アルバムレビュー(洋楽)2010年

2011年12月12日 (月)

やはりまずはブライアン版を聴いてから?

Title:SMILE
Musician:THE BEACH BOYS

世界で一番有名な未発表アルバムとも言われるTHE BEACH BOYSの「SMILE」。もともと1967年に完成する予定だったそうですが、完成が伸びに伸び、ついに未完成に終わってしまった作品。もし、完成していたら、THE BEATLESの「Sgt.Pepper's Lonely Hearts Club Band」をしのぐアルバムになっていた・・・なんてことを話す方もいるほどです。

結局、アルバムの販売がお蔵入りになった後、2004年には、ボーカル、ブライアン・ウィルソン名義での「SMILE」が発売されました。そしてこのたび、THE BEACH BOYS版の「SMILE」がついに発売になりました!!

・・・なんてあおっていても、実際は、当時、完成した断片を張り合わせたようなデモ音源集。雑誌やレビューサイトなどでは、「ブライアン・ウィルソン版を聴いた人限定」という書き方もされていました。で、実は私、ブライアン・ウィルソンの「SMILE」は未聴なのですが、それでも、個人的に「PET SOUNDS」にはまって、THE BEACH BOYSのアルバムもいろいろ聴いているだけに十分楽しめるよね、と思って、アルバムを聴いたのですが・・・

うーん、予想以上に未完成だ(^^;;

ま、どの程度「未完成」なのかは、人によってそれぞれだと思うのですが、一言言えるのは、誰が聴いてもデモ音源とわかる程度の完成度ということ。そういう意味で、間違いなくマニア向けの作品だと思います。

とはいえ、重厚な美しいコーラスラインやメロディーの魅力は存分に伝わってきますし、いろいろな音が重ねながら、全体像としてトゥー・マッチにならず、ひとつひとつの音が輝いている曲たちには、ブライアンの才能を存分に感じることが出来ます。

そうはいっても、マニア以外には、ちょっと薦めにくいアルバムかも。すいません、ブライアン版「SMILE」を聴いて、出直してきます・・・。

評価:★★★


ほかに聴いたアルバム

The Union/Elton John&Leon Russell

「僕の歌は君の歌」「キャンドル・イン・ザ・ウィンド」などで日本でも知名度の高いイギリスのシンガーソングライター、エルトン・ジョンと、カーペンターズがカバーした「スーパースター」などで知られる、アメリカのシンガーソングライター、レオン・ラッセルとのコラボアルバム。基本的にピアノをベースに聴かせる作品が多く、全体的に派手さはないものの、美しく、印象深いメロディーラインを書いてくるのはさすが。じっくり聴き込みたい大人のポップスアルバム。

評価:★★★★

Rock Dust Light Star/Jamiroquai

日本でも一世を風靡した、イギリスのロックバンド、Jamiroquaiの5年ぶりとなる新作。なんだかんだいっても、オリコンチャートではまだベスト10入りを果たしていて、高い人気を感じさせます。楽曲も、ファンキーなディスコチューンは相変わらずで、決して悪くはありません。ただ、全盛期の頃の、誰も真似できないような独特の音とリズムを作り上げていた頃の作品に比べると、かなり平凡・・・というよりも、「よく出来た、普通のロックアルバム」になってしまっています。マンネリ、というよりも、中盤以降、音が完全に「普通のバンドサウンド」になってしまっている感じ。序盤は悪くないと思うのですが・・・。

評価:★★★

DAVID FOSTER Presents Love,Again/DAVID FOSTER

数多くのヒットソングを生み出した、カナダのプロデューサー、デイヴィット・フォスターのラブ・バラード集。Whitney Houstonの「I'll Always Love You」やCeline Dionの「Beacuse You Loved Me」など、おなじみの曲が並んでいます。ある意味、有名どころをそろえた選曲といい、部屋のBGM向けの普段、洋楽を聴かない人向けのベストといった感じ。

評価:★★★★

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2011年1月 4日 (火)

ロックファンもブラックミュージック好きも

Title:NOTHING
Musician:N★E★R★D

ナッシング

約2年半ぶりとなるニューアルバム。もともと、ニューアルバムのタイトルは当初「Instant Gratification」と公表され、2009年には、新たなメンバーとして、女性シンガーのRheaが参加し、ニューアルバムの発表が待ち望まれる・・・状態だったのですが、2010年には早くもRheaが脱退。さらに、一度レコーディングしたものを一から作り直し、タイトルも「Nothing」とあらため、今回のリリースに至ったそうです。

そんな紆余曲折があり、ようやくリリースされたニューアルバム。いつも、基本的にはR&BやHIP HOPに軸足を置きながらも、ジャンルレスな音楽を聴かせてくれる彼らですが、今回も、そんなロックリスナーもブラックミュージックリスナーも楽しめるようなアルバムになっています。

1曲目「PARTY PEOPLE」は、T.I.をフューチャリングした、文字通りの楽しいパーティチューン。続く「HYPNOTIZE U」はエレクトロなナンバーに仕上げています。ロックリスナーにとって耳を惹くのは、ゴキゲンなギターサウンドが楽しめる「I WANNA JAM」あたりでしょうか?他にもソウルバラードな「LIFE AS A FISH」なども楽しめます。

相変わらずジャンルを超えた、楽しい音楽を聴かせてくれる彼らですが、そんな中でも一番の珠玉のナンバーだったのが、やはり「VICTORY」でしょう。暖かみの感じられるポップなナンバーは、いい意味で万人の心に響きそうな普遍性をもっています。

そんな最初から最後まで、バラエティー富んだ作風が楽しめるアルバムなのは間違いないのですが、ただ、アルバム全体の感想としては、「無難にいいアルバムだな」といった感じ。特に、N★E★R★Dとしての新しさみたいなものは感じられませんし、卒なくまとめてきたかな、という印象も持ちました。

とはいえ、幅広いリスナーが楽しめるアルバムだったのは間違いありません。手放しの大傑作ではありませんが、聴いて損のない良作、ということは間違いないと思います。とりあえず、興味がある方は是非。

評価:★★★★

N★E★R★D 過去の作品
SEEING SOUNDS

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2010年12月27日 (月)

復帰直後のライブ音源

Title:2004.05.01-Indio,CA
Musician:PIXIES

Pixies_2

10月に、フリーダウンロードという形で提供されたPIXIESのライブ音源。現在も、まだ下記のサイトでフリーダウンロードは続いている模様です。

http://www.lalapixiesloveyou.com/

2004年のコーチェラフェスでのライブ全20曲がフル収録されている模様。6年も前の音源を、何故にいまさら??という気もしないでもありませんが、再結成直後のライブということで、彼らにとっても大きな意味のあるライブだった、ということでしょうか。

このライブでは「Bone Machine」にはじまり、「Wave Of Mutilation」「Monkey Gone To Heaven」「Debaser」、さらには「Here Comes Your Man」などなど、彼らの代表曲が並んでいます。ファンにとってはもちろんですが、フリーダウンロードということで、まだ彼らを聴いたことない方も、これを機に、PIXIESを聴いてみる、というのはいかがですか?

彼らのライブは、ベテランらしい安定感がある一方で、どこか若々しさもあわせもっています。正直、ライブ音源は、オリジナルアルバムに比べて、あらたな発見、みたいなものはなく、オリジナルと大きな差はないような感じがします。ただ、彼らの場合はオリジナルを忠実に演奏している、というよりも、オリジナルアルバムの方が、ライブ感覚を持って録音された、のかもしれません。

ただ、2004年の再結成後、ライブを普通に続けていて、先日もサマソニに来日したばかり・・・。いや、PIXIESのライブを見れたのはとてもうれしかったのですが、ライブばかりじゃなくて、どうせなら新譜をリリースしてほしいなぁ、なんて思ってしまいます。なんか、懐メロばかりに頼って、地方をドサ周りする演歌歌手みたいで、ファンとしてはちょっと悲しく感じられる部分も・・・・・・。

評価:★★★★

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2010年12月20日 (月)

聴きこめば聴きこむほど?

Title:The Age of Adz
Musician:SUFJAN STEVENS

The Age of Adz

各種音楽雑誌やメディアなどで大絶賛ですね。アメリカのシンガーソングライターSUFJAN STEVENSの5年ぶりとなるニューアルバムです。あまりの絶賛ぷりに気になって、はじめて彼のアルバムを聴いてみました。

・・・が、ぶっちゃけた感想を言ってしまうと、聴いた後、あまりピンと来なかったです(^^;;

かといって、「なんでこんなアルバムが絶賛されているのか、わかんない」という感想でもなくて・・・。確かに、「Futile Devices」「Vesuvius」など、実に美しく聴き入ってしまいましたし、ちょっと聴いた感じだと、ゴチャゴチャした印象のあるエレクトロサウンドも、複雑にからみあっていて、最初は少々抵抗感があったのですが、聴けば聴くほどはまっていきました。

その描く歌詞の世界観も、ファンタジックながらもどこか歪んでいる雰囲気があり、奥深さを感じられるのも、魅力的といった感じ。歌詞に関しては、やはり日本人にとっては、その内容がストレートに伝わってこず、あとで歌詞カードを読み返す必要性が出てしまうのが、とてももどかしく感じました。

ただ、様々な評価などを聴きながら、なんとなく、どこが評価されているかは理解できても、いまひとつはまりきれない、というのが素直な感想。もっと聴きこんだり、歌詞の世界に入り込めば、その良さが実感できるのかもしれませんが・・・・・・。はまる人は一気にその世界の奥深くを目指そうとするけれども、そうでない人は、入り口の部分で立ち止まっちゃう、そんな感じなのかなぁ?

評価:★★★★

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2010年12月14日 (火)

なによりも美しいメロディーが素晴らしい

Title:LIBRA SCALE
Musician:NE-YO

Libra Scale

NE-YOの新作「LIBRA SCALE」は、もともと、彼が自らペンを執った、同タイトルの短編映画のサントラになる予定の作品だったそうです。結局、予算と時間の都合上、その短編映画は作成されなかったのですが、今回のアルバムは、その短編映画のストーリーに沿った、物語性のある内容になっています。

このアルバムでNE-YO演じる主人公のジェローム。ある日、彼と、彼の仲間の前に、彼らの夢を何でも叶えてあげようという、謎の男があらわれます。その条件は3つ。与えられた特別な力で街を守ること、その力をどうやって得たか、公言しないこと、そして、何があっても絶対に恋に落ちないこと。彼らは喜んでその条件を受け入れ、特別な力をもらい、ヒーローとして活躍します。しかし、ジェロームはそんな中、ある女性に出会い、恋に落ちてしまいます。その結果、彼女は無敵の「モンスター」と化して、街を襲い始めます・・・。

・・・・・・という、ちょっとSFちっくなストーリーが展開される今回のアルバム。しかし、そんなストーリーとは関係なく、十二分に楽しめるアルバムになっていたと思います。

それはなによりも、今回のアルバムの主軸である、彼の奏でるメロディーが素晴らしいという点につきると思います。

「CHAMPAGNE LIFE」「MAKIN' A MOVIE」と、ファンキーな傑作が続き、その世界に惹きこまれます。さらに「KNOW YOUR NAME」の後の展開もまた素晴らしい。「TELEKINESIS」では、しっとりとしたバラードを聴かせ、バスドラのリズムにポップなメロディーラインがとても心地よい「GENUINE ONLY」など、そのメロディーをしっかり聴かせる、比較的シンプルなR&B路線が続きます。

また、今回の作品は、かのMICHEAL JACKSONからの影響を強く受けていると公言しています。アルバム同封の日本語解説では、「CAUSE I SAID SO」を、その例として紹介していましたが、他にも「ONE IN A MILLION」など、NE-YOの歌い方が、どこかマイケルっぽい作品もチラホラ?

そして、このアルバムのクライマックスでもある「BEAUTIFUL MONSTER」は、今風のエレクトロアレンジになっています。徐々に盛り上がる展開と、ちょっと切ないサビのメロディーが印象的な作品です。

ただ、どの曲も共通しているのは、変に凝った作品にしたり、必要以上に今風路線を走ることなく、ポップなメロディーラインを、その澄んだボーカルでしっかりと聴かせているという点ではないでしょうか。そのため、R&Bリスナーならず、幅広い層が楽しめるポップアルバムに仕上がっていたと思います。様々な方に聴いてほしい傑作です。

評価:★★★★★

・・・なんて書いておきながらも、私自身がNE-YOにはまったのは、日本限定のこのベスト盤を聴いてから。

NE-YO:THE COLLECTION/NE-YO

NE-YO:ザ・コレクション コンプリート・エディション(DVD付)

いや、前作「Because Of You」とかも聴いていたんですけどね。代表曲が並んだこのアルバムで、やられてしまいました。メロディーはパッと聴いただけだとよくありがちな、今時のR&B・・・と思いきや、聴き終わった後、そのメロディーが妙に心にのこります。ま、正直、最近の音楽的嗜好が、ブラックミュージック寄りになってきた、という理由もあるのですが・・・・・・。そんなNE-YO初心者には最適なベスト盤です。

評価:★★★★★

NE-YO 過去の作品
Because Of You


ほかに聴いたアルバム

No more stories Are told today I'm sorry They washed away No more stories The world is grey I'm tire/MEW

No More Stories

やべ。幻想的なアレンジと、キュートでポップなメロディーラインがおもいっきり壺だ(^^;;時々入ってくる、ノイジーなギターサウンドとバンドサウンドもとても心地よい・・・。電子音やらピアノやらを用いて、次から次へと展開される、幻想的ながらもバリエーションに富んだ音の世界に、気がついたら、ついつい惹き込まれてしまうような作品でした。

評価:★★★★★

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2010年12月11日 (土)

ジャケ写がまずインパクト

Title:HURLEY
Musician:WEEZER

ハーリー

WEEZERの新作で、やはりまず目を引くのはそのジャケット写真でしょう(笑)。ジャケットでにこやかに笑う彼は、アメリカのテレビドラマ「LOST」で「ハーリー」役をつとめた俳優ホルゲ・ガルシアだそうです。タイトルもそのまま「ハーリー」ですし。彼の顔のドアップをジャケ写にしたのは意味があるそうなのですが、テレビドラマを見ていなく、よくわからないので割愛(^^;;

で、このアルバムが話題になっている2点目は、今回、アメリカの著名なインディーレーベル、エピタフからのリリースになったこと。メジャーから離れインディーからのリリースとなった彼ら。ある意味、原点回帰とも言えるのでしょうか??

そして3点目が、ほとんどの曲が、以前のようにリヴァース・クオモ単独の作品ではなく、様々なミュージシャンとの共演となっている点。例えば「Ruling Me」は、ミネソタのシンガーソングライター、ダン・ウィルソンとの共作だそうですし、「Run Away」はライアン・アダムスとの共作で話題になっています。

しかし、そんな様々なミュージシャンと組んだにも関わらず、むしろ今回の作品、ここ最近の作品以上にWEEZERファンにはすんなりと受け入れられる作品になっていたような印象を受けました。

とにかく冒頭の「Memories」からの序盤の流れが素晴らしい。これでもか、というほどのメロディアスなパワーポップチューンからスタートし、「Ruling Me」はWEEZERらしい泣きメロが耳を惹く作品になっています。続く「Trainwrecks」も彼ららしい泣きのメロディーラインがとても印象に残る作品になっていました。

その後も「Hang On」「Brave New World」のような、美メロを聴かせるストレートなパワーポップチューンが続き、WEEZERファンには壺をつきまくる展開ではないでしょうか。

様々なミュージシャンと共演したのですが、それで新しい方向性に突き進むのではなく、かえってWEEZERとしての原点に戻ったような、そんな作品になっていました。ヘタに本人たちよりも周りの方が「WEEZERとはどんなバンドか」というのを理解していたということでしょうか?心地よいストレートなパワーポップの連続は、難しいこと抜きに、まず楽しめる、そんなアルバムだったと思います。

評価:★★★★★

WEEZER 過去の作品
WEEZER(Red Album)
RADITUDE


ほかに聴いたアルバム

THIS IS THIRTEEN/ANVIL

This Is Thirteen~夢を諦め切れない男たち~

昨年、映画「アンヴィル!~夢を諦めきれない男たち」で取り上げられ、話題となったヘヴィーメタルバンドANVIL。この映画、私も見て、かなりはまりました。で、これが、その映画をきっかけにリリースされたアルバム。という訳で、普段、メタルはあまり聴かない私もこのアルバムは聴いてみました。

・・・・・・うーん、あまり印象に残らず・・・。もっとゴリゴリのメタルで、聴いていて厳しくなったらどうしよう(^^;;と思ったのですが、思ったよりもハードロック寄りで、メロディアスな部分もあり、聴きやすい内容だったと思います。ただ、これといったインパクトも薄かったなぁ・・・。

評価:★★★

映画「アンヴィル!~夢を諦めきれない男たち」の感想

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2010年12月 2日 (木)

聴きほれてしまう傑作

Title:SWANLIGHT
Musician:ANTONY AND THE JOHNSONS

スワンライツ [日本盤にのみ 解説/歌詞・対訳付き]

傑作だった前作「The Crying Light」からわずか1年半。ANTONY AND THE JONSONSの新譜が早くも到着しました!タイトルは「SWAN LIGHT」。となると、どうしても前作との関連性を考えてしまうのですが、このアルバムに収録された曲は、基本的に前作「The Crying Light」と同時期につくられたものだそうです。

それだけに、基本的な内容については前作から大きくはかわりません。ピアノを中心としたシンプルなアレンジに、アントニー・ハガティの中性的なボーカルがとても印象に残るアルバムに仕上がっています。

それでも、また私は、前作と同じように、このアルバムを聴いた時、美しい楽曲の数々に思わず聴きほれてしまいました。あくまでもボーカルを聴かせるシンプルなアレンジに、女性的な美しさと、男性的な力強さがあわさったボーカルは、何度聴いても全く飽きが来ません。不必要なものは加えず、シンプルにボーカルを聴かせるスタイルだからこそ、リスナーに何度も感動を与えられるのでしょうか。

しかし、今回の作品は、あくまでもボーカルを主軸にしながらも、少しずつアレンジを加えています。ロンドン交響楽団と共演した「GHOST」、デンマーク国立交響楽団と共演した「SALT SILVER OXYGEN」などをはじめ、タイトル曲「SWAN LIGHT」は、ギターサウンドと打ち込みを取り入れたちょっとポストロックテイストの曲になっていますし、「THANK YOU FOR YOUR LOVE」では、ホーンセッションを取り込んだ、にぎやかな(あくまでも彼の曲の中では、ですが)作風になっています。

そんな中でもやはり注目なのは、「FLETTA」でしょう。この作品では、なんとゲストボーカルにビョークを迎えています。ピアノのみのシンプルなアレンジの中でのアントニーとビョークのボーカルの共演は、まさに素晴らしいの一言。特にビョークの力強いボーカルに耳を惹きつけられます。この1曲のみのためにアルバムを聴いても損はない、とも言える傑作だったと思います。

前作に引き続き、本作も今年を代表する傑作になりそうです。本当に、何度聴いても新たな感動を感じることが出来る素晴らしい作品でした。是非是非聴くべし!

評価:★★★★★

ANTONY AND THE JOHNSONS 過去の作品
The Crying Light

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2010年11月29日 (月)

新バンド結成!

Title:SHOBALEADER ONE-d'DEMONSTRATOR
Musician:SQUAREPUSHER

Shobaleader One : d’Demonstrator [解説・ボーナストラック付き国内盤] (BRC266)

SQUAREPUSHERのニューアルバムは、なんとSQUAREPUSHERことトム・ジェンキンソンがニューバンドを結成!そのバンド、SHOBALEADER ONEによるニューアルバムが本作、ということだそうです。

ただ・・・バンド形式、という触れ込みなのですが、アルバムを聴いてみると、あまり「バンド」という雰囲気は感じられませんでした。確かに、しっかりとしたメロディーが流れていて、ヴォコーダー・ボイスとはいえ、ボーカルによる歌があるという点では、いつものSQUAREPUSHERとは異ります。

ただ、リズムは打ち込みがメインですし、全体的にはエレクトロなサウンドが耳につきます。正直、生音はあまり少なく、バンドとしての面白みはあまり強くありません。ロックやR&B、ファンクなどの要素を取り入れているとはいえ、やはりSQUAREPUSHERの活動の延長線上にあるアルバム・・・ということを感じました。

その上で、このアルバムが良かったか、といわれると、ちょっと微妙な部分が・・・。確かに「Laser Rock」は、ミニマルなリズムと、奥行きのあるスペーシーなサウンドでつくられた曲の世界がなかなかおもしろかったのですが、聴き入ってしまったのは、これと1曲目の「Plug Me In」くらい。後半の「Cryptic Motion」など、ファンキーなサウンドが、個人的にはちょっと好みだったのですが、全体的には平凡な感じがしました。

特に「Frisco Wave」は、フュージョン風なサウンドが、爽やかで聴かせるけど、普通のBGMみたい・・・。「Megazine」も、ノイジーなギター音のロッキン・エレクトロ風な曲なのですが、こちらもさほど特色なく、無難な感じに終わらせています。

それなりに聴き入ってしまう部分もあって、さすがだなぁ、と思う点もあるのですが・・・アルバム全体としてはSQUAREPUSHERのアルバムとしてはいまひとつ。ちょっと残念に感じました。このプロジェクト、今後も続くのでしょうか?次回作はもうちょっとおもしろい作品を期待したいところなのですが・・・。

評価:★★★

SQUAREPUSHER 過去の作品
Just a Souvenir

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2010年11月27日 (土)

ノラ・ジョーンズ参加も話題

Title:Write About Love(邦題:ライト・アバウト・ラヴ~愛の手紙~)
Musician:Belle and Sebastian

Write About Love

今年は、フジロックのホワイトステージでトリをつとめるなど、まだまだ日本での高い人気を感じさせるベルセバ。このたび久しぶり、4年ぶりとなるニューアルバムが発売されました。

4年ぶり・・・といっても、彼らの場合、変わらないなぁ~というのが素直な感想。ただ、変わらないといっても、決してマンネリを感じるわけではなく、いまだに新鮮味を感じるのが不思議。聴いていて、いまだに飽きるということを感じさせないのは、やはりメロディーラインの妙によるところが多いのでしょうか。今回も、数々の美メロが私たちの耳を楽しませてくれます。そろそろベテランの域ながらも、メロディーラインの良さで、いまだに新鮮味を保っている、というのは、日本でいえば、スピッツが近い位置にいるのかもしれません。

そんな本作ですが、特に印象的だったのが「Little Lou,Ugly Jack,Prophet John(邦題:リトルルー)でしょうか。ノラ・ジョーンズがデゥオで参加し話題のこの作品。しっとりと聴かせるナンバーなのですが、ノラ・ジョーンズらしい作風が混じっていて、他のベルセバの作風とはちょっと変化がついている点、アルバムの中のちょうどよいインパクトになっています。

同じくイギリスの女優、キャリー・マリガン参加で話題となった表題曲「Write about Love(邦題:ライト・アバウト・ラヴ~愛の手紙~)も、60年代ギタポ風作品がアルバムの中でインパクトを与えています。まあ、この2曲は、雑誌のCD評などでも取り上げられていますし、ここであげるのもベタなのですが、何だかんだいっても、アルバムの中で印象に残った2曲でした。

他にも、アコギで聴かせるメロディーラインがとても印象に残る「Read the Blessed Pages(邦題:永遠に愛しい、きみというページ)や、かわいらしいギターポップの「I Can See Your Future(邦題:きみの未来)なども印象的。国内盤のボーナストラックですが、軽快なギターロックの「Suicide Girl」なども印象に残りました。

全体的には、正直、いつも通りのベルセバ、という感も否めないものの、最初にも書いた通り、マンネリさを感じさせない美メロの連続についつい聴きいってしまうアルバムでした。ここらへん、メロディーがいいバンドはやはり強いよなぁ・・・ありきたりな感想かもしれませんが、あらためてそう感じた1枚でした。

評価:★★★★


ほかに聴いたアルバム

Memories Of An Imperfect Angel(邦題:メモワール)/MARIAH CAREY

Memoirs of an Imperfect Angel (Dlx) (Dig)

バラードなど聴かせるナンバー主体なのは、ある意味自信のあらわれ?「Obsessed」など、今風のエレクトロナンバーもあるものの、あくまでもメロ重視。その力強いボーカルをしっかりと聴かせてくれる1枚になっています。ちょっと地味な感じの作品になっていますが、それでも最後までちゃんと聴かせてくれるのは、さすがといったところでしょうか。

評価:★★★★

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2010年11月23日 (火)

どす黒いグルーヴがたまらない

Title:WAKE UP!
Musician:John Legend&The Roots

ウェイク・アップ!

アメリカのソウルシンガーJOHN LEGENDの新作は、おなじくアメリカのHIP HOPグループThe Rootsと組んでのカバーアルバム。これが、めちゃくちゃカッコいい!!個人的に、本年度のベストアルバム候補です!

今回、カバーしているのはほとんどが70年代のソウルシーンの名曲たち。ただし、ヒット曲、有名曲はほとんどありません。いわば「レア・グルーヴ」と呼ばれそうな曲たち。そして、その曲たちを選んだ基準のひとつが、現在のHIP HOPなどのサンプリングによく取り上げられているという点。単純な懐古趣味ではなく、今の視点から選ばれている、という点が、このカバーアルバム選曲の大きなポイントでしょう。

そして、今回のカバー、なによりもカッコよかった点が、そのソウルフルなボーカルと、どす黒いグルーヴィーなバンドサウンドでした。ここ最近のR&Bシーンの流れとしては、メロウでアーバンな雰囲気のメロディーと、エレクトロを取り入れたサウンド。しかし、そんな今の流れに全く逆らうような、70年代のソウルミュージックのような、パワフルで、ファンキーなサウンドを聴かせてくれます。

「Compare to What」は、実にファンキーなギターに、力強いJohn Legendのボーカルがとても魅力的。「One Generation」の重低音ながらもうねるようなベースとドラムスのリズムがたまりません。また、「Little Ghetto Boy」で聴かせるもの悲しいピアノや「I Wish I Knew How It Would Feel」のゴスペル調のサウンドもとても魅力的。レゲエのリズムを取り入れた「Humanity」や、フィリーソウル風の「Hang On In There」など、実にバリエーションの富んだ作風が楽しめます。

ただ一方で、「Hard Times」など、ところどころでHIP HOPを取り入れるなど、こちらもあくまでも現在の視点からのカバーになっているのが魅力的。懐古趣味にならず、現在でも新しさを感じさせてくれます。

一方、もうひとつの選曲のポイントになっているのが歌詞。今回の歌詞は、どれも社会派の歌詞になっています。現状に対する彼らの大きな主張がうかがえる内容と言えるでしょう。

「Compred To What」の痛快な社会批判をはじめ、ゲットーの日常をリアルな描写で描いた「Little Ghetto Boy」なども印象に残りますが、やはり一番印象的だったのが「I Can't Write Left Handed」。戦争で肩を撃ち抜かれた兵士が、弟に戦争の現実をしたためた手紙を書いている内容。曲の最初に、John Legendが、曲の内容についての説明をしている点でも、彼らの強い主張を感じます。

そして、なにより悲しいのが、これらの曲が、70年代あたりに書かれた曲であるにも関わらず、そのメッセージが、今なお有効であること・・・。そして、それ以上に、今こそ歌わなくてはいけない内容であること。主にアメリカの現実を歌った内容ながらも、国境を越えて、私たちにも有効なメッセージとして伝わってきます。

いろいろな面において、実にすばらしいカバーアルバム。ただ、昔の曲を懐古趣味的に歌って「いい曲は時代を超えますね」なんてのんきに語るようなアルバムではなく、しっかりと今という時代を見据えた上のカバーにあっており、そして選曲からも本人たちの主張がしっかりと伝わってきます。ある意味、理想的なカバーアルバムだったと思います。

国内盤には、邦訳はもちろん、それぞれの曲についての解説や、John Legendや、The RootsのQuest Loveのコメントもついているので、それぞれの曲についての、より深い理解も広がるので、断然お勧めです。

最後に、唯一のオリジナル「Shine」も収録。希望を感じる歌詞の内容は、このアルバムのラストを飾るのにふわさしいですし、スティーヴィー・ワンダーの影響を感じられるピアノバラードが実に魅力的なナンバー。他のカバー曲に勝るとも劣らない名曲に仕上がっていました。

冒頭に書いた通り、今年を代表する傑作アルバムだったと思います。ブラックミュージック好きはもちろん、それ以外の方も是非聴いて欲しい傑作アルバムです!!

評価:★★★★★

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