アングラ系のベテランバンド
今日紹介するバンド2組は、どちらも20年以上のキャリアを誇るベテランバンド。どちらのバンドも熱烈な支持を得ていますが、一般的には音楽ファン以外の知名度は低いかもしれません。そういう意味で、「アングラ系」といってしまっていいのかな?どちらも、久しぶりの新譜がリリースされたので聴いてみました。
Title:2013:Live Friction
Musician:FRICTION
FRICTIONは1978年に結成されたバンド。1980年にリリースされた「軋轢」は、名盤ガイドの類によく紹介されていますが、残念ながらまだ聴いたことなく、今回発売されたライブ盤で、はじめて彼らの音楽に触れました。
今のFRICTIONは、オリジナルメンバーのレック(Vo,B)と、ドラムスに、元ブランキーの中村達也を加えた2人組で活動しています。ギターレスで、基本的にドラムスとベースでサウンドを作り上げているため、そのグルーヴ感は一種独特。かなりヘヴィーなリズムは、迫力があります。
ただ、正直、サウンドにはポピュラリティーがなく、癖のあるサウンドなだけに、最初聴いた時は、さほど楽しめませんでした。その後、何度か聴くうちに、徐々にそのカッコよさがわかってきたのですが・・・2枚組でどちらも70分近くに及ぶフルボリュームは、FRICTION初心者の私にとっては、聴きこむには厳しい内容。「彼らの良さはライブ盤にこそ詰まっている」という本作へのアルバム評も読んだのですが、良さがわかるには、ちょっと私は若輩者だったかも。今後、一度、名盤と言われる「軋轢」を聴いてみたいな。
評価:★★★★
Title:星を見る
Mucisian:割礼
こちらは、80年代に名古屋で結成されたバンド。当初はパンクバンドだったらしいのですが、現在は、サイケデリックロックへ移行。シューゲイザーバンドとの比較もよくされているようです。
ノイジーなギターサウンドなど、確かに、シューゲイザー系あたりが好きな人には壺かもしれません。ミディアムテンポでゆっくりと奏でられるノイズギターは、聴いていて別の世界にトリップできるよう。個人的にも、はまってしまいました。
ただ、一方で、メロディーラインには、むしろフォークっぽさも感じられ、80年代のバンドながらも、やはり60年代や70年代あたりのサイケバンドの色も強く感じました。また、メロディーがしっかりしているためか、意外と聴きやすかったのも印象的でした。
個人的には、その中でも、10分以上にわたり、その世界観を、ゆったりとしたリズムでじっくりと聴かせてくれるタイトル曲の「星を見る」や、同じく10分を大作で、特に後半のインストパートのノイジーでスペーシーな雰囲気がたまらない「ルシアル」が気に入りました。
評価:★★★★★
ほかに聴いたアルバム
Mother/MINMI
MINMIが母親となってはじめてのアルバム。タイトルからしてそのまんまなのですが、結婚→出産を意思した曲が多いのも大きな特徴となっています。で、アルバム全体として今回はレゲエ色がかなり薄め。ジャンル的には「レゲエ」というよりも、レゲエ風のポップアルバムとなった感じ。まあ、もともとMINMIはレゲエ色の薄いポップスも歌っていた印象があったのですが、今回は、いつも以上。その分、広いリスナー層にアピールできそうな一方、ファンからは賛否両論のよう。個人的には、レゲエはそんなに好きなジャンルではないので、純粋なポップスアルバムとしては楽しめた一方、確かに、ちょっと物足りなさもあったかな・・・と思いました。
評価:★★★
MINMI 過去のアルバム
THE LOVE SONG COLLECTION 2006-2007
MINMI BEST 2002-2008
| 固定リンク
「アルバムレビュー(邦楽)2010年」カテゴリの記事
- ネット配信の可能性と疑念(2011.01.05)
- 歌詞はひいてしまう人もいるかも・・・。(2011.01.03)
- 2人の主人公を軸に進む物語(2011.01.02)
- アメリカの香りが(2010.12.30)
- アバンギャルド(?)なポップスバンド(2010.12.28)
コメント