個性がさらに際立つ
Title:浮かれている人
Musician:OGRE YOU ASSHOLE
個人的に期待しているロックバンド、OGRE YOU ASSHOLEのニューアルバム。相変わらずの不気味なジャケが特徴的です(笑)。
今回のアルバムは、いままでのアルバムに比べて、音数がグッと少なくなり、隙間の多いサウンドになっているのが特徴的。そのため、最初聴いた時は、以前のOGREのイメージと比べて、違和感を覚えました。
楽曲も、「タンカティーラ」では、和風の祭囃子の雰囲気を感じたり、沖縄風のリズムを感じたり、かと思えばアフロビートぽかったり・・・無国籍な独特のリズムを奏でていたり、続く「どちらにしろ」も、どこかTALKING HEADS風なリズムが心地よいナンバーになっています。
で、あらためて過去の作品を聴いてみたのですが、よくよく聴くと、ギターの音などのバンドサウンドこそ、このアルバムに比べて増えているのですが、楽曲の雰囲気というか、根底に流れているものは、今回の新作と前作以前と、さほど大差はないように感じられました。
むしろ、音数が減ったことにより、以前までの作品では、バンドサウンドの後ろに隠れていたような、彼らの本質が前に出てきたようにすら感じました。
そういう意味では、OGRE YOU ASSHOLEとしての方向性が、より明確になり、バンドとしての個性がクッキリとあらわれた作品と言えるかもしれません。また、バンドとして一歩成長した、そんな作品でした。
妙に独特のサウンドを奏でながらも、どこかポピュラリティーをあわせもっていて、人なつっこさも感じられるという点も、以前からかわらず。また、ちょっと寓話的で、散文的な歌詞の世界は、今回、より異質な方向性に進んでいるようにも感じられました。
もっともっと注目を集めてもいいバンドだと思うんだけどなぁ~。OGRE YOU ASSHOLE、本当におもしろいバンドだと思います。
評価:★★★★★
OGRE YOU ASSHOLE 過去の作品
しらないあいずしらせる子
フォグランプ
ほかに聴いたアルバム
CRUISE/石野卓球
石野卓球のソロアルバムは、ストレートな心地よいテクノアルバム。ミニアルバムとはいえ、40分強のフルアルバム並みのボリューム。サウンドはどこかメロディアスで、テクノを聴かないリスナー層も純粋に楽しめそう。
評価:★★★★★
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