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2010年12月30日 (木)

アメリカの香りが

Title:HOBO's MUSIC
Musician:山崎まさよし

 山崎まさよし/Hobo’s Music

山崎まさよしといえば、かつて斉藤和義、中村一義と並び、「平成の3よし」なんて呼ばれ方をしていた時代がありました。かつてはその3人の中で、売上の側面では圧倒的な人気を誇っていました。で、このアルバム、偶然なのですが、斉藤和義のニューアルバムと同日発売となったのですが・・・結果は、ヒットチャートでは斉藤和義のアルバムが、山崎まさよしの上を行く結果になりました。

最近の斉藤和義は、再び勢いを取り戻してきたので、やはり最近の勢いの差かなぁ・・・なんて漠然と思ったのですが・・・・・・ごめんなさい!最近、勢いを取り戻してきたのは、セっちゃんだけじゃなかったんですね。山崎まさよしの前作「IN MY HOUSE」も傑作でしたし、続くこのアルバムも、文句なしの傑作に仕上がっていました。

今回のアルバムタイトルになっている「HOBO」という言葉。ちょっと不思議な響きのする単語で、音楽を聴いていると、時々、耳にしたりするのですが、Wikipediaによると

「ホーボー(Hobo)は、アメリカで19世紀の終わりから20世紀初頭の世界的な不景気の時代、土地から土地へ働きながら渡り歩いた渡り鳥労働者のこと。ホームレスのサブカルチャーの一員。」

だとか。アメリカの自由なスピリッツを体現する人たちとして、一種の憧れと共感を持ってみられたそうです。

そんなHOBOをタイトルとした彼の新作は、そのHOBOのように、音楽の世界で自由に遊んでいるよう・・・というのは、ちょっともってつけたような感想かな??(^^;;

力強いアコースティックなファンキーチューンの「シングルマン」「Introduction」、レゲエ風の「HOBO Walking」、アコギ弾き語りのバラードナンバー「ブランコ」など、様々な曲調が楽しめます。

ただ、どの曲も、ちょっと渇いた感じの作風は、ちょっとアメリカの大地を思わせるよう。実際、「Let's from a R&R band」のような、いかにもアメリカンロック風の作品もあり、全体的にアメリカで放浪するHOBOをイメージさせるような、まさにタイトル通りの内容だったと思います。

そんなバリエーション富んだ作風は、どれも山崎まさよしの力強いボーカルとポップなメロディーが魅力的な、勢いを感じさせる楽曲ばかり。前作に続く傑作アルバムで、これだけの勢いがあれば、再び売上の側面でも火がつくのでは?斉藤和義に山崎まさよしに、これからは大人の男のシンガーがもっと活躍してくれ・・・ればいいなぁ。

評価:★★★★★

山崎まさよし 過去の作品
COVER ALL-YO!
COVER ALL-HO!

IN MY HOUSE

で、このアルバムがリリースされるちょっと前に、山崎まさよしも参加している福耳が、山崎まさよしトリビュートとして、こんなアルバムをリリースしました。

Title:HOME~山崎まさよしトリビュート
Musician:福耳

HOME~山崎まさよしトリビュート~

以前は、COILの楽曲をみんなで歌ったトリビュートアルバムをリリースしましたが、このアルバムはその第2弾。今度は、山崎まさよしのアルバムを思い思いにカバーしています。

このアルバム、特にオフィスオーガスタのミュージシャンの個性が前面に出ているのがとてもおもしろい。妖艶なボーカルを聴かせてくれる杏子姉さんの「ペンギン」をはじめ、無骨な弾き語りが男臭い竹原ピストルの「未完成」、かすれたボーカルが味わい深い長澤知之の「妖精といた夏」など、実に個性派揃い。

その中でも特によかったと思うのは、COILのメンバー2人によるカバーで、岡本定義は「水のない水槽」をボッサ風にカバー。原曲とは違った雰囲気で、曲のあらたな魅力を醸し出していましたし、佐藤洋介は「ガムシャラバタフライ」をロッキンエレクトロなアレンジでカバーし、これまた、印象に残りました。山崎まさよしのトリビュートなのに、COILの新譜を、早く聴きたいなぁ、なんて思ったりして(笑)。

山崎まさよしのトリビュートというよりも、山崎まさよしの曲を使って、オフィスオーガスタの人たちが、思い思いに自分を表現したアルバムといった感じ。いや、でもすごく楽しかったです。それぞれのミュージシャンの個性が、実によく出ていたアルバムだと思いました。

評価:★★★★★

福耳 過去の作品
10th Anniversary Songs~tribute to COIL
福耳 THE BEST ACOUSTIC WORKS

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