2人の個性が見事に融合
Title:TAKE YOUR PICK
Musician:Larry Carlton&Tak Matsumoto
ジャズフュージョン界を代表するアメリカのギタリスト、ラリー・カールトンと、日本のB'zの松本孝弘によるコラボレートアルバム。
世界的な著名ミュージシャンと、日本人の共演っていうと、「日本でも売り目的でしょ?」みたいなちょっとうがった見方をしちゃうところで、最初、このアルバムについても、正直、そんな見方をしていた部分もありました。
しかし、聴いてみて、そのイメージは一変。ごめんなさい、変なうがった見方が一変に吹っ飛んだ、素晴らしい作品でした。
アルバムは、ラリー・カールトンが作曲した曲と、松本孝弘が作曲した曲が交互に入っています。聴いていて、フュージョンの色合いが濃く、メロディアスなのがラリーの曲で、ロックテイストが強いのが松本の曲だなぁ、というのがわかります。
時おり、日本的なメロディーが顔をのぞかせたり、かと思えばラリーが「Islands of Japan」のような、三味線の音を取り入れたりと、2人とも、日本であることを意識しながら、それぞれの個性を上手く出し合っているような印象を受けました。
全体的には、ラリー・カールトンの色合いは濃かったのですが、その中でも、松本の楽曲も上手く調和していて、ほどよいインパクトをアルバムに与えていたと思います。また、ポップな作風の楽曲だっただけに、広い層にアピールできそう。
2人のギターの音色に聴きほれる、本当に素晴らしいアルバムで、普段、B'zを聴かない方でも、いや、聴かない方にこそお勧めしたいアルバムだと思います。
個人的には、ロックテイストが強いタイトル曲の「Take Your Pick」や、ファンキーなテイストのギターの中に、ふいにジャジーなテイストのキーボードが紛れ込むのがおもしろいラストの「A girl from China」あたりが、とても気に入りました。他にも、思わず聴き入ってしまう曲ばかり。日米のギタリストの共演が、すばらしい形で実現した1枚でした。
評価:★★★★★
ほかに聴いたアルバム
WATCH YOUR BLINDSIDE/The Birthday
いままでのシングルのB面曲や、ライブ会場限定のシングルなどを収録したアルバム未収録曲集。もちろん、カッコいい名曲も多数収録されていますが、正直、「捨て曲かな・・・」という曲もあるので、2枚組というフルボリュームとあわせて、どちらかというとファンズアイテムといった感じでしょうか。
評価:★★★
The Birthday 過去の作品
TEAR DROP
MOTEL RADIO SiXTY SiX
NIGHT ON FOOL
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