アイヌ発ワールドミュージック
Title:SAKHALIN ROCK
Musician:OKI DUB AINU BAND
アイヌ民族の血をひくミュージシャンであり、アイヌの民族楽器であるトンコリ奏者として知られるOKI率いるOKI DUB AINU BANDのニューアルバム。
OKIというアイヌの民族音楽を奏でるミュージシャンがいる、というのは以前から知っていたのですが、その音楽はこのアルバムではじめて聴きました。
その音楽は一種独特・・・というか、こういう音楽、はじめて聴いたかも。彼の奏でるトンコリという楽器は、わずか5弦の楽器で、その音はとてもシンプル。ただ、そんなシンプルさが、はじめて聴く者にとっては、逆に新鮮に感じられました。
そんなアイヌの民族音楽をベースに、多種多様な音楽と組み合わさっていて、まったく独自の音楽性を作り出しているのがとてもおもしろく、耳を惹きました。例えば「OSORO OMAP」はブルージーな雰囲気を感じますし、「KARAPT ATUY RIRI」あたりで聴こえてくるのはジャズからの影響でしょうか?「FLOWER AND BONE」ではダブの要素を入れています。
そんな中でも一番気に入ったのが、「SAKHALIN ROCK」や「BEKABEKA」のような、アフリカのアフロビートの要素が感じられる曲。トンコリのシンプルな音色が、アフロビートのリズムとピッタリとマッチして、とても魅力的な曲になっていました。
他にも最後の「TOYA」のように、彼の奏でるリズムがとても心地よく、最初はその独特な音の世界に戸惑いつつも、ついつい聴き入ってしまい、気がついたらはまっていた・・・そんなアルバムでした。
「DUB AINU BAND」という名義の通り、バンド形態の作品で、ドラムスに沼澤尚、キーボードにエマーソン北村、またエンジニアに内田直之、とロックリスナーにもおなじみのメンバーが参加しています。そのため、独特な音といっても、聴き馴染みのあるバンドサウンドで装飾されているため、決して気難しい感じはありません。
最初はちょっと不思議な感触を抱いたアルバムでしたが、とても魅力的な作品だと思います。
評価:★★★★★
ほかに聴いたアルバム
MONKEY MAJIK BEST~10years&Forever~/MONKEY MAJIK
当たり前の話かもしれませんが、やはりメロディーに英語詞を載せるのが抜群に上手いなぁ~。というか、ここらへん、日本人とネイティブの差を如実に感じてしまいます。そして、そんな英語詞のリズムの良さが、MONKEY MAJIKの曲を聴いていて感じる「洋楽っぽさ」の正体なのかなぁ。
そんな英語詞と日本語詞を自在に行き来するもの魅力的。洋楽っぽいんだけど、邦楽のような馴染みやすいメロを書いてきているのが、彼らが人気を獲得している理由かも。ただ、一方で、メロディーに関しては、いいメロディーは書いているのですが、ちょっと地味な感じ。「Around The World」以降、大きなヒットに恵まれないのも、それが理由かも。
評価:★★★★
MONKEY MAJIK 過去の作品
TIME
ALIVE/キマグレン
先行シングルの「リメンバー」はとてもよかったし、特に前半の爽快なポップチューンはとても楽しめました。ただ一方、後半、聴かせるナンバーに関しては、いかにも売れ線の「泣き歌」っぽいというか、ちょっと狙いすぎな感じが・・・。前作「空×少年」よりはよかったと思うけど・・・。
評価:★★★
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