ちょっと詰め込みすぎでは?
Title:MAGICAL CIRCUS
Musician:のあのわ
のあのわ約1年ぶりとなる2枚目のニューアルバム。相変わらず、祝祭色豊かなポップソングが魅力的。ジャケット写真がサーカスというのも、彼ららしいですね。サーカスのように、ちょっとB級的な香りを漂わせつつ、無邪気に楽しめるポップソングがつめこまれています。
個人的には、そんな中で、ちょっとだけ加えられた、ブラックミュージック的な要素が妙に壺にはまりました。「lalala-uh-uh-yeah!」や「スクォンクの涙」などでは、どこかファンキーなリズムが、アルバムの中で大きなインパクトとなり耳を惹きますし、後半、「good day」ではゴスペル風のコーラスを入れることにより、楽曲を盛り上げてくれます。
ただ、その一方で・・・これは以前から感じていたことなのですが、ちょっと音を詰め込みすぎじゃない??
例えば「愛をこめて」にしても「もぐらは鳥になる」にしてもラストの「ネバーランド」にしても、ギターサウンドにストリングスにピアノにシンセに・・・これでもかというほど音を詰め込んできています。
それが、もちろん彼ららしい「祝祭色豊かなサウンド」に貢献しているという面もあるのですが、あまりに情報過多のサウンドは、聴いていて疲れてしまいます・・・。前のアルバムの感想でも書いたのですが、それぞれの音が個々に主張していて、いまひとつ、ひとつにまとまっていない感じがするんですよ。なので、ただただ音数の多いアルバムになってしまっているように思いました。
いろいろな意味で惜しい感じのするアルバムです。ポテンシャルは持っているけど、いろいろと挑戦しすぎて、逆にそれを生かしきれていないような。残念です。
評価:★★★
ほかに聴いたアルバム
ビギンの島唄 オモトタケオ3/BEGIN
BEGINが沖縄の島唄を歌うシリーズの第3弾。島唄といっても、変な意気込みはなく、逆に自然体な感じがします。踊れる「祝い古酒」や、現代社会を皮肉ったような「でーじたらん」、「医者半分ユタ半分」の「ユタ」って何?と思ったら、沖縄の霊媒師のことなんですね。歌詞も含めてどこか演歌調の「おもろまちで拾った恋だもの」などもユニーク。沖縄出身の彼ららしさが存分に発揮された作品でした。
評価:★★★★
BEGIN 過去の作品
3LDK
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