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2010年10月11日 (月)

昔の流行歌の魅力

Title:ALL ABOUT UMEKICHI
Musician:うめ吉

ALL ABOUT UMEKICHI

俗曲師「桧山うめ吉」として寄席などで活動する一方、今風にアレンジされた俗曲や、あるいはロック、歌謡曲などのジャンルにも挑戦し、広く若い世代からも支持を集め、日本のみならず世界からも注目されている彼女。そんな彼女のデビュー10年を機にリリースされたベストアルバムです。

「昔の流行歌」というのをひとつの軸として、様々なジャンルに挑戦している彼女。そんな彼女の作品を網羅的に収録したベスト盤なだけに、そのジャンルは、実に多岐にわたっています。

ロック風の「雷ロック」「銀座ロックン」、俗曲を今風のクラブアレンジに仕上げた「SUTETEKO(クラブバージョン)」「YAKKO・SAN(クラブバージョン)」、戦後直後の流行歌「ホームラン・ブギ」「ヘイヘイ・ブギ」、その後も民謡に俗曲、ちょっとユニークなところではフランスシャンソンやクラシックナンバーにまで挑戦しています。

ただ、正直言ってしまうと、ロック風のナンバーや、昭和歌謡曲は、ちょっと彼女の綺麗ながらも線の細いボーカルにはちょっと不向きだったような・・・。逆に、フランス語で歌う「セ・シ・ボン」や、「さよならを教えて」が、彼女のボーカルに絶妙にマッチし、意外な魅力を放っていました。

でも、やはり一番の魅力だったのは、民謡や俗曲などの昔からの大衆歌や江戸時代の流行歌。もちろん、彼女の本職という部分もあるのでしょうが、いい意味で癖のない歌い方が、今の耳にもすんなりとマッチ。元々のメロディーや歌詞は、意外と聴きやすいんだなぁ~ということに気がつかされます。もちろん、癖のない、といってもほどよく効かせたこぶしがとても魅力的だったりします。

また、「奴さん」や「ステテコ」のクラブバージョンも、昔の流行歌が今のクラブサウンドと絶妙にマッチし、新たな魅力を放った曲に生まれ変わっています。こちらも意外な発見でした。

彼女の歌う民謡や俗曲というと、今の世代からすると「聴きにくい」「古臭い」というイメージがつきまとっています。ただ、これらの曲も、もともとは多くの人を魅了してきた一種の流行歌。いまのヒット曲と同じく、多くの人の耳をひきつける魅力を持っている曲のはずです。

うめ吉の曲は、そんな民謡や俗曲、また戦前戦後直後のヒット曲を、彼女のかわいらしいボーカルで歌うことにより、あるいは時には今風に解釈することにより、その曲が本来持っていた魅力を引き出しています。このアルバムは、そんな昔の流行歌の魅力がたくさんつまったアルバムになっていました。

昭和歌謡曲は最近、多分に再評価されていますが、それ以前のヒット曲、ましてや江戸時代の流行歌の魅力には、なかなか触れる機会はありません。そんな中、民謡や俗曲といった昔の流行歌が、ポップソングとして優れたものを、今でもなお持っているんだなぁ、ということをあらためて気がつかされたアルバムでした。

評価:★★★★★

うめ吉 過去の作品
お国めぐり 其の二
うめ吉玉手箱~寄席うた俗曲集


ほかに聴いたアルバム

ALL TIME THE BEST/Plastic Tree

ALL TIME THE BEST

プラトゥリの感想ではいつも書いているのですが、オルタナ系ギターロックからの影響がストレートで、一種の愛情を感じられて、とても魅力的です・・・・・・。うーん、ただ、ちょっとベスト盤を出しすぎ(苦笑)。これで8枚目らしいです。デビュー当初からの曲を収録、というのが売り文句とはいえ・・・オリジナルアルバム10枚に対してベスト盤8枚って??評価はそこらへんを踏まえて。

評価:★★★

Plastic Tree 過去の作品
B面画報
ウツセミ
ゲシュタルト崩壊
ドナドナ

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