アットホームな暖かい雰囲気
Title:虹色の花咲きほこるとき
Musician:つじあやの
気がついたら、つじあやののオリジナルアルバム、約2年と10ヶ月ぶりなんですね~。ちょっと意外でした。間にカバーアルバムとベスト盤の発売があったから、そんなに長いスパンが開いていた感覚がないんだよなぁ・・・。
今回のアルバムは、歌詞とメロディーから、特に暖かいものを感じました。
シンプルなメロディーは相変わらずなのですが、今回、特に、アットホームな空気を感じさせる歌詞の曲が多く収録されていたと思います。そんな中でも一番印象に残ったナンバーが「陽のあたる教室」。学生時代をテーマにした歌詞で、「出町柳」「深草駅」など、固定名詞も登場します。深草駅は彼女の出身大学である龍谷大学の最寄り駅なので、まさに彼女が学生時代を思い出して書いたナンバーでしょう。アコギとウクレレのみのシンプルでフォーキーなアレンジも含めて、彼女の原点に立ち返ったようなナンバーでした。
彼女の学生時代、といえば、他にも、タイトルそのもの京都をテーマとした「京都アイラブユー」なんて楽曲もおさめられたりもしています。
アットホームといえば、タイトルそのままの(笑)「愛情ラブソング」も心に残りました。ラブソングといっても、心の通った夫婦の間に流れる愛情を歌ったような曲。ありふれた日常の中で、相手を思う心を歌っています。ラストも「ありがとう 本当にいつも応援してくれて」と、相手に対する感謝で締めくくっていて、とても暖かいものを感じさせてくれます。
他にも前向きなラブソング「Gift Song」や、日本的なメロディーと歌詞が暖かい「あさきゆめみし」、情熱的ながらも同時に暖かみも感じる「My Sweet Baby」、さらに最後は、親に対する感謝の気持ちを歌った「不束な娘だけれど」などなど。どの曲も、等身大というか、あくまでも身近な内容を歌いこんだ、暖かい雰囲気の曲が並んでいました。
聴いていてほっとするような、心温まる素敵なポップソング。決して派手さはないけれども、聴き終わった後、心の中に、何かが残るようなアルバムだと思います。
余談。今回のアルバム、なんか彼女のトレードマーク、ウクレレの登場が少なかったような。まあ、最近は、あまりウクレレが前面に出ていない作品も多いのですが。逆に、ウクレレみたいなわかりやすい特徴がなくても、つじあやのとしての世界を出せるようになってきた、ということでしょうか?
評価:★★★★★
つじあやの 過去の作品
Sweet,Sweet Happy Birthday
COVER GIRL2
つじギフト~10th Anniversary BEST~
ほかに聴いたアルバム
真夜中の動物園/中島みゆき
前作「DRAMA!」が、「夜会」に使用された曲を集めたアルバムだっただけに、純然たるオリジナルとしては約3年ぶりの新作。「ハリネズミ」「鷹」「サメ」とタイトルに動物が登場する局が並んでいるのは「真夜中の動物園」というタイトルを意識して??(「サメ」は動物園にはいないとは思いますが・・・)いい意味で、いつもの中島みゆきらしい、心に染みるようなメロディーと奥深い歌詞の曲が並んでいるアルバム。いつも通りといえばいつも通りですが、これだけの曲を何十年もコンスタントに書いてくるのは、さすがです・・・。
評価:★★★★
中島みゆき 過去の作品
DRAMA!
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