B'zとの違いは・・・。
Title:Hadou
Musician:稲葉浩志
B'zのボーカリスト、稲葉浩志によるソロアルバム。前日、ギターの松本孝弘も、ラリー・カールトンと組んだアルバムをリリースしていましたが、それに続いてのソロアルバムのリリースとなりました。
先行シングルとなった「Okay」は、イントロに、ちょっとシューゲイザー風にすら感じられるギターサウンドにちょっと驚いた、全体的にはオルタナテイストを感じさせる曲でした。それだけに、ソロではB'zの方向性とはまた違った方向に進むのかなぁ・・・とも思ったのですが・・・。
今回のソロアルバムは、確かに、B'zに比べると、ハードロックというテイストはちょっと薄めでした。ポップスアルバムとしては、さすがB'zとしてのキャリアをつんできた彼だけあって、しっかりと壺を抑えてきています。アップテンポなポップチューンから、しっかりと聴かせるナンバーまで、幅広く抑えられています。
ただ、その一方、「CAGE FIGHT」のような、B'zっぽい、ハードロックテイストの作風もあったり、ラストの「イタイケな太陽」の終わり方も、カントリーテイストのギターに手拍子でみんなで盛り上がって・・・というスタイルも、B'zの王道路線になっています。
ある意味、B'zの延長路線で、B'zのファンにとっては違和感なく聴ける作品、と言えるのかもしれません。その一方で、ソロアルバムとしての稲葉浩志の方向性が、いまひとつわからない作品に感じました。B'zと同じことをやっても仕方ない・・・ということで、もっとポップス路線に走ったということはわかったのですが、ちょっと中途半端な印象がぬぐえませんでした。
また、松本孝弘の不在も大きく感じました。松本のソロでは、ラリー・カールトンというパートナーを得ることにより、稲葉とは違う、新たな広がりを感じましたが、このアルバムでは、松本のギターに代わるような存在がなく、それだけに、稲葉のボーカルと松本のギターという2本柱のインパクトが大きいB'zと比べると、何かが足りないなぁ・・・そう感じてしまいました。
まあ、そんな小難しいことを言わなければ、ファンにとってはそれなりに満足のいくアルバムだったとは思うのですが。松本孝弘のソロが、ラリー・カールトンとのコラボにより、B'zとは違う可能性を感じた傑作だっただけに、ちょっと物足りなさも残るアルバムでした。
評価:★★★★
ほかに聴いたアルバム
BREATH/SEEDA
今風なエレクトロ路線が印象的な作品。ある種、流行の先端を行くトラックは、文句なしにカッコよかったのですが、逆に、ちょっと良くありがちかなぁ・・・という印象も受けてしまいました。評価:★★★★
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