お面バンドの置き土産
今年の6月6日、突然の解散を発表。9月4日をもって、13年におよぶ活動に幕を降ろしたBEAT CRUSADERS。その最後の置き土産とばかり、2組のアルバムが発売されました。どちらも、いままでの未発表曲や、アルバム未収録曲をまとめた企画盤。「立つ鳥、跡を濁さず」といった感じでしょうか?
Title:REST CRUSADERS
Musician:BEAT CRUSADERS
まずはメジャー盤。1曲目から5曲目までは新曲+最新シングル+最新DVDシングルが収録されていて、事実上、最後のオリジナルアルバムといった感じ。その後は、シングルのカップリング曲や、アルバム未収録のシングルなどが詰め込まれています。全22曲70分強の内容に、お腹いっぱいになりそうです(笑)。
最初に収録された新曲に関しては、ポップなメロディーは相変わらずながらも、いつもの彼らに比べると、バンドサウンドがハードになっている印象を受けました。ラストシングルになった「LET IT GO」にしても、よりメロパンク志向が強い感じの曲に。「Satanic Saints」にしても、イントロからして、ハードコア風な作品になっています。
解散直前まで新たな音楽を模索し続けたのか、BEAT CRUSADERSの音楽と、メンバーのやりたい音楽にズレが生じてきたことのあらわれなのか・・・・・・もっとも、なんて邪推するほどには、いままでの彼らの音と大きく異なっているわけではないのですが(^^;;
ちなみに初回盤には、様々なミュージシャンとのコラボ曲をおさめたCDがついています。こちらは実にバリエーション豊か。メロン記念日と組んだ「DON'T SAY GOOD-BYE」はアイドル歌謡曲風ですし、つじあやのと組んだ「ありえないくらい奇跡」は、どちらかというとつじあやのの色合いが濃い、爽やかなポップナンバー。この柔軟さもまた、彼らの大きな魅力でしょうか?ただ、どの曲も、少なからず、ビークルとしての色も入っている点に、彼らの強い個性と実力を感じさせます。
フルボリュームながらも、このバリエーションの豊富さとポップなメロディーに、あっという間に時が過ぎてしまうようなアルバム。企画盤とはいえ、ファン以外にも薦められるアルバムかと。
評価:★★★★★
で、もう1枚はインディーズ時代の未発表曲、コラボレーション曲を集めた企画盤。
Title:LUST CRUSADERS -OTHER SIDE OF BEAT CRUSADERS
Musician:BEAT CRUSADERS
こちらも、聴きどころとしては、コラボ曲の数々。CAPTAIN HEDGE HOGと組んだメロコア風の「ISOTONIC」に、SKAYMATE'Sと組んだ「BABY FACE」にRude Bonesと組んだ「DIGGIN' IN THE STREET」はスカのナンバーに仕上がっています。ここらへんのコラボ曲に関しては、上にも書いた通り。インディーの時代から、確固たる個性と実力を持っていたんだなぁ、ということを感じます。
他にも「JOKER IN THE CROTCH」「BLISTER BLUES」のアコースティックバージョンなども、ビークルの違った側面が見れますし、かつて、特撮モノへのトリビュートアルバム「特撮狂」に参加した時にカバーした「秘密戦隊ゴレンジャー」もとても楽しいカバーになっています。あまりにもそのまんまなPIXIESの「DEBASER」のカバーは賛否わかれそうですが・・・(^^;;
全26曲ながらも、テンポよい展開で、わずか1時間程度の長さ。そのバリエーションの多さに、あっという間に聴けてしまうアルバム。「REST CRUSADERS」と共に、ファンならずとも楽しめる企画盤になっていました。あらためて、いいバンドだったよな、彼ら。解散というのは、本当に残念です・・・。
評価:★★★★★
BEAT CRUSADERS 過去の作品
popdod
VERY BEST CRUSADERS
PRETTY IN PINK FLAMINGO サウンドトラック
ほかに聴いたアルバム
Phasemeter Trippin' Bug Shake/SHAKALABBITS
軽快なギターロックに、ポップでキュートなメロディーライン。ここ最近のSHAKALABBITSのスタイルですね。時折、スカのリズムなども入れつつ、全体的には広い層に受け入れられそうなポップスロックにまとめています。ここ最近のアルバムの中では、ハードロックの色合いが薄れて、よりポップス志向になったかな?ただ、よくありがちなポップスロックといった感じで、もう一ひねりが欲しい気もするのですが・・・。
評価:★★★
SHAKALABBITS 過去の作品
SHAKALABBITS
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