あえて「3.5枚目」
Base Ball Bearは今回、ミニアルバムを2枚同時にリリースしてきました。
まず1枚は「CYPRESS GIRLS」
Title:CYPRESS GIRLS
Musician:Base Ball Bear
そしてもう1枚が「DETECTIVE BOYS」・・・なんか、「名探偵コナン」を思い出しちゃいました(^^;;
Title:DETECTIVE BOYS
Musician:Base Ball Bear
今回、この2枚のアルバムで大きなポイントになりそうなのは、十分、オリジナルアルバムとしてリリースできる曲の分量がありながらも、あえて2枚に分け、かつ、「3.5枚目」と名乗っている点だと思います。
この2枚のアルバムで、Base Ball Bearは、いつもの彼らとは異なる作風の曲に多く挑戦していました。
「CYPRESS GIRLS」は、そんな中でも「BAND GIRL'S SPIRAL DAYS」や「檸檬タージュ」など、比較的彼ららしい曲も目立ちます。しかし、そんな中で目立つのは1曲目の「十字架You and I」でしょう。ファンキーなディスコダンスチューン。サビのためを入れたボーカルは、岡村靖幸を彷彿とさせるカッコいいナンバー。今後の彼らのライブの定番となりそう。「ProjectBlue」も、シューゲイザーやポストロックからの影響を感じる幻想的なナンバー。関根史織のボーカルも、曲にピッタリとはまっています。
そして、「DETECTIVE BOYS」は、より新たな音楽性に挑戦しているアルバムでした。
「クチビル・ディテクティヴ」では、元ズットズレテルズの呂布がラップで参加。また、チャットモンチーの福岡晃子がボーカルで参加しているのですが、これが妙に大人の女性の雰囲気をかもしだしていて色っぽい(笑)。チャットモンチーとは違う、意外な一面を感じました。
他にもヘヴィーなギターリフが心地よいハードロックテイストの「BOYFRIEN℃」や、レゲエ風の「LOVE SICK」など、より広い音楽性を感じる作品でした。
そんないろいろな音楽性に挑戦し、バンドとして「実験的」だからこそ、オリジナルアルバムとして位置付けないで、あえて「3.5枚目」という表現をつかったのでしょう。
ただ、そんなアルバムにも関わらず、Base Ball Bearらしさは失われていませんでした。それは、ギター主体のバンドサウンドにポップなメロディーという主軸はアルバム全体に貫かれていた、という点もあるでしょう。また、歌詞の世界も、いつものBase Ball Bearだったから、かもしれません。とはいえ、これだけ自由な音楽性に挑戦しながらも、Base Ball Bearの曲になっているというのは、彼らの個性がきちんと確立されている証拠でしょう。
また、いろいろな曲に挑戦しているのですが、どれもどこか自由。いろいろなミュージシャンとのコラボも多いアルバムだっただけに、どこか様々な人たちと一緒になって楽しんでいる、そんな雰囲気が伝わってきました。
Base Ball Bearがあらたな一歩を踏み出したような、そんなアルバムでした。このアルバムを足がかりに、次のアルバムはどんな方向に進んでいくのか・・・「4枚目」がとても楽しみです。
評価:
CYPRESS GIRLS ★★★★★
DETECTIVE BOYS ★★★★★
Base Ball Bear 過去の作品
十七歳
完全版「バンドBについて」
(WHAT IS THE)LOVE&POP?
1235
ほかに聴いたアルバム
アコースティック大作戦!!アコースティック・ライブ・ベスト/GO!GO!7188
タイトル通り、アコースティックライブの模様を収めた、企画盤的ベストアルバム。ただ、アコースティックとはいっても、バンドサウンドの中のギターパートだけアコギに持ち替えたような曲が多く、「アコースティックであらためて曲の良さに気がついた」的な曲はあまりなかったのは残念。ただ、もっとも、彼女たちの曲は、名曲揃いなだけに、そういう意味で十分楽しめる1枚なのですが・・・。
評価:★★★★
GO!GO!7188 過去の作品
虎の穴2
2マンTour 徹子のHair+Open Night Family~夜明けの家族
アンテナ
Go!!GO!GO!Go!!
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