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2010年12月14日 (火)

なによりも美しいメロディーが素晴らしい

Title:LIBRA SCALE
Musician:NE-YO

Libra Scale

NE-YOの新作「LIBRA SCALE」は、もともと、彼が自らペンを執った、同タイトルの短編映画のサントラになる予定の作品だったそうです。結局、予算と時間の都合上、その短編映画は作成されなかったのですが、今回のアルバムは、その短編映画のストーリーに沿った、物語性のある内容になっています。

このアルバムでNE-YO演じる主人公のジェローム。ある日、彼と、彼の仲間の前に、彼らの夢を何でも叶えてあげようという、謎の男があらわれます。その条件は3つ。与えられた特別な力で街を守ること、その力をどうやって得たか、公言しないこと、そして、何があっても絶対に恋に落ちないこと。彼らは喜んでその条件を受け入れ、特別な力をもらい、ヒーローとして活躍します。しかし、ジェロームはそんな中、ある女性に出会い、恋に落ちてしまいます。その結果、彼女は無敵の「モンスター」と化して、街を襲い始めます・・・。

・・・・・・という、ちょっとSFちっくなストーリーが展開される今回のアルバム。しかし、そんなストーリーとは関係なく、十二分に楽しめるアルバムになっていたと思います。

それはなによりも、今回のアルバムの主軸である、彼の奏でるメロディーが素晴らしいという点につきると思います。

「CHAMPAGNE LIFE」「MAKIN' A MOVIE」と、ファンキーな傑作が続き、その世界に惹きこまれます。さらに「KNOW YOUR NAME」の後の展開もまた素晴らしい。「TELEKINESIS」では、しっとりとしたバラードを聴かせ、バスドラのリズムにポップなメロディーラインがとても心地よい「GENUINE ONLY」など、そのメロディーをしっかり聴かせる、比較的シンプルなR&B路線が続きます。

また、今回の作品は、かのMICHEAL JACKSONからの影響を強く受けていると公言しています。アルバム同封の日本語解説では、「CAUSE I SAID SO」を、その例として紹介していましたが、他にも「ONE IN A MILLION」など、NE-YOの歌い方が、どこかマイケルっぽい作品もチラホラ?

そして、このアルバムのクライマックスでもある「BEAUTIFUL MONSTER」は、今風のエレクトロアレンジになっています。徐々に盛り上がる展開と、ちょっと切ないサビのメロディーが印象的な作品です。

ただ、どの曲も共通しているのは、変に凝った作品にしたり、必要以上に今風路線を走ることなく、ポップなメロディーラインを、その澄んだボーカルでしっかりと聴かせているという点ではないでしょうか。そのため、R&Bリスナーならず、幅広い層が楽しめるポップアルバムに仕上がっていたと思います。様々な方に聴いてほしい傑作です。

評価:★★★★★

・・・なんて書いておきながらも、私自身がNE-YOにはまったのは、日本限定のこのベスト盤を聴いてから。

NE-YO:THE COLLECTION/NE-YO

NE-YO:ザ・コレクション コンプリート・エディション(DVD付)

いや、前作「Because Of You」とかも聴いていたんですけどね。代表曲が並んだこのアルバムで、やられてしまいました。メロディーはパッと聴いただけだとよくありがちな、今時のR&B・・・と思いきや、聴き終わった後、そのメロディーが妙に心にのこります。ま、正直、最近の音楽的嗜好が、ブラックミュージック寄りになってきた、という理由もあるのですが・・・・・・。そんなNE-YO初心者には最適なベスト盤です。

評価:★★★★★

NE-YO 過去の作品
Because Of You


ほかに聴いたアルバム

No more stories Are told today I'm sorry They washed away No more stories The world is grey I'm tire/MEW

No More Stories

やべ。幻想的なアレンジと、キュートでポップなメロディーラインがおもいっきり壺だ(^^;;時々入ってくる、ノイジーなギターサウンドとバンドサウンドもとても心地よい・・・。電子音やらピアノやらを用いて、次から次へと展開される、幻想的ながらもバリエーションに富んだ音の世界に、気がついたら、ついつい惹き込まれてしまうような作品でした。

評価:★★★★★

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コメント

マイケル・ジャクソンやEW&Fを彷彿とさせるような70-80年代型R&Bサウンドを現代風にアップグレードしたような感覚が聴いていて心地良いですね、このアルバムは。

投稿: ひかりびっと | 2017年4月 4日 (火) 18時17分

>ひかりびっとさん
はい、この曲、ちょっと懐かしい感じもしてとても心地よい作品でした。

投稿: ゆういち | 2017年4月 5日 (水) 00時01分

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