話題のカバーアルバム
今日、取り上げるのは、最近発売された話題のカバーアルバム2作品。ただ、その方向性は全く異なりますが・・・。
Title:ALL COVERS BEST
Musician:コブクロ
まずはコブクロのカバーアルバム。CMで話題となったDEREK&THE DOMINOSの「Layla」も収録されています。
選曲は、いわば非ロケノン系のポップス好きが選びました、といった感じかな。昔放送されていたNack5の「JAPANESE DREAMS」あたりを愛聴してそうな(笑)。以前からファンを公言していた渡辺美里の「Lovin' You」のカバーもうれしいし、槇原敬之のカバーに「ANSWER」を選択するあたりもなかなか。小谷美紗子の「こんな風にして終わるもの」やコブラツイスターズの「運命船サラバ号出発」といった選曲に、おそらく手広くポップソングを愛聴しているんだろうなぁ、という彼らの趣味も垣間見れます。
ラテン調の「奇跡の地球」や、レゲエ風の「DESPERADO」などのアレンジを加えた曲もあるのですが、全体的には原曲のイメージを受け継いだ、素直なカバーがほとんど。新しい発見、みたいなものには出会えませんでしたが、ストリートで鍛えた腕前だけあって、卒なくカバーをこなしている感じがして、原曲の良さもしっかりと感じることが出来ました。
ただ、一方で、リズムが必要とされる曲に関しては、ちょっと厳しい感じがしました。特に洋楽のカバーに関しては顕著で、「THE ONLY THING THAT LOOKS GOOD ON ME IS YOU」など、リズムに乗れていなくて、ちょっと厳しいカバーになっていたり・・・。どちらかというと、ゆっくりのテンポで、歌詞を聴かせるような曲のカバーの方がよかったなぁ。
ちょっと懐かしい曲のカバーなどもあったり、同世代ということで、高校生あたりで聴いていたであろう曲をカバーしてくれたり、そういう意味合いもあって、全体的には楽しめるカバーアルバムになっていました。また、ある程度たったら、第2弾も是非。
評価:★★★★
Title:Wildflower&Cover Songs:Complete Best 'TRACK3'
Musician:Superfly
で、こちらは変わって洋楽メインのカバーアルバム。ただ、正確にはシングル「Wildflower」に、Disc2として洋楽のカバーをまとめたCDがついてくる形だそうです・・・ややこしい・・・。
シングルの方に収録された4曲は、サッカーワールドカップのNHKテーマソング「タマシイレボリューション」など、おなじみの曲も。4曲とも、Superflyらしい、洋楽テイストを色濃く残しながらも、どこかJ-POP的なメロディーが耳なじみやすい曲になっています。どの曲もインパクト十分で、今の彼女の勢いを感じさせてくれました。
一方、洋楽カバーの方は、Humble PieやらFreeやらFleetwood Macやら、ストーンズのカバーにしても、ありがちな「(I Can't Get No)Satisfaction」あたりではなくて、「Honky Tonk Woman」に「Bitch」と、まだ20代の彼女にしては、かなり渋い選曲が目立ちます。
ボーカルに関しては、リズム感が抜群なだけに、聴いていて全く違和感ないし、それを支えるバンドサウンドも、しっかりとしたサウンドを奏でています。
一方このカバーで気になったのは、特に前半に関しては、自慢のボーカルを張り上げるだけで、表現力がちょっと乏しいカバーが目立ったような印象を受けました。ただし、後半に関しては、抑揚のつけたボーカルで表現力豊かなボーカルを聴かせてくれます。カバーの収録に関しては、新録をのぞいて収録曲順。そういう意味では、このカバーを通じて、Superfly越智志帆のボーカリストとしての成長を感じることが出来ました。
そういう意味では、このカバーアルバムの第2弾、第3弾が楽しみという感じもします。コブクロ同様、こちらもこれからコンスタントにカバーを聴いてみたいミュージシャンでしょう。
評価:★★★★
Superfly 過去の作品
Superfly
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