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2010年12月 2日 (木)

聴きほれてしまう傑作

Title:SWANLIGHT
Musician:ANTONY AND THE JOHNSONS

スワンライツ [日本盤にのみ 解説/歌詞・対訳付き]

傑作だった前作「The Crying Light」からわずか1年半。ANTONY AND THE JONSONSの新譜が早くも到着しました!タイトルは「SWAN LIGHT」。となると、どうしても前作との関連性を考えてしまうのですが、このアルバムに収録された曲は、基本的に前作「The Crying Light」と同時期につくられたものだそうです。

それだけに、基本的な内容については前作から大きくはかわりません。ピアノを中心としたシンプルなアレンジに、アントニー・ハガティの中性的なボーカルがとても印象に残るアルバムに仕上がっています。

それでも、また私は、前作と同じように、このアルバムを聴いた時、美しい楽曲の数々に思わず聴きほれてしまいました。あくまでもボーカルを聴かせるシンプルなアレンジに、女性的な美しさと、男性的な力強さがあわさったボーカルは、何度聴いても全く飽きが来ません。不必要なものは加えず、シンプルにボーカルを聴かせるスタイルだからこそ、リスナーに何度も感動を与えられるのでしょうか。

しかし、今回の作品は、あくまでもボーカルを主軸にしながらも、少しずつアレンジを加えています。ロンドン交響楽団と共演した「GHOST」、デンマーク国立交響楽団と共演した「SALT SILVER OXYGEN」などをはじめ、タイトル曲「SWAN LIGHT」は、ギターサウンドと打ち込みを取り入れたちょっとポストロックテイストの曲になっていますし、「THANK YOU FOR YOUR LOVE」では、ホーンセッションを取り込んだ、にぎやかな(あくまでも彼の曲の中では、ですが)作風になっています。

そんな中でもやはり注目なのは、「FLETTA」でしょう。この作品では、なんとゲストボーカルにビョークを迎えています。ピアノのみのシンプルなアレンジの中でのアントニーとビョークのボーカルの共演は、まさに素晴らしいの一言。特にビョークの力強いボーカルに耳を惹きつけられます。この1曲のみのためにアルバムを聴いても損はない、とも言える傑作だったと思います。

前作に引き続き、本作も今年を代表する傑作になりそうです。本当に、何度聴いても新たな感動を感じることが出来る素晴らしい作品でした。是非是非聴くべし!

評価:★★★★★

ANTONY AND THE JOHNSONS 過去の作品
The Crying Light

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