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2010年10月10日 (日)

2人の天才の共演

Title:Reimagines Gershwin
Musician:Brian Wilson

Brian Wilson Reimagines Gershwin

ブライアン・ウィルソンの新作は、なんと、アメリカ音楽史を代表する作曲家、ジョージ・ガーシュインのカバー。ジョージ・ガーシュインといえば、「ラプソディー・イン・ブルー」が有名。おそらく誰でも聴いたことあるスタンダードナンバーですが、他にも数多くの傑作を産み出し、アメリカ音楽を生み出した、とも言われているそうです。

そんな天才の曲を、ブライアン・ウィルソンという、これまた天才が再解釈し、カバーした今回のアルバム。前作「That Lucky Old Sun」も傑作で、いまなお脂がのりまくっている彼が手がけた曲だけに、感涙モノの美メロがつまった傑作に仕上がっていました。

コーラスワークが実に美しい「The Like in I Love You」に、「Summertime」「I Loves You,Porgy」はムーディーな大人の薫りがふんだんにつまったジャジーなナンバー。かと思えば「I Got Plenty o'Nuttin'」あたりは、50年代風の軽快なアメリカンポップスに、「It Ain't Necessarily So」はどこかブルージー、と、アメリカ音楽の要素を様々に詰め込んでいます。

そして聴かせどころはむしろ後半に。個人的に気に入ったナンバーが、どこかビーチボーイズを彷彿とさせる「They Can't Take That Away from Me」。実にブライアンらしいカバー、と言えるでしょうか。また、「Love Is Here To Stay」もまた珠玉のポップス。じっくりと聴かせるメロディーは、昔のディズニー映画の主題歌の雰囲気を思い出しました。

1曲1曲が、実に魅力的な輝きを放つポップソングの連続で、いわゆる捨て曲はゼロ。だけど、「シングル向きの曲の連続」というアルバムに感じるようなクドさもありません。ジョージ・ガーシュインについてはその曲をちゃんと聴いたことないので偉そうなことは言えないのですが・・・2人の天才の魅力が、高い次元で融合した傑作アルバムになっていました。

評価:★★★★★

Brian Wilson 過去の作品
That Lucky Old Sun

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