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2010年10月

2010年10月31日 (日)

中毒性あるリズムにお腹いっぱい

Title:Cumbia! Bestial

クンビア・ベスティアル

ここ何年か、音楽雑誌などでよく見かけるジャンル「クンビア」。Wikipediaによると

南米コロンビアのカルタヘナ・デ・インディアス発祥のラテン音楽のひとつ。パーカッション主体の4分の2拍子が最大の特徴。

という音楽だそうです。特に、その中でも、打ち込みのサウンドを導入した「デジタル・クンビア」が、クラブシーンを中心に、大きな話題になっている、とか。

そんな中発売されたこのアルバムは、ドイツのDJ、Tio ChangoとDon Chicharronが、様々なデジタル・クンビアを集めてきたコンピレーションアルバム。以前から、気になっていたジャンルだったので、さっそく購入。聴いてみました。

 

正直言うと、最初はラテン風の癖の強いリズムに、ちょっとはまれない部分もありました。しかし、2度3度聴くうちに、徐々にその音楽の「癖」のとりこになってきました。ある種、非常に中毒性の強い音楽だと思います。

一言クンビア、といっても、そのラテンなリズムという共通点はあっても、1曲1曲、様々に異なったタイプの曲が並んでいます。レゲトン風のSekretoの「Gota」に、Benny Bazzの「Cumbia,Tabaco y Ran」はHIP HOP、Zuritaの「Liega Fauna」はミニマル風な楽曲ですし、他にもダブやらエレクトロやら、様々なジャンルにクンビアのリズムを融合させています。

もともと、クンビアというジャンルは南米の大衆音楽。そのため、どの曲もどこか泥臭く、変な気取ったところはありません。「楽しく踊れればそれでいいじゃん」というスタンスが感じられます。

そんなスタンスだからこそ、様々なジャンルを取り込み、様々なタイプのクンビアを産み出しているのでしょう。ある意味、そのスタンスは、日本の歌謡曲にも通じる部分も感じます。「庶民の声」といった雰囲気の、哀愁たっぷりのメロディーもどこか歌謡曲的ですしね。

それだけに、どこかとっつきにくくても、一度はまってしまうと、病み付きになってしまいそう。この独特のリズム、徐々に中毒患者を増やしていきそうなそんな予感も。クンビアというジャンルが気になる方にはうってつけのコンピレーションだと思います。

評価:★★★★★

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2010年10月30日 (土)

ギターノイズが魅力的

Title:EVERYTHING IN BETWEEN
Musician:No Age

エヴリシング・イン・ビトウィーン [ボーナストラック付き]

2008年にリリースされた2ndアルバム「Nouns」が、大きな評判となったアメリカのインディーロックバンド。「Nouns」は、各種音楽雑誌の年間ベストに軒並み選出された他、グラミー賞の「Best Recording Packaging」にノミネートされたとか。私も例に違わず「Nouns」で彼らの音にはじめて触れ、そしてはまってしまいました。

90年代のシューゲイザーサウンドからの影響を感じられるという点で、いわゆるニュー・ゲイザーと括りで紹介されることの多い彼ら。雑誌やネットのレビューなどでの紹介文をそのまま引用させていただくと、パンク、ハードコアの影響と、マイブラなどのシューゲイザー系からの影響を受けた音、といった感じでしょうか。

今回のアルバムでも、基本的には前作同様、基本となるのはノイジーなギターを主軸に据え、パンキッシュなサウンドにメロディーを乗せた、No Ageらしい楽曲たち。ローファイなサウンドは、いかにもインディーっぽさが感じられ、パンクやハードコアの影響を受けたサウンドも、歌詞の内容にも、どこか影を感じさせる鬱屈した雰囲気を感じます。

ただ、前作「Nouns」に比べると、激しく、より凶暴的だったギターサウンドはちょっと抑え目。普通のギターロックバンドといった雰囲気の曲もあって、No Ageとしての個性はちょっと薄くなってしまったかなぁ~とも、物足りなくも感じました。

その一方で、より幻想的な雰囲気のノイズを奏でる、サウンドを重視した楽曲が、本作には多く収録されていました。

バスドラのテンポよいリズムからはじまり、徐々に載っていくノイジーなギターの音が心地よい「Life Prowler」や空間の広がりを感じる音の世界が魅力的な「Skinned」なども素晴らしいですし、「Katerpillar」をはじめとするインストの曲も、聴けば聴くほど、その奥深い音の世界にはまっていってしまうようでした。

正直なところ、個人的には(はじめて聴いた、ということもあるでしょうが)前作「Nouns」ほどはまりませんでした。ただ、No Ageの次の一歩も感じさせるアルバム。これからの活躍も非常に楽しみになってくる作品でした。

評価:★★★★


ほかに聴いたアルバム

WIRE 09 COMPILATION

WIRE 09 COMPILATION

毎度おなじみ。日本最大級の国内レイヴイベントWIREのコンピレーションの、こちらは2009年度版。本作も、今風の音をたくみに取り入れながら、しっかりと個性を発揮している実力派テクノミュージシャンの曲を網羅的に楽しめます。個人的にはSchwefelgelbの「Stein auf Stein」やLen Fakiの「OdysseeII」が気に入りました。どちらもビートが強くロッキンなナンバーです。

評価:★★★★★

WIRE COMPILATION 過去の作品
WIRE 06 COMPILATION
WIRE 08 COMPILATION

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2010年10月29日 (金)

日韓アイドルで1、2&いまだに絶大な支持を誇るバンド

今週の着うたチャート

2010年10月20日~2010年10月26日付チャート

今週の着うたチャートは、日韓の女性アイドルグループが1位2位を並んで獲得しています。

Gee

1位は韓国の人気女性アイドルグループ少女時代「Gee」が獲得。シングルチャートでは惜しくも2位止まりでしたが、着うたチャートでは初となる1位獲得となりました。また、これに続く2位は、こちらは日本の人気女性アイドルグループAKB48「Beginner」。先週とかわらず2位をキープしています。

3位は先週1位だったThe ROOTLESS「One day」。2ランクダウンながらも、今週もベスト3をキープです。

続く4位、5位も初登場。4位にはHOME MADE家族「ぬくもり」が、5位には清水翔太「君が暮らす街」が、それぞれランクインです。

HOME MADE家族は、10月27日発売のシングルの先行配信。これからの寒い季節向けのバラードナンバーです。清水翔太は、今週のシングルチャートで12位と惜しくもベスト10入りはならなかったものの、着うたチャートでは見事ベスト10入り。ただ、一時期に比べると、着うたチャートでの人気も下落傾向に・・・。こちらもバラードナンバーです。

ベスト10以下からのランクアップ組としては・・・

8位にLady Gaga「Poker Face(LLG VS GLG ラジオ・ミックス)」が先週の94位から一気にランクアップしてきました。もともとは2008年にリリースされ、大ヒットを記録したのですが、Lady Gagaをイメージキャラクターとした「Android au with Google」のCMソングとしてこの曲が流れ、着うたチャートで一気にランクアップした模様です。

また、10位にはTEE「ベイビー・アイラブユー」が先週の14位から再ランクアップ。初登場の10位から、2週ぶりにベスト10に返り咲いています。


今週のアルバムチャート
http://www.oricon.co.jp/rank/ja/

今週は、あのバンドのベスト盤が2枚並んでランクインしています。

まず1位。関ジャニ∞「8UPPERS」が見事1位を獲得しています。初動売上は23万1千枚。前作、前々作と初動21万枚と横バイ状態だったのですが、ここに来て、若干ながら初動売上を伸ばしてきています。

2位は相変わらず強い。JUJU「Request」が今週も3万8千枚を売り上げ、先週に続き2週連続の2位をキープしています。

そして3位、4位には、話題のベスト盤がランクインしてきました。3位に「THE BEATLES 1967~1970」、4位に「THE BEATLES 1962~1966」がそれぞれランクインです。

ご存知、今なお絶大な人気を誇るTHE BEATLESのベストアルバム。それぞれ、ジャケットの色から「青盤」「赤盤」と呼ばれています。このたび、リマスターが行われて再リリース。大きな話題となっています。

THE BEATLESといえば、昨年9月にはオリジナルアルバムのリマスターが発売されて話題となりました。昨年のリマスターアルバムのボックス盤は初動売上が3万5千枚。一方、今回のベスト盤は、「青盤」が3万1千枚、「赤盤」が3万枚と、ボックス盤の初動売上は残念ながら下回ってしまいました。もっとも、ファン向けのボックス盤に比べて、こちらのアルバムは、ライトリスナー層にも支持を集めて、今後はロングヒットを記録しそう。

ただ、昨年に続いて、またしてもTHE BEATLESだのみの音楽シーンというのはちょっと微妙な感じが・・・。なんか、来年以降も手を変え品を変え、THE BEATLESだのみというのは続きそうな気もするなぁ・・・。

続く初登場は8位のGolden Circle of Friends「Golden Circle」。元JUN SKY WALKER(S)のベーシストで、ゆずのプロデューサーなどでも知られる寺岡呼人が以前から行っているイベント「Golden Circle」。彼の人脈の豊富さを物語る豪華なゲスト陣が話題なのですが、今回のアルバムは、その出演者が参加して新曲、カバー曲などを歌ったコンピレーションアルバム。ゆずや寺岡呼人自身はもちろんのこと、ミスチルの桜井や小田和正、松任谷由実、スキマスイッチに斉藤和義、泉谷しげるまで、ベテランから若手までズラリと並んだ超豪華なゲスト陣が目をひくアルバムになっています。

9位初登場がORANGE RANGE「orcd」。前作では初動売上3万枚まで落ち込んだのですが、本作ではさらにダウン。初動売上1万枚と、ベスト10ギリギリまで来てしまっています。3作前は初動で21万枚も売っていたのですが・・・ちょっとこの落ち込み方は異常な感じも。そろそろ下げ止まるか?

ベスト10最後、10位にはつるの剛士「つるばむ」がランクインしています。いままで、カバーアルバムはリリースしているものの、オリジナルとしては、初のソロアルバム。羞恥心としての活動にしても、タレントの余技というイメージが強いのですが、なにげにこのアルバム、スカパラや真島昌利、さらにはKANが参加してたりという、豪華な内容になっています。ただ、初動売上は、前作のカバーアルバム「つるのおと」の8万枚から、9千枚と、10分の1近くに急激にダウン。厳しい結果になっています。

今週の着うた&アルバムチャートは以上!ランキングはまた来週の水曜日に~。

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2010年10月28日 (木)

グルーヴィーなサウンドに哀愁のメロディー

Title:SURFING THE VOID
Musician:KLAXONS

Surfing the Void

前作「近未来の神話」が、大きな話題となり、日本でもヒットしたKLAXONS。あれから3年。待望のニューアルバムがリリースされました。

前作に比べると、ダンサナブルなリズムはそのままなのですが、よりサウンドは分厚く、グルーヴィーになったような印象。特に表題曲の「SURFING THE VOID」では、メロディーにあわせて自在に音を刻むドラムスと、ギターの絡みがとてもおもしろく、「EXTRA ASTRONOMICAL」での重厚感ある音も、非常に印象に残ります。

また、哀愁感のあるメロディーラインやギターサウンドは、日本人の琴線にも触れそう。前作は、日本でもオリコンチャート6位にランクインしたそうですが、彼らが日本でも人気があるのは、単純にイギリスでのヒットという実績や、一部音楽専門誌のプッシュというだけの理由ではなさそうです。

ただ・・・前作も、聴きおわった後、いまひとつはまりきれなかったのですが、本作も、後半になると、似たタイプの曲も多く、ちょっとだれちゃったかも・・・。とはいえ、前作から大きな一歩前進を感じる本作。次回作以降も楽しみです。

評価:★★★★

KLAXONS 過去の作品
近未来の神話


ほかに聴いたアルバム

THE BLUEPRINT 3/JAY-Z

Blueprint 3

今年のサマソニに出演して話題となったJAY-Zの作品。最新のサウンド・・・というよりは、ほどよく今の音を取り入れつつも、あまりに流行のみを追ったような作品にせず、また、いい意味でのポピュラリティーをあわせもった音を、すんなりと楽しめるような、そんな作品になっていました。

評価:★★★★

JAY-Z 過去の作品
AMERICAN GANGSTER

Celebration/MADONNA

セレブレイション~マドンナ・オールタイム・ベスト(2枚組)

マドンナのオールタイムベスト。時代に応じて、楽曲の作風は大きく変化しているにも関わらず、全体的に統一感があるのは、やはり彼女自身が強烈な個性を持っているので、どんな曲でも彼女が演じれば、マドンナの曲、になってしまうためでしょうか。

評価:★★★★★

MADONNA 過去の作品
Hard Candy

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2010年10月27日 (水)

初登場はアニソンがズラリ

今週のシングルチャート
http://www.oricon.co.jp/rank/js/w/

今週の初登場組はアニメ主題歌が並んでいます。まあ、最近のシングルチャートでは珍しくなくなっているのですが・・・。

ただ、そんな中で1位を獲得したのはNYC「よく遊びよく学べ」でした。典型的なアイドルソングといった感じで、ある種の懐かしさすら感じるナンバー。作詞作曲の羽場仁志は、正直、知らなかったのですが、藤谷美和子、大内義昭の大ヒット曲「愛が生まれた日」を作曲された方なのですね。なにげに、ヒットメイカーだったりします。なお、初動は9万2千枚。前作から横バイという結果になっています。

続く2位は、韓国の女性アイドルグループ少女時代「GEE」がランクイン。日本での2作目なのですが、初動売上は前作の4万5千枚から6万6千枚にアップしています。ちなみに、女性グループのベスト3入りは、イギリスのノーランズ以来2組目だそうです。

さて、3位以下の初登場は全てアニメタイアップ曲が並んでいます。

まず3位はフジテレビ系アニメ「ONE PIECE」オープニングテーマのThe ROOTLESS「One day」が入ってきました。先日の着うたチャートでも初登場1位を記録しましたが、シングルチャートでも見事ベスト3入りを果たしています。

5位にはTBS系アニメ「それでも町は廻っている」オープニングの坂本真綾「DOWN TOWN」がランクイン。山下達郎や大貫妙子がかつて在籍していたシュガー・ベイブの有名なナンバーのカバー。ちなみに両A面の2曲目は荒井由実の「やさしさに包まれたなら」、カップリングの3曲目はザ・フォーク・クルセイダーズの「悲しくてやりきれない」と70年代の名曲をカバーしています。初動1万6千枚は前作の1万3千枚から若干のアップです。

7位はTOKYO MX系アニメ「俺の妹がこんなに可愛いわけがない」オープニングテーマClariSのデビューシングル「irony」がランクインです。ClariSは、ネット動画サイト「ニコニコ動画」を中心に活動をしていた女子中学生ユニットだそうで、この曲も、同じく「ニコニコ動画」から話題となったlivetuneのkzが作詞作曲を手がけています。完全にネットコミュニティーに向けたユニットといった感じですね。

で、最後8位はテレビ東京系アニメ「おとめ妖怪ざくろ」オープニング、人気声優4人組ユニットスフィア「MOON SIGNAL」がランクインしています。最近ではちょっと珍しいユーロビートのナンバー。初動1万3千枚は、前作の1万2千枚からほぼ横バイです。

アニソンが4曲並んでいますが、J-POP王道のポップスロック、70年代ニューミュージックのカバー、アイドルユニット、声優ユニットと、4種4様なのがちょっとおもしろいですね。

初登場はもう1曲。ザ・クロマニヨンズ「オートバイと皮ジャンパーとカレー」が9位にランクインしています。ユニークなタイトルが彼ららしいですね。初動の1万3千枚は、前作の1万2千枚からほぼ横バイです。

また、今週10位には氷川きよし「虹色のバイヨン」が先週の21位からランクアップし、再度のベスト10入り。また、コンサートの物販効果のようです。

今週のシングルチャートは以上。アルバム&着うたチャートは金曜日に~。

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2010年10月26日 (火)

今でも古さを感じません。

Title:Do-Re-Mimo~the singles collection~
Musician:遊佐未森

Do-Re-Mimo the singles collection

遊佐未森、というと、私がちょうど高校生の頃、一部で熱烈な支持を得ていたミュージシャンでした。

私の高校時代の友人に、遊佐未森のファンがいて、一度、彼女のアルバムを借りて聴いたことがあります。(確か、ベストアルバムの「桃と耳」だったと記憶しています)彼女の幻想的な楽曲は、その頃、私がよく聴いていた、いわゆる「ヒット曲」の雰囲気とは大きく異なり、とても強く印象に残ったことを今でも覚えています。

でも、残念ながら、その時は、それ以上ははまらなかったのですが・・・(^^;;

エピックソニー時代のシングル曲を網羅した今回のベストアルバム。私が高校時代に聴いた曲も、もちろん含まれています。

ただ、今となって彼女の曲を聴くと、もちろん浮遊感や幻想的な雰囲気は強烈な個性を放っているものの、高校時代に感じたよりも、バンドサウンドがしっかりと鳴っていたのがちょっと意外に感じました。特に、「瞳水晶」「窓を開けた時」など、ギターが前面に出ていて、後々の彼女のイメージとはちょっと違うものを感じました。

しかし、今回、ほぼ発売順に並んだシングル集で彼女の活動の軌跡を追ってみると、デビュー当初は少々ぼやけた部分があった彼女の目指すべき方向性が、徐々にクリアになってくる点が、よくわかります。

「暮れてゆく空は」のあたりから、目立っていたギターサウンドが後ろに下がり、幻想的な雰囲気がより強調され、Disc 2のあたりからは、ケルト民謡や西洋民謡といったトラディッショナルからの影響を強く感じる曲も増えてきています。彼女が、徐々に自分の個性を磨き上げているのが、アルバムを通じて、非常によく伝わってきました。

また、その個性ゆえでしょうか、その楽曲はいまなお新鮮。若干80年代や90年代の時代性を感じさせる曲もあるのですが、今聴いても、あまり古さを感じさせません。いまなお彼女の魅力を強烈に感じさせてくれます。

今、もっと再評価されてもいいのでは?と感じる女性ミュージシャンです。遊佐未森というミュージシャンを知るためには最適なベスト盤だったと思います。

評価:★★★★★

遊佐未森 過去の作品
銀河手帖


ほかに聴いたアルバム

thank you for the music!/ロケットマン

thank you for the music !

お笑い芸人ふかわりょうの、ミュージシャンとしての名義であるロケットマンの、初となるベストアルバム。テンポがよくメロディアスなハウスミュージックは、目新しさという点ではインパクト薄かもしれませんが、サウンドがリスナーの壺を見事についていて、素直に心地よさを感じさせます。

評価:★★★★

マリアンヌの休日/キノコホテル

マリアンヌの休日

人気急上昇中のキノコホテルのミニアルバム。今回は、昭和のカルト歌謡曲をカバーしたカバーアルバム。知る人ぞ知る的な曲を並べており、彼女たちらしいガレージサウンドにアレンジにてカバーしているだけに、ほとんどキノコホテルのオリジナルみたいな感覚で聴けます。カルト歌謡曲のカバーだけに癖が強く好き嫌いはあるかもしれませんが、彼女たちが、本当に昭和の歌謡曲(それもB級の)の魅力を忠実に受け継いでいるんだなぁ、ということを実感できる企画盤でした。

評価:★★★★

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2010年10月25日 (月)

話題のカバーアルバム

今日、取り上げるのは、最近発売された話題のカバーアルバム2作品。ただ、その方向性は全く異なりますが・・・。

Title:ALL COVERS BEST
Musician:コブクロ

まずはコブクロのカバーアルバム。CMで話題となったDEREK&THE DOMINOSの「Layla」も収録されています。

選曲は、いわば非ロケノン系のポップス好きが選びました、といった感じかな。昔放送されていたNack5の「JAPANESE DREAMS」あたりを愛聴してそうな(笑)。以前からファンを公言していた渡辺美里の「Lovin' You」のカバーもうれしいし、槇原敬之のカバーに「ANSWER」を選択するあたりもなかなか。小谷美紗子の「こんな風にして終わるもの」やコブラツイスターズの「運命船サラバ号出発」といった選曲に、おそらく手広くポップソングを愛聴しているんだろうなぁ、という彼らの趣味も垣間見れます。

ラテン調の「奇跡の地球」や、レゲエ風の「DESPERADO」などのアレンジを加えた曲もあるのですが、全体的には原曲のイメージを受け継いだ、素直なカバーがほとんど。新しい発見、みたいなものには出会えませんでしたが、ストリートで鍛えた腕前だけあって、卒なくカバーをこなしている感じがして、原曲の良さもしっかりと感じることが出来ました。

ただ、一方で、リズムが必要とされる曲に関しては、ちょっと厳しい感じがしました。特に洋楽のカバーに関しては顕著で、「THE ONLY THING THAT LOOKS GOOD ON ME IS YOU」など、リズムに乗れていなくて、ちょっと厳しいカバーになっていたり・・・。どちらかというと、ゆっくりのテンポで、歌詞を聴かせるような曲のカバーの方がよかったなぁ。

ちょっと懐かしい曲のカバーなどもあったり、同世代ということで、高校生あたりで聴いていたであろう曲をカバーしてくれたり、そういう意味合いもあって、全体的には楽しめるカバーアルバムになっていました。また、ある程度たったら、第2弾も是非。

評価:★★★★

コブクロ 過去の作品
5296
CALLING

Title:Wildflower&Cover Songs:Complete Best 'TRACK3'
Musician:Superfly

Wildflower & Cover Songs;Complete Best 'TRACK 3'(通常盤)

で、こちらは変わって洋楽メインのカバーアルバム。ただ、正確にはシングル「Wildflower」に、Disc2として洋楽のカバーをまとめたCDがついてくる形だそうです・・・ややこしい・・・。

シングルの方に収録された4曲は、サッカーワールドカップのNHKテーマソング「タマシイレボリューション」など、おなじみの曲も。4曲とも、Superflyらしい、洋楽テイストを色濃く残しながらも、どこかJ-POP的なメロディーが耳なじみやすい曲になっています。どの曲もインパクト十分で、今の彼女の勢いを感じさせてくれました。

一方、洋楽カバーの方は、Humble PieやらFreeやらFleetwood Macやら、ストーンズのカバーにしても、ありがちな「(I Can't Get No)Satisfaction」あたりではなくて、「Honky Tonk Woman」「Bitch」と、まだ20代の彼女にしては、かなり渋い選曲が目立ちます。

ボーカルに関しては、リズム感が抜群なだけに、聴いていて全く違和感ないし、それを支えるバンドサウンドも、しっかりとしたサウンドを奏でています。

一方このカバーで気になったのは、特に前半に関しては、自慢のボーカルを張り上げるだけで、表現力がちょっと乏しいカバーが目立ったような印象を受けました。ただし、後半に関しては、抑揚のつけたボーカルで表現力豊かなボーカルを聴かせてくれます。カバーの収録に関しては、新録をのぞいて収録曲順。そういう意味では、このカバーを通じて、Superfly越智志帆のボーカリストとしての成長を感じることが出来ました。

そういう意味では、このカバーアルバムの第2弾、第3弾が楽しみという感じもします。コブクロ同様、こちらもこれからコンスタントにカバーを聴いてみたいミュージシャンでしょう。

評価:★★★★

Superfly 過去の作品
Superfly
Box Emotions

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2010年10月24日 (日)

再構築された音の世界

Title:SEVEN IDIOTS
Musician:world's end girlfriend

SEVEN IDIOTS

world's end girlfriendの新作は、とてもユニークな方法で楽曲を作成したそうです。

いわく、最初にAメロ/Bメロ/サビという一般的な形式で唄モノの楽曲を作曲し、その後、ボーカルパートを完全に消去。残ったトラックに破壊と構築を繰り返して作成されたそうです。

よくアバンギャルドちっくな作品を指して「実験的な作風」という言い方をしますが、まさに文字通り、実験的な手法で作られたという、とてもユニークなアルバムになっています。

ただ、リスナーにとってみては、その手法ではなく、結果の「音」が全て。そういう意味では、リスナーにとっては、まずはその音の世界に入り込みたいところでしょう。

まずは最初、前半を聴き進めるうちに感じたのは、いつもの作品に比べて、ある意味「ポピュラーミュージック」の枠組みに準拠したようなポップな作品が多かったな、ということを感じました。

もちろん、そこにちりばめられている音やリズムには、非常に作りこまれており、彼らしい一種の狂気を感じます。ただ、ギターサウンドやポップなメロディーが、一種のキャッチーさを感じる作品が多かったような印象を受けました。

一方、後半に進むにつれ、楽曲の破壊がさらに進んだように感じる曲が並んでいました。いわば、world's end girlfreindの世界を一歩一歩奥に進んでいっているようなそんな感じといったらいいでしょうか。

折り重なった音の世界は、いわば木々が折り重なる深い森のよう。どこか神秘的な雰囲気すら感じられる彼が構築した音を聴いていると、そんな深い森に迷い込んだような印象すら覚えます。

world's end girlfriendといえば、幻想的なメロディーと音の世界を繰り広げながらも、どこか狂気を秘めたようなサウンドが特徴的。そういう観点からすると、特に前半に関しては、正直ちょっと物足りなさも感じられたもの事実です。

ただ、後半に関して、パッと聴いた感じではいつもの彼の音の世界とは大きく異なるような印象を受けました。しかし、じっくり聴きこむにつれ、その音の根本に流れているものは、いい意味でいつものworld's end girlfriendなんだな、ということに気が付かされた1枚でした。

評価:★★★★

world's end girlfriend 過去の作品
空気人形オリジナルサウンドトラック
Xmas Song


ほかに聴いたアルバム

We Love Telephones!!!/the telephones

We Love Telephones!!!

そのディスコテックなサウンドとポップなメロディーは、ライブなんかでは文句なしに楽しいんだろうなぁ~ということは強く感じます。ただ、甲高いボーカルは、ディスコチューンにはピッタリながらも少々好き嫌いがわかれそう。また、全体的には似たタイプの曲も多く、CDで聴くと、少々最後はダレてしまうかも・・・。

評価:★★★

the telephones 過去の作品
DANCE FLOOR MONSTER
A.B.C.D.e.p.
Oh My Telephones!!! e.p.

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2010年10月23日 (土)

様々なミュージシャンとのコラボ

Title:WE ARE ONE
Musician:TRICERATOPS

WE ARE ONE

今回のトライセラのニューアルバム。まず聴いて感じたのは、安定感が出てきたなぁ、ということでした。

以前のトライセラは、神がかり的な美メロを書いてくる反面、ちょっといまひとつ・・・と思うような曲もアルバムの中に何曲かありました。ただ、今回のアルバムに関しては、ほぼ全曲、聴いていて腑に落ちるというか、壺をついたメロディーラインが魅力的なナンバーに仕上がっていたと思います。

また、今回のアルバムで感じたのは、全体的にポップな作風が多いなぁ、ということでした。

ギターリフ主導のトライセラらしいロックンロールナンバーの「あのねBaby」「ZOMBIES」みたいな曲があった反面、「Neo Neo Mods」「Happy Saddy Moutain」のようなポップなメロディーが、まず耳に残るようなナンバーが多かったような印象を受けました。

また、前作「MADE IN JAPAN」では、原点回帰ともいうべきナンバーが多く、avex移籍第1弾という意気込みを感じられましたが、今回は逆に、新たな挑戦をするかのような、新しいタイプの曲も目立ったような感があります。

タイトル曲の「WE ARE ONE」は歌謡曲風の哀愁の感じるメロディーが特徴的ですし、「GIRLS」もモータウン風の軽快なリズムが耳に残ります。

そんな中でもこのアルバムでやはり一番注目なのは、様々なミュージシャンとのコラボを行っている点でしょう。「爆音Time」では藤井フミヤと、「Startin' Lovin'」では女性ボーカリストMay Jとのデゥオに、そして「CanとCan'tのパスポート」では、9mm Parabellum Bulletの菅原卓郎とコラボを行っています。

こういう様々なミュージシャンとのコラボも、トライセラとしての曲の幅を広げる新たな挑戦の一環でしょうか?特に印象的だったのは、菅原卓郎とのコラボ「CanとCan'tのパスポート」。9mm Parabellum Bulletらしいメタル風のヘビーなギターと、トライセラらしいポップなメロディーが、ほどよく融合し、お互いの個性がよく生かされている名曲に仕上がっていたと思います。

そんな新たな一歩を感じるトライセラの新作なのですが・・・正直言って、全体的な出来としてはさほどピンと来ませんでした・・・。

おそらく、一番の理由はメロディーライン。確かに、安定感があってよく出来たメロディーで、かつバラエティーにも富んでいるのですが、以前のようなインパクトがちょっと薄かったような感じが。安定感がある一方、無難にまとめている感もあり、物足りなさを感じました。

今回の様々なミュージシャンとのコラボが、これからの彼らにどのような影響を与えるのか、楽しみである反面、全体的には以前のような勢いがちょっと感じられないのが気にかかる点もあるアルバムでした。もちろん、トライセラらしいポップで楽しいロックンロールという路線はそのままなのですが・・・。

評価:★★★★

TRICERATOPS 過去の作品
SHAKE YOUR HIP!!!
MADE IN LOVE

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2010年10月22日 (金)

新人バンドがいきなりの1位

今週の着うたチャート

2010年10月13日~2010年10月19日付チャート

今週の着うたチャートは、新人ロックバンドがいきなりの1位獲得です。

One day(ジャケットB)

今週の1位は、The ROOTLESS「One Day」。これがデビューシングルとなる4人組ロックバンド。10月20日に発売されたシングルの先行配信で、フジテレビ系アニメ「ONE PIECE」主題歌に抜擢され、着うたチャートではいきなりの1位獲得です。曲調は、ハードロック調の、一昔前のJ-POP風といった感じ。バンド名といい、アニメタイアップでいきなりのヒットという売れ方といい、一瞬、ビーイング系かと思いましたが、EXILEの所属事務所LDH所属のミュージシャンらしいです。なお、3位にはそのEXILE「もっと強く」がワンランクダウンでランクイン。8位に「I Wish For You」もランクインしています。

続く2位にはAKB48「Beginner」がランクイン。10月27日発売予定のシングルの先行配信。ちなみに、前作「ヘビーローテーション」も今週9位にランクインしています。

5位にはLGMonkees「Life feat.Noa」がランクインです。前作では「Greateful Days」のカバーで話題となりましたが、今回は10月27日リリース予定のニューアルバムからの先行配信です。

ベスト10初登場は以上。他に今週、KARA「ミスター」が先週の24位から一気に7位にランクアップし、再度ベスト10入りしてきました。15日に出演したミュージックステーションの影響でしょうか?


今週のアルバムチャート
http://www.oricon.co.jp/rank/ja/

今週1位は、久々の新譜となったあのバンドです。

GLAY

1位は、GLAYの約3年9ヶ月ぶりのニューアルバム「GLAY」。自主レーベルを立ち上げて初となるアルバムで、セルフタイトルという点に彼らの意気込みを感じます。ただ、初動売上はわずか9万4千枚。前作「LOVE IS BEAUTIFUL」の初動15万枚を大きく下回ってしまう結果となりました。

続く2位はJUJU「Request」。今週も7万3千枚を売り上げ、ワンランクダウンに留まりました。本格的にロングヒットの兆しが。

以下、3位から6位は初登場が並びました。

3位は倖田來未「ETERNITY~Love&Songs~」。彼女初となるカバーアルバムです。中森明菜の「TATOO」や松田聖子の「SWEET MEMORIES」など、なじみのあるヒット曲をカバーしています。

4位はAKB48の別働ユニット渡り廊下走り隊のデビューアルバム「廊下は走るな!」。初動3万2千枚。シングルとしての前作「ギュッ」が初動3万8千枚だったので、シングルを買ったファンがほぼアルバムも買ったというカタチでしょうか?

5位は中島みゆき「真夜中の動物園」がランクイン。初動2万枚は前作からほぼ横バイ。ただ、前々作は初動3万3千枚を売っていたので、ちょっと気になる動向です。

そして6位にはBUCK-TICK「RAZZLE DAZZLE」が入ってきました。こちらは前作の初動2万3千枚から若干ダウンの初動2万枚。こちらは根強い人気を感じます。

ベスト10初登場は以上。他には、「僕の見ている風景」が、先週の12位からランクアップし8位に。再度ベスト10入りしてきています。

今週の着うた&アルバムチャートは以上。また来週の水曜日に~。

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2010年10月21日 (木)

その曲を一度は聴いたことあるかも

Title:SYOKO SUZUKI Song Book Vol.1"1989-2009"
Musician:鈴木祥子

SYOKO SUZUKI Song Book I 鈴木祥子作品集 Vol.1 (1989-2009)

鈴木祥子という名前をはじめて知ったのは、私がまだ高校生の頃でした。当時、よく聴いていた女性シンガーの曲の作曲者に、その名前を見かけたのが最初でした。

正直言うと、その時は、彼女の曲はそんなに好きにはなれませんでした。彼女の曲は、決してフックの利いたサビとかはなく、全体的に地味でおとなしめ。そんな彼女の曲は、高校生の自分の耳には、あわなかったのです。

80年代から数多くのミュージシャンへの楽曲提供を手がけている彼女。そんな彼女の、他のミュージシャンへ提供した曲をまとめたアルバムが、このたびリリースされました。

ちょっと懐かしい曲なども収録されているのですが、正直言って、今聴いても、彼女の曲は決して派手なものではありません(笑)。ただ、しっかりと作りこまれたメロディーラインは、とても暖かく、そしてしっかりとリスナーの心にひっかかる力を持っています。

クオリティーの高いポップソングを作る一方で、作曲家としての自己主張というか、変な癖みたいなものが薄いなぁ、とも感じました。だからこそ、シンガーに楽曲を解釈する余地があるからこそ、作曲家として引っ張りだこで、様々な曲を提供しているのでしょう。(逆に、それがゆえに、鈴木祥子としての大きなヒットはないのかも・・・・・・。)

小泉今日子に提供し大ヒットした「優しい雨」も収録されています。その他は、大ヒット曲というのはないのですが、どこかで耳を通したことのある曲が1曲くらいはある、かも。

個人的には、今回収録された曲で気に入ったのは、60年代ギターポップ風味満載のPUFFYに提供した「きれいな涙が足らないよ」や、坂本真綾のクリアボイスが印象的な「風待ちジェット」あたりでしょうか。特に坂本真綾との相性の良さをあらためて感じました。

ただ、そんな中で一番印象に残ったのは、アルバムの最後に収録されていた川村カオリ「LIFE」。昨年7月に38歳の若さで亡くなった彼女のラストアルバムの最後におさめられた曲。癌で闘病中の彼女が、明日への希望をたくして歌った歌詞とボーカルに、心が締め付けられます。

20年以上の彼女のキャリアを総括するような作品。鈴木祥子の魅力をあらためて再確認できる作品でした。

評価:★★★★★


ほかに聴いたアルバム

SEX CITY~セックスしたい/銀杏BOYZと壊れたバイブレーターズ

SEX CITY 〜セックスしたい〜

銀杏BOYZ名義のアルバムでは、5年ぶり(!)となる作品は、銀杏BOYZの峯田が主役を演じた映画「ボーイズ・オン・ザ・ラン」の監督をつとめた三浦大輔主宰の劇団「ポツドール」による舞台「裏切りの街」のサントラ。そのため、事実上、新曲は先行シングルの「ピンクローター」のみ・・・。

その「ピンクローター」も、決して傑作とは言えず、他の曲も劇中歌であるため、銀杏BOYZの新譜として捉えると、かなり厳しい内容。劇中歌も、正直、劇を見た上で聴かないと、このアルバムだけでは、さほど心に残るようなものはなく。銀杏BOYZ、アルバムをリリースした後は、年に1枚ペースでシングルを出すだけですっかり活動が停滞気味なのですが、どうなるのかなぁ・・・ちょっとこれからの活動にも不安を感じたアルバムでした。

評価:★★

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2010年10月20日 (水)

上位勢強し

今週のシングルチャート
http://www.oricon.co.jp/rank/js/w/

今週は10曲中7曲が新譜。ただし、先週の1位2位はベスト3をキープし、強さを見せつけています。

宇宙飛行士への手紙 / モーターサイクル

しかし、そんな中で1位を獲得したのはBUMP OF CHICKEN「宇宙飛行士への手紙」でした。彼ららしい暖かさの感じられるポップソング。これで3作連続の1位だそうです。ただし、初動売上は9万3千枚と前作の10万4千枚からダウン。連続1位とはいえ、ちょっと厳しい結果になっています。

そして2位3位には先週の1位2位の曲が。2位には先週1位の嵐「Dear Snow」が、3位にはEXILE「I Wish For You」がそれぞれランクインしています。これだけ新譜ラッシュの中、上位をキープしている点、強さを感じます。まだまだロングヒットを続けそう・・・。

以下、4位以下は初登場が並んでいます。

まずはアニメタイアップ曲。4位にアニメ「とある科学の超電磁砲」オープニングテーマ、fripSide「future gazer」が、TBS系アニメ「STAR DRIVER 輝きのタクト」オープニングテーマAqua Timez「GRAVITY 0」が、それぞれランクインしています。ただし、初動売上がfripSideは前作の3万1千枚から1万7千枚と大幅減。Aqua Timezは1万3千枚と変わらず。タイアップ効果はどちらもあまりなかった模様です。

一方アニソンがもう1曲。10位初登場テレビ東京系アニメ「極上!!めちゃモテ委員長」のテーマ曲、北神未海with MM学園 合唱部「おしゃれマイドリーム」は前作の初動売上5千枚から7千枚にアップ。初のベスト10ヒットを記録しています。

6位7位は男臭い(笑)ボーカリストが並んでいます。曲のタイプは全然違うけど・・・(^^;;

6位は長渕剛「絆-KUZUNA-」。シルヴェスター・スタローン監督による映画「エクスペンダブルズ」の日本版主題歌。ある意味、タイアップにピッタリあった感じですね(笑)。ロックテイストの強い作風になっています。

7位には平井堅「SING FOREVER」がランクイン。アカペラのポップソングで、かなり優しい雰囲気の曲は、長渕剛とある意味対極的(笑)。ただ初動売上は3万枚から大幅ダウンの1万2千枚。相変わらずタイアップによる変動が大きいですね。これだけヒットを飛ばしながら、固定ファンがなかなかつかないミュージシャンも珍しいかも・・・。

初登場はあと1曲。8位にGIRL NEXT DOOR「Ready to be a lady」がランクインしています。初動売上9千枚は前作と変わらずで、ほぼ下げ止まった感じです。

今週のシングルチャートは以上。着うた&アルバムチャートは金曜日に~。

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2010年10月19日 (火)

くるりのたどり着いた場所

Title:言葉にならない、笑顔を見せてくれよ
Musician:くるり

くるりはアルバム毎に、様々な作風の曲に挑戦してきました。

「TEAM ROCK」「THE WORLD IS MINE」ではエレクトロ方面へ、「ワルツを踊れ」では管弦楽へ、いろいろと向けられるくるり岸田の音楽的な興味のベクトルに、ファンである私たちは毎回、どんなアルバムがリリースされるのかワクワクしながら待っていました。

そして今回リリースされた新譜。タイトル自体、以前、彼らが主催する「京都音楽博覧会」にも招待された小田和正の曲を思い出すような、シンプルで詩的なもの。ただ、アルバムのタイトルにもってくる点に、ユニークなものを感じます。

このアルバムを聴いて感じるのは、これがひとつのくるりの到達点なのかなぁ、という点でした。

ギター主軸のバンドサウンドは基本的にシンプル。今回のアルバムでは、あくまでもポップソングとして、メロディーと歌詞を聴かせる作品になっているように感じました。

様々な作風の曲に挑戦しながら、結果としてたどり着いたのひとつの到達点は、シンプルな答えだった・・・安定感のあるバンドサウンドにしても彼のボーカルにしても、必要以上の装飾はありません。

そしてそのメロディーにしても歌詞にしても、基本的にはとてもシンプル。よくありがちなヒット曲みたいな目立つサビもなければ、これ見よがしにインパクトのある歌詞もありません。それでも、美メロに、どこか心にひっかかるような歌詞の連続。こういう決して派手ではないけれども、しっかりと耳にひっかかってくる曲を書いてくるのは、くるり岸田の才能なんだろうなぁ、と思いました。

もっとも、アルバム全体、最初から最後までシンプルなメロディーのポップソングが続く・・・という単純な内容ではもちろんありません。ファンキーなリズムが印象的な「コンバット・ダンス」に、「石、転がっといたらええやん」はロックンロールチューン。そして先日発売されたB面ベスト「僕の住んでいた街」に収録されていた「東京レレレのレ」では、日本の民謡風の作風に挑戦と、次の一歩を垣間見るかのような曲も収録されています。

また、曲名も「目玉のおやじ」「温泉」など、シンプルだけどどこかユーモアを感じさせる曲が多いのが特徴的。ただ、その中で、「さよならアメリカ」は、彼らにしては珍しい社会派な歌詞が耳をひきます。

到達点、とはいっても、おそらくここで立ち止まることはないかと思われる彼ら。それだけに、このアルバムから、次にどんな楽曲を産み出してくれるのかも、とても楽しみになってきます。でも、とりあえず今は、このアルバムに収録された名曲の数々を楽しみたいところ。相変わらずの傑作アルバムでした。

評価:★★★★★

くるり 過去の作品
Philharmonic or die
魂のゆくえ
僕の住んでいた街

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2010年10月18日 (月)

たのしそうな2人

Title:あなたと歌おう
Musician:やもり

あなたと歌おう

矢野顕子が、森山良子とユニットを組む・・・と聴いて、正直、最初はちょっと意外な印象を受けました。個人的に森山良子といえば、フォークシンガー。それもどちらかというと優等生的なイメージが強い、個人的には教科書に出てきたような曲を歌っている、というイメージを強く持っていました。

もっとも、矢野顕子と森山良子は以前からお互いに楽曲提供したり、コンサートにゲストで参加したり、と交流が深いミュージシャン同士だったそうで、そういう意味では、このユニットは自然の成り行きだったのでしょうか。

そして、出来上がったアルバムは、そんな長く交流のあった2人の仲の良さが、とてもよく出ている自然体のアルバムになっていたと思います。

特に矢野顕子は、ここ最近、くるりやレイ・ハラカミのように、若手ミュージシャンと組むことが多いのですが、今回の相手はほぼ同年代(といっても、森山良子の方が7つ年上のようですが・・・)の同姓の相手、ということもあり、いつも以上に純粋に歌を歌うことを楽しんでいるように感じました。

楽曲は、公式サイトにも「大人のフォークソング」といううたい文句があるように、フォークソングの色合いが濃い曲が多く、そういう意味では、彼女たちと同年代の大人のリスナー層も楽しめるような内容になっています。

その一方で、矢野顕子が楽曲を提供した、彼女らしいちょっとジャジーな雰囲気の入った独特のポップソングもとても魅力的。「恋愛宣言」「温泉に行こう」など、身近な出来事を題材にした、肩から力の抜けたようなポップソングは、気の知れた友達と一緒だからこそ歌えるポップソングなのでは?

その他にも多くのカバー曲も収録されているのですが、特にユニークだったのは吉田拓郎の「旅の宿」のカバー。ジャジーな雰囲気にリアレンジされており、元曲のイメージとは異なるものの、楽曲に新たな魅力を与えています。

そんな肩の力の抜けたポップソングが並んでいたかと思えば「死んだ男の残したものは」のような、情熱的なボーカルを聴かせる力強い曲がポッと出てくるのも大きな魅力かも。この曲、なんとなく森山良子の息子の森山直太朗が歌っていても不思議ではないような(笑)。

楽しそうにポップソングを歌う2人がとても魅力的。タイトル通り、一緒に歌を歌いたくなってくるようなとても素敵なポップアルバムでした。

評価:★★★★★


ほかに聴いたアルバム

GOOD TIMES/RIP SLYME

GOOD TIMES(通常盤)

RIP SLYMEの楽曲を発売順に並べたベストアルバム。デビュー当初から今に至るまで、ポップで楽しいパーティーチューンを中心に、本当に魅力的な曲揃いで最後まで飽きさせません。彼らの実力を再認識できるベスト盤です。

・・・と内容的には申し分ないのですが、どうもここ最近の彼ら、やはりデビュー当初ほどの刺激を曲から感じられなくなっているのも事実で、ベスト盤を聴いても、初期の曲の印象がどうしても強くなってしまいます。1曲1曲を取れば、最近の曲も、決してデビュー当初の曲に負けていない出来だとは思います。実際、ここ最近のオリジナルアルバムも文句なしの傑作続きでした。ただ、やはり最初に聴いたインパクトが強いんだよなぁ。売上的にも最近、さほど大きなヒットを出していないのも気になるところ。また、以前のような、文句なしのキラーチューンを聴きたいところなのですが・・・。

評価:★★★★★

RIP SLYME 過去の作品
FUNFAIR
JOURNEY

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2010年10月17日 (日)

底抜けに楽しいポップアルバム

Title:VIVAP
Musician:堂島孝平

VIVAP

堂島孝平の約2年ぶりとなるニューアルバムは、とにかく楽しいポップアルバムになっています。

イントロの「VIVAP愛のテーマ」こそジャジーな雰囲気になっていて、その後の「6AM」も、ジャジーな雰囲気のサックスを取り入れてきたり、「TOKYO WALKIES」もビックバンド風だったりと、ジャズの雰囲気を取り込みつつも、あくまでも明るいポップソングにまとめている点が彼らしいところ。

その後の「狼-OOKAMI-」「スロウダンス」は、山下達郎や大滝詠一からの影響を感じるシティポップナンバー。ここらへんは、いかにも堂島孝平らしいポップチューンが続きます。

中盤から後半にかけても、バラードナンバーの「Edelweiss」や、哀愁ただようメロディーが魅力な「光のロンド-Ronde For Lights-」などをはさみつつも、終始、彼らしい、底抜けに明るいポップソングが並んでいます。

ホーンセッションを積極的に取り込んだ、純粋に楽しいポップアルバムというのが大きな特徴。NONA REEVESの小松シゲルやスカパラの沖祐市に北原雅彦、さらにはオレスカバンドなど、若手からベテランまで、豪華なミュージシャンが多数参加しているのも話題になっています。

ただ・・・ちょっと残念だったのは、後半、ちょっと飽きてきちゃったかも・・・。メロディーはポップで楽しいのは間違いないのですが、ちょっとヒネリがないというか、素直すぎる点が、聴いてきて飽きてしまう点の大きな理由なのかなぁ・・・なんて思ったりもしました。

1曲1曲取り出せば、いい曲が並んでいると思うのですが、ちょっと惜しい感もするアルバムでした。

評価:★★★★

堂島孝平 過去の作品
UNIRVANA


ほかに聴いたアルバム

Anesthesia/ART-SCHOOL

Anesthesia

ノイジーなギターサウンドは初期ART-SCHOOLを彷彿とさせ、加えて打ち込みのリズムがとても心地よいインパクトとなっています。前作「14 SOULS」は「いつも通り」がマンネリさを感じたのですが、こちらは同じくART-SCHOOLらしい作品ながらも、きちんと「らしさ」を追及した結果、彼ららしい世界観も含めて、魅力的な作品に仕上がっていたように感じました。

評価:★★★★★

ART-SCHOOL 過去の作品
Ghosts&Angels
ILLMATIC BABY

14 SOULS

DiggyismII/Diggy-MO'

Diggyism II

HIP HOPというよりも、ポップという大きな枠組みを感じるアルバム。ラップはもちろん、ファンクやR&B、アメリカンポップなど、様々なジャンルを薄く広く取り込んだ手法は、彼自身大きく影響を受けた歌謡曲的手法といえるかも。次々と曲が展開していき聴いていて飽きさせない一方で、あまりに音が詰め込みすぎていて、最後まで聴いていて正直ちょっと疲れました・・・。

評価:★★★

Diggy-MO' 過去の作品
Diggyism

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2010年10月16日 (土)

ハイテンションのビートに興奮!

スタッフ・ベンダ・ビリリ ジャパンツアー2010

会場:長久手町文化の家 森のホール 日時:2010年10月9日(土)15:00~

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昨日、アルバムを紹介したスタッフ・ベンダ・ビリリ。先日、そのライブに行ってきました!会場は、長久手町文化の家 森のホール。当日は、かなりの土砂降りの中、会場までたどり着きました。

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会場には、彼らがコンゴでつかっていた車椅子「ビリリ号」も展示されていました。また、ペットボトルのふたをつかったアートもほどこされており、コンゴの国旗も描かれていました。

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また、会場には、こんな看板も飾られていました。

会場は、町の教育委員会主催のイベントだからでしょうか。家族連れや、年配の方も多く、普段のライブとはちょっと違った雰囲気。また、彼らのイベントらしく、アリーナ席の中央には、車椅子席も設けられており、車椅子に乗った多くのファンの方も、開場を心待ちにしていました。

開演の時間を2、3分過ぎると、映画「ベンダ・ビリリ!~もう一つのキンシャサの奇跡」の予告編が流れ、その後、ついにメンバーが登場。正直、全椅子席ということもあり、最初はちょっと静かな雰囲気でのスタートでした。

ライブでは、後ろのスクリーンに曲名と、大まかな歌詞の内容が映写されて、何の歌を歌っているのかがわかるようになっていました。この配慮はちょっとうれしかったかも。

そして、肝心の彼らのステージなのですが・・・素晴らしかったです!!まず、CDで聴くよりも、圧倒的に音が分厚い。CDは野外録音なので仕方ないのかもしれませんが、バンドサウンドのグルーヴが、CDと比べて、より迫力あるものになっていました。

ベースのカバリエやドラムスのモンタナの奏でるリズムは、よりファンキーになっていましたし、何よりもロジェの奏でるサトンゲの音色が、驚くほど進化していました。というか、あの空き缶をつかった一弦ギターがアンプとつながって、さながら単純なエレキギターみたいになっていたのはちょっとビックリ。音色もより厚くなり、よりテクニカルになったプレイには、聴いていて惹き込まれてしまいました。

CDだと、ダンサナブルというよりも聴かせる曲も多かったのですが、ライブでは、ほとんどの曲が、どこかで踊れるようなリズムが紛れ込んでいて、終始ハイテンションのステージ。全席椅子席で、最初、会場の雰囲気的に、全員座ってみていたのですが、椅子に座りながらも身体が無意識のうちに激しく踊りだしてしまいます。

ステージ上でもメンバーそれぞれが、曲の途中で勝手気ままに踊りだしてリズムを取り出していて、とても自由で、メンバーそれぞれが本当に音楽を楽しんでいるんだなぁ、と感じました。

ふと気が付いて周りを見ると、椅子席の横や後ろの通路など、いつのまにかファンが立って踊りだしていました。会場の空気として、どんどんとテンションがあがってくるのがわかりました。

終盤はゲストに愛知県出身ということで、奥村恵子さんが登場し、一緒に会場を盛り上げました。ごめんなさい、全然存じ上げなかったので帰ってからネットで調べたのですが、元じゃがたらのメンバーだったこともあるパーカッショニストの方みたいですね。

本編ラストは「STAFF BENDA BILILI」で終了。こちらもCD音源よりも、かなりアップテンポな曲風になっていて、座りながら見ていたのですが、座りながらも身体が踊りだしてしまいました。

ここまで約1時間強で本編終了。もちろん、会場からは熱烈なアンコールが起こります。間もなくメンバーが再び登場し、アンコール1曲目は「スシエ」という、CDには収録されていない曲。こちらはしんみりと聴かせるバラード調のナンバーながらも、サビの「ス~シエ」という部分を、みんなで歌いました。途中、ロジェがステージから客席に降りてくるような演出も。なんか、ちょっと歌詞の響きが「寿司」に似ていたのがユーモラスでした(笑)。

そしてラストは「TONKARA」。ここでロジェが観客をあおり立たせます。その瞬間、わっと会場が沸きあがり、一気に観客が立ち上がり、通路の前の方まで押し寄せてきました。この時の会場をつつんだ空気感といったら・・・多分、みなさん思いっきり踊りたかったんでしょうね~。会場のテンションは一気に最高潮。みんなで楽しく踊りながら、ライブは最高潮のうちに幕を下ろしました。

最初から最後までテンションあがりまくりのライブでした。アンコールふくめてわずか1時間半程度。うーん、あっという間で短かった~。正直言うと、本当は野外でビールとか片手に踊りながらみたかったなぁ(笑)。

最初はみんな座りながらおとなしく見ていたので、どうなるのかなぁ、ともちょっと心配したのですが、最後の会場の盛り上がり方はすごいものがあり、会場の空気が一体になっていました。スタッフ・ベンダ・ビリリのステージは、CDで聴いて予想した以上に骨があり、ファンキーなステージで、ライブバンドとしても一流なんだなぁ、ということを感じました。

終わった後の物販ゾーンも、すごい人だかりになっていて、みなさん、すっかりビリリの魅力にはまってしまったみたいです。かくいう私も、すっかり彼らのステージに魅了されてしまいました。本当に楽しいひととき。素晴らしいライブでした!!

話題の映画「ベンダ・ビリリ!~もう一つのキンシャサの奇跡」は名古屋では今月下旬に上映される模様。こちらも見に行かねば!!

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2010年10月15日 (金)

EXILEが1,2&話題のカバーアルバム強し!

今週の着うたチャート

2010年10月6日~2010年10月12日付チャート

今週の着うたチャートは、EXILEが1、2フィニッシュを決めています。

I Wish For You(ジャケットA)【特典なし】

シングルチャートでは、嵐の圧倒的な強さの前に2位で終わったEXILE「I Wish For You」が着うたチャートでは見事1位を獲得。2位には先週1位の「もっと強く」が続き、EXILEがチャートの1位2位を独占。強さを見せ付けました。

3位はJuliet「アキラブ」がランクイン。10月13日にリリースされたシングルの先行配信です。いままで「ナツラブ」「フユラブ」「ハルラブ」に続き、これで四季が揃った結果に。ちなみにアルバムは1stアルバムが「ラブ」で、2枚目が「リアル」・・・・・・なんか、かなりやっつけな印象が・・・(^^;;

着うたチャート初登場はあと2曲。9位にJAMOSA「BOND~キズナ~feat. 若旦那」、10位にTEE「ベイビー・アイラブユー」がそれぞれランクイン。JAMOSAは、女性R&Bシンガー。湘南乃風の若旦那をフューチャーした・・・いかにも着うたヒット狙いといった感じのラブソングになっています。TEEは男性ミュージシャン。こちらも聴かせるバラードナンバーになっています。


今週のアルバムチャート
http://www.oricon.co.jp/rank/ja/

今週1位は、話題のカバーアルバムが2週連続でランクインです。

Request

今週1位は先週に引き続きJUJUのカバーアルバム「Request」が獲得しました。先週の初動12万8千枚に対して、今週も11万枚の売上を記録。予想以上の大ヒットになっています。今後もロングヒットを記録しそうな予感が・・・。

続く2位は、浜田省吾のベストアルバム「The Best of Shogo Hamada vol.3 The Last Weekend」。2006年に2枚同時にリリースした「Vol.1」「Vol.2」に続く第3弾のベスト盤で、社会的なテーマについて歌った曲を集めたベスト盤になっています。ただ、残念ながら初動売上は「Vol.1」が8万枚、「Vol.2」が8万3千枚に対して約半減の4万枚に留まりました。

3位には秦基博の2年ぶりのアルバム「Documentary」がランクイン。順位的には前作「ALRIGHT」の7位から大幅アップしたものの、初動売上は前作の3万3千枚から3万枚と若干ダウンしてしまいました。

4位には、今年の9月に惜しまれつつ「散開」(=解散)したBEAT CRUSADERS「REST CRUSADERS」がランクインです。アルバム未収録曲を集めた企画盤。それでもこの順位につけてくるところに根強い人気を感じます。なお、インディーズ時代のレア音源などを集めた「LUST CRUSADERS」も今週15位にランクインしています。

初登場は続いて、5位には中川翔子「Cosmic Inflation」がランクイン。3月にアニソンカバーアルバムはリリースしているものの、オリジナルとしては約1年9ヶ月ぶり。オリジナルとしての前作「Magic Time」の2万6千枚からはダウンの初動1万4千枚。ただ前作は、正月に発売された関係で、2週累計での売上なので、人気的にはほぼ横バイといった感じでしょうか。

以下初登場は7位にBONNIE PINK「Dear Diary」が、10位にSPECIAL OTHERS「THE GUIDE」がそれぞれランクインしています。BONNIE PINKは前作の初動1万8千枚から1万2千枚とダウン。一方、SPECIAL OTHERSは前作「PB」と同じく10位だったものの、初動は9千枚だった前作から若干アップし、1万枚の売上を記録しています。

今週の着うた&アルバムチャートは以上。それではまた、チャートは来週の水曜日に~。

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2010年10月14日 (木)

何よりもその「音楽」が素晴らしい!

Title:TRES TRES TRES
Musician:STAFF BENDA BILILI

屈強のコンゴ魂

邦題「屈強のコンゴ魂」。映画「ベンダ・ビリリ!~もう一つのキンシャサの奇跡」がカンヌ映画祭に出品され話題となり、来日公演も行い(現在、ツアーの真っ最中!)、日本でも話題となりました。

彼らはコンゴ出身のストリート・ミュージシャン。メンバーの多くが小児麻痺にかかり、下半身が不自由となり、車椅子での生活を余儀なくされています。また、メンバーのうち最年少のロジェは、両親に捨てられたストリート・チルドレン出身。メンバーは、コンゴの首都、キンシャサの動物園の敷地内とその界隈で路上生活を行いながら音楽活動を行っており、このアルバムも、野外で収録が行われたそうです。

もともと私が彼らのことを知ったのは、「ミュージック・マガジン」誌の2009年のワールドミュージックベストアルバムの第3位で紹介されていたことから。その時から、気にはなっていて、試聴もしてみて「いいなぁ~」とは思っていたのですが、その時点では結局CDは買わずじまいでした。

その後、彼らを取り上げたドキュメンタリー映画が話題となり、来日ライブも決定!・・・ということで遅ればせながら俄然気になり、ようやくこのたび、CDも聴いてみました。

彼ら、最貧国のひとつ、コンゴの身障者バンドである・・・というその出自に話題が集中しがち。もちろん、そういった彼らの出自が彼らの音楽に大きな影響を与えているのは間違いありませんし、また、一種の「物語性」もポピュラーミュージックにとって重要なスパイスであることも間違いないと思います。

しかし、スタッフ・ベンダ・ビリリは、そんな彼らを取り巻く境遇は全く関係なく、彼らが奏でる音楽それ自体が素晴らしいからこそ、高く評価されている、という点は強調して、しすぎることはない事実だと思います。

アフリカらしい独特なリズムに、ラテン風の音楽が加わった音楽は、アフリカらしさを感じつつも、どこか無国籍な雰囲気も感じられるもの。CDのライナーツーとによると、「コンゴ産の大衆音楽」だそうですが、そのリズムに魅了されつつも、メロディーからはラテン音楽らしい哀愁もあふれていて、歌詞の内容はわからなくても、どこか心うつものがあります。

「POLIO」「SALA MOSALA」などは、まさにそのメロディーに心惹かれ、聴き入ってしまう内容。一方、「MOZIKI」「AVRAMANDOLE」など、アフロビートっぽいリズムに、思わず身体が動いてしまうダンサナブルなナンバーもとても魅力的です。

「JE T'AIME」では、ジェームズ・ブラウンの「SEX MACHINE」が唐突に登場するなど、アメリカ音楽の影響も感じられます。そのため、異文化らしい雰囲気を感じつつも、西洋音楽に慣れ親しんだ耳にも、比較的すんなりと馴染むようなポップな作風に感じました。

また、アルバム全体で目立つのが、ちょっと奇妙な弦楽器の音。最年少のメンバー、ロジェが作り出した、「サトンゲ」という、空き缶にギターの弦を1本張っただけの自作の楽器の音なのですが、これが妙な味わいがあり、この音が流れてくると、ついつい耳がサトンゲの奏でるフレーズを耳で追ってしまいます。

野外での演奏をそのまま収録しただけに、音はスカスカなのですが、それが逆に演奏にリアリティーを与えていたのではないでしょうか。

とにかく理屈抜きで楽しい音楽に思いました。ダンサナブルなリズムに心躍るもよし、その哀愁を感じられるメロディーを聴き入るのもよし。アフリカ音楽になじみがなくても楽しめるアルバムだと思います。来日公演は、残念ながら残りわずかな会場のみなようですが、映画はまだ、全国各地で順次公演されるそうなので・・・これを機会に是非!

そんな訳で、実は先日、愛知・長久手で行われた来日ライブに出かけてきました~。もう、最高のライブでした!!ライブレポートは次回に!

評価:★★★★★

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2010年10月13日 (水)

シングルチャート界の2強?

今週のシングルチャート
http://www.oricon.co.jp/rank/js/w/

今週は、初登場が5曲。新曲が比較的少なめのチャートとなりました。まあ、半分が入れ替わっているだけに、十分「新譜ラッシュ」と言えるのでしょうが・・・。

そんな中、圧倒的強さで1位を獲得したのが、「Dear Snow」。映画「大奥」の主題歌。初動50万枚は、前作の52万9千枚より若干ダウンした・・・とはいえ、2位以下をダブルスコア以上で突き放しての圧倒的な1位獲得。ちなみに、今週、その前作「Lφve Rainbow」が先週12位からランクアップし10位に再度ランクイン。今週は、嵐の曲が2曲、ベストテンにランクインしています。

嵐が今年のシングルチャートでは圧倒的な強さを見せているのですが、同じくアイドル勢で強さを見せるのがAKB48。こちらも今週「ヘビーローテーション」が14位から8位にランクアップし、再度ベスト10入り。今のシングルチャート界の二強(?)ともいえる二組の曲がロングヒットを記録しています。

その嵐に続いて2位にランクインしたのはEXILE「I Wish For You」。デビュー10周年記念の2ヶ月連続リリースの2曲目。前作「もっと強く」はバラードナンバーでしたが、こちらはアップテンポなダンスチューンになっています。初動17万7千枚は、その「もっと強く」の15万2千枚からアップ。通常なら十分1位を狙える売上なのですが、残念ながら、相手が悪かったようで・・・。ちなみに「もっと強く」も今週5位にランクイン。EXILEも2曲同時にベスト10にランクインさせています。

続く3位はSCANDAL「スキャンダルなんかブッ飛ばせ」。阿木燿子・宇崎竜童夫妻による作品で、完全に80年代歌謡曲。タイトルも歌謡曲風の匂いを感じさせますし、バンドというよりは、むしろアイドル的な作品になっています。ただ、初動2万8千枚は前作の9千枚から大幅アップ。確かにインパクトはあるんで、売上に繋がった形になったようです。

そして、初のベスト10ヒットとなったのは4位初登場のゴールデンボンバー「また君に番号を聞けなかった」。ヴィジュアル系エアバンドという彼らは、一応バンドの形態をとっているものの、本人たちは弾くふりをするだけ(笑)のエアーバンドだそうで、ユニークな楽曲やPVが、動画サイトなどで話題となり火がついたそうです。この曲も、楽曲自体はポップスロックで癖のない作風で聴きやすいのですが、PVがなかなかユニーク。これはなかなかおもしろい要注目のバンドかも・・・って、ちょっと後追いすぎるのですが(^^;;まだまだ人気は高まりそうな予感が。

初登場はもう1曲。9位にTHE ポッシボー「私の魅力」がランクインしています。

今週のシングルチャートは以上。着うた&アルバムチャートはまた金曜日に~♪

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2010年10月12日 (火)

以前よりもポップ志向に

Title:Barking
Musician:UNDERWORLD

Barking [ボーナストラック・日本語解説付き国内盤] (PCDT-23)

前作「OBLIVION with Bells」では、アンビエント風の作品が多く、アゲアゲなダンスチューンを求めていたようなリスナー(というか私)には、ちょっと物足りなさも感じたUNDERWORLD。しかし、この久々となる新作では、また、アップテンポなダンスチューンが戻ってきました。

・・・とはいえ、今回の新作は、以前より、ポップなメロディーやボーカルが前に出てきているのが特徴的。例えば「Grace」などは、ダンスミュージック、というよりもテンポのよいポップチューンといった感じ。フロア志向というよりも、CDで聴く、といった音楽スタイルを志向しているようにも感じました。

そのため、以前のような身体が踊りだすような高揚感、という点ではちょっと物足りない部分も感じました。先行シングルとなった「Always Loved A Film」や、「Between Stars」みたいに、ライブでも盛り上がりそうなキラーチューンもあり、個人的にも気に入ったのですが、アルバム全体としてはフロア志向はちょっと薄めのように感じました。

ただ、これが決して悪いアルバムだとは思えず、最後まで楽しむことは出来ました。ちょっと物足りなく感じるのは、いまだに[Beaucoup Fish」のイメージが抜け切らず、これはこれで、彼らが今目指している道なのかなぁ~なんてことを思ったりして。

なんてことは思うものの、やはりもっと聴いていてワクワクするような、高揚感を覚えるような曲を聴きたいなぁ~なんて思いながら聴いていました。

評価:★★★★

UNDERWORLD 過去の作品
Oblivion with Bells
The Bells!The Bells!

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2010年10月11日 (月)

昔の流行歌の魅力

Title:ALL ABOUT UMEKICHI
Musician:うめ吉

ALL ABOUT UMEKICHI

俗曲師「桧山うめ吉」として寄席などで活動する一方、今風にアレンジされた俗曲や、あるいはロック、歌謡曲などのジャンルにも挑戦し、広く若い世代からも支持を集め、日本のみならず世界からも注目されている彼女。そんな彼女のデビュー10年を機にリリースされたベストアルバムです。

「昔の流行歌」というのをひとつの軸として、様々なジャンルに挑戦している彼女。そんな彼女の作品を網羅的に収録したベスト盤なだけに、そのジャンルは、実に多岐にわたっています。

ロック風の「雷ロック」「銀座ロックン」、俗曲を今風のクラブアレンジに仕上げた「SUTETEKO(クラブバージョン)」「YAKKO・SAN(クラブバージョン)」、戦後直後の流行歌「ホームラン・ブギ」「ヘイヘイ・ブギ」、その後も民謡に俗曲、ちょっとユニークなところではフランスシャンソンやクラシックナンバーにまで挑戦しています。

ただ、正直言ってしまうと、ロック風のナンバーや、昭和歌謡曲は、ちょっと彼女の綺麗ながらも線の細いボーカルにはちょっと不向きだったような・・・。逆に、フランス語で歌う「セ・シ・ボン」や、「さよならを教えて」が、彼女のボーカルに絶妙にマッチし、意外な魅力を放っていました。

でも、やはり一番の魅力だったのは、民謡や俗曲などの昔からの大衆歌や江戸時代の流行歌。もちろん、彼女の本職という部分もあるのでしょうが、いい意味で癖のない歌い方が、今の耳にもすんなりとマッチ。元々のメロディーや歌詞は、意外と聴きやすいんだなぁ~ということに気がつかされます。もちろん、癖のない、といってもほどよく効かせたこぶしがとても魅力的だったりします。

また、「奴さん」や「ステテコ」のクラブバージョンも、昔の流行歌が今のクラブサウンドと絶妙にマッチし、新たな魅力を放った曲に生まれ変わっています。こちらも意外な発見でした。

彼女の歌う民謡や俗曲というと、今の世代からすると「聴きにくい」「古臭い」というイメージがつきまとっています。ただ、これらの曲も、もともとは多くの人を魅了してきた一種の流行歌。いまのヒット曲と同じく、多くの人の耳をひきつける魅力を持っている曲のはずです。

うめ吉の曲は、そんな民謡や俗曲、また戦前戦後直後のヒット曲を、彼女のかわいらしいボーカルで歌うことにより、あるいは時には今風に解釈することにより、その曲が本来持っていた魅力を引き出しています。このアルバムは、そんな昔の流行歌の魅力がたくさんつまったアルバムになっていました。

昭和歌謡曲は最近、多分に再評価されていますが、それ以前のヒット曲、ましてや江戸時代の流行歌の魅力には、なかなか触れる機会はありません。そんな中、民謡や俗曲といった昔の流行歌が、ポップソングとして優れたものを、今でもなお持っているんだなぁ、ということをあらためて気がつかされたアルバムでした。

評価:★★★★★

うめ吉 過去の作品
お国めぐり 其の二
うめ吉玉手箱~寄席うた俗曲集


ほかに聴いたアルバム

ALL TIME THE BEST/Plastic Tree

ALL TIME THE BEST

プラトゥリの感想ではいつも書いているのですが、オルタナ系ギターロックからの影響がストレートで、一種の愛情を感じられて、とても魅力的です・・・・・・。うーん、ただ、ちょっとベスト盤を出しすぎ(苦笑)。これで8枚目らしいです。デビュー当初からの曲を収録、というのが売り文句とはいえ・・・オリジナルアルバム10枚に対してベスト盤8枚って??評価はそこらへんを踏まえて。

評価:★★★

Plastic Tree 過去の作品
B面画報
ウツセミ
ゲシュタルト崩壊
ドナドナ

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2010年10月10日 (日)

2人の天才の共演

Title:Reimagines Gershwin
Musician:Brian Wilson

Brian Wilson Reimagines Gershwin

ブライアン・ウィルソンの新作は、なんと、アメリカ音楽史を代表する作曲家、ジョージ・ガーシュインのカバー。ジョージ・ガーシュインといえば、「ラプソディー・イン・ブルー」が有名。おそらく誰でも聴いたことあるスタンダードナンバーですが、他にも数多くの傑作を産み出し、アメリカ音楽を生み出した、とも言われているそうです。

そんな天才の曲を、ブライアン・ウィルソンという、これまた天才が再解釈し、カバーした今回のアルバム。前作「That Lucky Old Sun」も傑作で、いまなお脂がのりまくっている彼が手がけた曲だけに、感涙モノの美メロがつまった傑作に仕上がっていました。

コーラスワークが実に美しい「The Like in I Love You」に、「Summertime」「I Loves You,Porgy」はムーディーな大人の薫りがふんだんにつまったジャジーなナンバー。かと思えば「I Got Plenty o'Nuttin'」あたりは、50年代風の軽快なアメリカンポップスに、「It Ain't Necessarily So」はどこかブルージー、と、アメリカ音楽の要素を様々に詰め込んでいます。

そして聴かせどころはむしろ後半に。個人的に気に入ったナンバーが、どこかビーチボーイズを彷彿とさせる「They Can't Take That Away from Me」。実にブライアンらしいカバー、と言えるでしょうか。また、「Love Is Here To Stay」もまた珠玉のポップス。じっくりと聴かせるメロディーは、昔のディズニー映画の主題歌の雰囲気を思い出しました。

1曲1曲が、実に魅力的な輝きを放つポップソングの連続で、いわゆる捨て曲はゼロ。だけど、「シングル向きの曲の連続」というアルバムに感じるようなクドさもありません。ジョージ・ガーシュインについてはその曲をちゃんと聴いたことないので偉そうなことは言えないのですが・・・2人の天才の魅力が、高い次元で融合した傑作アルバムになっていました。

評価:★★★★★

Brian Wilson 過去の作品
That Lucky Old Sun

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巨星、堕つ

ソウル界の重鎮、‘キング・ソロモン’急死

かなりショッキングなニュース・・・今年5月の来日公演で、その元気な姿を拝見したばかりだったのに・・・・。70歳とは思えないパワフルなボーカルで、まだまだ全然衰えることのないパワーを感じたのに・・・。5月に発売したアルバム「NOTHING'S IMPOSSIBLE」も素晴らしい傑作だったのに。またひとり、ミュージックシーンのリビングレジェンドが去りました。

5月での来日公演も自分から立ち上がることが出来ないほどの体型になっていて、飛行機の中での急死とのことですが、あれだけの巨漢だったからこそ、心臓が負担に耐えられなくなったのかなぁ・・・なんてことも邪推しちゃったりもしました。本当に、ただただ残念なニュース。故人のご冥福をお祈りします。

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2010年10月 9日 (土)

パワフルなボーカルが魅力的

Title:INSIDE OUT
Musician:TUTU JONES

 Gain Your Love

もともと、このアルバムを聴いたきっかけは、雑誌「BLUES&SOUL RECORDS」で大絶賛されて、気になったから。

聴いた印象としては、古き良き時代のブラックミュージックがごっちゃになった感じ、といったところでしょうか。

「I Can Write A Book About You」「I'm So Proud」は、メロウなソウルバラードナンバー。「Gain Your Love」はアップテンポでちょっとファンキーな雰囲気のナンバーが魅力的ですし、「Weekend Driver」「I Feel Good This Morning」は、力強いブルースナンバーを聴かせてくれています。

どの曲も、汗がほとばしるような、TUTUのパワフルなボーカルが魅力ですし、いかにもソウルナンバーらしい、陽気でファンキーなホーンセッションも曲を盛り上げてくれます。また、「Six Pack」のようなブルージーなギターインストも聴かせてくれるなど、ブルージーなギターもしっかりと聴かせてくれます。

ここ最近のブラックミュージックの流れは全くないのですが、逆にここ最近のポップなR&BチューンやHIP HOPはどうも・・・という方には、かなりはまる感じかも。

評価:★★★★

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2010年10月 8日 (金)

話題のカバーアルバムが1位

今週の着うたチャート

2010年9月29日~2010年10月5日付チャート

今週の着うたチャートは1位から3位まで先週と同じ面子が並んでいます。

もっと強く

1位はEXILE「もっと強く」が2週連続の1位、2位には先週3位のflumpool「君に届け」がワンランクアップ、3位には先週2位の倖田來未「好きで、好きで、好きで。」と並びました。

初登場組のトップは4位のHY「366日」。2008年にリリースしたアルバム「HeartY」に収録されたナンバーなのですが、このたび、着うたフルの解禁に伴い、着うたチャートにランクインしてきました。ちょっと沖縄音楽の雰囲気も入った、伸びやかなバラードになっています。

6位には、今週のシングルチャート1位だった浜崎あゆみ「Virgin Road」がランクインです。シングルチャートと異なり着うたチャートでは浜崎あゆみの人気はいまひとつ。シングルチャートとは逆に、倖田來未の方に人気が集まっているようです。

初登場はもう1曲。9位に黒木メイサ「LOL!」が入ってきました。10月6日にリリースされたシングルの先行配信。今時の、エレクトロアレンジポップチューンになっています。


今週のアルバムチャート
http://www.oricon.co.jp/rank/ja/

今週1位は、話題のカバーアルバムです。

Request

JUJUのカバーアルバム「Request」が見事1位獲得です。CMソングで流れて話題となったMY LITTLE LOVERの「Hello,Again~昔からある場所~」やMISIAの「つつみ込むように」などの女性ボーカルのヒット曲を中心にカバーしたこのアルバム。CD屋とかでのぞくと、あっという間に売り切れたCD屋が何件かあって驚きました。CDが売り切れる、という減少はかつてのCDバブルの時代は、しばしば起こっていたのですが、ここ最近のCD不況の中、久しぶりに見た気がします。初動12万8千枚は、前作の「What's Love」の初動6万1千枚から倍増。レコード会社の予想を遥か超えたヒットといったところでしょうか。ただ、過去の名曲の力によるところも大きいカバーがヒットを飛ばすというのは、少々複雑な気もしますが・・・。

2位はいろいろと話題の韓国のアイドルユニットKARAの韓国でのヒット曲を集めた「KARA BEST 2007-2010」がランクイン。3位には先週2位のLINKIN PARK「A Thousand Suns」がワンランクダウン。2位3位は今週も海外勢が占めました。

続いての初登場は5位に稲垣潤一「男と女3-TWO HEARTS TWO VOICES-」がランクイン。女性ミュージシャンとのデゥオによるカバーアルバムの第3弾。初動1万3千枚で、前作「男と女2」が初動1万4千枚なので若干ダウンしてしまいました。1位に続いてのカバーアルバムのランクインとなっています。

6位にはWEAVER「新世界創造記・後編」が入ってきています。8月に「前編」がリリースされており、それに続く2部作となっています。ただ、前作は初動1万6千枚に対して、本作は初動1万3千枚と若干ダウンしてしまいました。

初登場最後は10位のBase Ball Bear「CYPRESS GIRLS」「DETECTIVE BOYS」と2枚同時発売となったミニアルバムで、「DETECTIVE BOYS」は惜しくも11位になってしまいました。売上は「CYPRESS~」が10,648枚、「DETECTIVE~」が10,516枚と僅差。ただ、前作は初動1万6千枚だったので、どちらも前作の初動売上は下回ってしまいました。

今週の着うた&アルバムチャートは以上。ランキングは、また来週の水曜日に~。

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2010年10月 7日 (木)

迫力ある演奏にはまります。

Title:ゼロコンマ、色とりどりの世界
Musician:MASS OF THE FERMENTING DREGS

ゼロコンマ、色とりどりの世界

MASS OF THE FERMENTING DREGSことマスドレの、初となるフルアルバム。フルアルバム、といっても全9曲入り30分程度の尺は、ある意味ミニアルバムレベル。ただ、正直言って、そんなに楽曲のバリエーションが多いバンドではないだけに、聴き入るには、ちょうどよい長さだったと思います。

マスドレのアルバムを聴くのはこれが3作目。ポップなメロとヘヴィーなバンドサウンドというのはいつも通りなのですが、タイトル曲でもある「ゼロコンマ、色とりどりの世界」のかなりのポップさにはちょっと驚き。もちろん、重厚感あるバンドサウンドを聴かせてくれるのですが、ボーカル宮本菜津子の声も前面に出てきていて、ちょっと一昔前のアイドルテイストを感じられるようなボーカルスタイルといい、キャッチーさもあるメロディーといい、ちょっと「え、LINDBERG??」なんて思ったりして(^^;;

続く「まで。情熱ミックス」もポップな作風が印象的だったのですが、後半になればなるほど、メロディーよりもバンドサウンドに主軸を置いたような曲が続きました。

そんな中、バンドサウンドを前に押し出して、メロディー的には決して「キャッチー」とは言い難い「ひきずるビート」をシングルとして選ぶあたり、彼女たちのバンドとしての主張を感じます。ちょっとNUMBERGIRLからの影響も感じるこの曲は、最初聴いた時は、前半のポップな曲を聴いている耳で聴いただけに、ちょっと物足りなさを感じたのですが、聴けば聴くほどそのバンドサウンドにはまっていきました。

彼女たちのバンドサウンドは、迫力がある大音量のサウンドながらも、1つ1つの音がとてもクリアに聴こえます。もちろん、エンジニアなどの意向によるところも大きいのでしょうが、やはり彼女たちの演奏技術の高さも要因なのかなぁ~なんて思ったりします。先日、はじめて彼らのライブを見たのですが、ちょっとライブ会場の音量が大きすぎた点は残念だったのですが、その演奏に惹き込まれたのを思い出しました。

ポップなメロディーも魅力的なのですが、それ以上に、彼らのバンドサウンドに惹き込まれた作品でした。

評価:★★★★★

MASS OF THE FERMENTING DREGS 過去の作品
MASS OF THE FERMENTING DREGS
ワールドイズユアーズ


ほかに聴いたアルバム

孤独のカンパネラを鳴らせ/椿屋四重奏

孤独のカンパネラを鳴らせ

このアルバムにも収録されている先行シングル「いばらのみち」が、昼メロの主題歌に抜擢された彼。これが、彼らの奏でる「歌謡ロック」に絶妙に雰囲気がマッチしていました(・・・といっても昼ドラを見たことないので、あくまでもイメージなのですが)。ただ、どの曲もメロディアスで、歌謡曲的な泥臭さが魅力的な一方で、インパクトがいまひとつ薄いのは相変わらず・・・。でも、いままでのアルバムの中では一番よかった感もあったので、次に期待したいところです!

評価:★★★★

椿屋四重奏 過去の作品
TOKYO CITY RHAPSODY
CARNIVAL

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2010年10月 6日 (水)

マッキー&コムテツ!

今週のシングルチャート
http://www.oricon.co.jp/rank/js/w/

今週の1位は、先週に続き、浜崎あゆみが1位獲得。2週連続リリースとなる「L」が見事1位となりました。

L(ジャケットC)

浜崎あゆみはこれで25作連続1位。松田聖子が持っていた女性ミュージシャンの連続1位記録を更新したそうです。しかし、個人的にそれ以上にビックリしたのが、トリプルA面のうち、「Virgin Road」と「Last Angel」は前作に続き小室哲哉作曲で、なんと「Sweet Season」は槇原敬之作曲!何、この自分の音楽遍歴的に壺をついたような人選は(^^;;ただ、浜崎あゆみも、ついに作家陣の名前で売るようになってきたのか・・・という印象も持ってしまったのですが・・・。

ちなみに浜崎あゆみは、先週1位の「crossroad」も今週7位に入っていて、2曲同時のランクインとなっています。

2位はflumpool「君に届け」がランクイン。着うたチャートでは先週3位にランクインしましたが、それを上回るスタートとなりました。映画「君に届け」主題歌。初動も3万9千枚と、前作の3万5千枚から若干のアップとなりました。

続く3位はシド「cosmetic」がランクインしています。初動売上は3万5千枚。前作がアニメ主題歌ということもあって、初動6万1千枚と大幅にアップしたのですが、前々作が初動4万1千枚だっただけに、3万後半あたりが彼らの固定ファン層でしょうか?ちょっとファンキーなチューンが意外とポップで聴きやすいナンバーになっています。

4位にはスピッツ「シロクマ」が入ってきました。前作に引き続きの4位ですが、初動は2万1千枚と2万4千枚から若干のダウン。彼ららしい暖かい雰囲気のポップナンバーになっています。10月には久々のアルバムがリリース予定!楽しみです~♪

5位はハロプロ系アイドルユニットスマイレージ「同じ時給で働く友達の美人ママ」。なんじゃ、このタイトルは(笑)。楽曲はアップテンポなアイドルポップなのですが、ヘヴィーロック風のギターがかなり目立つちょっとユーモラスな作品になっています。

初登場はもう1曲。10位には清木場俊介「魔法の言葉」が入ってきています。3ヶ月連続シングルリリースの第1弾シングル。前作「JET」に続き、弥吉淳二(椎名林檎の元のダンナさんですね)プロデュースによる作品で、ロックテイストの強い作品。ちなみに、彼が以前所属していたEXILE「もっと強く」も6位にランクインしています。

再ランクイン組では、8位に氷川きよし「虹色のバイヨン」が先週の15位からランクアップ。例によってコンサートの影響でしょうか。

今週のシングルチャートは以上!アルバム&着うたチャートは金曜日に~。

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2010年10月 5日 (火)

ストレートなギターロックが魅力的

Title:Explorer
Musician:noodles

Explorer

山中さわおが設立した、「デリシャス・レーベル」所属の女性3人組ロックバンド、noodles。

前作「SNAP」のレビューで、「女版the pillows」と書いたのですが、基本的にはその路線は本作もそのまま。特に前作は、the pillowsよりもヘヴィーな作風が目立ちましたが、今回のアルバムは、1曲目「Crystal Plum」こそヘヴィーなサウンドでスタートするのですが、その後は、オルタナ系のノイジーなギターサウンドにポップなメロディー、というスタイルの曲が並んでいます。

序盤の「Graffiti」「I wanna be your special」など、アップテンポなギターロックなどはthe pillowsファンにはたまらないような、壺を押さえたサウンドとメロディーが楽しめますし、「Lily On The Cloud」あたりは、作曲を担当したYOKOのメロディーセンスが光るのですが、どこか山中さわおからの影響もチラリと垣間見えています。

その一方で、打ち込みを入れてきた「Twins Castle」や、アコースティックなテイストに仕上げて、メロディーを聴かせる「Explorer」など、彼女たちなりに曲に広がりを出そうとしている部分は感じられます。

the pillowsが好きなら、たまらないアルバムだと思う反面、やはり、the pillowsの女版・・・に留まらない広がりも欲しいなぁ、なんてことも思ってしまいます。ただ、個人的には、the pillowsがあれだけブレイクしたのだから、彼女たちにももっともっと注目が集まってほしいなぁ、とも思うのですが・・・。

評価:★★★★

noodles 過去の作品
SNAP


ほかに聴いたアルバム

THE 7 DEADLY SINS/SADS

THE 7 DEADLY SINS

約7年ぶりとなる清春率いるSADSのニューアルバム。いままではパンクやオルタナ寄りの色合いが濃かった彼らですが、最新作は、完全にメタル寄りに。音を詰め込んだ感じのサウンドは、途中から聴いていてちょっとお腹いっぱいになってきてしまいました。また、分厚い音の中に、清春のボーカルがより際立っていました。清春の色が、より濃く出たような印象すら新作でした。

評価:★★★

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2010年10月 4日 (月)

ユニークな企画から誕生

Title:OTRL
Musician:奥田民生

OTRL

今回の奥田民生ニューアルバムの「OTRL」のタイトルは、「Okuda Tamio Recording Live」の略。今年の3月から5月にかけて行われたライブイベント「ひとりカンタビレ」。これは、彼が、ファンの前で、ステージの上で、1会場1曲のペースで実際にレコーディングを行い、ライブ終了後、ネット配信で曲を公開するという、とてもユニークな企画。そのライブイベントで産まれた曲に未発表曲1曲を加えた11曲が収録されたアルバムです。

ライブ会場で1曲を仕上げる、というある種の緊迫感あるイベントなのですが、楽曲から伝わってくるのは、いつも通りの飄々とした奥田民生でした。いつものアルバムと同じく、適度の力が抜けたスタイルがとても魅力的。しかし、わずかな間でレコーディングしたといっても、力は抜いても手を抜くことなく、しっかりと作りこまれた楽曲が並んでいます。

スタジオレコーディングと同様、完成された楽曲ながらも、観客が、レコーディングの一部に参加していたり、拍手が聴こえたりと、ライブアルバムのような緊迫感も同時に味わえる、ちょっと独特なアルバムになっています。ある種、ライブアルバムとスタジオレコーディングのアルバムのいいとこ取り、かもしれません。

収録されている曲は、奥田民生らしいポップなギターロック。どの曲も、どこかユーモラスセンスのある楽曲になっているのは、ライブレコーディングだからこそ、ファンを楽しませようとするファンサービスでしょうか?ずば抜けたような曲はない一方、どの曲も彼の魅力がしっかりとつまった作品になっていました。

こういうユニークな企画が行えるもの、やはり奥田民生の実力と、人柄によるのかなぁ?似たような企画が今後出てくるかもしれませんが、これだけのアルバムをつくれちゃうのは、彼だからこそ。ライブレコーディングも参加したかったな・・・。「企画」云々を抜きにしても、1枚のアルバムとして完成された傑作だと思います。

評価:★★★★★

奥田民生 過去の作品
Fantastic OT9
BETTER SONGS OF THE YEAR


ほかに聴いたアルバム

パワーバタフライ/lecca

パワーバタフライ

女性レゲエシンガーとして、急激に人気を伸ばしてきている彼女。前半は、レゲエナンバーが続く一方、後半は、R&B風のナンバーやロック風のナンバーなど、楽曲のバリエーションも多く、その包容力の大きさも感じます。全体的には、ポップで聴きやすいナンバーも多く、今後、さらに人気を伸ばしていきそうな予感も。

評価:★★★★

ZERO/FIRE BALL

ZERO

前作もポップな作品になっていたのですが、今回の新作も、全体的に音が軽く、ポップになった印象が。「Hold My Hand」みたいに、今風のエレクトロナンバーを入れてきたり、新しい部分も感じられるものの、いまひとつ、FIRE BALLらしい魅力は薄くなってしまった感じが。ちょっと残念。

評価:★★★

FIRE BALL 過去の作品
DON'T LOOK BACK

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2010年10月 3日 (日)

次世代のシーンを担うバンド?

Title:TOKYO NEW WAVE 2010

TOKYO NEW WAVE 2010

今年3月、新宿のMARZとMotionで行われたライブイベント「TOKYO NEW WAVE 2010 vol.1」。タイトル通り、東京を中心に活動する、新進気鋭のバンドを集めたライブイベントなのですが、そのイベントに参加したミュージシャンたちのコンピレーションアルバムがリリースされました。

以前、音楽サイトototoyで、このイベントに出演したミュージシャンの曲を集めたサンプラーが無料配信され、このサイトでも紹介したのですが、CDでリリースされたオムニバスアルバムも、このたびようやく聴くことが出来ました。

今のインディーシーン、以前もこのサイトで言及したことあるのですが、一種の勢いを感じさせ、とてもおもしろいものを感じさせてくれます。単純に一世代前の音楽の模倣ではなく、ルーツ音楽にその可能性を求めたり、若い世代のリアリティーをそのまま表現したり、新しい流れを作り出そうとするミュージシャンが多くデビューしています。

このアルバムに収録されているミュージシャンも、一種独特の個性を感じさせてくれる曲が数多く収録されていました。

パンキッシュな女性ボーカルと、ちょっとチャイルディッシュな雰囲気がおもしろいSEBASTIAN X、60年代ロックからの影響を色濃く感じるオワリカラ、勢いのあるガレージパンクを聴かせてくれる太平洋不知火楽団など、個性的なバンドの曲を数多く楽しませてくれます。

そんな中でおもしろかったのが、タイトルもユニークな、壊れかけのテープレコーダーズ。収録されている「雪どけ水を飲みほして」は、男女ボーカルによるパッと聴いた感じ童謡のような、どこかフォーキーな、でも、どこか人の心の内面をほじくりだすような、不思議な雰囲気の楽曲がとても魅力的でした。

ただ、正直言うと、個性的なバンドが多かった半面、アルバムレベルであらためて聴いてみたい!と思うだけの力を持ったバンドはちょっと少なかったかなぁ?とも思います。

個人的に、もっと曲をいろいろと聴いてみたい!と思ったのは、前述の壊れかけのテープレコーダーズと、あと、やはり頭ひとつ出ているなぁ、と思ったandymoriあたりでしょうか?他のバンドは、いずれも独特の個性は感じるものの、今の段階では、ちょっと物足りなさを感じました。

もっとも、その一方で、シーン全体としての勢いは、このアルバムからも十分伝わってきました。このアルバムに収録されている曲では、バンドの魅力を伝えきれていないバンドも多いのかも。今後、シーンをにぎわせてくれるバンドも、このアルバムから登場する可能性も感じます。

今のインディーシーンに注目している音楽ファンは、まずチェックして損はない1枚だと思います。1年後、このアルバムに収録されているバンドの多くが、日本のミュージックシーンを大きく変えるバンドになっている、かも??

評価:★★★★

過去の作品
Next Music From Tokyo


ほかに聴いたアルバム

サンシャイン/HiGE

サンシャイン(ニューアルバム・通常盤)

いままでのHiGEと同様、ポップなメロディーラインと、ノイジーなギターを中心とした楽曲構成。ただ、いままでのHiGEよりも、より軽快で、ポップ指向が強かったかも。聴きやすい印象はあったのですが、ちょっとパンチ力は弱かったような・・・。

評価:★★★★

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2010年10月 2日 (土)

アメリカン・ロックの重鎮による傑作

Title:TIN CAN TRUST
Musician:LOS LOBOS

ティン・キャン・トラスト [ボートラ付]

デビューからすでに30年以上のたつ、アメリカの重鎮バンド、LOS LOBOSによるニューアルバムです。

アメリカのロックバンドというと、どこかアメリカ大陸西部を彷彿とさせるような(??)泥臭さが感じられます。彼らの音楽も、どこかアメリカンロックらしい泥臭さと骨太なサウンドが。例えば「On Main Street」などは、そんなまさに骨太のサウンドを聴かせてくれます。

ただ、正直言うと、こういうタイプのいかにもなアメリカン・ロックはあまり個人的に壺にはまらないのです、最初、聴きはじめた段階では、ちょっと好みからはずれるかなぁ・・・と思いながら聴き進んでいったのですが、途中から、徐々にLOS LOBOSの魅力にはまっていきました。

特に中盤以降、ラテンやソウル、ブルースといった音楽を、自在に自身の音楽に取り込むスタイルがとても魅力的。ラテンナンバーを哀愁たっぷりに聴かせてくれる「Yo Canto」や、ブルージーなギターをこれでもかと聴かせる「Jupiter Or The Moon」「All My Bridges Burning」もとても気に入りました。

そんな中でも魅力的だったのが、ギターインストナンバーの「Do The Murray」。彼らのロックバンドとしての実力を存分に感じることのできるナンバーでした。また、後半も、軽快なアコーディオンが爽やかな「Mujer Ingrata」など、魅力的な曲がたくさん。様々な音楽の要素を取り込む包容力の大きさと、彼らの実力を存分に感じることができました。

ルーツ・ミュージック指向の音楽性は、余計な装飾もなく、楽器やメロディーの持つ魅力をダイレクトに伝えてくれている、彼らの音楽からは、そんなスタイルを感じました。だからこそ、30年以上もキャリアのあるベテランバンドで、演奏は非常に安定感がありながらも、聴いていてどこか新鮮さを感じられたのではないでしょうか。

彼らの魅力にすっかりはまってしまいました。バラエティーも豊かですし、最後まで耳の離せない傑作アルバムでした。

評価:★★★★★

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2010年10月 1日 (金)

新譜ラッシュ&洋楽勢が健闘

今週の着うたチャート

2010年9月22日~2010年9月28日付チャート

今週の着うたチャートも、10曲中5曲が初登場という新譜ラッシュになっています。

もっと強く

ただ、そんな中でも1位2位は先週と変わらず。ただし、1位は、先週2位のEXILE「もっと強く」、2位は先週1位の倖田來未「好きで、好きで、好きで。」と順位が入れ替わっています。

ちなみに倖田來未は、「好きで、好きで、好きで。」のカップリング「あなただけが」も、今週5位にランクインさせています。こちらも「好きで、好きで、好きで。」と同じくバラードナンバーになっています。

そして、今週のシングルチャートで倖田來未を下して初登場1位となった浜崎あゆみ「crossroad」が今週4位に入ってきました。シングルチャートは倖田來未を大差で下した彼女でしたが、着うたチャートでは倖田來未が浜崎あゆみの新曲を下す結果になりました。

なお、3位にはflumpoolの新譜「君に届け」がランクイン。9月29日リリース予定の新譜の先行配信です。

6位にはちょっとおもしろい曲がランクインしてきました。清水翔太, Crystal Kay, Mummy-D, SEAMO, 童子-T「ラヴィン・ユー」。かなり豪華な面子が並んだこの曲は、11月20日21日に横浜アリーナで行われる「BEAT CONNECTION 2010」のテーマ曲だそうです。プロデューサーはMr.DrunkことMummy-D。実力派が揃っているだけに、ポップだけどもしっかりと聴かせるナンバー。10月27日に発売されるイベントのコンピレーションアルバムに収録されるそうですが、シングルカットしてもヒットしそうな予感がします。「BEAT CONNECTION 2010」もなかなか豪華そうな面子が揃ったよさげなイベントで、この曲ともども注目したいところです。

初登場ラストは8位にナオト・インティライミ「ありったけのLove Song」がランクイン。こちらも9月29日リリース予定シングルの先行配信となっています。

他に、先週からランクアップし、再度ベスト10入りしてきた曲が2曲・・・。

いきものがかり「ありがとう」が22位から7位にランクアップ。8月17日付で7位、翌週10位にランクダウン後、ベスト10から遠ざかっていたのですが、再度、ベスト10入りを記録しています。

また、10位にはAKB48「ヘビーローテーション」が11位からランクアップ。こちらも再度のベスト10入りを記録しています。


今週のアルバムチャート
http://www.oricon.co.jp/rank/ja/

今週のアルバムチャートは、洋楽勢の活躍が目立つチャート。ベスト3のうち2枚が洋楽のアルバムとなっています。

still a Sigure virgin?

そんな中、1位を獲得したのは、なんと凛として時雨のニューアルバム「still a Sigure virgin?」でした。もちろん初の1位獲得。初動は2万6千枚で、前作の1万9千枚からアップ。1位獲得としては低水準とはいえ、彼らみたいなタイプのバンドのアルバムがあっさり1位を取ってしまうとは・・・ビックリです。

で、2位3位は洋楽勢。2位にはLINKIN PARK「A Thousand Suns」が2週連続で2位をキープ。3位にはMAROON5「Hands All Over」がなんとワンランクアップ。最高位を更新しています。

ちなみに洋楽勢は今週、もう1枚。8位にご存知大物ギタリストERIC CRAPTON「CLAPTON」がランクイン。カバーがメインのアルバムなのですが、一般的におなじみのナンバーが「枯葉」のみ。彼らしい、かなり通好みな選曲が話題のアルバムになっています。

以下、初登場は・・・

4位にガッキーこと新垣結衣の3枚目のアルバム「虹」がランクイン。初動は1万9千枚。前作の初動2万2千枚より若干のダウンです。

6位にDJ KAORI「DJ KAORI'S INMIX VI」が入ってきました。Lady GagaやNe-Yoなど、相変わらずの有名ミュージシャンの曲をズラリと並べたDJ Mixアルバム。初動売上は、前作の「DJ KAORI'S INMIX V」の1万7千枚から横バイ。内容的には、浮動層狙いっぽいけど、実際は固定ファンによって支えられている感じなのか・・・。

今週の着うた&アルバムチャートは以上!また来週の水曜日に~。

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