルタイムには聴いていなくて、きちんと聴くのは今回、このリマスター盤がはじめて。それなので、元の作品と比べて、音がどうこう・・・という感想はちょっとご勘弁を(^^;;

また、既に評価がある程度定まっているこの名盤に関して、私がいまさらとやかく述べるのもちょっとおこがましい部分もあるのですが、それでも聴いた感想を書かせてもらうと、このアルバム、ヘッドフォンで聴くと、その音がとても心地よく感じました。

ここ最近の彼の作品と比べると、音数はグッと多いのですが、決してトゥー・マッチな感じはなく、ヘッドフォンで聴くと、その音が立体的に折り重なり、美しく響いてきます。メロディーとかではなく、純粋に音の響きが快感に感じるサウンドで、その美しさに聴き入ってしまいました。

初回盤は、この「FANTASMA」リマスター盤も含めてCD2枚+DVDの豪華3枚組!ボーナスCDには、小西康陽やデーモン・アルバーンによるリミックスやライブ音源などのレア・トラックが収録。DVDには、「FANTASMA」発売直後の武道館でのライブの模様や、海外でのライブの模様、「STAR FRUITS SURF RIDER」のPVにテレビスポットが収録されています。

「FANTASMA」自体の出来が素晴らしいだけに、ボーナスCDの方は、ちょっと蛇足といった感じ(^^;;ファンにとってはうれしい内容かもしれませんが、リミックスにしても、結局のところ、原曲のアレンジが一番よかったような・・・。

DVDは、武道館ライブの模様がとにかく楽しい!「OPENING」では、ちょっとひいた視点からスタートし、オープニングで緞帳に映し出された映像もそのまま収録していて、観客になったような気分が味わえます。赤と白の縞模様とサングラスに統一されたバンドメンバーのファッションも見ていて楽しいし、「FANTASMA」の音をそのまま再現したステージにも思わず釘付けになってしまいました。

ただ、ここらへんを全部含めて、初回盤の定価5,800円はちょっと高めかも・・・。さらに現時点でAmazonだと初回盤、既にプレミアがついているし・・・。ファンなら初回盤の豪華3枚組で入手したいところですが、そうでなければ、リマスター盤1枚で十分かも?ただ、DVDの武道館ライブの模様は、また別にDVDで販売されないかなぁ~。

評価:★★★★★

cornelius 過去の作品
CM3


ほかに聴いたアルバム

±1/九州男

±1(フ゜ラマイイチ) (通常盤)

全7曲入りのミニアルバム。打ち込みを用いたり、ピアノバラードに仕上げたり、7曲ながらもバリエーションあるサウンドに、しっかりと聴かせる歌詞は相変わらず。「父親」の歌詞は実体験でしょうか?印象に残ります。ただ、全体的にメロディーに関しては、いままでの作品に比べると、ちょっと平凡な感じはするのですが・・・。

評価:★★★★

九州男 過去の作品
HB
(R)

NUDE/detroit7

NUDE

前半、ガツンとするガレージサウンドは、文句なしにカッコいいと思います。以前のCDの感想にも書いたのですが、これだけストレートなガレージロックバンドは、今の日本では珍しいかも。ただ、この手のバンドの常として、バリエーションが少なく、後半、ちょっと飽きてくるんですよね・・・。全12曲入り40分強の内容なのですが、もっと短くしてもいいのでは??

評価:★★★★

detroit7 過去の作品
ブラック&ホワイト
FEVER
FRESH

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2011年1月 9日 (日)

今、最も勢いのあるミュージシャン

Title:いきものばかり
Musician:いきものがかり

いきものばかり~メンバーズBESTセレクション~

いきものがかり初のベストアルバム。現時点において、嵐やAKB48のようなアイドル勢を除いたミュージシャンとしては、ひょっとしたらもっとも勢いと人気があるは彼女たちかもしれません。実際、CDが売れないと言われて久しい今、このベスト盤は、実売ベースでミリオンを突破しました。

そんな彼女たちの曲を聴いて、まず感じるのは、いきものがかりというミュージシャンは、90年代J-POPの正統な後継者だ、という点です。

2000年代終盤から、ヒットチャート上ではやりはじめたR&Bやラップといった要素は彼女たちの音楽からありません。彼女たちの音楽は、80年代後半のバンドブームからの流れになるのかもしれませんが、メロディーと歌詞がメインとなる構成。それを支えているのは、ほどほどロックテイストなサウンド。洋楽からのほどよく影響を受けているものの、日本人好みのメロディーに仕上げているという点で、大きな意味で歌謡曲の流れを汲んでいる、といえるかもしれません。

事実として、今でも、この90年代J-POP風の楽曲は、根強い人気を得ています。今、ヒットチャートで人気を誇るアニソン系やビジュアル系の楽曲も、90年代風の作品が多く見受けられますし、彼女たちと同様に、高い人気を得ているコブクロなども、同じく90年代J-POPの正統な後継者、という印象を受けるミュージシャンです。

純粋に、90年代に青春時代を過ごした団塊ジュニア世代の人口が多い、という理由もあるのでしょう。ただ、ラップのようなメロディーのないリズムのみの音楽や、R&Bのような今風の作品ではなく、愚直にメロディーと歌詞を聴かせる彼女たちのような90年代J-POP風の作品が、いまだに高い支持を得ている、ということなのでしょう。

決して彼女たちの責任ではないのですが、90年代以降、新しい音楽が、いまひとつ広い層に根付ききっていないというのは、やはりちょっと残念な気がするのと同時に、現在、一部のミュージシャン以外に爆発的なヒット曲が産まれていない大きな要因のひとつのような気がします・・・。

さて、今回のベストアルバム。正式に発表順という感じではないのですが、おおむね初期の作品は2枚組の1枚目に、最近の作品は2枚目に収録されている構成になっていっています。

いきものがかりというミュージシャン。正直なところ、一番最初は、よくありがちなポップスバンドという印象しかありませんでした。それが、いつの間にか押しも押されぬ人気バンドに成長した訳ですが、このアルバムを聴くと、彼女たちが初期から最近の作品に渡って、徐々に成長してきたんだなぁ、ということを実感できました。

初期の作品についても、耳に残るメロディーを書いてきているのですが、最近の作品になると、余裕みたいなものも出てきて、楽曲のバリエーションも増え、メロディーのリスナーへの壺のつき方も、より上手くなっている、そう感じました。

ただ、あくまでも愚直にメロディーと歌詞を聴かせるというスタイルは初期から今まで変わっていません。なんだかんだいっても、こういうスタイルが強いということでしょうか。それだけに、今後も、根強い人気を誇っていきそう。嵐とAKB48が席巻した2010年のシングルチャートでしたが、2011年あたり、彼女たちが大きなシングルヒットを飛ばす・・・かも?

評価:★★★★

いきものがかり 過去の作品
ライフアルバム
My Song Your Song
ハジマリノウタ


ほかに聴いた作品

OASYS/KREVA

OASYS

KREVA初となるミニアルバム。全体的に、シンセのサウンドを使った、エレクトロテイストの強いトラックと、聴かせるメロディアスな曲が多いのが特徴的。歌詞も、かなり強力に、前向きなスタイルを読み込んだ歌詞が多く、ここらへんは少々好き嫌いはわかれるかも?ただ、全体的にKREVAの力強いメッセージを感じることが出来る作品になっています。

評価:★★★★

KREVA 過去の作品
心臓

Goldfingers/東京スカパラダイスオーケストラ

Goldfingers

ジャズピアニストの上原ひろみや、菊地成孔とのコラボレーション、さらには中田ヤスタカや、須永辰緒によるリミックス作品を収録した企画盤のミニアルバム。それぞれの個性が上手くマッチした好企画だったと思います。ただ、アバンギャルドな雰囲気の菊地成孔とのコラボをのぞくと、ちょっとおとなしくまとまっていた感も・・・。

評価:★★★★

東京スカパラダイスオーケストラ 過去の作品
Perfect Future
PARADISE BLUE
WILD SKA SYMPHONY

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2011年1月 8日 (土)

こちらでも紅白効果??

今週の着うたチャート

2010年12月22日~2011年1月4日付チャート

今年はじめての着うたチャート。こちらは2週分まとめての集計となっています。

I Wish For You(ジャケットA)【特典なし】

シングルチャート同様、こちらも年末のテレビ番組や紅白の影響でしょうか、昨年のヒット曲が軒並みランクアップしています。1位がレコード大賞を受賞したEXILE「I Wish For You」が先週の7位からランクアップした他、2位にはシングルチャートで1位を獲得した植村花菜「トイレの神様」が20位から一気にランクアップ。3位も少女時代「Gee」が17位から一気にランクアップしています。

初登場は4位の浜崎あゆみ「Love song」のみ。他にもベスト10圏外からの返り咲きが目立つチャートになっています。

ベスト10からの返り咲きとしては15位から5位にいきものがかり「ありがとう」が、16位から8位にKARA「ミスター」が、12位から10位にAKB48「ヘビーローテーション」が、それぞれランクアップしています。

逆に、前回のチャートで上位を占めていたクリスマスソングは軒並みランクダウン・・・って当たり前か(^^;;前回1位の宇多田ヒカル「Can't Wait 'Til Christmas」は9位に、前回3位の木村カエラ「A winter fairy is melting a snowman」は14位に、それぞれ大きくランクダウンしてしまいました。


今週のアルバムチャート
http://www.oricon.co.jp/rank/ja/

今年最初のアルバムチャート。新譜はわずか2枚でした。

ノースリーブス

その2枚の新譜のうちの1枚が1位を獲得。今週の1位はAKB48の別働隊ユニット、ノースリーブス「ノースリーブス」がランクイン。これがアルバムとしては1枚目ですが、見事1位獲得となりました。

2位は相変わらず強い!いきものがかり「いきものばかり」が先週の4位から再度ランクアップし、2位獲得。なんと、これで実売ベースでもミリオン突破だそうです。また続く3位には先週1位だった浜崎あゆみ「Love songs」が2ランクダウンでこの位置をキープしています。

初登場はあと1枚。10位にTCY FORCE produced by ☆Taku Takahashi「Panty&Stocking withGarterbelt The Original Soundtrack」がランクインしています。

アニメ「パンティ&ストッキングwithガーターベルト」のサントラで、ミュージシャン名義どおり、なんとm-floの☆Taku Takahashiがプロデュースを手がけています。テクノがメインとなった内容なので、m-floファンも必聴か??

今週の着うた&アルバムチャートは以上。来週のシングルチャートは、通常通り水曜日・・・のはず。

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2011年1月 7日 (金)

紅白効果

新年1発目のヒットチャート。すいません、昨年最後のチャート評の時に、次は再来週と書いたのですが、今年は例年のように、2週まとめてのチャートではなく、金曜日に遅れて発表という形になったようです。

今週のシングルチャート
http://www.oricon.co.jp/rank/js/w/

新年最初のチャートは、例年通り、年末の歌番組や紅白の影響が強く反映されたチャートになりました。

トイレの神様(DVD付)

紅白出演で話題となった植村花菜「トイレの神様」が、先週の15位から一気にランクアップし、見事1位に輝きました。昨年3月、この曲が収録されたアルバム「わたしのかけらたち」がベスト10入りしていますが、リカットシングルであるこの曲も紅白効果で一気に1位獲得です。

ちなみに、↑の画像をアフィリで挿入する際に、本当の「トイレの神様」が検索されてしまったのですが、どうも歌詞のような「女神様」ではない模様・・・。

トイレを浄化し金運を上昇させたい、頻尿等でお悩みの方に!219 トイレの神様 鳥枢沙摩明王

↑本当の「トイレの神様」

烏枢沙摩明王(うすさまみょうおう)という神様で、Wikipediaによると「便所は古くから「怨霊や悪魔の出入口」と考える思想があったことから、現実的に不潔な場所であり怨霊の侵入箇所でもあった便所を、烏枢沙摩明王の炎の功徳によって清浄な場所に変えるという信仰が広まり今に伝わっている。」ということだそうです。

ただ、1位とはいっても、売上はわずか1万1千枚・・・・・・。もう、一部のアイドルマニアかアニメマニア以外は、誰もシングルなんて買ってないんじゃないの??なんてことすら思ってしまう、低水準のチャートになってしまいました。

今週は、ベスト10圏内に新曲はありませんでした。ただ、年末の歌番組や紅白効果で、昨年ヒットした曲が多くランクアップしています。

その中で目立ったのが、AKB48。なんと今週、2位に「チャンスの順番」、3位に「ヘビーローテーション」、5位に「Beginner」、9位に「ポニーテールとシュシュ」と4曲がランクインしています。

一部のファンが買い占めているだけだ、とかいろいろと言われたAKB48ですが、最近の売上を見ると、お茶の間レベルまでの人気を獲得した模様です。

このブレイクの影響か、ここ最近、特に経済誌などで秋元康がよく取り上げられているように見受けられます。確かに、これだけのブームをつくったのは注目に値するのかもしれません。ただ、基本的におにゃん子の焼き直しみたいな部分も多く、特段の目新しさも感じませんし、また、何より「AKB48商法」といわれ方をする、かなりえげつないやり方で批判を受けたのも事実。いくら売れたからといって、単純に持ち上げる一部の経済誌には、ちょっと疑問に感じてしまいます・・・。

他にも、少女時代「Gee」が13位から6位に、EXILE「I Wish For You」が20位から7位にランクアップし、それぞれベスト10入りしています。また、JUJU「この夜を止めてよ」も、先週の12位から10位にランクアップし、再度、ベスト10入りしています。

昨年は、紅白効果の影響があまりチャート上、出てこなかったのですが、今年は2週合算チャートとならなかった影響か、また、シングルの売上枚数が極端に減っている影響か、紅白効果が如実にあらわれたチャートとなりました。紅白にしろ年末の歌番組にしろ、いろいろと言われているのですが、こういうチャートを見ると、なんだかんだいっても影響が大きいなぁ・・・とあらためて感じた今週のチャートでした。

明日は今年はじめてのアルバムチャート&着うたチャートを!

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2011年1月 6日 (木)

迫力あるライブにゾクゾクっ!

Title:LIVE IN BOSTON 1966
Musican:JUNIOR WELLS&THE ACES

ライヴ・イン・ボストン 1966 [英歌詞/語り部分対訳、解説付]

シカゴ・ブルースを代表するブルースミュージシャンの一人、JUNIOR WELLSが、1966年に、彼が初期に組んでいたバンドTHE ACESのメンバーと残したライブ音源をCD化したアルバム。タイトルは「LIVE IN BOSTON」となっていますが、ライナーツノートによると、正しい場所は川を挟んでボストンの対岸、マサチューセッツ州ケンブリッジで行われたライブ音源ということ。1966年9月16日に行われた3セットのライブを構成したものということです。

この時、JUNIOR WELLSは御年32歳。ということは、私より若いんだぁ(^^;;時には激しく、時には色っぽく、そして時にはファンキーに聴かせてくれるボーカルがとても魅力的。このライブ音源は、3セットのライブを構成しなおしたということですが、基本的には演奏順に並んでいるそうで、そのため、ライブが後半になればなるほど、会場の雰囲気が盛り上がっていき、テンションもあがってきます。

個人的には、ハイテンションは「LOOK ON YONDER'S WALL」と、続く代表曲「MESSIN' WITH THE KID」の演奏に、なんとも言えずゾクゾクしてしまいました。曲の間のMCも入っているのですが、これもライブ会場の雰囲気が味わえてうれしいところ。音質についてはちょっと悪いのですが、それを差し引いても十分楽しめるライブ盤でした。

評価:★★★★★


ほかに聴いたアルバム

Backspacer/Pearl Jam

Backspacer

全体的に軽快で、爽やかな雰囲気のギターロックがメインとなっていた印象が。いい意味で聴きやすく、ベテランバンドながらも、再び勢いが出たように感じられます。このアルバム、ビルボードで1位を獲得しましたが、それも、そんな今の彼らの勢いのあらわれかも。

評価:★★★★★

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2011年1月 5日 (水)

ネット配信の可能性と疑念

Title:TO NA RI
Musician:原田郁子+高木正勝

Tonari_2

今回紹介するアルバムは、音楽配信サイト「OTOTOY」限定で配信された作品です。「サウンド&レコーディング・マガジン」主催で行われる「Premium Studio Live vol.2」という企画で録音された作品で、スタジオに、実際にファンを入れて、ライブ形式で録音が行われたそうです。今回の配信では、よくあるmp3形式のみではなく、DSDという、より高音質で聴けるファイル形式での配信も同時に行ってます。当日は、2台のピアノを並べて、タイトル通り、「隣り」に並んで録音が行われたそうです。基本的にピアノの音色をメインとして、時にはピアノの天板を叩いてリズムを取る音や、オーディエンスの手拍子などの音も入っています。

まるで会話をするように美しく折り重なる2台のピアノの音色がとても魅力的なのですが、それ以上に、ライブレコーディングの一発録りというスタイルから来る緊張感が、音からアリアリと感じられるのが非常に魅力的でした。

なによりも、DSD形式で聴く音色が私のような素人でもわかるくらいとてもクリアで、ライブレコーディングで、周りの観客がかたずを飲む雰囲気まで伝わってくるよう。空間の広がりも感じられ、当日、その現場に居合わせたような感覚を得ることが出来ました。

ただ、緊張感といっても、ほどよい緊張感といった感じでしょうか。ピアノが奏でる音色はとてもポップで、2人とも、ピアノで会話し音楽をつむぐのを楽しんでいるのようも感じました。原田郁子も高木正勝も、美しいメロディーを聴かせてくれるミュージシャンですが、2人の個性が上手くマッチした好企画だったと思います。配信限定ということで、聴き逃している方もいるかもしれませんが、ファンならずとも要チェックの作品だと思います。

評価:★★★★★

CDからネット配信というと、どうもまだ、ネガティヴに捉えられている方も少なくありません。ただ、この企画のように、ネット配信により、CDというフォーマットにとらわれない音楽活動をはじめているミュージシャンも少なくありません。特に、今回のアルバムを配信したOTOTOYでは、より高音質のファイルを提供していたりします。CDよりも高音質のファイルで配信を行っている場合もあり、CDからネット配信により、より音楽の可能性が広がる場合も少なくはないと思います。

ただ・・・ちょっと心配しているのは、今回紹介した作品もそうなんですが、ネット配信オンリーの作品って、今後、ちゃんと私たちがいつでも聴けるような状態で管理され続けるのかなぁ・・・なんてことを思ったりします。ネット配信オンリーの作品だと、月日がたつと、ダウンロードできるページが、過去ログの彼方に行ってしまい、探しにくくなってしまったり、場合によっては配信サイト自体が閉じてしまうと、CDで販売されるよりも、貴重な音源が散逸してしまう可能性が高くなってしまうんじゃないかなぁ・・・とふと心配に感じてしまいました。まあ、レコードやCDで販売された音源でも、時代が経つにつれ、廃盤になったり、散逸してしまうケースも多いので、ネット配信だけの問題ではないのかもしれませんが。


ほかに聴いたアルバム

クラダ・シ・キノコ/キノコホテル

クラダ・シ・キノコ

なんか、ちょっとおしゃれな感じのタイトルですが・・・つまり「蔵出しキノコ」ってことですね(^^;;最近人気上昇中のキノコホテルの初期音源集。ほとんどの曲については、リアレンジされ、メジャー盤でも聴けますが、こちらでも全く遜色なく楽しめます。若干、ファンズアイテム的な内容ですが、この1枚が最初、といっても何ら問題ない内容かと。

評価:★★★★

キノコホテル 過去の作品
マリアンヌの憂鬱
マリアンヌの休日

Family Record/People In The Box

Family Record

前作「Ghost Apple」も素晴らしかったですが、このアルバムも素晴らしい!パッと聴いた感じだと、よくありがちなギターロックバンドのようなポップなメロディーを奏でるバンドなのですが、よくよく聴きすすめていくと、「旧市街」では、次々と変わっていく曲の構成に驚かされますし、「ストックホルム」も、明るいポップソングとおもいきや、どこかひねったメロディーラインが癖になりそう。複雑なリズムやダイナミックなバンドサウンドがとても魅力的で、聴き終わった後はすっかり彼らのとりこになってしまいそう。メロディーにもっとインパクトのあるキラーチューンが1曲出れば、もっともっと評価が高まりそうな予感も。

評価:★★★★★

People In The Box 過去の作品
Ghost Apple

TEENS FILM/カジヒデキとリディムサウンター

TEENS FILM

カジヒデキが、ギターポップバンドRiddim Saunterと組んだ作品。ベースは、いつも通りのカジヒデキ。キュートなギタポチューン全開なのですが、Riddim Saunterの奏でるリズムがなかなかおもしろいです。跳ねるようなリズムが楽しい「可愛い革命の詩~灼熱のサーヴィス・エリア」や、ちょっとアフロビートっぽい雰囲気を感じる「スローモーション」など、全体的にはちょっとブラックミュージック的な要素が入ったような。

なにげにカジヒデキって、王道の路線を貫きつつ、アルバム毎にちょっぴり新しい要素を入れてきたりするんですよね。なんだかんだいっても、まだまだ前線で活躍しつづける秘密ってそんなところなのかも。

評価:★★★★

カジヒデキ 過去の作品
LOLIPOP
STRAWBERRIES AND CREAM

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2011年1月 4日 (火)

ロックファンもブラックミュージック好きも

Title:NOTHING
Musician:N★E★R★D

ナッシング

約2年半ぶりとなるニューアルバム。もともと、ニューアルバムのタイトルは当初「Instant Gratification」と公表され、2009年には、新たなメンバーとして、女性シンガーのRheaが参加し、ニューアルバムの発表が待ち望まれる・・・状態だったのですが、2010年には早くもRheaが脱退。さらに、一度レコーディングしたものを一から作り直し、タイトルも「Nothing」とあらため、今回のリリースに至ったそうです。

そんな紆余曲折があり、ようやくリリースされたニューアルバム。いつも、基本的にはR&BやHIP HOPに軸足を置きながらも、ジャンルレスな音楽を聴かせてくれる彼らですが、今回も、そんなロックリスナーもブラックミュージックリスナーも楽しめるようなアルバムになっています。

1曲目「PARTY PEOPLE」は、T.I.をフューチャリングした、文字通りの楽しいパーティチューン。続く「HYPNOTIZE U」はエレクトロなナンバーに仕上げています。ロックリスナーにとって耳を惹くのは、ゴキゲンなギターサウンドが楽しめる「I WANNA JAM」あたりでしょうか?他にもソウルバラードな「LIFE AS A FISH」なども楽しめます。

相変わらずジャンルを超えた、楽しい音楽を聴かせてくれる彼らですが、そんな中でも一番の珠玉のナンバーだったのが、やはり「VICTORY」でしょう。暖かみの感じられるポップなナンバーは、いい意味で万人の心に響きそうな普遍性をもっています。

そんな最初から最後まで、バラエティー富んだ作風が楽しめるアルバムなのは間違いないのですが、ただ、アルバム全体の感想としては、「無難にいいアルバムだな」といった感じ。特に、N★E★R★Dとしての新しさみたいなものは感じられませんし、卒なくまとめてきたかな、という印象も持ちました。

とはいえ、幅広いリスナーが楽しめるアルバムだったのは間違いありません。手放しの大傑作ではありませんが、聴いて損のない良作、ということは間違いないと思います。とりあえず、興味がある方は是非。

評価:★★★★

N★E★R★D 過去の作品
SEEING SOUNDS

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2011年1月 3日 (月)

歌詞はひいてしまう人もいるかも・・・。

Title:クロなら結構です
Musician:モーモールルギャバン

クロなら結構です

「モーモールルギャバン」。一度聴いたら忘れられないような名前ですが(笑)、最近、話題となっている3人組ロックバンドです。

なにより話題となっているのは、その奇抜な歌詞の世界でしょう。タイトル名になっている「クロなら結構です」は、「パンティー泥棒の唄」から。この曲、何のひねりもない、タイトルそのままの唄。「クロなら結構です」とは・・・・・・つまり、そういうことです(^^;;他にも、「ユキちゃんの遺伝子」は、好きだった女の子に子供が出来たから、その子供(=赤ちゃん)を愛する、というちょっと異常ともいえるラブソング(?)。人によっては、かなりひいてしまいそうな内容です(苦笑)。

ところが、こんな奇抜な歌詞を書きながらも、メロディーは至ってポップで正統派。十分ヒットポテンシャルのある内容のメロディーを聴かせてくれます。

さらに耳を惹くのが、彼らの奏でるそのサウンド。「mobile call」など、かなりファンキーなインストチューンで、エレピとベースとドラムスのからみはかなりグルーヴィーで耳を惹きますし、「ユキちゃんの遺伝子」も、異常な歌詞に耳がいきがちですが、バンドサウンドには、どこかソウルフルなものを感じました。

聴いているうちに、歌詞の奇抜さに隠れがちですが、なにげにバンドとして、かなりの演奏能力を持っているのでは??と思いました。ジャズやアバンギャルド的な要素も含みつつ、ちょっと黒っぽいサウンドが、妙に耳に残る音を奏でています。

歌詞にしても、失恋直後の心象風景を描いた「悲しみは地下鉄で」みたいに、なにげに心に響くような歌詞もきちんと書いてくるし(でも、そんな歌詞の中に「風俗」なんて単語を入れてくるあたりが彼ららしいかも・・・)、かなりの実力者であることを感じさせます。

歌詞の奇抜さにひいてしまう方がいるかもしれませんが、それだけで聴かないというのはもったいない!ちょっと微妙な(笑)歌詞のユーモアセンスも含めて、非常に魅力的なバンドに思いました。最近、続々とおもしろい新人バンドが出てきていますが、彼らも間違いなくその1組。今後の活躍も楽しみです。

評価:★★★★★

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2011年1月 2日 (日)

2人の主人公を軸に進む物語

Title:少年少女
Musician:中村中

少年少女

中村中のニューアルバムは、一種のコンセプトアルバムになっています。「家出少女」と「不良少年」という二人の主人公をテーマとしていて、1曲目「家出少女」から聴くことにより、アルバムは「家出少女」の物語となり、最後「不良少年」から聴くことにより、アルバムは「不良少年」の物語となる内容・・・になっているそうです。

「家出少女」「不良少年」、どちらもある意味、社会の中の規範から外れた人たち。このアルバムで描かれているのは、そんな社会の中心からはずれた人たちが、必死で生きようとする姿でした。

特に、1曲目「家出少女」、最後の「不良少年」から聴きすすめた場合、両者が出会うであろう「人間失格」の歌詞が印象的。

「どこまでも青いから 死に方がわからない
止まらない涙の味がする しょっぱいね

人の間で生きる事が 息を殺す事ならば
私は向いていないようだ 苦しい それでも生きているなんて」

(「人間失格」より 作詞 中村中)

社会の中でやりきれないものを抱えながらも、必死で生きている人たちの姿が、この曲にはありました。

また、そんな歌詞の世界を繰り広げるメロディーは、実に昭和歌謡曲的。それも、クレイジーケンバンドのように、レア・グルーヴとして昭和歌謡曲を捉えているというよりも、そのやさぐれた世界を表現しているのは、場末のキャバレーか酒場で歌われているような歌謡曲そのもの。ちょっと中島みゆきのような雰囲気を感じつつ、アングラな雰囲気もかもしつつ、歌詞とメロディーがピッタリとマッチしています。

インパクトという面では前々作「私を抱いて下さい」ほどではなく、ほどよくこなれてきた感もある一方で、中村中としての世界観をしっかりと確立してきたアルバムのように感じました。3年前の紅白出場で注目を集めたものの、いまひとつブレイクできず今に至っていますが・・・個人的には、もっともっと注目されて売れてもいいシンガーだと思うんだけどなぁ。このアルバムから、心機一転レコード会社を移籍したそうですが、そろそろ一気にブレイクを、期待したいところです。

評価:★★★★★

中村中 過去の作品
私を抱いて下さい
あしたは晴れますように


ほかに聴いたアルバム

アサイラム/THE BACK HORN

アサイラム(通常盤)

前作「パルス」に続きベスト10ヒットを記録した新作。売上が示す通り、とても勢いを感じさせます。特に前半。ダイナミックなバンドサウンドと、いい意味でわかりやすくポップなメロディーラインにグイグイと惹き付けられる作品。ちょっとメロディーが似たような曲が多いのが気にかかるものの、最後まで止まらない勢いを感じさせてくれました。

評価:★★★★★

THE BACK HORN 過去の作品
BEST
パルス

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2011年1月 1日 (土)

あけましておめでとうございます。

あけましておめでとうございます。

本年も、当「ゆういちの音楽研究所」をよろしくお願いします。

年末は、レコ大はほとんど見なかったのですが、紅白は、あいあわらず年末、ダラダラしながらずっと見ていました。

ただ、年末の紅白は、どうも例年以上に見どころが少なかったような印象が・・・。松下奈緒の司会もいまひとつだったような。

数少ない見所としては、やはり桑田佳祐復帰はうれしかったですね。でも、久しぶりに見て、ちょっと老けた・・・というよりも、少々やつれた印象が気になりました。

しかし、それにしても最後の紅白の勝敗の結果発表。あまりにもあっさりしすぎていない?まあ、紅白の勝敗なんてどうでもいいといえばどうでもいいんだけども、あっけなさすぎて、結果が出たことにも一瞬気が付かなかった。

そんな訳で、今年最初の更新は、最新のアルバムチャートの感想からです。ちなみに着うたチャートは今週はお休みです。


今週のアルバムチャート
http://www.oricon.co.jp/rank/ja/

2010年最後のヒットチャートを制したのは、電撃結婚が話題となったあのシンガー。

Love songs(ジャケットB)

浜崎あゆみのニューアルバム「Love songs」。オリコンでは、この週のチャートは、既に2011年1月3日付となるため、これで1stアルバムからの13年連続の1位獲得だそうです。ただ、初動売上は、前作の20万枚からさらにダウンの18万枚。まだまだ1位の数字としては十分な売上とはいえ、「女王」と言われた一時期の勢いは既になく、かなり寂しい結果になってしまっています。

続く2位は少女時代「HOOT」が初登場。韓国語でのミニアルバムだそうで、アルバムとしては初のベスト10ヒットとなりました。

3位にはBUMP OF CHICKEN「COSMONAUT」が、先週の1位から2ランクダウンながらも、根強くベスト3をキープしています。

アルバムは、今週、初登場はあと1枚のみ。10位にmothy 悪ノP feat.鏡音リン、鏡音レン「悪ノ王国~Evils Kingdom~」がランクインです。ミュージシャン名義通り、動画サイトで人気を博した初音ミクを使用した音楽で、アルバム全体で物語仕立ての内容になっているそうです。

来週は、オリコンチャートはお休みで、再来週に2週まとめてのチャートとなる模様。おそらく着うたチャートは、来週、2週分発表になると思うので、次は来週の金曜日の着うたチャートで~。

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