オフィス・オーガスタの底力
Title:福耳 THE BEST ACOUSTIC WORKS
Musician:福耳
ミュージシャン名が「福耳」とついていますが、実質的には、オフィス・オーガスタのメンバーの楽曲にアコースティックアレンジをほどこして収録したオムニバスアルバム。山崎まさよし、スガシカオをはじめ、数々のミュージシャンが参加しています。
どの曲も、アコースティックなサウンドをベースとしながらも、いろいろな顔を持った曲が並んでいるのがとてもユニークでした。冒頭の山崎まさよしの「intro」は、いつも以上にファキーな楽曲。激しく弾かれるギターの音色がとても印象に残ります。mi-guの「Choose the light 2010」も、このアルバムの中ではちょっと雰囲気の変わった曲ですが、様々なアコースティックな曲を取り入れたユニークかつ実験的な曲。ついつい聴きこんでしまいます。
スキマスイッチの「奏」や、長澤知之の「明日のラストナイト」などの、男性ポップスシンガー勢の聴かせるバラードナンバーも素晴らしいし、秦基博と元ちとせの「なごり雪」のカバーも絶品。そして、やはり絶品なのが、岡本定義の「渚にて」。残念ながら新曲でも新録でもないのですが、ボッサテイストのアレンジに、絶妙に聴かせるメロディーラインが実に見事。その実力を如何なく聴かせてくれます。
絶品のポップソング揃いの、素晴らしいベスト盤でした。特に、名前は知っているけど、アルバムまで聴いたことない・・・というミュージシャンに出会うには、最適なアルバムだったと思います。アコースティックという括りでも、様々な音が楽しめるんだなぁ、という当たり前のことにあらためて気がついたアルバムでした。
評価:★★★★★
福耳 過去の作品
10th Anniversary Songs~tribute to COIL
ほかに聴いたアルバム
ばかのうた/星野源
アコースティックなメロディーと、日常の周りを描いたような歌詞がとても暖かい作品。ただ、単純に「暖かいアルバム」ではなく、アレンジにもひねりがあり、歌詞もどこかシニカルな部分が顔をのぞかせるのがユニークで、聴いていて癖になります。パッと聴いた感じの地味さは否めないものの、ついつい聴き込んでしまう作品でした。評価:★★★★★
逆様ブリッジ/スネオヘアー
最近、ともさかりえとの交際が話題となり、お茶の間にその名前が流れたスネオヘアーによるミニアルバム。相変わらず、よく出来たメロディーラインを聴かせるギターロックが印象的なのですが、いまひとつ華にかけ、歌詞ももうひとひねりがあれば・・・と思ってしまうのが残念なところ。良くも悪くも、いままでのスネオヘアーらしいアルバムでした。十分、ブレイクするだけのメロディーは書いているとは思うのですが・・・。評価:★★★★
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