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2010年11月

2010年11月30日 (火)

情景が浮かんでくる傑作

Title:BUOYANCY
Musician:キリンジ

BUOYANCY

キリンジといえば、毎回、必ずクオリティーの高いポップの名盤を作り続けている、いわば安定感の高いミュージシャン。それだけに、彼らの作る新作は、ある意味いつも安心して楽しめることが出来ます。

ただ、そんな中でも今回のアルバムは、個人的に彼らの作品の中でも、最高傑作に近い内容だったのではないかと思いました。

このアルバム、聴いていていつも以上にその世界の情景が浮かんでくる楽曲が多かったような印象を受けました。

Pet Sounds風の分厚いアレンジが心地よい「夏の光」は、まさにきらめく海岸線をドライブしていくような爽やかさが心地よいナンバー。続く「温泉街のエトランジェ」は、温泉街を訪れた風景を描写した曲なのですが、堀込高樹らしいユーモラスな視点がとても楽しいポップナンバーになっています。

歌詞といえば、今回、この堀込高樹の歌詞の世界がインパクト強く光った曲が多かったような。漢語調なちょっと硬い文体に、どこかファンタジックな要素の混じった世界は相変わらずながら、その文体と視点で現実社会のなにげない一瞬を描写しているので、とてもユニーク。「都市鉱山」は、その名の通り、最近話題のいらなくなったパソコンや携帯電話に残っているレアメタルなどを再利用する、という話しを歌詞にした曲なのですが、ニューウェーヴ風な楽曲とあわさって、どこか無機質な雰囲気が楽しい曲に仕上がっています。

一番インパクトが大きかったのは「台風一過」。もうタイトル通りなのですが、台風の過ぎ去った街の描写がとてもおもしろく、かつ風景が目に浮かんでくるよう。妙に仰々しい重厚なコーラスのアレンジが、そのユーモア感に輪をかけています。

もちろん、堀込泰行の方も「Rain」など、ロマンチックで情景が目に浮かぶような素敵な曲をたくさん聴かせてくれています。兄弟の個性が、よく出てきているアルバムになっているように感じました。

一方、歌詞のみならず、曲も、様々なタイプの曲が並んでいたのが印象的なアルバムでした。

前述の「夏の光」や「都市鉱山」「台風一過」もそれぞれ全く違うタイプの曲になっていましたが、その他もカントリー風の「ホライゾン!ホライゾン!」やレゲエ調の「Round and Round」など、いつも以上にバラエティー豊かな曲が並んでいるアルバムになっています。

「BUOYANCY」=浮力、回復する力 というタイトル通り、さらなる上昇を感じさせる勢いのあるアルバムだったように感じます。メジャーデビューから10年以上が過ぎ、既にベテランの域に達している彼らですが、さらなる高みを目指そうとする1枚だったのではないでしょうか。彼らの実力がいかんなく発揮された、文句なしの傑作です。

評価:★★★★★

キリンジ 過去の作品
KIRINJI 19982008 10th Anniversary Celebration
7-seven-


ほかに聴いたアルバム

オールタイムベスト/辛島美登里

オールタイム・ベスト

タイトル通り、辛島先生の音楽活動を通じての代表曲をセレクトしたベスト盤。本人選曲によるベストなのですが、代表曲をほどよく収録されている感じ。15曲はちょっと少なめかもしれませんが、初心者向けにはちょうどいい分量といった気もします。これを機に、一度聴いてみたい大人向けのラブソングが並んでいます。

評価:★★★★★

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2010年11月29日 (月)

新バンド結成!

Title:SHOBALEADER ONE-d'DEMONSTRATOR
Musician:SQUAREPUSHER

Shobaleader One : d’Demonstrator [解説・ボーナストラック付き国内盤] (BRC266)

SQUAREPUSHERのニューアルバムは、なんとSQUAREPUSHERことトム・ジェンキンソンがニューバンドを結成!そのバンド、SHOBALEADER ONEによるニューアルバムが本作、ということだそうです。

ただ・・・バンド形式、という触れ込みなのですが、アルバムを聴いてみると、あまり「バンド」という雰囲気は感じられませんでした。確かに、しっかりとしたメロディーが流れていて、ヴォコーダー・ボイスとはいえ、ボーカルによる歌があるという点では、いつものSQUAREPUSHERとは異ります。

ただ、リズムは打ち込みがメインですし、全体的にはエレクトロなサウンドが耳につきます。正直、生音はあまり少なく、バンドとしての面白みはあまり強くありません。ロックやR&B、ファンクなどの要素を取り入れているとはいえ、やはりSQUAREPUSHERの活動の延長線上にあるアルバム・・・ということを感じました。

その上で、このアルバムが良かったか、といわれると、ちょっと微妙な部分が・・・。確かに「Laser Rock」は、ミニマルなリズムと、奥行きのあるスペーシーなサウンドでつくられた曲の世界がなかなかおもしろかったのですが、聴き入ってしまったのは、これと1曲目の「Plug Me In」くらい。後半の「Cryptic Motion」など、ファンキーなサウンドが、個人的にはちょっと好みだったのですが、全体的には平凡な感じがしました。

特に「Frisco Wave」は、フュージョン風なサウンドが、爽やかで聴かせるけど、普通のBGMみたい・・・。「Megazine」も、ノイジーなギター音のロッキン・エレクトロ風な曲なのですが、こちらもさほど特色なく、無難な感じに終わらせています。

それなりに聴き入ってしまう部分もあって、さすがだなぁ、と思う点もあるのですが・・・アルバム全体としてはSQUAREPUSHERのアルバムとしてはいまひとつ。ちょっと残念に感じました。このプロジェクト、今後も続くのでしょうか?次回作はもうちょっとおもしろい作品を期待したいところなのですが・・・。

評価:★★★

SQUAREPUSHER 過去の作品
Just a Souvenir

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2010年11月28日 (日)

あえて「3.5枚目」

Base Ball Bearは今回、ミニアルバムを2枚同時にリリースしてきました。

まず1枚は「CYPRESS GIRLS」

Title:CYPRESS GIRLS
Musician:Base Ball Bear

そしてもう1枚が「DETECTIVE BOYS」・・・なんか、「名探偵コナン」を思い出しちゃいました(^^;;

Title:DETECTIVE BOYS
Musician:Base Ball Bear

今回、この2枚のアルバムで大きなポイントになりそうなのは、十分、オリジナルアルバムとしてリリースできる曲の分量がありながらも、あえて2枚に分け、かつ、「3.5枚目」と名乗っている点だと思います。

この2枚のアルバムで、Base Ball Bearは、いつもの彼らとは異なる作風の曲に多く挑戦していました。

「CYPRESS GIRLS」は、そんな中でも「BAND GIRL'S SPIRAL DAYS」「檸檬タージュ」など、比較的彼ららしい曲も目立ちます。しかし、そんな中で目立つのは1曲目の「十字架You and I」でしょう。ファンキーなディスコダンスチューン。サビのためを入れたボーカルは、岡村靖幸を彷彿とさせるカッコいいナンバー。今後の彼らのライブの定番となりそう。「ProjectBlue」も、シューゲイザーやポストロックからの影響を感じる幻想的なナンバー。関根史織のボーカルも、曲にピッタリとはまっています。

そして、「DETECTIVE BOYS」は、より新たな音楽性に挑戦しているアルバムでした。

「クチビル・ディテクティヴ」では、元ズットズレテルズの呂布がラップで参加。また、チャットモンチーの福岡晃子がボーカルで参加しているのですが、これが妙に大人の女性の雰囲気をかもしだしていて色っぽい(笑)。チャットモンチーとは違う、意外な一面を感じました。

他にもヘヴィーなギターリフが心地よいハードロックテイストの「BOYFRIEN℃」や、レゲエ風の「LOVE SICK」など、より広い音楽性を感じる作品でした。

そんないろいろな音楽性に挑戦し、バンドとして「実験的」だからこそ、オリジナルアルバムとして位置付けないで、あえて「3.5枚目」という表現をつかったのでしょう。

ただ、そんなアルバムにも関わらず、Base Ball Bearらしさは失われていませんでした。それは、ギター主体のバンドサウンドにポップなメロディーという主軸はアルバム全体に貫かれていた、という点もあるでしょう。また、歌詞の世界も、いつものBase Ball Bearだったから、かもしれません。とはいえ、これだけ自由な音楽性に挑戦しながらも、Base Ball Bearの曲になっているというのは、彼らの個性がきちんと確立されている証拠でしょう。

また、いろいろな曲に挑戦しているのですが、どれもどこか自由。いろいろなミュージシャンとのコラボも多いアルバムだっただけに、どこか様々な人たちと一緒になって楽しんでいる、そんな雰囲気が伝わってきました。

Base Ball Bearがあらたな一歩を踏み出したような、そんなアルバムでした。このアルバムを足がかりに、次のアルバムはどんな方向に進んでいくのか・・・「4枚目」がとても楽しみです。

評価:
CYPRESS GIRLS ★★★★★
DETECTIVE BOYS ★★★★★

Base Ball Bear 過去の作品
十七歳
完全版「バンドBについて」
(WHAT IS THE)LOVE&POP?
1235


ほかに聴いたアルバム

アコースティック大作戦!!アコースティック・ライブ・ベスト/GO!GO!7188

アコースティック大作戦!!/アコースティック・ライブ・ベスト

タイトル通り、アコースティックライブの模様を収めた、企画盤的ベストアルバム。ただ、アコースティックとはいっても、バンドサウンドの中のギターパートだけアコギに持ち替えたような曲が多く、「アコースティックであらためて曲の良さに気がついた」的な曲はあまりなかったのは残念。ただ、もっとも、彼女たちの曲は、名曲揃いなだけに、そういう意味で十分楽しめる1枚なのですが・・・。

評価:★★★★

GO!GO!7188 過去の作品
虎の穴2
2マンTour 徹子のHair+Open Night Family~夜明けの家族
アンテナ

Go!!GO!GO!Go!!

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2010年11月27日 (土)

ノラ・ジョーンズ参加も話題

Title:Write About Love(邦題:ライト・アバウト・ラヴ~愛の手紙~)
Musician:Belle and Sebastian

Write About Love

今年は、フジロックのホワイトステージでトリをつとめるなど、まだまだ日本での高い人気を感じさせるベルセバ。このたび久しぶり、4年ぶりとなるニューアルバムが発売されました。

4年ぶり・・・といっても、彼らの場合、変わらないなぁ~というのが素直な感想。ただ、変わらないといっても、決してマンネリを感じるわけではなく、いまだに新鮮味を感じるのが不思議。聴いていて、いまだに飽きるということを感じさせないのは、やはりメロディーラインの妙によるところが多いのでしょうか。今回も、数々の美メロが私たちの耳を楽しませてくれます。そろそろベテランの域ながらも、メロディーラインの良さで、いまだに新鮮味を保っている、というのは、日本でいえば、スピッツが近い位置にいるのかもしれません。

そんな本作ですが、特に印象的だったのが「Little Lou,Ugly Jack,Prophet John(邦題:リトルルー)でしょうか。ノラ・ジョーンズがデゥオで参加し話題のこの作品。しっとりと聴かせるナンバーなのですが、ノラ・ジョーンズらしい作風が混じっていて、他のベルセバの作風とはちょっと変化がついている点、アルバムの中のちょうどよいインパクトになっています。

同じくイギリスの女優、キャリー・マリガン参加で話題となった表題曲「Write about Love(邦題:ライト・アバウト・ラヴ~愛の手紙~)も、60年代ギタポ風作品がアルバムの中でインパクトを与えています。まあ、この2曲は、雑誌のCD評などでも取り上げられていますし、ここであげるのもベタなのですが、何だかんだいっても、アルバムの中で印象に残った2曲でした。

他にも、アコギで聴かせるメロディーラインがとても印象に残る「Read the Blessed Pages(邦題:永遠に愛しい、きみというページ)や、かわいらしいギターポップの「I Can See Your Future(邦題:きみの未来)なども印象的。国内盤のボーナストラックですが、軽快なギターロックの「Suicide Girl」なども印象に残りました。

全体的には、正直、いつも通りのベルセバ、という感も否めないものの、最初にも書いた通り、マンネリさを感じさせない美メロの連続についつい聴きいってしまうアルバムでした。ここらへん、メロディーがいいバンドはやはり強いよなぁ・・・ありきたりな感想かもしれませんが、あらためてそう感じた1枚でした。

評価:★★★★


ほかに聴いたアルバム

Memories Of An Imperfect Angel(邦題:メモワール)/MARIAH CAREY

Memoirs of an Imperfect Angel (Dlx) (Dig)

バラードなど聴かせるナンバー主体なのは、ある意味自信のあらわれ?「Obsessed」など、今風のエレクトロナンバーもあるものの、あくまでもメロ重視。その力強いボーカルをしっかりと聴かせてくれる1枚になっています。ちょっと地味な感じの作品になっていますが、それでも最後までちゃんと聴かせてくれるのは、さすがといったところでしょうか。

評価:★★★★

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2010年11月26日 (金)

ベスト盤が並びました。

今週の着うたチャート

2010年11月17日~2010年11月23日付チャート

先週まで、西野カナが1位を独走してきましたが、今週は1位2位に初登場曲が並びました。

この夜を止めてよ

まず1位は、現在、カバーアルバムがロングヒット中のJUJUのニューシングル「この夜を止めてよ」がランクインです。フジテレビ系ドラマ「ギルティ 悪魔と契約した女」の主題歌。シングルチャートでは残念ながら13位と、カバーアルバムで獲得したリスナー層を引き込めなかったようですが、着うたチャートでは見事に1位を獲得しました。

2位もフジテレビ系のドラマ主題歌。コブクロ「流星」がランクインです。フジテレビ系ドラマ「流れ星」の主題歌で、こちらはシングルチャートでも3位と、着うたチャート同様のヒットを記録しています。

そして3位には、先週まで1位を独走していた西野カナ「君って」が2ランクダウンながらもベスト10をキープしています。また、今週は、シングル「君って」のカップリング「Christmas Love」が9位にランクイン。2曲同時のベスト10入りとなりました。紅白出演も決まり、また、年末にかけてテレビなどへの露出も多くなる彼女。今後、どちらの曲もロングヒットとなるのか??

5位には、シングルで11年ぶりのベスト10返り咲きが話題となった大黒摩季「Anything Goes!」が着うたチャートでもこの順位にランクインです。シングル、着うたで同時にベスト10ヒットと、幅広い層からの人気も伺えます。

今週、初登場は以上なのですが・・・今週、大きく報じられた音楽関係のニュースといえば、紅白の出場歌手決定というニュース。正直言って、大きなサプライズも少ないような面子だったのですが、その中で話題となったのが、今年、「トイレの神様」が話題となった植村花菜の初出場でした。

そんなニュースで話題になったからでしょう。今週、この「トイレの神様」が、先週の48位から7位に一気にランクアップ。ベスト10入りとなりました。ちなみにこの曲、もともとはミニアルバムの1曲だったのですが、紅白出場の影響でしょうか、11月24日にはシングルカットも決定しています。シングルチャートでも上位にランクインしてくるのでしょうか。


今週のアルバムチャート
http://www.oricon.co.jp/rank/ja/

今週は、1位2位とベストアルバムが並んでいます。

THE BEST BANG!!(通常盤)

1位には福山雅治のベストアルバム「THE BEST BANG!」が入ってきました。初動38万枚は今年のソロミュージシャンの売上として最高売上で、男性ソロミュージシャンとしても初動売上30万枚超えは5年ぶりだそうです(参考サイト)。オリジナルアルバムとしての前作「残響」は初動26万枚だったので、それに比べても大幅アップ。ベスト盤としての前作「MAGNUM COLLECTION 1999 "Dear"」の初動売上37万枚も上回ったということは、前作が、まだ1999年でCDが売れていた時代ということを考えれば、かなりの驚き。この前のベスト盤はミリオンを達成しましたが、はたして本作は??

で、2位はいきものがかりのベスト盤「いきものばかり」がワンランクダウンながらも2位をキープ。今週で75万枚を突破。ミリオンは間近です。

3位は倉木麻衣のニューアルバム「FUTURE KISS」がランクイン。初動は4万枚と、前作の5万枚から若干ダウンしています。

4位には、ご存知フジテレビ系バラエティー「クイズ!ヘキサゴンII」からうまれたユニットの曲を集めたオムニバスアルバムの第3弾「WE LOVE ヘキサゴン 2010」がランクインです。初動売上は27万→7万8千枚として、2万6千枚と順調(?)にダウン。まだ売れているんだ・・・と思う一方、この手のバラエティー初のヒットが、3年も続いているというのは、ちょっとビックリです。

続いての初登場は8位。エレファントカシマシ「悪魔のささやき~そして、心に火を灯す旅~」がランクインです。なにかテレビドラマみたいな、すごいタイトルですね(^^;;前作「昇れる太陽」は初動2万6千枚で3位と好セールスだったのですが、残念ながら初動売上1万3千枚と約半減してしまいました。

9位には、SCANDAL「R-GIRL'S ROCK」が入ってきました。8月にアルバムをリリースしたばかりで、ミニアルバムながらも早くも新作リリースです。ただ、ミニアルバムだった影響か、初動売上は3万4千枚から1万3千枚に大きくダウンしてしまいました。

最後に、10位。NORAH JONES「...Featuring(邦題:ノラ・ジョーンズの自由時間)が、先週の圏外からランクアップし、ベスト10入りです。アメリカの女性シンガーで、ジャジーな作風の曲が、日本でも大きな人気を集めていました。このアルバムは、いわゆるコラボ曲を集めた企画盤で、ある種ファンズアイテム的なアルバムながらも、見事ベスト10入り。人気の高さをうかがえます。前作のオリジナルアルバム「The Fall」は初動1万6千枚を考えれば、企画盤的な本作の初動1万枚はかなり好セールスと言えるでしょう。

今週の着うた&アルバムチャートはこれまで。チャートはまた来週の水曜日に~。

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2010年11月25日 (木)

ちょっと「売り」を意識しすぎでは?

軽快なピアノロックサウンドが話題の3ピースバンド、WEAVER。「新世紀創造記」と名づけられたミニアルバムが、前編、後編と2枚続けてリリースされました。個人的に、彼らみたいなピアノがメインのミュージシャンって、結構好みなので、2枚とも聴いてみたのですが・・・

Title:新世界創造記・前編
Musician:WEAVER

新世界創造記・前編

うーん、先行シングル「Hard to say I love you ~言い出せなくて~」で予想はついていたのですが・・・正直言って、かなり「売り」を意識した内容になっているなぁ(苦笑)。

爽やかなメロディーラインは、完成度は高いとは思うのですが、一方で、インパクトを重視したゆえに、いかにも売れ線といった感じで、平凡で面白みがありません。配信シングルとなった「僕らの永遠~何度生まれ変わっても、手を繋ぎたいだけの愛だから~」とか、昔のビーイング系かい!なんて思ってしまうような、タイトルだけで曲の内容がわかってしまうってのもあまりに安直。B級メロドラみたいな歌詞も、ちょっと陳腐で気にかかります。

「つよがりバンビ」「ティンカーベル」あたりは悪くはなかったと思うのですが・・・。いかにも売らんかな主義的な内容は、聴いていてちょっと厳しかったなぁ。彼ら初のベスト10ヒットになったけれども、典型的な一発屋タイプのような感じがしたアルバムでした。

評価:★★★

Title:新世界創造記・後編
Musician:WEAVER

新世界創造記・後編

前編がああいう内容だっただけに、後編も最初、聴こうかどうか迷ったのですが・・・。

ただ、実際聴いてみたところ、内容的には後編よりもかなりよくなっていたと思います。前編みたいに、いかにも売らんかな的な曲はなくなり、爽やかなメロディーラインと、軽快なピアノの音色というWEAVERというバンドの良さがきちんと出ていたアルバムだったと思います。

軽快なメロディーを聴かせる「愛のカタチ」やしんみりと聴かせる「BLUE」など、要所要所にセンスも感じられる曲も並んでいました。また、個人的には、やはりこの爽やかなピアノの音が壺に入ります。この音の気持ちよさについつい聴きいってしまうアルバムでした。

とはいえ、歌詞にしろ、メロディーにしろ、もうひとひねりないと今後は厳しいかも、とも思ってしまうのですが。とりあえず、今後の成長に期待したいところです。

評価:★★★★

WEAVER 過去の作品
Tapestry

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2010年11月24日 (水)

ジャニーズ系 vs AKB系?

今週のシングルチャート
http://www.oricon.co.jp/rank/js/w/

今、ヒットチャートで独走しているのはジャニーズ系と、AKB48周辺。今週は、そのヒットチャートの2巨頭(?)が1位2位に並びました。

1位は、KAT-TUNのニューシングル「CHANGE UR WORLD」。初動23万で堂々の1位獲得です。KAT-TUNは、ここ最近、初動は28万枚→32万枚→35万4千枚と来て、前作は赤西仁などの脱退騒動で23万枚まで大幅ダウン。本作でも下げ止まったものの、前々作までのような回復傾向は見られませんでした。

そして2位は、AKB48の姉妹ユニットで、名古屋を中心に活動しているSKE48「1!2!3!4!ヨロシク!」。こちらは初動売上が前作の6万2千枚から11万9千枚まで大幅アップです。AKB48同様、勢いは感じられます。ただ、最近、AKB48周辺は少々バブル気味なので、前作、これを維持できるのか、さらに上積みできるのか、注目されます。

3位はコブクロ「流星」がランクイン。初動8万2千枚は前作の6万枚より大幅増です。フジテレビ系ドラマ「流れ星」の主題歌で、タイアップ効果でしょうか。ただ、前作「STAY」もTBS系ドラマ「官僚たちの夏」の主題歌だったのですが・・・ドラマの視聴者層とコブクロのリスナー層がちょっとミスマッチだった、ということでしょうか?コブクロらしい、聴かせるバラードナンバーになっています。

以下・・・

まず5位にはAAA「PARADISE」がランクインしてきています。本作も、小室哲哉プロデュースによるシングル。小室先生、がんばっています(というか、働かされています(?))。楽曲は、一昔前のユーロビート風で、ある意味、小室先生の得意分野。初動4万6千枚は前作とほぼ同水準で、完全に固定ファンが買っているという感じでしょうか。

6位にはモーニング娘。「女と男のララバイゲーム」がランクイン。最近、すっかり影が薄くなってしまいましたが、なにげにまだまだ固定ファンは根強い模様。がんばっています。

そして今週の注目は7位。めちゃくちゃ懐かしい名前が顔をのぞかせました。大黒摩季「Anything Goes!」がランクインです。テレビ朝日系ドラマ「仮面ライダーオーズ」主題歌というタイアップ効果もあり、久しぶりのベストテン入り。1999年にリリースしたビーイング系時代最後のシングル「夢なら醒めてよ」以来、なんと11年ぶりのベスト10返り咲きとなりました。コア系風のデスボイスとスカ風のリズムが往年の彼女の雰囲気とは異なるものの、サビの部分は往年の彼女らしい力強いボーカルのポップスロック風の作品になっており、かつて、彼女の曲を聴いていた方には、懐かしく感じられるのでは?

8位には、韓国のロックバンドFTIsland「So today...」がランクインです。初動2万7千枚は前作の1万枚から大きくアップ。少女時代やKARAなどの、いわゆるK-POPが話題になった相乗効果でしょうか?ただ、いかにも90年代のJ-POP風の作風は、最近話題のガールズユニットの曲とはいろいろな意味で大きく異なるのですが・・・。

そしてベスト10最後。9位10位はヒットチャートではおなじみのアニメ「けいおん!」がらみが2枚。どちらもキャラクターソングなのですが、9位には中野梓「TVアニメ「けいおん!!」キャラクターイメージソング 中野梓(Over the Starlight)」、10位には田井中律「TVアニメ「けいおん!!」キャラクターイメージソング 田井中律(Drumming Shining My Life)」が並んでランクインしています。

今週のシングルチャートは以上。着うた&アルバムチャートは金曜日に~。

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2010年11月23日 (火)

どす黒いグルーヴがたまらない

Title:WAKE UP!
Musician:John Legend&The Roots

ウェイク・アップ!

アメリカのソウルシンガーJOHN LEGENDの新作は、おなじくアメリカのHIP HOPグループThe Rootsと組んでのカバーアルバム。これが、めちゃくちゃカッコいい!!個人的に、本年度のベストアルバム候補です!

今回、カバーしているのはほとんどが70年代のソウルシーンの名曲たち。ただし、ヒット曲、有名曲はほとんどありません。いわば「レア・グルーヴ」と呼ばれそうな曲たち。そして、その曲たちを選んだ基準のひとつが、現在のHIP HOPなどのサンプリングによく取り上げられているという点。単純な懐古趣味ではなく、今の視点から選ばれている、という点が、このカバーアルバム選曲の大きなポイントでしょう。

そして、今回のカバー、なによりもカッコよかった点が、そのソウルフルなボーカルと、どす黒いグルーヴィーなバンドサウンドでした。ここ最近のR&Bシーンの流れとしては、メロウでアーバンな雰囲気のメロディーと、エレクトロを取り入れたサウンド。しかし、そんな今の流れに全く逆らうような、70年代のソウルミュージックのような、パワフルで、ファンキーなサウンドを聴かせてくれます。

「Compare to What」は、実にファンキーなギターに、力強いJohn Legendのボーカルがとても魅力的。「One Generation」の重低音ながらもうねるようなベースとドラムスのリズムがたまりません。また、「Little Ghetto Boy」で聴かせるもの悲しいピアノや「I Wish I Knew How It Would Feel」のゴスペル調のサウンドもとても魅力的。レゲエのリズムを取り入れた「Humanity」や、フィリーソウル風の「Hang On In There」など、実にバリエーションの富んだ作風が楽しめます。

ただ一方で、「Hard Times」など、ところどころでHIP HOPを取り入れるなど、こちらもあくまでも現在の視点からのカバーになっているのが魅力的。懐古趣味にならず、現在でも新しさを感じさせてくれます。

一方、もうひとつの選曲のポイントになっているのが歌詞。今回の歌詞は、どれも社会派の歌詞になっています。現状に対する彼らの大きな主張がうかがえる内容と言えるでしょう。

「Compred To What」の痛快な社会批判をはじめ、ゲットーの日常をリアルな描写で描いた「Little Ghetto Boy」なども印象に残りますが、やはり一番印象的だったのが「I Can't Write Left Handed」。戦争で肩を撃ち抜かれた兵士が、弟に戦争の現実をしたためた手紙を書いている内容。曲の最初に、John Legendが、曲の内容についての説明をしている点でも、彼らの強い主張を感じます。

そして、なにより悲しいのが、これらの曲が、70年代あたりに書かれた曲であるにも関わらず、そのメッセージが、今なお有効であること・・・。そして、それ以上に、今こそ歌わなくてはいけない内容であること。主にアメリカの現実を歌った内容ながらも、国境を越えて、私たちにも有効なメッセージとして伝わってきます。

いろいろな面において、実にすばらしいカバーアルバム。ただ、昔の曲を懐古趣味的に歌って「いい曲は時代を超えますね」なんてのんきに語るようなアルバムではなく、しっかりと今という時代を見据えた上のカバーにあっており、そして選曲からも本人たちの主張がしっかりと伝わってきます。ある意味、理想的なカバーアルバムだったと思います。

国内盤には、邦訳はもちろん、それぞれの曲についての解説や、John Legendや、The RootsのQuest Loveのコメントもついているので、それぞれの曲についての、より深い理解も広がるので、断然お勧めです。

最後に、唯一のオリジナル「Shine」も収録。希望を感じる歌詞の内容は、このアルバムのラストを飾るのにふわさしいですし、スティーヴィー・ワンダーの影響を感じられるピアノバラードが実に魅力的なナンバー。他のカバー曲に勝るとも劣らない名曲に仕上がっていました。

冒頭に書いた通り、今年を代表する傑作アルバムだったと思います。ブラックミュージック好きはもちろん、それ以外の方も是非聴いて欲しい傑作アルバムです!!

評価:★★★★★

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2010年11月22日 (月)

チャート1位を獲得した新作

Title:still a Sigure virgin?
Musician:凛として時雨

still a Sigure virgin?

この作品で、初のチャート1位を獲得した、1年4ヶ月ぶりとなるニューアルバム。売上2万6千枚で1位としては低水準の週での1位獲得とはいえ、ギターロックバンドの中では頭ひとつもふたつも出た人気を確実なものとしているのは間違いないでしょう。

今回の作品は、前作「just A moment」に比べると、メタリックなヘヴィーサウンドはあまり表に出てきていません。もっとも、ハイテンポなリズムと、(好き嫌いはあるかもしれませんが)一度聴いたら忘れなさそうな、TKのハイトーンボイスはあいかわらずです。

そして、そんな中でもとても魅力的だったのは、打ち込みと生音のバランスが絶妙なサウンドの妙。「シャンディ」のピアノの音と打ち込みのバランス感覚も実に絶妙ですし、「a symmetry」の序盤で聴かせてくれるテンポのよいドラムとちょっとファンキーのギターが絡んだりするのもおもしろいです。「Can you kill a secret?」の複雑なドラムスのリズムも聴き入ってしまうものがあります。

ただ、そんなバンドとしての魅力を随所に感じながらも、彼らの最大の魅力は、やはり曲の要所要所に感じる、ともすれば「J-POP」的な、メロディーラインなのかなぁ、なんてことも思ったりします。

もともと、ドラムスのピエール中野はX JAPANのYOSHIKIからの影響を公言していますし、ボーカルとギターのTKもJ-POPからの影響を公言していますが、彼らの楽曲にも、ある種J-POP的なインパクトを感じるメロディーラインがチラホラ。このアルバムを聴き終わると、なぜかB'zやGLAYあたりのアルバムを聴き終った後と似たような感覚を覚えました。ちょっとベタで濃ゆい味付けの、でも、妙にメロディーラインが耳に残っている・・・そんな感じでしょうか?

この一歩間違えれば大味にすらなりかねないメロディーのインパクトの大きさも、彼らの大きな魅力であって、彼らの人気が似たタイプのギターバンドの中で、頭ひとつもふたつも出ている大きな理由なのかなぁ?と思いました。

チャートの上昇と共に、前作以上の成長が感じられたアルバム。まだまだ今後の活躍も期待できそう・・・とても楽しみなバンドです。

評価:★★★★★

凛として時雨 過去の作品
just A moment

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2010年11月21日 (日)

邦楽の名盤

今日は、久しぶりに最近読んだ音楽がらみの本の感想。

レコード・コレクターズ増刊 日本のロック/フォーク・アルバム・ベスト100 1960-1989

レコードコレクターズの増刊号として発売された、「日本のロック/フォーク アルバム・ベスト100 1960-1989」。レコード・コレクターズの8月号、9月号の特集記事に基づいて、再度、1960年から1989年のアルバムについて、邦楽のロック・フォークアルバムのベスト100をまとめた内容。

最近、こういう過去の邦楽ロックを取り上げる企画、多いなぁ。同じ時期に「Beat Sound」でも全く同じ企画をやっていたし、ユーキャンからの通販限定で「日本ロック&ブルース大全」なるアルバムが発売されたり、「ロック誕生」という、日本のロック黎明期のドキュメンタリーがDVDとして発売されたり。

ちょっと前まで(今も?)、「大人のロック」などと銘打って、60年代70年代あたりの洋楽ロックを売らんかなとする戦略が目立ちました。CD不況の中、団塊の世代のノスタルジックな感情と、若者世代に比べて豊かな懐具合に期待した企画でしょう。ちょっと意地悪な見方をすれば、「大人のロック」と題された60年代70年代洋楽ロックについては一通りネタが尽きたので、次は邦楽ロックを大々的に売り出そうとしている・・・というのは、うがちすぎでしょうか?

ただ、個人的には、この手の企画はちょっとうれしかったです。以前、ここでも紹介した、「Jポップを創ったアルバム」に紹介されているアルバムを中心に、邦楽の名盤を呼ばれるアルバムをチラホラ聴いていたのですが、洋楽のロックと比べると、邦楽については、いまひとつ概括的に「名盤」と呼ばれるアルバムを紹介した本は少なかったような印象があります。フォークだとか、レア・グルーヴだとか、B級歌謡曲だとか、70年代ロックだとか、時代やジャンルを絞った名盤ガイドはあるのですが、60年代から80年代までの名盤をカバーし、かつ、100枚程度に絞ってくれた、いわば初心者にとってはありがたい「名盤ガイド」というのは、ほとんど書店では見当たらないように思います。

そんな訳で、これを機に、いままで以上に邦楽ロックの「名盤」と呼ばれる作品を聴いてみたいなぁ~なんて思っています。でも、この本はともかく、月刊誌の方の特集記事は、相当評判が悪かったみたいで。どうも、amazonの感想記事や、いろいろなブログを読むと、一番大きな批判は、はっぴいえんどをはじめとする細野晴臣関連の作品に偏りすぎていて、もう一人、邦楽ロックの黎明期を支えた、内田裕也関連の作品の評価が低すぎ、という意見が多かったように見受けられました。

私自身、そんな意見に対してとやかく言えるほど、邦楽ロックの知識はありません。ただ、そんな意見を読みながら漠然と感じたのが、邦楽は、洋楽に比べて、「名盤」云々が議論される機会が少なく、いまひとつ過去の作品の評価が定まっていない部分もあるのかなぁ、ということでした。邦楽ロックは、日本人にとって近すぎる存在です。また、特に評論家にとっては、いろいろなしがらみもあるでしょう。ただでさえ、日本人は人前で意見するのが苦手な人種。加えて、日本人に根強く残る、邦楽は洋楽より劣っている、という偏見もあるのでしょう。洋楽ロックに比べて、邦楽を概観的に取り上げた名盤ガイドが少ないのもまた、そんな評価が定まっていない部分があるから、かもしれません。

そういう意味では、この本は、邦楽ロックの評価についての、ひとつのたたき台と言えるのかもしれません。おそらく、60年代70年代あたりの作品をリアルタイムで聴いてきた方にとっては、「このアルバムの評価がこんなに低いわけはない」みたいな、知られざる名盤も多いでしょう。でも、とりあえずこの本を参考に、気になるアルバムからいろいろと聴いてみたいなぁ、と思います。この本をきっかけに、いろいろな出会いが生まれるのが、とても楽しみです。

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2010年11月20日 (土)

21年ぶり(!)のセカンド

Title:Sex With An X
Musician:The Vaselines

Sex With an X

The Vaselinesは、スコットランドのエディンバラで結成されたロックバンド。1986年に結成し、1989年にオリジナルアルバム「Dum Dum」をリリースするものの、ほどなく解散してしまいました。

その後、あのNIRVANAのカート・コバーンが彼らのファンだった、ということで解散後に再評価。1992年にリリースされたNIRVANAのコンピレーションアルバム「Incesticide」では、2曲もNIRVANAによるThe Vaselinesのナンバーが収録されて、大きな話題を呼びました。

そんな彼らが、2008年になんと再結成。そして今年、ついに21年ぶりとなる2枚目のアルバムが発売されました!!

・・・・・・といっても、私自身、実は不勉強でThe Vaselinesのことは今回が初耳。アルバムも、このアルバムではじめて聴きました。

NIRVANAのカート・コバーンがファンだった、という紹介のされ方をするオルタナ系バンドは少なくありません。例えばPIXIESや、彼らと同じスコットランド出身のTEENAGE FANCLUBなどがその代表例でしょう。そして、そういうバンドから考えると、まさにThe Vaselinesの音は、いかにもカート・コバーンが好みそうなタイプの音だなぁ、と感じました。

1曲目「Ruined」は、いきなりノイジーで歪んだギターサウンドを聴かせてくれます。ここらへん、PIXIESや、他にも例えばSONIC YOUTHあたりと近い音を感じます。また、基本的に男性ボーカルが主体ながらも、女性ボーカルが楽曲に彩りを添えている、という点もまた、PIXIESと同じようなものを感じます。

ただ、メロディーに関しては、いわゆる「美メロ」と言われるような、ポップでメロディアスなメロディーラインが耳を惹きます。特に印象的だったのが「Such A Fool」。男女デゥオのバランスが実に見事で、コーラスを多層に重ねることにより、美しい音の世界を作り上げています。

また、「Roaster」もまた、このアルバムのひとつの核に感じました。ヘヴィーなバンドサウンドが迫力あるサウンドを作り上げている一方、メロディーは、これまた男女デゥオが実に美しくはまっているポップでメロディアスなもの。ここらへんの楽曲がThe Vaselinesらしい、というのでしょうか?

前に出したミュージシャンをそのまま使うのもあれで、そしてそのまんまなのですが、タイプ的には、PIXIESとTEENAGEFANCLUBを足して2で割った感じのバンド。そして、PIXIESとTEENAGEFANCLUBが好きな私にとっても、まさに壺にはまりまくるアルバムでした(笑)。

まあ、あえていえば、音的には、90年代のオルタナ系ロックバンドにはよくあるタイプともいえるかもしれません。ただ、それを差し引いても、このポップなメロディーラインは魅力十分。21年ぶりとはいえ、いまだに現役感バリバリの作品に感じました。

前に出てきたミュージシャンたちのファンには文句なしにお勧めの1枚です。

評価:★★★★

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2010年11月19日 (金)

3週連続&2週連続

今週の着うたチャート

2010年11月10日~2010年11月16日付チャート

今週の着うたチャート1位は、3週連続の1位です。

君って

1位は西野カナ「君って」。これで3週連続の1位獲得。圧倒的な強さを見せています。まだまだロングヒットしそう・・・。

2位から4位は初登場が並んでいますが、いずれも今週のシングルチャートでもランクインしていています。まず2位は平井堅「アイシテル」。シングルチャートでは9位とやや苦戦気味でしたが、着うたチャートでは上位にランクイン。泣き歌系のバラードという点で、着うたの購買層に受けたのでしょうか?

3位はKARA「ジャンピン」。シングルチャートでも5位にランクインです。ちなみに彼女たちの「ミスター」も、先週の13位から7位にランクアップ。再びベスト10入りしています。そして4位には遊助「ひと」がランクイン。こちらはシングルチャートでも4位。偶然とはいえ、着うたとシングルで同順位となりました。

そして初登場8位には宇多田ヒカル「Goodbye Happiness」がランクインです。11月24日発売予定のベスト盤「Utada Hikaru SINGLE COLLECTION Vol.2」からの先行配信曲で、ちょっと切ない感じのメロディーが印象的なナンバーに仕上がっています。


今週のアルバムチャート
http://www.oricon.co.jp/rank/ja/

今週は、なぜか男性ソロミュージシャンのアルバムが上位に並んでいます。

いきものばかり~メンバーズBESTセレクション~

しかし、そんな中で強かったのが、いきものがかり。ベスト盤「いきものばかり」は先週に続いての1位獲得となりました。今週も20万6千枚を売り上げ、2週で売り上げは66万4千枚に到達しています。今後も末永いヒットが期待できるベスト盤ということを考えると、実売ベースでミリオン達成しそうな勢いです。

で、2位以下の初登場は男性ソロミュージシャンが。

2位には氷川ひよし「演歌名曲コレクション13~虹色のバイヨン~」、3位長渕剛「TRY AGAIN」、そして5位に平井堅「Ken Hirai 15th Anniversary c/w Collection '95-'10 "裏歌バカ"」がランクインしています。

氷川きよしは初動4万枚。ここ最近の初動売上は4万8千枚→4万1千枚と推移しており、ほぼ横バイながらも若干の減少気味になっています。長渕剛は、約1年3ヶ月ぶりとなるアルバム。初動3万6千枚は、前作の7万2千枚から大きくダウン。熱烈な固定ファンが彼だけに、初動が半減近くダウンというのは驚き・・・。amazonの感想を読むと、賛否両論といった感じなので、その影響でしょうか。

この2人が熱烈な固定ファンに支えられているミュージシャンとすれば、平井堅は、いまだにいまひとつ、なぜか熱烈な固定ファンが少なく、曲によって売上が大きく左右されるタイプ。今回のアルバムは、いわゆるB面ベスト。初動売上は2万5千枚。直近のアルバムがカバーアルバム「Ken's Bar II」の6万5千枚ですから、大幅ダウンになってしまいました。

他の初登場は・・・

6位にアメリカで絶大な人気を誇る女性カントリーシンガーTaylor Swift「Speak Now」がランクインです。日本では、カントリーというジャンルはなかなか売れないのですが、彼女のグラミー受賞を機に大きな話題となり、日本でも大人気となりました。アメリカでは、このアルバム、初動で100万枚以上を売り上げて他を圧倒。その人気を見せ付けています。

初登場最後は7位のザ・クロマニヨンズ「Oi! Um bobo」がランクイン。初動2万枚は前作から同水準。彼らも、熱狂的な固定ファンがついているタイプのバンドですね。

今週のアルバム&着うたチャートは以上!チャートはまた来週の水曜日に~。

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2010年11月18日 (木)

昭和のレア・グルーヴ

今回、紹介するのは、徳間ジャパンが管理するレーベル、ミノルフォン、バーボン、ワックスの、タイトル通り、昭和期にリリースされた、名曲・珍曲を収録したアルバム。いわゆるヒット曲はほとんどなく、知る人ぞ知る的なB級歌謡曲ばかり。まさに「昭和のレア・グルーヴ」ともいえる楽曲がつまったコンピレーションアルバムになっています。

9月から11月にかけて、全7枚がリリースされるそうですが、今回は、9月に発売された3作品を聴いてみました。

Title:GROOVIN' 昭和!1~こまっちゃうナ

GROOVIN’昭和!1~こまっちゃうナ

タイトル曲は、スタンダードナンバー的に知名度の高い大ヒットナンバーですが、その他は、曲によっては「なんだこれは」と思ってしまう珍曲も多数(笑)。いかにも「昭和歌謡曲」といった感じの曲が多いのですが、ある種B級的な洗練されなさぐあいが、妙な色合いを出していて、聴きおわった後、妙に耳に残ります。

以下、印象に残った曲としては・・・

「こちらディスクジョッキー」あたりは時代を感じさせるようなコミックソング。「あなたっていいわ」は、ちょっと吐息まじりのボーカルが艶かしく、昭和のエロティシズムといった感じ。「雪子のロック」は、「ロック」のロの字も感じさせないムード歌謡曲。「○○のブルース」のように、そのジャンルの雰囲気だけを利用して、そのジャンルとは全く関係ない曲のタイトルにしてしまう歌謡曲の王道手法が、まだ黎明期だったロックでも使われた、という例でしょうか?「キッス・モーション」もいかにも昭和的な女性デゥオ。ちょっとうぶな恋愛描写が、今の時代にはないかわいらしさを感じます。

1曲1曲が個性があふれていて、楽曲としては確かに「よく出来ている」とか「時代の先端を走っている」みたいな感じではないのに、やけに印象に残ります。かなり濃ゆい内容なだけに、万人にお勧めといった感じではないのですが・・・妙にはまってしまいアルバムでした。

評価:★★★★

Title:GROOVIN'昭和!2~ベッドにばかりいるの

GROOVIN’昭和!2~ベッドにばかりいるの

インパクトの強さでいえば、「1」に勝るとも劣らないのがこちら。こちらのアルバムは、カバー曲を多く収録されていたのですが、「え?こんなカバーが??」というような、珍カバーも多く楽しめました。

千昌夫の元妻、ジョーン・シェパードによる、ビージーズの「ステイン・アライヴ」も、なかなかユニークな選曲ながらも、なにげによく出来た仕上がりに。そして、その千昌夫は、なんと岡林信康の「山谷ブルース」をカバー!かなり社会派のメッセージ性の強い曲なのですが、千昌夫がカバーすると、単なる工事現場のおっちゃんの歌みたいになってしまっています(笑)。

他にも珍曲が盛りだくさん。「トルコ行進曲」はメロディーはモーツアルトのそれなのですが、「トルコ」と「トルコ風呂(=ソープランド)」をかけた、下らない(笑)内容に。「消えた三億円」は「三億円事件」を題材としたコミックソング。東てる美「Lesbian」はムーディーなインストにのって、レズビアンの女性同士のエロティックな会話が繰り広げられる、めちゃくちゃエロいナンバー。極めつけの「ディスコ笑大夢」はディスコサウンドにのせて、ただ単に笑い声が流れるだけ、という「誰が思いついたの?」というような曲(??)。インパクト満載(インパクトだけ?)という曲が並んでいます。

「1」以上にインパクト満載のアルバムだったのですが、それだけに、こちらも微妙に聴いていて癖になってくるような内容に。ある意味、エロ曲も含めて、珍曲が許されるというのは、時代的にいろいろな意味で余裕みたいなものがあったのかなぁ。

評価:★★★★

Title:GROOVIN'昭和!3~恋のサイケデリック

GROOVIN’昭和!3~恋のサイケデリック

こちらは、グループサウンズの曲。それもカルトGSみたいに言われるような曲と、洋楽テイストの強い女性ボーカルナンバーを中心に収録した曲。3枚の中では、一般的には一番聴きやすい作品かも。

で、こちらに収録されたグループサウンズの曲が、めちゃくちゃカッコいいんです!もともと、グループサウンズのバンドというのは、ビートルズをはじめとする欧米のギターロックバンドの影響を強く受けていたものの、売れるに従って、日本的な歌謡曲を歌った(歌わされた)という話を聞いたことがあるのですが、こちらに収録されたバンドは、残念ながらあまり売れていなかったためか、逆に本格的なロックを奏でている曲が多く収録されていました。

ラ・シャロレーズ「うわさの二人」はメロと歌詞はおもいっきり歌謡曲ながら、ガレージなバンドサウンドが魅力的。そのままキノコホテルあたりが演奏しても不思議じゃない感じ。タイトル曲でもあるザ・デビィーズ「恋のサイケデリック」は、こちらもメロこそ歌謡曲風ながらも、サウンドはしっかりとサイケデリックロック。タイトルに偽りなしです。そして一番印象に残ったのがストーンズ「恋のシンガリング」。ジェイムス・ブラウンばりのファンキーなシャウトを聴かせてくれます。

ある意味、欧米の音楽と比べても遜色がなくなってきた最近のバンドに比べると、まだ手さぐり状態で、本場の音楽の真似をしている、ということが伝わってくるような曲ばかり。ただ、本格的ではない、手探り状態というサウンドが、逆にほほえましくて、独特な魅力を出していました。

評価:★★★★

3枚とも、癖のある曲ばかりなので、手放しでお勧めといった感じではないのですが、一度はまったら、癖になりそうな作品ばかり・・・。こちらを聴いてみたら、最近、妙に「B級歌謡曲」みたいなものが気になりだしちゃいまして(笑)。まさに「昭和のレア・グルーヴ」ともいえる楽曲ばかり。楽曲を聴いて、ちょっと気になる方にはお勧めです。

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2010年11月17日 (水)

勢いの止まらない嵐

今週のシングルチャート
http://www.oricon.co.jp/rank/js/w/

先週に引き続き今週も新譜ラッシュ。そんな中で1位は圧倒的人気のあの人たち。

1位は嵐「果てしない空」。フジテレビ系ドラマ「フリーター、家を買う。」の主題歌で、初動売上は57万2千枚。これは、彼らデビュー以来の初動売上としては最高の数字だそうです。相変わらず勢いの止まらない彼ら。ただ、嵐といいAKB48といい、一部人気が出たミュージシャンのCDの売上が、少々異常な状態になっています。ちょっとこの極端なCDの売れ方は、なんだか怖い感じすらするのですが・・・。

2位にはPerfume「ねぇ」がランクイン。初動売上8万5千枚は、前作とほぼ同水準。ここに来て、人気が頭打ちになってしまいました・・・。ここまで一貫して上がり調子だったのですが、今後がちょっと気になります。一発、大きなシングルヒットが欲しいところですが。

逆に5位初登場KARA「ジャンピン」は初動5万4千枚と前作の2万6千枚から大きくアップしています。

他にも今週はアイドル系が目立ちます。7位にはBerryz工房「シャイニングパワー」が、8位にはももいろクローバー「ピンキージョーンズ」がそれぞれランクイン。Berryz工房はテレビ東京系アニメ「イナズマイレブン」のエンディング、ももいろクローバーはアニメ「ヨスガノソラ」エンディングといずれもアニメタイアップになっています。ちなみに、「ピンキージョーンズ」の作曲とアレンジはディーパーズのNARASAKI・・・うーん、がんばっているなぁ。でも、そろそろディーパーズとしての新作も聴きたいのですが(笑)。

さて、上位に戻って・・・

3位は三代目J Soul Brothers「Best Friend's Girl」。EXILEのメンバーも加わっての新生J Soul Brothers。先週の着うたチャートでも2位となりましたが、シングルチャートでも上位に食い込んできました。

4位には遊助の6枚目のシングル「ひと」がランクインです。ちょっとFUNKY MONKEY BABYSあたりを彷彿とさせる、聴かせるメロディアスなラップ風ナンバー。作曲に名前を連ねている菅谷豊はそのFUNKY MONKEY BABYSの楽曲も多く手がけているようです。初動5万9千枚は前作の初動7万2千枚からダウンしてしまいました。

9位には平井堅「アイシテル」が入ってきました。映画「ゴースト もういちど抱きしめたい」の主題歌。彼らしいバラードで、初動1万8千枚と前作の1万2千枚をちょっと上回っただけなのですが、久しぶりの大ヒットとなるか?ちなみに映画の方は、あの映画「ゴースト ニューヨークの幻」の日本版リメイクらしいです・・・うーん・・・・・・。

最後。10位にはヴィジュアル系バンドAlice Nine「Stargazer:」がランクインです。気持ちいいまでの、80年代のビートロック風のナンバー。初動1万4千枚は前作とほぼ同水準。固定ファン向けといった感じでしょうか。

今週のシングルチャートは以上。着うた&アルバムチャートは金曜日に~。

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2010年11月16日 (火)

ちょっと詰め込みすぎでは?

Title:MAGICAL CIRCUS
Musician:のあのわ

MAGICAL CIRCUS

のあのわ約1年ぶりとなる2枚目のニューアルバム。相変わらず、祝祭色豊かなポップソングが魅力的。ジャケット写真がサーカスというのも、彼ららしいですね。サーカスのように、ちょっとB級的な香りを漂わせつつ、無邪気に楽しめるポップソングがつめこまれています。

個人的には、そんな中で、ちょっとだけ加えられた、ブラックミュージック的な要素が妙に壺にはまりました。「lalala-uh-uh-yeah!」「スクォンクの涙」などでは、どこかファンキーなリズムが、アルバムの中で大きなインパクトとなり耳を惹きますし、後半、「good day」ではゴスペル風のコーラスを入れることにより、楽曲を盛り上げてくれます。

ただ、その一方で・・・これは以前から感じていたことなのですが、ちょっと音を詰め込みすぎじゃない??

例えば「愛をこめて」にしても「もぐらは鳥になる」にしてもラストの「ネバーランド」にしても、ギターサウンドにストリングスにピアノにシンセに・・・これでもかというほど音を詰め込んできています。

それが、もちろん彼ららしい「祝祭色豊かなサウンド」に貢献しているという面もあるのですが、あまりに情報過多のサウンドは、聴いていて疲れてしまいます・・・。前のアルバムの感想でも書いたのですが、それぞれの音が個々に主張していて、いまひとつ、ひとつにまとまっていない感じがするんですよ。なので、ただただ音数の多いアルバムになってしまっているように思いました。

いろいろな意味で惜しい感じのするアルバムです。ポテンシャルは持っているけど、いろいろと挑戦しすぎて、逆にそれを生かしきれていないような。残念です。

評価:★★★

のあのわ 過去のアルバム
ゆめの在りか
SPECTACLE


ほかに聴いたアルバム

ビギンの島唄 オモトタケオ3/BEGIN

ビギンの島唄 オモトタケオ3

BEGINが沖縄の島唄を歌うシリーズの第3弾。島唄といっても、変な意気込みはなく、逆に自然体な感じがします。踊れる「祝い古酒」や、現代社会を皮肉ったような「でーじたらん」「医者半分ユタ半分」の「ユタ」って何?と思ったら、沖縄の霊媒師のことなんですね。歌詞も含めてどこか演歌調の「おもろまちで拾った恋だもの」などもユニーク。沖縄出身の彼ららしさが存分に発揮された作品でした。

評価:★★★★

BEGIN 過去の作品
3LDK

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2010年11月15日 (月)

ボーカロイドの特色を活用

Title:初音ミクの消失
Musician:cosMo@暴走P

初音ミクの消失 / cosMo@暴走P feat. 初音ミク(ジャケットイラストレーター:左 )【数量限定初音ミクの消失ストラップ付き】

一時期ほど大きな話題にはならなくはなりましたが、相変わらず量産されている初音ミク関係のアルバム。個人的には、(前にも書いた通り)ネット発の音楽というのはおもしろいなぁ、と興味は持っているのですが・・・。

個人的に、いままで何作か「初音ミク」がらみの作品を聞いて気になっていたのが、単純にボーカルトラックを初音ミクに置き換えただけ、と感じた作品が多かった点でした。正直、どんなに技術が優れていても、機械的なボーカロイドな声は、感情のこもった人間の声にはかないません。それに、思いいれがなければ、初音ミクのボーカルをアルバム1枚聴き通すのは、ちょっと厳しいものがありました。

しかし、そんな中で久しぶりに聴いたボーカロイドのこのアルバム。ボーカロイドの特徴を生かしまくったボーカルトラックになっていました。

この作品では、初音ミクの声がより機械っぽくつくられていて、あえてボーカロイドとしての存在を際立たせているように感じました。さらに、特徴的だったのは、歌詞が全く聴き取れないような、超早口のボーカル。ある意味、人間には置き換え不可。ボーカロイドだからこその作品だったと思います。

また、cosMo@暴走Pのもうひとつの特徴は、この早口と同じように超ハイテンポのピアノ。他にも楽曲は全体的に超ハイテンポな作品がほとんど。このハイテンポな勢いが、リスナーに有無をいわせず、アルバムの世界に引きずりこませています。

このアルバムでは、初音ミクの誕生から消失までを描いたテーマ性のあるアルバム。ただ、あまりにもハイテンポな内容に、普通に聴いているだけだと、歌詞の内容が全く頭に入りません(笑)。ただ、初音ミクのキャラクター性に焦点を当てる内容は、ともすればリスナー層を狭めてしまうだけに、逆に、パッと聴き取れないことが、プラスに働いていたかも、なんてことも思ってしまいました(笑)。

個人的には、いままで聴いた「初音ミク」がらみの作品の中では一番楽しめました。超暴走気味のリズムは、なかなかはまります。

評価:★★★★

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2010年11月14日 (日)

久しぶりのニューアルバム!

Title:BLACKOUT
Musician:the brilliant green

BLACKOUT

ずっと、Tommy february6としての活動や、Tommy heavenly6としての活動があったため、ちょっと意外だったのですが、約7年9ヶ月ぶりとなるニューアルバム。川瀬智子、奥田俊作夫婦の2人組となってから初となるアルバムです。

今回このアルバムで、久しぶりにブリグリの曲を聴いたわけですが、彼女たちは実に魅力的なミュージシャンだなぁ、ということを再認識しました。

久しぶりのアルバムの1曲目であり、タイトルチューンでもある「BLACKOUT」は、いきなりヘヴィーなギターリフからスタートします。ちょっといままでのブリグリとはテイストの異なるハードロックテイストのサウンドながらも、曲に入ると、川瀬智子のクリアな歌声によるポップなメロディーがスタート。洋楽テイストの強い作風ながらも、メロディーは馴染みやすいポップスというスタイルという枠組みはブリグリならでは。これこそが、彼女たちの大きな魅力だなぁ、とあらためて実感しました。

また、川瀬智子の描く歌詞の世界も、例えば「WHIRLWIND」「I Just Can't Breathe...」のような、影の部分を描いたような閉塞的な世界を描きつつ、決してひとりよがりな独白をするような作風にはなっていません。一方では「Spring Gate」のような、希望ある曲を挟みつつ、しっかりとリスナーの心をうつ世界観にまとめあげています。

the brilliant greenらしい世界観を、音の面でも歌詞の面でも確立しつつも、ヒットチャートでも十分勝負できるようなポピュラリティーあるものに仕上げてくる、これぞブリグリの大きな魅力。久しぶりに聴いたアルバムでは、そんな彼女たちの魅力を再認識しました。

今回のアルバムは、前半は、ヘヴィーなバンドサウンドを聴かせるような作風が多かった印象を受けます。一方、後半は、魅力的なメロディーラインを聴かせるポップなナンバーが多く収録されている構成になっていました。

そんな中で、今回は、blurの「SONG2」のカバーにも挑戦。原曲は、独特なアレンジがすごくインパクトのある曲なのですが、ほぼそのままのカバーにちょっと笑ってしまいました。

久しぶりのアルバムになってしまいましたが、今後はもっとコンスタントにアルバムを聴かせてほしいなぁ。トミフェブやトミヘブもよかったけど、やはりブリグリが一番よかったかも・・・。これからの作品も、期待しています!

評価:★★★★★


ほかに聴いたアルバム

m-flo inside-WORKS BEST IV-/m-flo

m-flo inside -WORKS BEST IV-

m-floの、他のミュージシャンとのコラボ曲を収録したコンピレーション版。今回は、エレクトロ方面のミュージシャンとのコラボが多かった感が。ただ、ここ最近、すっかり「想定内」のミュージシャンとのコラボばかりで・・・。もっと以前のような「アッ」と驚くようなコラボを聴きたいなぁ。

DISC2は、m-floのヒット曲をDJ KAORIがつないだDJ MIXアルバム。合間合間の「ディージェー けぃおりぃ~~」というジングルのようなつなぎが少々うざいのですが(苦笑)、素直にm-floの過去のヒット曲のダイジェスト版と考えれば、楽しめるアルバムだと思います。ただ、あらためてm-floのボーカルはLISAが一番だなぁ、と思ってしまうのは、懐古的すぎるかなぁ?

評価:★★★★

m-flo 過去の作品
Award Super Nova-Loves Best-
m-flo inside-WORKS BEST III-
MF10 -10th ANNIVERSARY BEST-

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2010年11月13日 (土)

大人の余裕

Title:マイウェイ ハイウェイ
Musician:トータス松本

マイウェイ ハイウェイ (通常盤)

オリジナルとしては2作目となるトータス松本のソロアルバム。前作「FIRST」での、真剣な表情のジャケット写真とはうってかわって、にこやかな表情のジャケット写真に、とても楽しげな雰囲気を感じさせてくれます。

事実、今回のアルバムは、このジャケット写真で見れてくれた姿そのまま。実にリラックスした大人の余裕を感じさせてくれたアルバムでした。

今回のアルバムは、ルーツミュージックの要素を多く取り入れています。デキシーランドジャズ風の「なにをやってもケチがつく」に、CMソングにもなった「クリア!」は力強いファンクチューン。「あいあいひとは誰?」はヘヴィーなブルースロック風と、ブラック、ソウルを中心とした、彼のルーツを垣間見る作品が並んでいます。

ただ、そこに、「自分のルーツを取り上げるんだ」という気負いみたいなものは感じさせません。むしろ、そこにあるのは、自分のやりたい音楽を、ただやりたいように楽しんだだけ、というスタイル。そのためでしょうか、どの曲も、実にポップに仕上げられています。

個人的には、このアルバムから感じられたトータス松本の余裕は、一種の奥田民生の曲に感じるような余裕に似ているなぁ、とも感じました。どちらもルーツミュージック的な要素を上手く取り入れつつ、あくまでも音楽を楽しんでいる、という余裕を感じさせます。

ただ、飄々とした奥田民生の歌詞の世界に比べると、トータス松本の歌詞の世界には強いメッセージ性を感じます。タイトル曲「マイウェイ ハイウェイ」でも歌われる、自分の道を進めというメッセージ。もっとも、そこにメッセージソングにありがちな暑苦しさはありません。そっと背中を押してくれるような歌詞のスタンスにもまた、大人の余裕を感じることが出来ます。

前作「FIRST」は、全16曲というフルボリュームだっただけに、ちょっと長すぎた感があったのですが、本作は、全12曲45分程度と、アルバムとして聴くにはちょうどよい長さ。詰め込みすぎないというのもまた、大人の余裕かなぁ(笑)。

評価:★★★★★

トータス松本 過去の作品
FIRST


ほかに聴いたアルバム

III/ROCK'N ROLL GYPSIES

【送料無料】Rock'n'roll Gypsies ロックンロールジプシーズ / Rock'n'roll Gypsies III 【CD】

こちらも大人の余裕だねぇ~。花田裕之を中心に、元ルースターズのメンバーが組んだロックバンドの3枚目となるアルバム。彼らの奏でるブルースロックや、ガレージパンクには、若手バンドのような張り詰めた緊張感みたいなものはないかもしれませんが、渋いそのサウンドには、大人のバンドとしての余裕というか、味わいみたいなものを感じることが出来ます。

評価:★★★★

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2010年11月12日 (金)

着うたの女王強し&懐かしい名前が並んでいます。

今週の着うたチャート

2010年11月3日~2010年11月9日付チャート

今週の着うたチャートは、先週の引き続き、着うたの女王西野カナが1位獲得です。

君って

1位は先週に引き続き西野カナ「君って」。シングルチャートでも初登場3位を記録するなど、まだまだこの人気はしばらく続きそうです。

2位には三代目J Soul Brothers「Best Friend’s Girl」がランクインです。落語家みたいなミュージシャン名ですが、列記とした正式なミュージシャン名。もともとは、EXILEの前身的なグループの名前だったのですが、その後、EXILEの弟分的な位置付けでメンバーを変え再デビュー。その後、メンバー全員がEXILEに加入という衝撃的に(笑)その活動に幕を下ろしたのですが、今度は、EXILEのNAOTO、NAOKIを中心に、三代目J Soul Brothersとして再始動です。

なんか、「三代目」って・・・・・・DJ OZMAが活動を休止する時に、「二代目DJ OZMA」なる人物に名前を継承していたけど、あれはギャグだったし・・・(^^;;真面目なのかギャグ入っているのか、微妙だ・・・。

3位は、AKB48「Beginner」が先週2位からワンランクダウン。そして4位にはいきものがかり「ありがとう」が先週の13位から一気にランクアップしてきました。もちろん、後ほどアルバムチャートでも紹介するベスト盤のヒットの影響でしょう。

続いての初登場は6位Acid Black Cherry「1/3の純情な感情」でした。ちょっと懐かしいですね。1997年のSIAM SHADEのヒット曲です。先日発売された、SIAM SHADEへのトリビュートアルバム「SIAM SHADE Tribute」(まんまだな・・・)に収録されたナンバーです。

で、7位に伊藤由奈「守ってあげたい」とくれば、ユーミンのカバーか?と思えば、こちらはオリジナル。日テレ系テレビドラマ「黄金の豚-会計検査庁 特別調査課-」の主題歌になっています。シングルチャートでは41位と厳しい結果だったのですが、着うたでは見事上位にランクインしてきました。

初登場はもう1曲。10位にLily「気づいてよ… I Love You」がランクイン。いかにも着うた狙いの聴かせるナンバー。これが2枚目となる女性シンガー。ギリギリでベスト10入りしてきました。


今週のアルバムチャート
http://www.oricon.co.jp/rank/ja/

今週のアルバムチャートは、ちょっと懐かしい感じのする名前が並んでいます。

いきものばかり~メンバーズBESTセレクション~

まず今週の1位。いきものがかりのベスト盤「いきものばかり」がランクインです。ここ最近の人気に合わせて、CD屋でもかなりのプッシュをされていましたが、初動売上で45万7千枚を記録。女性ボーカルのアルバムとしては、本年度最高の初動売上だそうです。自身も、昨年12月にリリースしたオリジナルアルバム「ハジマリノウタ」が、正月の2週合算チャートで初動16万枚だったので、それの3倍近い数字をたたき出しています。

2位には、日本でも絶大な支持を誇るアメリカのハードロックバンドBON JOVIのベストアルバム「Greatest Hits」が初登場で入ってきました。ただ、初動売上5万3千枚は、オリジナルとして前作「The Circle」の6万7千枚を下回ってしまう結果に。ベスト盤としてはちょっと珍しい感じもするのですが・・・固定ファンが多いだけに、ベスト盤はいまさらいらない、というファンも多いのか?また、続く3位には中島美嘉「STAR」が、先週と同位置をキープしています。

さて、BON JOVIといえば、私が高校の頃(というと、15年以上昔・・・)、大ヒットしたミュージシャン。30代あたりの方では、一番最初に聴いた洋楽ミュージシャンがBON JOVIだった、という方も多いのでは?そして、その頃(・・・というよりも私が大学時代だったので、もうちょっと後なのですが)、同じく日本でも大ブレイクした洋楽ミュージシャンの久しぶりのアルバムが今週、ランクインしています。

7位に、イギリスのバンドJamiroquaiの5年ぶりとなるニューアルバム「Rock Dust Light Star」が入ってきました。こちらも、30代の方にとってはかなり懐かしい名前ではないでしょうか。一時期ほどの勢いはないものの、まだまだ健在ぶりを感じさせるヒットです。ただ、初動売上は1万8千枚と、前作「Dynamite」の4万6千枚から大きくダウンしてしまいました。

そして同じく、30代から40代世代には懐かしいミュージシャンがもう一人。ASKA「君の知らない君の歌」が8位にランクインです。言わずとしれた、現在、活動休止中のCHAGE&ASKAのASKAです。今年2月にリリースされた「12」に続く、セルフカバーアルバムです。ちなみに相方のCHAGEも同日にアルバム「&C」をリリースしており、こちらは今週、20位にランクインしています。

そんなオーバーサーティーには懐かしいアルバムが並んだ今週のアルバムチャート。こういうチャートになったのは、発売日が重なった偶然からでしょう。ただ、先週も、30代以上の世代をターゲットにしたアルバムが健闘していました。オーバーサーティーは、ちょうど団塊の世代ジュニアやその下の層あたりで、比較的、人口も多い世代。それだけに、今後は、この層をターゲットにしたアルバムがチャートでも目立つようになる・・・かも??

初登場はもう1枚。10位には九州男のミニアルバム「±1」がランクインです。初動は1万4千枚と、前作の初動2万4千枚からダウン。ただ、12月に初のベスト盤リリースを控えており、今後の動向は、このベスト盤の売上次第かな?という感じもします。

今週の着うた&アルバムチャートは以上。チャートはまた来週の水曜日に!

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2010年11月11日 (木)

第2弾!

Title:A-Z Vol.2
Musician:ASH

A-Z Vol.2

ダウンロードオンリーでのリリースとなったシリーズ「A-Z Series」の曲を集めたアルバムの第2弾。今回は、「N」からラスト「Z」までの楽曲が収録。さらに今回も豪華ボーナスディスクもついてくる、ボリューム満点の内容になっていました。

Ashcase_2

←タワーレコードで買ったら、こんな感じでケースがついてきました。中に、Vol.1とVol.2がピッタリおさまって、ひとつのアルバムみたいに・・・・・・ちょっと写真だけ見えづらいでか?

で、今回のアルバム。前作に比べると、グッと楽曲のバリエーションが増えていたと思います。

「Dare To Dream」は、ストリングスを用いて、スケール感あるナンバーに仕上がっていましたし、「Spellbound」は、ちょっと80年代を思い起こさせるような、軽快な打ち込みが楽しいナンバー。さらに10分にも及ぶ長尺の「Sky Burial」はダイナミックなギターナンバーを聴かせるインストチューン。ロックバンドASHの力を見せ付けています。

そんな訳で、前作に比べると、様々な作風の曲を聴かせてくれ、ASHの音楽性の広さも感じさせる作品になっていました。一方では、「Teenage Wildlife」みたいな、彼ららしい、ポップスロックチューンもあり、秀逸なメロディーラインも要所要所で楽しませてくれます。

ただ、それでもやはり、70分超の長さは、さすがにちょっとダレる・・・・・・。1曲1曲聴けば、いい曲だと思うのですが・・・。アルバムではなく、1曲1曲配信で聴かせることを意識しているからなのかなぁ?今度は、(前のアルバムの感想でも言ったけど)全10曲、40分程度の尺でアルバムを聴きたいなぁ。

ちなみに、ボーナスディスクの方は、終盤、テクノアレンジのリミックスナンバーが印象的でした。特にラストは「Dare To Dream」をMOGWAIがリミックス。要チェックです。

評価:★★★★

ASH 過去の作品
A-Z Vol.1

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2010年11月10日 (水)

アイドル系にアニソンに期待の新人バンドに

今週のシングルチャート
http://www.oricon.co.jp/rank/js/w/

今週も新譜ラッシュ。タイトル通り、多種多様な新譜がランクインしています。

その中で1位を獲得したのが、NEWSのニューシングル「Fighting Man」。これで、デビュー作から13作連続の1位らしいです。ただ、初動は15万枚。前々作の23万4千枚から、19万5千枚→15万枚と、厳しい状態が続いています。もっとも、今のCDの売上水準からすれば、十分な初動売上なのでしょうが・・・。

2位は先週1位のAKB48「Beginner」がワンランクダウンながらも2位をキープ。ロングヒットの兆しを見せています。

3位初登場は西野カナ「君って」。先週の着うたチャートでも当然のごとく1位でしたが、シングルチャートでも、前作の3万9千枚を上回る初動4万1千枚でベスト3入りです。

続く4位はBREAKERZ「BUNNY LOVE」がランクインです。さすがにDAIGOも、最近は以前のように話題に上ることも少なくなりましたが、バンドの方の人気は安定基調に。初動1万6千枚は、前作の1万8千枚より若干ダウンながらも、ほぼ横バイを保っています。

以下・・・6位と10位はアニソン系。6位は音楽クリエーターチームI'veのボーカリスト川田まみ「No buts!」。アニメ「とある魔術の禁書目録II」のオープニングテーマです。2007年にリリースした「JOINT」以来のベスト10入りとなりました。

10位はテレビ東京系アニメ「神のみぞ知るセカイ」オープニングOratorio The World God Only Knows「God only knows~集積回路の夢旅人」。「全六幕+主人公・桂馬主観で生みだされた「集積回路の夢旅人」」の10分にも及ぶナンバーだそうで、ボーカリストのELISAのクリアボイスが心地よいナンバーになっています。

7位はゴスペラーズの新曲「冬響」。なんか、タイトルが、何かのお酒の名前みたいですが・・・(^^;;彼ららしい、冬の季節にピッタリなバラードナンバー。そうかぁ、もう冬ですね・・・。

そして8位9位はいわゆるロキノン系バンドが並びました。8位は、なんと、最近、注目の新人バンド世界の終わりのニューシングル「天使と悪魔」がランクインです。テレビ朝日系ドラマ「霊能力者 小田霧響子の嘘」主題歌というタイアップの良さもあったのでしょうが、いきなりのヒット。初のベスト10入りとなりました。歌詞の世界観が話題のバンドで、このシングルも、冒頭いきなり「いじめは正義だから 悪をこらしめているんだぞ」というインパクトのある歌詞からスタートします。少々「狙いすぎ」な部分もある歌詞なので、賛否はわかれそうなバンドではあるのですが・・・ただ、まだまだ人気は上昇しそう。

9位はDragon Ashの4曲入りE.P.盤「SPIRIT OF PROGRESS E.P.」がランクインです。初動9千枚は前作から横バイ。前々作も8千枚だったので、ここ最近、ほぼファンが固定されてきた模様。ただ、そろそろもう一発、久しぶりの大ヒットナンバーが欲しいところでしょうか。

今週のシングルチャートは以上。ある意味、最近のチャートらしい、ジャンルレスなチャートになっています。着うた&アルバムチャートは金曜日に!

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2010年11月 9日 (火)

多彩な音楽性に多彩な世界

Title:JAPANESE POP
Musician:安藤裕子

JAPANESE POP

個人的に、安藤裕子は、今、もっとも勢いのある女性シンガーの一人だと思います。

彼女にとっての最高傑作(と思う)、前作「クロニクル」を経ての最新アルバム。いままでの彼女のスタイルをベースにしながらも、音楽的にも歌詞の面でも、より多彩な世界観が広がっていたアルバムだったと思います。

前半に関しては、前作「クロニクル」同様、ファンタジックで、どこか童話的というか。音楽的にも歌詞の世界も、軽快な世界を描きながらも、一癖も二癖もある楽曲が並んでいます。

「私は雨の日の夕暮れみたいだ」「健忘症」も、フリージャズ的な、軽快だけど自由なピアノの音色が、独特の世界を作り出していますし、歌詞も、「マミーオーケストラ」にしろ「Dreams in the dark」にしろ、どこか影の部分を感じる内容になっています。

一方、後半になるともっと雰囲気がかわり、ストレートな作風の曲が増えてきました。

個人的に、そんな中で印象に残ったのが、ピアノバラードの「court」。恋人の別れを、物語性たっぷりに描いた歌詞は実に印象的。シンプルなピアノのアレンジに、彼女の美しいボーカルが、とてもマッチしたナンバーでした。

また、妖艶で、歌謡曲風な雰囲気がアルバムの中でちょっと独特な「アネモネ」や、宮川弾が作曲を手がけた、シティーポップ「摩天楼トゥナイト」など、音楽の世界も一気に広がりを見せてくれるのがこの後半でした。

正直、個人的には、最高傑作の前作「クロニクル」には及ばなかったかな、とは思います。とはいえ本作も、次から次へと展開する多彩な音楽性に、最後まで耳を離せなかったアルバム。前作に引き続き、文句なしの傑作だったと思います。安藤裕子の活躍からは、まだまだ目を離せません。

評価:★★★★★

安藤裕子 過去の作品
クロニクル
THE BEST '03~'09


ほかに聴いたアルバム

dreaming pupa/pupa

dreaming pupa

高橋幸宏を中心に、原田知世や高野寛など、層々たるメンバーが集まったエレクトロ・ユニットpupaの2枚目となるアルバム。「Circadian Rhythm」あたりが典型的だと思うのですが、アレンジは今風のエレクトロ路線だけど、メロディーは70年代風という、ある種、時代を超えた組み合わせが、エレクトロだけどもどこか懐かしい暖かさを感じるポップスアルバムになっています。

評価:★★★★

pupa 過去の作品
floating pupa

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2010年11月 8日 (月)

B'zとの違いは・・・。

Title:Hadou
Musician:稲葉浩志

Hadou

B'zのボーカリスト、稲葉浩志によるソロアルバム。前日、ギターの松本孝弘も、ラリー・カールトンと組んだアルバムをリリースしていましたが、それに続いてのソロアルバムのリリースとなりました。

先行シングルとなった「Okay」は、イントロに、ちょっとシューゲイザー風にすら感じられるギターサウンドにちょっと驚いた、全体的にはオルタナテイストを感じさせる曲でした。それだけに、ソロではB'zの方向性とはまた違った方向に進むのかなぁ・・・とも思ったのですが・・・。

今回のソロアルバムは、確かに、B'zに比べると、ハードロックというテイストはちょっと薄めでした。ポップスアルバムとしては、さすがB'zとしてのキャリアをつんできた彼だけあって、しっかりと壺を抑えてきています。アップテンポなポップチューンから、しっかりと聴かせるナンバーまで、幅広く抑えられています。

ただ、その一方、「CAGE FIGHT」のような、B'zっぽい、ハードロックテイストの作風もあったり、ラストの「イタイケな太陽」の終わり方も、カントリーテイストのギターに手拍子でみんなで盛り上がって・・・というスタイルも、B'zの王道路線になっています。

ある意味、B'zの延長路線で、B'zのファンにとっては違和感なく聴ける作品、と言えるのかもしれません。その一方で、ソロアルバムとしての稲葉浩志の方向性が、いまひとつわからない作品に感じました。B'zと同じことをやっても仕方ない・・・ということで、もっとポップス路線に走ったということはわかったのですが、ちょっと中途半端な印象がぬぐえませんでした。

また、松本孝弘の不在も大きく感じました。松本のソロでは、ラリー・カールトンというパートナーを得ることにより、稲葉とは違う、新たな広がりを感じましたが、このアルバムでは、松本のギターに代わるような存在がなく、それだけに、稲葉のボーカルと松本のギターという2本柱のインパクトが大きいB'zと比べると、何かが足りないなぁ・・・そう感じてしまいました。

まあ、そんな小難しいことを言わなければ、ファンにとってはそれなりに満足のいくアルバムだったとは思うのですが。松本孝弘のソロが、ラリー・カールトンとのコラボにより、B'zとは違う可能性を感じた傑作だっただけに、ちょっと物足りなさも残るアルバムでした。

評価:★★★★


ほかに聴いたアルバム

BREATH/SEEDA

BREATHE

今風なエレクトロ路線が印象的な作品。ある種、流行の先端を行くトラックは、文句なしにカッコよかったのですが、逆に、ちょっと良くありがちかなぁ・・・という印象も受けてしまいました。

評価:★★★★

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2010年11月 7日 (日)

伝説のブルースマン

Title:Texas Golden Nugget
Musician:
HOSEA HARGROVE

テキサス・ゴールデン・ナゲット [解説対訳&日本盤独自解説付] [歌詞付]

御年81歳。ギタリスト、ジミー・ヴォーンにも影響を与えた「伝説のブルースマン」の12年ぶりの新作・・・らしいです。現在も、地元テキサスに地道に活動を続ける彼。「ブルース&ソウル・レコーズ」に大きく取り上げられていて気になり、近くのCD屋で見かけたので、さっそく購入してきました。

1曲目「HOSEA」は、いわば自己紹介のイントロナンバー。続く「Negro Down」は、軽快なトーキン・ブルース。内容はハードな内容のようですが、楽しげなリズムが耳を惹くナンバー。3曲目「Love My Life-Part2」も同じく軽快なナンバーが続きます。

そんな楽しげな序盤からうってかわって4曲目の「Years Go Passing By」は、突然、それまでの曲調とはうってかわり、泣かせるようなブルージーなギターをたっぷりと聴かせてくれます。いわば王道ともいえるブルースナンバー。年季の入ったボーカルとギターのコール・アンド・レスポンズに、思わず聴き入ってしまい、一気にこのアルバムにはまってしまいました。

その後も「Booty」「Caress Me Baby」など、味わいのあるじっくりと聴かせるナンバーがあるかと思えば、「If You Love Me Like You Say」「Boog-A-Loo」のような、ファンキーで、軽快なリズムを奏でてくれる陽気なナンバーもあり、最後まで楽しませてくれます。

81歳という大ベテランながらも、この声からは全く衰えを感じさせません。まだバリバリの現役感が伝わってきます。ジャケット写真でギターを抱える姿も、全く年齢を感じさせません。

また、彼の奏でるブルースは、ある意味、王道路線。昔ならではといえば昔ならでは、といった感じ。60年代以前のブルースを、今なお演奏し続けている、といった感じでしょうか。

しかし、その削ぎ落とされたサウンドは、今なお、実に魅力的。ギターにしても、実に心地よいタイミングでその音色を聴かせてくれますし、軽快なピアノも、ほどよいバランス。気がつくとついつい聴き入ってしまう魅力があります。

シンプルだからこそ、昔から変わらないスタイルでも、その魅力は今でも変わらないのかなぁ、なんて思ったりして。「新しい」と思える要素はないのですが、それにも関わらず、ほとんど古さを感じさせないのが、ちょっと不思議な感じもしました。

ちょっと残念だったのは、日本盤だったのに日本語の和訳がついていなかった点・・・まあ、英語詞はついていたので、これをがんばって訳せばいいのでしょうが、私のつたない英語力では・・・(^^;;

ブルースが好きな方にはたまらない1枚では?一度、生でも聴いてみたいけど・・・さすがに81歳では、ライブを聴く機会はないだろうなぁ・・・・・・。

評価:★★★★★

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2010年11月 6日 (土)

新たな一歩

Title:POSTCARDS FROM A YOUNG MAN
Musician:
MANIC STREET PREACHERS

Postcards From a Young Man

前作「Journal For Plague Lovers」は、95年に突然失踪したメンバー、リッチー・ジェイムスの歌詞を全編にちりばめた作品になりました。その前年に、リッチーの死亡宣告がなされた、それに対するバンドからの「反論」だったのかもしれません。

それからわずか1年のインターバルでリリースされた本作は、ある意味、彼らの新たな一歩・・・と言えるのかもしれません。ただ、楽曲はいつもの彼ららしいギターロック路線。ある種の王道ともいえるかもしれません。

前半、大きな特徴となっていたのは、ストリングスの音色。メロディアスなギターロックにストリングスが加わることによって、楽曲からより大きなスケール感が生まれていました。特にタイトル曲の「POSTCARDS FROM A YOUNG MAN」「SOME KIND OF NOTHINGNESS」のメロディーの美しさは実に見事。アレンジともマッチしていて、絶品のポップソングに仕上がっていました。

ただ、一方、ストリングスアレンジは、少々大味に感じるのも事実・・・。このアレンジが続くなら、後半はちょっと飽きるなぁ~なんて思っていたら、中盤「AUTO-INTOXICATION」あたりからは、ストリングスのアレンジが薄くなり、ロック色が強くなっていきました。

「I THINK I FOUND IT」のちょっと哀愁味あるマンドリンの音色が一種のインパクトに。元ガンズ・アンド・ローゼスのダフ・マッケイガンがベースで参加している「A BILLION BALCONIES FACING THE SUN」も、ロッキンなバンドサウンドを聴かせてくれます。

本編ラストの「DON'T BE EVIL」は、彼ららしいメロディアスなギターロックナンバーで締めくくり。「新たな一歩」とはいえ、音楽面ではいつもながらのマニックスの魅力をしっかりとつめこんだアルバムで、いい意味で、安心して楽しめるアルバムだったと思います。

デビューから18年。すっかりUKギターロックの大御所バンド・・・なのでしょうが、サウンドはいまだに若々しく。ただ、リスナーの壺のつき方や、楽曲から感じられる一種の余裕に、ベテランバンドとしての実力を感じる1枚でした。

評価:★★★★★

MANIC STREET PREACHERS 過去の作品
Journal For Plague Lovers


ほかに聴いたアルバム

SHAKA ROCK/JET

Shaka Rock

オーストラリアのガレージロックバンドの3枚目。ゴリゴリとした骨太のギターによる、ヘヴィーなリフを中心としたガレージサウンドがたまりません。ロックンロールのカッコよさをストレートに体現したようなアルバムでした。

評価:★★★★★

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2010年11月 5日 (金)

着うたの女王&新譜ラッシュのアルバムチャート

今週の着うたチャート

2010年10月27日~2010年11月2日付チャート

今週の着うたチャートは、着うたの女王の新作が貫禄の1位獲得です。

君って

11月3日発売の、西野カナ「君って」が、当然のごとく1位を獲得しました。最近は、着うたをターゲットにしたミュージシャンが、軒並み人気を落とす中、彼女だけは別格という感じですね。シングルでも、デイリーではNEWSに続く初登場2位を記録するなど、CDでのヒットも期待されます。

2位3位は先週に続き日韓女性アイドルユニットが並んでいます。ただ順番は、2位がAKB48「Beginner」、3位少女時代「Gee」と、先週と入れ替わりになっています。

4位にはAI「STRONGER feat.加藤ミリヤ」がランクイン。シングルチャートでは初登場26位とかなり厳しい結果になってしまったのですが、着うたでは好順位を獲得しています。

6位には放課後ティータイム「天使にふれたよ!」がランクイン。今週、アルバムチャートで1位にランクインしているアルバムに収録されているナンバー。最終回で流れた曲ということで、卒業がテーマになった曲になっています。

初登場最後。9位にLove「あなたの言葉」がランクインです。フジテレビ系昼ドラ「天使の代理人」の主題歌で、サビはヴィヴァルディーの「四季」の第4番「冬」です。前のシングル「片思い」もカバーだったし、ちょっと曲の選び方が安直では??

他に、今週は初登場が少なめだったせいか、9位にはEXILE「I Wish For You」が先週の12位から、10位には中島美嘉「一番綺麗な私を」が先週の13位から、それぞれランクアップして再度ベスト10入りしています。


今週のアルバムチャート
http://www.oricon.co.jp/rank/ja/

今週は、新譜ラッシュ。そろそろ年末に向けての新譜ラッシュがはじまりそう・・・。

TVアニメ「けいおん! ! 」劇中歌集 放課後ティータイム II(通常盤)

そんな中で1位を獲得したのが、TBS系アニメ「けいおん!」のキャラクターソング、放課後ティータイム「放課後ティータイムII」が獲得しました。前作に引き続いての1位獲得。初動売上は前作の6万7千枚から12万7千枚まで大きくアップ。番組は終了してしまいましたが、絶大な支持を集めての1位となりました。

2位初登場はスピッツのニューアルバム「とげまる」。タイトルが彼ららしいなぁ~。3年ぶりとなるニューアルバムですが、初動売上は9万5千枚と、前作の11万6千枚からダウン。初動で10万枚を割り込んでしまいました。ただ、前々作「スーベニア」は17万6千枚を売り上げていて、前作で一気に6万枚ダウンしたことを考えると、そこそこ健闘している、ともいえるのかも・・・。

3位は中島美嘉「STAR」が初登場でランクイン。こちらも初動売上が9万2千枚と、前作の15万5千枚からダウンしてしまいました。先日、耳の病気のため活動休止となってしまった彼女。一日も早い回復が望まれます。

4位には、Def Tech「Mind Shift」がランクイン!2005年にリリースしたデビューミニアルバム「Def Tech」が、ミリオンセラーの大ヒットを記録し、インディーズ所属ながら、その年の紅白に出演するなど、話題となった彼ら。ただ、その後は活動が先細りになり、不仲説やら宗教との絡みやら、様々な噂がある中、2007年に解散してしまいました。

正直、解散に際して聞こえて来た憶測から、再結成はないだろうなぁ、と思っていたのですが、今年、まさかの再結成。アルバムも発売となりました。ただ、初動売上はわずか4万枚。解散前最後のアルバムとなった「Catch The Wave」の初動35万8千枚を大きく下回る結果になってしまいました。まあ、ただ、4年前からCD市場の状況もかなり変わってしまいましたからね・・・・・・。

洋楽勢では最高位となったのが、5位にランクインしてきたNE-YO「LIBRA SCALE」。日本でも高い人気を誇るアメリカの黒人シンガーソングライター。自分自身が歌うのみならず、リアーナやビヨンセなど、多くのミュージシャンへの楽曲提供も手がけています。ただ、初動の3万2千枚は、オリジナルとしては前作「Years Of The Gentleman」の初動6万2千枚から大きくダウンしてしまいました。

6位にはチャットモンチーのミニアルバム「AWA COME」がランクイン。全曲、徳島でレコーディングしたとか。だから「阿波 カム」なのか・・・。初動売上は2万9千枚。前作のカップリングベスト「表情」の初動2万7千枚は上回りましたが、オリジナルの前作「告白」の初動売上7万8千枚を、残念ながら大きく下回ってしまいました・・・。

7位初登場は斉藤和義「ARE YOU READY?」。約1年ぶりの新作なのですが、なんと、初動売上2万6千枚は、前作「月が昇れば」の初動2万1千枚からアップ!前々作「I (LOVE) ME」の初動1万5千枚から2作連続アップです。アルバムにも収録された資生堂のCMソング「ずっと好きだった」の影響もあるのでしょうか?ただ、ここに来ての人気再燃は驚きです。さらなるブレイクが期待できるか?

同じ男性シンガーソングライターで苦戦してしまったのが山崎まさよし「HOBO's MUSIC」。初動1万5千枚は、前作の初動3万枚から大きく売上を落としてしまいました。山崎まさよしといえば、かつて斉藤和義、中村一義と並んで「さんよし」と呼ばれていて、その中で圧倒的な人気を誇っていたのですが、斉藤和義に逆転されてしまいました。ちょっと意外な感じもするのですが、時代の流れも感じさせます。

今週は新譜ラッシュだったのですが、1位の放課後ティータイム以外は軒並み初動を前作から落としてしまいました。もう、アニメ系、アイドル系、韓国系(まあこれもアイドル系の範疇ですが)以外CDは売れないのか・・・なんて思ってしまう中、目立つのは斉藤和義の健闘。スピッツも、初動売上がダウンしたとはいえ、最小限に抑えており、30代後半から40代あたりをターゲットにした、しっかりとメロディーと歌詞を聴かせるミュージシャンに、意外と需要はあるのかも??ただ、そうだとすると、山崎まさよしの苦戦が気にかかるのですが・・・。

そんなことを考えつつ、来週は、同じく「メロディーと歌詞を聴かせる」タイプのいきものがかりのベスト盤の動向が気にかかります。レコード会社もCD屋もかなりプッシュしているみたいなので・・・また来週~!

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2010年11月 4日 (木)

最高のビート!

VAMPIRE WEEKEND JAPAN TOUR 2010

会場:名古屋CLUB QUATTRO 日時:2010年11月1日(月)19:00~

Contra (Ocrd)

デビューアルバム以来、すっかりはまってしまったVAMPIRE WEEKEND。このほど、来日ツアーが決定(2度目?)。ここ名古屋にも来るということで、チケットが争奪戦になる・・・かと思いきや、あっさりチケットも確保できたので、はじめてみる彼らのライブに出かけてきました!

チケットはあっさり確保できたとはいえ、前売りでほぼ売り切ったみたいで、当日券はなし。会場もほぼ満員でした。結構、外国人の姿もチラホラ。

開始予定時間を約10分過ぎた頃についにメンバーが登場。ライブがはじまります。1曲目は「Holiday」からスタート。いきなり会場は大盛り上がりとなりました。

彼らのステージの印象は、一言で言えば、「普段どおり、なんだろうなぁ」という印象を受けました。普段通りの比較的ラフな格好は、いかにもアメリカの若者といった感じ。最新アルバムではビルボードチャートで1位を獲得するなど、文句なしの人気者となった彼らなのですが、風貌は、まさにインディーズバンドそのもの。いい意味で、大物然としていない彼らのスタイルにはとても好感を持てました。

演奏は、比較的CDそのまま、という印象が。一部、打ち込みのリズムなど、CDよりもビートが強く、ファンを盛り上げようとする方向性は感じたのですが、基本的にはCDで感じたイメージを大きく変えるものはありませんでした。

しかし、あれだけシンプルな音をしっかりとライブで再現している、というのは、やはりしっかりとした実力があるからなんだろうなぁ~とも感じました。特に、ある種バンドの肝ともいえるドラムス、クリス・トムソンの力強いドラミングが耳に残りました。

また、途中、コール・アンド・レスポンズなどもしっかりと挟み、インディー然としたステージながらも、しっかりとファンを盛り上げている点も、さすがといった感じ。「One(Blake’s Got A New Face)」のコール・アンド・レスポンズなど、レスポンズする英語が長すぎて、ちょっとチグハグだったような点もあったのですが(笑)、ライブ会場が一体となり盛り上がることが出来ました。

序盤には「Cape Cod Kwassa Kwassa」や「I Stand Corrected」で盛り上がり、後半、やはり盛り上がったのが「A-Punk」で、個人的にも思いっきり踊りまくりました。 

もともと、現段階でアルバムがリリースされているのが2枚のみ。それも、両方とも、30分程度の長さ・・・ということもあって、この日も本編がわずか50分程度。アンコール込みで、1時間半にも満たない時間でした(^^;;

思いっきり盛り上がったライブだったのですが、さすがにこの短さは・・・正直言って、あっという間に終わってしまって、ちょっと物足りなさを感じました。ただ、現時点で持ち曲が少ないだけに仕方ないですね。最後に、「また新しいアルバムをつくったら、また来ます」みたいなことを言っていたので、次のライブに期待したいところです。

あっという間の1時間強。途中、軽いMCははさんだのですが、基本的に曲が短いこともあって、次から次へと曲が展開していくステージでした。上にも書いた通り、ライブならではの新たな発見みたいなものは乏しかったし、時間の短さも仕方ないとはいえ、ちょっと物足りなさを感じたのですが・・・それでも、とても楽しい時間を過ごせました。また、機会があれば、彼らのステージを是非見てみたいです!

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2010年11月 3日 (水)

圧勝で1位

今週のシングルチャート
http://www.oricon.co.jp/rank/js/w/

今週の1位は、AKB48「Beginner」が獲得しました。

Beginner(A)(DVD付)

初動売上はなんと82万7千枚。SPEEDの記録を抜いて、女性グループの初動売上では過去最高らしいです。前々作からの売上が51万3千枚→52万7千枚と頭打ち気味だったのですが、一気に売上を伸ばしてきました。握手会の参加券が特典でついていた影響でしょうか?

ただ、最近はテレビをはじめ、メディアへの露出も格段に増え、その影響も大きいのではないでしょうか。AKB48の驚異的な売上と、最近のメディアの露出を見ていると(ジャニーズ系もそうでしょうが)、「もうテレビの時代は終わった」「これからはネットの時代」なんて言われていても、なんだかんだいっても、まだまだ既存のメディアの影響力が圧倒的に大きいような感じもします。

圧倒的な差をつけられたとはいえ、2位ポルノグラフィティ「君は100%」。貫禄という感じすらする安定した人気を確保しています。初動3万9千枚は、前作の4万3千枚からは若干ダウンしていますが、ノンタイアップだから、という程度の理由でしょう。

3位は少女時代「Gee」が先週2位からワンランクダウンです。そして4位は、Dreams Come True「LIES,LIES.」がランクイン。テレビ朝日系ドラマ「ナサケの女~国税局査察官~」主題歌だったのですが、初動1万2千枚は前作の3万4千枚から大幅ダウン。11月にアルバム「LOVE CENTRAL」の発売を控えていますが、その影響でしょうか?今風な、ダンサナブルな打ち込みのビートが心地よいナンバーなのですが。

6位、7位はアニメソングが並んでいます。6位は女性シンガーソングライターLia「絆-kizunairo-色」。テレビ東京系アニメ「FORTUNE ARTERIAL 赤い約束」オープニングテーマです。マイナーなメロディーラインとアップテンポな作風が、アニメソングらしい作品になっています。

7位は、人気男性声優の谷山紀章率いるロックバンドGRANRODEO「ROSE HIP-BULLET」。こちらはTBS系アニメ「咎狗の血」オープニング曲。曲調は、90年代のビジュアル系ロックバンドみたいな感じのメタルをベースとしたビートロックになっています。

ベスト10最後。10位は清木場俊介「エール」がランクインです。3ヶ月連続リリースの第2弾。第1弾「魔法の言葉」は初動8千枚で、ギリギリ10位にランクインしており、次回作以降はベスト10入りは厳しいか・・・と思ったのですが、本作も前作同様初動8千枚で、ギリギリベスト10入りを果たしています。

今週のシングルチャートは以上。着うた&アルバムチャートは金曜日に~。

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2010年11月 2日 (火)

モリゾーのジャケット??

Title:PATTERN+GRID WORLD
Musician:FLYING LOTUS

Pattern & Grid World (WAP308CD)

ジャケットが、モリゾーのどアップみたいで、ちょっと不気味なのですが(笑)。前作「Cosmogramma」から、わずか5ヶ月のインターバルでのリリースとなった新作です。

全8曲入り。通して聴いても17分程度のミニアルバム。1曲あたり2分程度。前作もそうだったのですが、ポップミュージックのフォーマットにのっとったような曲が多く、エレクトロニカという、少々リスナーを選びそうなジャンルにも関わらず、いい意味で聴きやすい、ポピュラリティーのあるアルバムになっていたと思います。

今回の作品も、彼らしい独特なリズムが耳を惹きます。様々な音が繰り広げられ、全体的に音数は多いのですが、見事な構成で組み立てられているため、ただ音を詰め込んだような乱雑さはなく、その世界にはまり込んでしまいます。

ただ、それ以上に、今回のアルバムは、ポップで、そしてユーモアさを感じました。

「何かがはじまるぞ」というような出だしが印象的だった1曲目「Clay」も、基本的にはポップなメロディーラインが耳を惹きましたし、2曲目「Kill Your Co-Workers」も、テクノポップ(?)っぽい軽快な音がとても楽しげな作品になっていました。

「PieFace」「Camera Day」も、ちょっとユーモラスな音の使い方が楽しい作品。また、個人的には「Jurassic Notion/M Theory」の、どこかアフリカ音楽的な香りのするリズムが、とても印象に残りました。

基本的には、前作「Cosmogramma」の延長路線的な部分も強く、前作を楽しめた方には、本作も文句なしに楽しめる作品になっていたと思います。なにより、この短いインターバルで新作を届けてくれるような点で、勢いも感じさせます。

不気味なジャケットとは裏腹に、とても楽しい音の世界を聴かせてくれた作品でした。

評価:★★★★★

Flying Lotus 過去の作品
Cosmogramma

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2010年11月 1日 (月)

コンゴのどん底から

Bendabililimovie_2

先日、彼らの来日ライブに行き、その迫力あるライブにすっかりはまってしまいました。その時も、ライブの前に予告編が流れていたのですが・・・ようやく行ってきました。映画「ベンダ・ビリリ!~もう一つのキンシャサの奇跡」。今年のカンヌ国際映画賞にも出品され、話題になった映画です。

まず、見終わった後に思った感想を言えば、「ライブを見る前に見たかったなぁ~」ということ(笑)。残念ながら、名古屋では、映画がスタートしたのは10月23日の土曜日から。来日公演ははるか前に終わってしまいました。この映画を見てから彼らのステージを見れば、またライブのイメージがかわったかもしれなかったですね。

以下 ネタバレの感想。

続きを読む "コンゴのどん底から"

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