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2010年9月

2010年9月30日 (木)

日本人によるブルース

Title:1968
Musician:近藤房之助

1968

ちょっと生意気にも、最近、ブルースに興味が出てきて、いろいろと聴きはじめています。といってもまだまだ完全に初心者。有名どころを少しずつ聴きかじっている状況なのですが、その中で出会ったのが、このアルバム。日本を代表するブルースミュージシャン、近藤房之助のニューアルバムです。

「1968」というタイトル。なんでもこの年は、彼がブルースにはまった年だとか。このアルバムは、そんな彼の敬愛するブルースミュージシャンたちの名曲をカバーした作品になっています。

いわゆるブルースの有名曲が並んでいるのですが、それを歌いこなす近藤房之助のボーカルが実に渋い。なんというか、御年59歳の、彼のような大人だからこそ出せるような情感が、そのボーカルから強く感じ取れます。

単に「上手い」とかいう感じじゃないんですよ。ブルースという、アフリカン・アメリカンの心の叫びを、今の日本人のボーカリストが見事表現している・・・聴いていて、そのボーカルに思わず震えたアルバムでした。

それとこのアルバムでもうひとつ感じたのが、彼の英語の発音でした。これはインタビューなどでも言及していたのですが、彼の英語の発音は、完全にジャパニーズ・イングリッシュ。変にネイティヴ風に表現する訳ではなく、ほとんど「正確な英語の発音」を意識していないように感じました。

しかし、彼の歌うベタな日本人の発音でも、カバーに全く違和感がないことに気がつきました。おそらく、ボーカリストとして歌の内容を感情的に表現するためには、英語の発音が正確かどうか、というのは関係ないのでしょう。もっとも、原曲も、かなりなまりが強く、「正しい英語の発音」がなされていない曲が多いのですが・・・。

日本を代表するブルースミュージシャンによる、正統派のブルースアルバムだと思います。本場にそん色ない、カッコよさを味わえました!

評価:★★★★★


ほかに聴いたアルバム

BEAST/VAMPS

BEAST

よりhydeの好みの強くなったラルク・・・って感じかなぁ?ラルクらしい疾走感あるギターロックを基調に、メタル、ヘヴィーロックの色合いが強い作品になった印象が。ポップで聴きやすい作品ではあるのですが、ちょっと似たようなタイプの曲も多かった感も。

評価:★★★

VAMPS 過去の作品
VAMPS

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2010年9月29日 (水)

新旧avex歌姫の対決

今週のシングルチャート
http://www.oricon.co.jp/rank/js/w/

今週の1位2位は、avexの「顔」ともいえるような女性ミュージシャンの新曲が並びました。

crossroad(ジャケットB)

1位を獲得したのは浜崎あゆみ「crossroad」。なんと、小室哲哉の作曲。小室哲哉、かなり働かされています。カップリングも、あのTM NETWORKの名曲「SEVEN DAYS WAR」のカバーというのがちょっと複雑な心境・・・。ちなみに「crossroad」は実に小室らしいバラード。特にサビ前に転調するあたり、いかにも小室らしいなぁ、と感じちゃいます。

で、続く2位は倖田來未「好きで、好きで、好きで。」。一時期はポスト浜崎的な売り出され方をしていただけに、浜崎あゆみと同一日にリリースされるというのがかなり意外な感じがします。着うたチャートでは先週、見事1位を獲得したものの、シングルでは初動5万4千枚は前作の6万枚よりダウンし、厳しい状況は続いています。

そして3位には、先週1位のEXILE「もっと強く」が2ランクダウン。これで今週はベスト3をavex勢が占めるという結果になっています。

続く4位5位には、TBS系アニメ「けいおん!」のキャラクターソングが並びました。4位は秋山澪「青春Vibration」、5位は平沢唯「Oh My ギー太!!」と並びました。どちらも軽快で、90年代あたりのJ-POPを彷彿とさせるようなギターロックチューンになっています。

6位にはthe GazettE「Red」がランクイン。初動2万5千枚は前作の4万枚から大きくダウンしてしまいました。ただ、前々作も初動2万9千枚。かつ、前作はアニメタイアップがついていたことから、彼らのコアなファンは、現状、このくらいの人数なのかもしれません。

初登場最後は9位にゴスペラーズの新曲「愛のシューティング・スター」がランクインしてきました。タイトルからイメージされる通り(?)のアップテンポなナンバーになっています。

今週のシングルチャートは以上。着うた&アルバムチャートは金曜日に~。

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2010年9月28日 (火)

好き嫌いはわかれそう・・・。

Title:billion voices
Musician:七尾旅人

ビリオン・ヴォイシズ

七尾旅人というと、デビュー当初から非常に評論家筋の評価が高く、話題になっているシンガーソングライター。今回の新作も、音楽雑誌等では、とても高い評価を受けています。

ただ、正直言ってしまうと、個人的にデビュー当初から、どうもいまひとつ、アルバムを聴いても好きになれないミュージシャンだったりします。その理由は彼の即興性の高い音楽性。特に奇声なども混じる即興性の高いボーカルが、どうも好きになれず、アルバムを聴いてもいまひとつピンと来ません。

すいません。基本的に整ったポップミュージックが好みの、ミーハーな耳の持ち主なんで・・・(^^;;

それでもアルバムが出ると聴いてしまうのは、音楽誌などで高い評価を得ているから・・・というのも否定しないのですが、例えばシングルになったりする曲などに関しては、聴き入ってしまう名曲が多いんですよ。

つまり、その即興性の高い音楽性が彼の大きな魅力である一方、類まれなるメロディーセンスを持っているからこそ、ついついアルバムも期待して聴いてしまうんです。

まあ、この類まれなるメロディーセンスを持っているからこそ、即興性の高い音楽を聴かせることが出来るのでしょうが・・・。

今回の作品に関しても、その場で産み出した音楽をそのまま録音したような曲が多く収録されています。そういう意味では、正直言うと、いまひとつはまりきれない部分のある作品でした。

ただ、一方で、いままでのアルバムに比べると、このアルバムは即興性の高くない、ポップスソングとしてしっかりとまとまった作品も多かったような印象を受けました。

例えば「どんどん季節が流れて」「Rollin' Rollin'」など、ポップスソングとしてしっかりとリスナー層を選ばないポピュラリティーを持った作品に感じました。

また、ソウルやジャズ、テクノポップやロックなど、様々な音楽性を取り入れた幅の広さも大きな魅力。彼のポピュラーセンスと、ミュージシャンとしての包容力の大きさを感じさせるアルバムでした。

ただし、中盤「シャッター商店街のマイルスデイビス」のように即興性の高い曲も少なくなく、それがまた彼の大きな魅力なんでしょうが、結構リスナーは選びそうな感じ・・・。正直言ってしまうと、個人的にはちょっと苦手、かも・・・・・・。

評価:★★★★

余談。

七尾旅人といえば、最近、積極的にネット配信を活用している点が話題になっています。

DIY STARSというネット配信サイトを立ち上げたり、U-Streamでライブ動画を配信したりしています。このアルバムも、ジャケット写真が「You Tube」をモチーフにしたり(M.I.A.のニューアルバムのジャケットも同様に「You Tube」をモチーフにしているところが偶然とはいえおもしろいですね。意味合いは全く違うと思いますが)、1曲目(?)の「MIDNIGHT TUBE」で「ネット動画」という言葉を登場させたりと、ネット配信を積極的に捉えて活用しています。

個人的には、彼のようにネット配信を積極的に活用する動きは全面的に賛同します。CDがなくなり、ネット配信が主流になるという流れは、確かに問題点も少なくないし、物理的な所有欲が満たされないという意味でも「寂しい」という意見はわかりますし、個人的にもそういう感情を持っていますが、ある意味、避けられない流れ。それならば逆にネット配信の利点を多いに活用し、積極的に音楽を世に広めていこう、という姿勢の方が、頼もしく感じられ、また、リスナー層の裾野も広がっていくのではないでしょうか?ネット配信という局面でも、七尾旅人の今後の動向から目が離せません。


ほかに聴いたアルバム

SINGLES/DOES

DOES SINGLES

アニメ「銀魂」の主題歌になった曲はベスト10ヒットを記録するものの、それ以外の曲については、ベスト50にもランクインされない彼ら。アニメタイアップ頼みが極端で、ここまで「曲」のファンがミュージシャンのファンに意向しないケースも珍しいような・・・。

ただ、ちょっと厳しいことを言ってしまうと、このベスト盤を聴いて、その理由もわからないではないような。確かに1曲1曲は決して悪くなく、ポピュラリティーもあるのですが、「よくありがち」という印象もいなめず、DOESだけの個性というのも薄いような印象を受けました。ただ、最近の曲の出来はどんどん上がり調子で勢いもついてきているようにも感じるため、徐々に「曲」のファンがミュージシャンのファンに意向しはじめる、かも。

評価:★★★

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2010年9月27日 (月)

あまりにも残念・・・。

Title:SINGLES 2004-2009
Musician:フジファブリック

【送料無料】フジファブリック / Singles 2004-2009 【CD】

フジファブリックのデビューシングル「桜の季節」から、「Sugar!!」までのすべてのシングルを発売順に並べたベストアルバム。

フジファブリックといえば、シンガーでメインで作詞作曲を手がけていた志村正彦が2009年12月に急逝し、多くの音楽ファンに衝撃を与えました。若干29歳でその生涯に幕を下ろした若き才能を惜しむと共に、このアルバムを聴いて、あまりにも残念に感じるのは、ここ数作のシングルで、加速度的に楽曲の出来がよくなっていた点でした。

特に「Surfer King」以降の作品が素晴らしかったです。なんとなく、例えば言うと、楽曲のタイプは違うのですが、スピッツの初期に似たようなものを感じました。スピッツも、デビュー当初から楽曲にはキラリと光るものを持っていたのですが、それとポピュラリティーが結びつかず、ヒットには繋がりませんでした。それが、「君が思い出になる前に」あたりから、ちょっとひねったメロディーとポピュラリティーが上手く融合しはじめ、「ロビンソン」のヒットへと結びつきました。

フジファブリックのシングルにもそれと似たようなものを感じます。ここ最近の曲は、志村正彦の書く、ちょっとひねったメロディーとポピュラリティーが上手く融合しはじめたように感じます。ちょうど「Sugar!!」のあたりのフジファブリックは、スピッツでいえば「青い車」のあたりだったような・・・・・・それだけに、この段階での志村の急逝は、より一層、残念なものに感じました。

評価:★★★★★

そして、そんな志村正彦が残した楽曲を、ほかのメンバーやスタッフの手を借りてつくりあげたアルバムがこちら。

Title:MUSIC
Musician:フジファブリック

MUSIC

やはり、どうしても志村正彦のラストアルバム、というイメージから抜けられない部分はあるのは事実。ただ、それでもやはり、今のフジファブリックの成長ぶりが見事にあらわれた傑作だったと思います。

最終的な完成形ではない、という意味で、ちょっとラフな部分も感じます。ただ・・・こう言ってしまうと、「志村正彦最後のアルバム」という部分にとらわれすぎなのかもしれませんが、そのラフな部分が、むしろ志村正彦の存在をよりリアリティーに感じられるような気がしました。

収録されている曲も、「夜明けのBEAT」など、ドラマ主題歌にも採用されましたが、志村正彦らしいひねったメロディーがしっかりとポピュラリティーを持っている、十分ヒットポテンシャルのある名曲だと思いますし、メロディーの良さでいえばPUFFYに提供した「Bye Bye」など、珠玉の1曲。マネージャーの結婚パーティーで披露されたという「wedding song」は、志村正彦の本当に心のこもった名曲で、聴いていて胸が熱くなってきました。

フジファブリックというバンドはこれからも続けていくそうですが、これが志村正彦の遺作になってしまったという事実は本当に残念・・・。あらためて、志村正彦のご冥福を祈ると同時に、これからのフジファブリックの活躍を期待したいと思います。

評価:★★★★★

フジファブリック 過去の作品
TEENAGER
CHRONICLE


ほかに聴いたアルバム

13:day:dream/acid android

13:day:dream

L'Arc~en~Cielのドラマーyukihiroによるソロプロジェクトによる4年2ヶ月ぶりの作品。終盤にはエレクトロ風の作品が並んでいるものの、アルバム全体としてはインダストリアルに影響を受けたようなギターロックの作品が目立ちます。目新しさみたいなものは感じなかったのですが、壺を押さえたラルクファンを含め幅広いリスナー層にアピールできるような音作りをしているのはさすが。ただ、ボーカルは、正直、ちょっといただけなかったかも・・・(^^;;

評価:★★★★

PLAYGROUND/山本精一

プレイグラウンド

山本精一名義としては、6年ぶりとなる新作。冒頭、ノイジーなギターからスタートするので、ギターロックがメイン・・・かと思えば、その後はフォーキーな歌モノの作品が続きました。シンプルなメロと歌詞ながらも、どこか叙情的な雰囲気が魅力的。アレンジも、単純なフォーク風の、という感じではなく、ところどころでサイケな雰囲気が混じったりと、聴かせどころもたくさん。聴いているうちに、ついついとはまってしまうような作品でした。

評価:★★★★★

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2010年9月26日 (日)

オフィス・オーガスタの底力

Title:福耳 THE BEST ACOUSTIC WORKS
Musician:福耳

福耳 THE BEST ACOUSTIC WORKS

ミュージシャン名が「福耳」とついていますが、実質的には、オフィス・オーガスタのメンバーの楽曲にアコースティックアレンジをほどこして収録したオムニバスアルバム。山崎まさよし、スガシカオをはじめ、数々のミュージシャンが参加しています。

どの曲も、アコースティックなサウンドをベースとしながらも、いろいろな顔を持った曲が並んでいるのがとてもユニークでした。冒頭の山崎まさよし「intro」は、いつも以上にファキーな楽曲。激しく弾かれるギターの音色がとても印象に残ります。mi-gu「Choose the light 2010」も、このアルバムの中ではちょっと雰囲気の変わった曲ですが、様々なアコースティックな曲を取り入れたユニークかつ実験的な曲。ついつい聴きこんでしまいます。

スキマスイッチ「奏」や、長澤知之「明日のラストナイト」などの、男性ポップスシンガー勢の聴かせるバラードナンバーも素晴らしいし、秦基博元ちとせ「なごり雪」のカバーも絶品。そして、やはり絶品なのが、岡本定義「渚にて」。残念ながら新曲でも新録でもないのですが、ボッサテイストのアレンジに、絶妙に聴かせるメロディーラインが実に見事。その実力を如何なく聴かせてくれます。

絶品のポップソング揃いの、素晴らしいベスト盤でした。特に、名前は知っているけど、アルバムまで聴いたことない・・・というミュージシャンに出会うには、最適なアルバムだったと思います。アコースティックという括りでも、様々な音が楽しめるんだなぁ、という当たり前のことにあらためて気がついたアルバムでした。

評価:★★★★★

福耳 過去の作品
10th Anniversary Songs~tribute to COIL


ほかに聴いたアルバム

ばかのうた/星野源

ばかのうた

アコースティックなメロディーと、日常の周りを描いたような歌詞がとても暖かい作品。ただ、単純に「暖かいアルバム」ではなく、アレンジにもひねりがあり、歌詞もどこかシニカルな部分が顔をのぞかせるのがユニークで、聴いていて癖になります。パッと聴いた感じの地味さは否めないものの、ついつい聴き込んでしまう作品でした。

評価:★★★★★

逆様ブリッジ/スネオヘアー

逆様ブリッジ(通常盤)

最近、ともさかりえとの交際が話題となり、お茶の間にその名前が流れたスネオヘアーによるミニアルバム。相変わらず、よく出来たメロディーラインを聴かせるギターロックが印象的なのですが、いまひとつ華にかけ、歌詞ももうひとひねりがあれば・・・と思ってしまうのが残念なところ。良くも悪くも、いままでのスネオヘアーらしいアルバムでした。十分、ブレイクするだけのメロディーは書いているとは思うのですが・・・。

評価:★★★★

スネオヘアー 過去の作品
バースデー
ベスト

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2010年9月25日 (土)

初の京都音博! その2

Onpaku2

次の二階堂和美の前に、ちょっと小腹が空いたので、また屋台ゾーンに足を運んではらごしらえ。広島焼きとノンアルコールビールでお腹を満たしたあとは、カキ氷で喉を潤しました。

←その飲食・物販ゾーン。ちょっと芝生公園から離れたところにあります。

二階堂和美

芝生広場に戻ったら、二階堂和美のステージの真っ最中。彼女のステージを見るのも実は2回目。ただ、前回は他のミュージシャンのサポートだったので、純粋に彼女のステージを見るのはこれがはじめて、となりました。

そんなに期待はしていなかったのですが・・・これが、とても素晴らしいステージでした。特に、彼女の透き通るボーカルは感動モノ。心をうつものがありました。その反面、完全に天然ボケ気味のMCとのギャップがユニーク。アップテンポな曲では、狂ったように踊りまくったり、となんか妙にキュートな雰囲気を醸し出していました。途中、くるりのトリビュートアルバムで歌った「宿はなし」はまさに絶品。本当に素晴らしいステージでした。

で、次のJIM O'ROURKEの前に、突然の通り雨が・・・。この日はずっと天気がよかっただけに、ちょっとビックリ。幸い、雨は小雨ですぐ止んだのですが。そして、その後、あれだけ暑かった気温がグッと下がり、一気に過ごしやすくなりました。

JIM O'ROURKE

くるりのアルバムをプロデュースしたことでもおなじみの、JIM O'ROURKE。ライブを見るのははじめて。日本在住ということで、MCは普通に日本語でした。こういっちゃうと、ファンに怒られるかもしれませんが、パッと見は、小太りなアキバ系っぽいおじさん(笑)。でも、ステージがスタートすると、とんでもなくカッコいいロックミュージックを聴かせてくれました。

楽曲はオルタナ系のギターロックで、比較的ポップなメロを聴かせてくれる、小難しさを感じないストレートなロックナンバー。もちろん、本人がプレイするギターもカッコよかったのですが、率いるバンドの演奏もダイナミックでカッコよかった。個人的には、ドラムスのリズムがなんかカッコよくって、惹かれるものがありました。途中、「ジム!」というファンからの呼びかけにもチャーミングに答える、ちょっと内気な感じのする、人のよさそうなおじさんでした(笑)。

THE VENTURES

ある意味、日本の夏の代名詞。毎年、全国の市民ホールでコンサートを行うだけに、正直、見ようと思えばいつでも見れるミュージシャンなのですが、こういうきっかけがないと、なかなか見ないですよね、正直言うと・・・・・・・・。

ただ、それだけ日本でも数多く公演をしてきた彼らだけに、ステージはしっかりとリスナーの壺を押さえた魅せるステージでした。「二人の銀座」や「京都の恋」など、ベンチャーズ歌謡曲もしっかり押さえ、一方では、ストーンズの「Paint It Black」のカバーなどを挟み、いつしか、そのギタープレイに惹かれていきました。

有名どころをほぼ抑えたようなセットリスト、だったのかな?聴いたことある曲もたくさん。終盤「Wipe Out」のところでは、「キシダさ~ん」「サトウさ~ん」の呼び声で、ゲストでくるりの2人が登場。一緒にセッションをプレイしました。2人ともとてもうれしそうで、「このフェスをやっていて本当によかったです」という、岸田繁のMCがとても印象的でした。

ベンチャーズのステージ、楽しかった~。もちろん、ギタープレイも文句なしにカッコよかったです。おなじみの「テケテケ」ギターも聴けたし、すごく楽しいステージでした!

くるり

そしてラストはくるりが登場。最初のくるり・ザ・セッションは、どこか学生的なノリを感じたのですが、「くるり」としてのステージは、全員、黒い服で決め、ある意味、プロのバンドとしての気迫みたいなものを感じました。

ライブは、「無題」から「さよならアメリカ」「温泉」と、最新アルバム「言葉にならない、笑顔を見せてくれよ」からのナンバーが続きます。ロックテイストが強かったくるり・ザ・セッションと比べて、比較的、シンプルにしっかりとメロディーと歌詞を聴かせてくれます。しかし、ちゃんとバンドの音に耳を傾けると、そんなメロディーを支えるグルーヴをしっかりと作り出している、そんな奥深さを感じるステージでした。

途中のMCでは「毎年、このフェスを目指して活動を続けている」といった話や、フェスを支えてくれるスタッフや近隣の住民たち、そしてファンなどへの感謝の言葉が述べられました。本当にくるりの2人は、このイベントを大切に感じているんだなぁ・・・そう実感しました。

後半は、「Baby I Love You」や「ばらの花」、そしてなんと、とてもレアな「坂道」を披露!本編ラストは「麦茶」で締めくくりました。

そして、アンコールへ。アンコールは「東京レレレのレ」で締めくくり。「京都音博」なのに、「東京」ではじまって「東京」で終わりました(笑)。アンコールでは、出演メンバーが(ベンチャーズ、京都魚山聲明研究会をのぞいて)全員登場。最後は出演メンバー全員がステージ上で挨拶に、1日が終わりました。

 

Onpaku3

←「音博」からの帰り道。向うに小さく見える赤い明かりが京都タワーです。

いやぁ、とても楽しいライブでした!くるりが、これ、と選んだミュージシャンばかりなだけに、どのミュージシャンも、とても素敵なステージを見せてくれました。

アルコールが販売されていなかったのと、飲食・物販ゾーンとステージが離れていたのはちょっと残念。これは、公園の性質上、仕方ないのかなぁ?まあ、そこらへんは数少ないマイナス点でしたが、それを差し引いても、とても楽しく1日を過ごすことが出来ました。いろいろなタイプのミュージシャンを集めている点も素晴らしいですね。来年も、是非、また来たいです!

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2010年9月24日 (金)

新譜ラッシュ

今週の着うたチャート

2010年9月15日~2010年9月21日付チャート

着うたチャートは、全10曲中5曲が初登場という新譜ラッシュとなりました。

好きで、好きで、好きで。 / あなただけが【ジャケットB】

そんな中、初登場1位だったのが倖田來未「好きで、好きで、好きで。」。9月23日発売されたシングルの先行配信。バラードシングルになっていて、着うたで受けそうな雰囲気かも・・・。

2位はEXILE「もっと強く」がワンランクダウンで2位をキープ。3位はシングルチャートでも2位に入ってきたUVERworld「クオリア」が初登場で着うたチャートにもランクインです。

初登場4位はKG「どんなに離れても duet with AZU」。完全に着うたヒット狙いの女性ボーカリストとのデゥオ曲を連発しているKGですが、この曲ははじめてCDシングルとしても9月23日にリリースされました。着うただと毎回そこそこ上位に入ってくるのですが、シングルでもヒットするのでしょうか?

5位初登場JUJU「First Love」は、あの宇多田ヒカルの名曲のカバー。先日、MY LITTLE LOVERの「Hello,Again~昔からある場所~」をカバーしシングルリリースしましたが、9月29日に、そのシングルを含むカバーアルバムをリリース。この「First Love」はそのアルバムに収録されている曲の先行配信です。

初登場最後は8位初登場のヒルクライム「トラヴェルマシン」。9月22日にリリースされたシングルの先行配信です。いままで着うたではヒットを飛ばしていたのですが、少々厳しい状況に・・・。今回の曲はアップテンポなナンバーで、決して「泣き歌」じゃないだけに、着うたでは売れなかったのか?

初登場は以上。他には7位に中島美嘉「一番綺麗な私を」が先週の11位からランクアップし7位に再度ランクイン。着うたチャートではロングヒットの兆しを見せています。


今週のアルバムチャート
http://www.oricon.co.jp/rank/ja/

アルバムチャートも、全10枚中7枚が初登場という混戦模様となりました。

その中で1位を獲得したのがNEWS「LIVE」。初動15万6千枚は、2位以下を引き離す結果となりました。ただ、自身の記録としては前作の18万枚からダウン。ちょっと気になるところです。

2位にアメリカのミクスチャーロックバンドLINKIN PARK「A Thousand Suns」がランクイン。前作は見事1位を獲得しましたが、本作も2位。日本でも高い人気を誇っています。ただ、初動売上は前作の15万枚から5万1千枚に急落。かなり残念な結果になっています。

今週は上位に洋楽がもう1枚。4位もアメリカのロックバンドMAROON5「Hands All Over」がランクインです。ちなみに偶然でしょうが、前作もLINKIN PARKと日本では同日の発売。LINKIN PARKが1位を獲得したチャートで3位にランクインしています。ただ、こちらも初動は6万4千枚から2万9千枚に急落してしまっています。

なお、3位には、先週2位のSuperfly「Wildflower & Cover Songs:Complete Best 'TRACK 3'」がワンランクダウンでベスト3をキープしています。

5位には「EXIT TUNES PRESENTS Vocaloanthems feat.初音ミク」がランクイン。おなじみボーカロイドソフト初音ミクをつかった楽曲のコンピレーションアルバム。同じコンピレーションの前作「EXIT TUNES PRESENTS Vocalogenesis feat. 初音ミク」がチャート1位を獲得し話題となりました。今回はベスト3入りこそ逃しましたが、初動2万7千枚と前作の2万3千枚よりアップ。ここ最近、売上的には落ち着いた感はあるものの、初動売上をアップさせるなど、まだまだ人気のほどを見せつけています。

7位はKREVA「OASYS」。今回は8曲入りのミニアルバムです。初動は1万8千枚で、前のフルアルバム「心臓」の4万6千枚から大きくダウンしてしまっています。

8位には、愛内里菜「LAST SCENE」がランクイン。7月に、自身の病気のため、歌手活動からの引退を好評した彼女の、最後のオリジナルアルバム。ただ、そういう意味のあるアルバムにも関わらず、初動は1万3千枚と、オリジナルとしては前作の「THANX」の初動1万5千枚よりダウンしてしまいました。12月いっぱいで歌手としての活動を終了するそうですが、今後は、ゆっくりと病気を療養し、またいつの日か、元気な姿で私たちの前に現れてほしいですね!

ベスト10初登場最後は9位にTHE BACK HORN「アサイラム」がランクインです。初動1万2千枚は、前作「パルス」の初動1万4千枚から若干のダウン。ただ、減少幅から考えると、固定ファン層はそれなりに獲得できた模様です。

今週の着うた&アルバムチャートは以上。チャートはまた来週の水曜日に~。

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2010年9月23日 (木)

初の京都音博! その1

京都音楽博覧会

会場:京都梅小路公園・芝生広場 日時:9月19日(土)12:00~

くるり主催のライブイベント、京都音楽博覧会。5回目となるのですが、ついに初参戦してきました~。快晴に恵まれたこの日は、9月とも思えない暑さの中、梅小路公園へ。まずは屋台で腹ごなし。最近はやりのB級グルメの屋台が数多く出ていました。その中でも、津山ホルモンうどんが旨かった~。焼きうどんに肉汁がからんでいて、とても美味!ホルモンのプリプリとした食感もとてもおいしくて満足しました。

腹ごしらえの後は芝生広場へ。この屋台ゾーンと会場の芝生公園が微妙に離れているのがちょっと残念だったのですが(あと、アルコールが全く販売されていなかったことも)・・・会場の性質上、仕方ないことなんでしょうね。

開演時間ちょっと前に、くるりの2人がステージで開演宣言し、いよいよライブがスタートしました。

Onpaku1

くるり・ザ・セッション

まずいきなりはじめはくるり・ザ・セッション。くるりがいろいろなミュージシャンとセッションをする、という企画なのですが・・・最初、ステージ上にいるのは、くるりの2人+ドラムに森信行が!!デビュー時の3人編成が久しぶりに復活し、1曲目はメジャーデビュー曲「東京」からスタート!これは、デビュー当初からのファンとしては感涙モノです。

その後、「尼崎の魚」「リバー」と続いたのですが、ここでなんとギターに大村達身が登場しました。会場のテンションは開始早々から最高のテンションに。「普段、ライブでやらない曲をやります」のMCで「ワールズエンド・スーパーノヴァ」へ。ラストは「ロックンロール」で締めくくりました。

ファンにとっては最高の瞬間となったステージ。ステージ上のメンバーもどこか楽しそうで、あえていえば、学生的なノリで、素直にバンドの演奏を楽しんでいる、という雰囲気でした。この後、最後に登場した(今の)くるりのステージと比べると、ロック色、バンド色が強かったのですが、こういうくるりも、たまには聴きたいなぁ、と思ったり。ただ、今、くるりが目指しているのは、こういう方向性ではないんでしょう。ただ、代表曲を連続して聴けたし、なによりもかつてのメンバーでのくるりのステージが再現されたし、ファンとしてはたまらないステージでした。

andymori

続いてはサブステージでandymoriのステージ。彼らのステージを見るのはもちろんはじめてです。後ろに下がって、マッタリしながら見ていました。比較的、淡々とした印象だったのですが、メロディーがちょっと和風な哀愁があり、くるりと通じるものがあるのかな?CDで感じたのですが、メロディーはやはりいいですね~。あと、演奏は思った以上にしっかりしていて、ライブを楽しむことが出来ました。これから、どんどん人気があがっていきそうな予感も。

遠藤賢司

エンケンのステージを見るのは、昔、同じくくるりのイベントで見たことがあるのでこれが2度目。前回はバンド編成なのですが、この日は広いステージにひとりだけの登場となりました。しかし、激しくアコギをかき鳴らし、熱狂的に歌いまくるそのパフォーマンスは、たったひとり、それも基本的にアコギだけの演奏とは感じられないほど迫力あるステージでした。なぜか、ドラムセットがステージにセットされていたのですが、途中、バスドラをキックしながら、アコギを弾きまくるという迫力たっぷりの演奏を披露してくれました。

この梅小路公園は、園内に蒸気機関車館があり、蒸気機関車を保存してあり、時折、場内に蒸気機関車の汽笛が鳴り響いていました。エンケンの「夜汽車のブルース」は、ちょうどそんな汽車をテーマにした曲で、「ちょうど汽笛が鳴ればうれしいのですが」みたいなMCを言っていたのですが、とてもタイミングよく、曲が終わった瞬間に、「ポー」と汽笛が鳴り響きました。ちょっと感動的な瞬間でした。

世武裕子

続いてはサブステージで世武裕子のステージ。彼女は名前だけ知っていたのですが、曲は完全に初耳。ドラムスには森信行が参加し、途中、岸田繁がスペシャルゲストとしてギターで参加していました。ピアノの音が心地よい、爽やかなステージでした・・・が、後ろでボーっと聴いていたこともあって、正直、ちょっと印象薄、でした(^^;;

京都魚山聲明研究会

ちょっとこの日、楽しみにしていたんですよ、彼ら。聲明というのは、伝統的な仏教音楽だそうです。袈裟を身に着けたお坊さんが7人登場。基本的に、うねるような声を響かせ、単旋律のメロディ(?)を聴かせるアカペラ(?)に、時々、シンバル(?)の音が加わる不思議な音楽。仏教版のゴスペル・・・という感じかなぁ??イメージとしては、お経のような感じ。とても神妙な雰囲気になるのですが、正直、この晴天の野外よりも、荘厳で静かなお寺の中、の方がピッタリくるような気もしました。

日本の伝統音楽って、例えばワールドミュージックの枠組みの中でもなかなか語られることが少ないだけに、この日のステージはとても興味深く、日本にもこういう音楽の世界があるんだなぁ、ということをあらためて知ることが出来ました。ちょっと残念だったのは、途中、MCがなく、ひとつひとつおそらく深い意味がある曲なのでしょうが、その内容がいまひとつわからなかったこと。音楽は知識で聴くものではないとは思うのですが、やはり曲の合間合間に解説なんかがあれば、よりうれしかったかも。

そんな訳で、ちょっと神妙な気持ちになりながら、後半戦に続きます。

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2010年9月22日 (水)

ベスト3は男性勢

今週のシングルチャート
http://www.oricon.co.jp/rank/js/w/

今週も初登場の多いシングルチャート。ただ、そんな中、ベスト3は男性陣が占めました。

もっと強く

1位は、先週の着うたチャートでも1位を獲得したEXILE「もっと強く」が手堅く獲得。ただ、映画「THE LAST MESSAGE 海猿」の主題歌というタイアップの良さはあったものの、初動15万2千枚は、シングルチャートでは前作となる「THE GENERATION ~ふたつの唇~」の18万4千枚から大幅に減少してしまいました。ちょっと気になる動向です。

続く2位はUVERworld「クオリア」がランクインしてきました。こちらも映画主題歌。「劇場版 機動戦士ガンダム00 -A wakening of the Trailblazer-」の主題歌になっています。タイアップ効果もあってか、初動6万5千枚は、前作の5万枚より大幅アップ。好調な滑り出しとなっています。

で、3位は先週1位の「Løve Rainbow」が2ランクダウン。これで上位3組すべて男性陣となっています。

以下、初登場は・・・

4位にYUKI「2人のストーリー」がランクインです。男性目線からのラブソングで、ちょっと切ないメロディーが印象的なナンバー。歌詞の出だしから、一瞬、ローソンのCMソングかと思いました(^^;;ちなみに初動1万8千枚は前作の1万8千枚とほぼ横バイ(ちなみに、千枚以下の数字では若干アップしているそうです)。なにげに根強い人気を感じさせます。

5位はTHE ALFEEの高見沢ことTakamiyのソロシングル「青空を信じているか?」が入ってきました。先日リリースしたソロアルバムに続くシングルリリース。シングルとしては前作の「VAMPIRE~誘惑のBlood~」が初動2万2千枚だったのに対して、初動1万8千枚と若干のダウン。ただ、先日発売したソロアルバム「Fantasia」が初動1万5千枚だったので、こちらからは若干のアップしたことになります。

7位初登場は、真野恵里菜「元気者で行こう!」でした。作曲は、畠山俊昭で、シャ乱Qのはたけ・・・もう、KANちゃんが楽曲提供しなくなっちゃったのね(T T)。タイトル通り、アップテンポの元気の出そうなナンバーです。

そして最後。8位にはTHE BAWDIES「JUST BE COOL」がランクイン!これで2作連続のベスト10ヒット。順位こそ、7位から8位にダウンしたものの、初動売上は8千枚から1万2千枚にアップしています。相変わらず、ソウルテイストの強いオールドスタイルのロックンロールナンバー。文句なしにカッコいいです。

今週のシングルチャートは以上!アルバム&着うたはまた金曜日に~。

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2010年9月21日 (火)

今も心は郊外に・・・。

Title:THE SUBURBS
Musician:ARCADE FIRE

ザ・サバーブス

私が生まれ育った街は、名古屋郊外の新興住宅地でした。高度経済成長期に出来たその街は、私が小学生の頃は、多くの子供たちで賑わい、たくさんの店が軒を連ね、街全体に活気があふれていました。

それから約25年。街からはすっかり活気が失せ・・・・・・というほどではないのですが、やはり子供たちの数は減り、あれだけたくさんあった店の多くはつぶれてしまい、私が小学生の頃に比べると、かなり寂しい街並みになってしまいました。おそらく、こういうかつての新興住宅街が少なくないのではないでしょうか。

カナダのモントリオールに拠点を置く、7人組大所帯インディーロックバンド、ARCADE FIREの3年ぶりとなる新作。タイトルは「THE SUBURBS」=「郊外」。アルバムは、おそらく彼らが生まれ育ったであろう、郊外に、自らの少年期を重ね合わせたような内容になっています。

日本の新興住宅地が寂れている、という現状は、日本の少子高齢化という社会現象によるところが大きいため、彼らのふるさとが、同じような状況になっているかどうかはわかりません。ただ、このアルバム全体から感じられるのは、寂寥感。私たちが少年時代をすごした街並みが変わっていく。その中で、心のどこか、まだふるさとをよりどころにしているところがある。そんな微妙なノスタルジックな感触が、心に染みる作品でした。

7人組の大所帯バンドということで、様々なサウンドを楽曲にも織り込んでいます。しかし、決して大味になることはなく、時にはにぎやかに、時にはシンプルに、時にはダイナミックに展開するサウンドを聴かせてくれます。

そしてあくまでも主軸になるのはメロディー。決してひねくれすぎず、かといって平坦になるわけでもないメロディーラインは見事。派手さはなく、聴けば聴くほど味があるようなメロディーは、インディーバンドならでは、といった感じでしょうか?

切なさも感じられるメロディーが、心にしみこんでくるような傑作。3作目にして、ビルボードチャートでも見事1位を獲得したそうですが、その理由は、2度3度聴くうちに納得してくるかも。歌詞ともども、日本人の心にも、どこか響いてくるような傑作でした。

評価:★★★★★

余談。

「We Used to Wait」のPVがちょっとした話題となっています。こちらのサイト(http://thewildernessdowntown.com/)にアップされているのですが、Googleのストリートビューとリンクしていて、最初に、自分の生まれ育った街をインプットすると、なんとPV上、自分のなじみの街の映像がPVとリンクされてあらわれます(!)。Google Chromeじゃないと上手くいかないみたいですが・・・最初、見た時は軽く感動しました。ストリートビューが既に見れる街ではないといけないのですが、一見の価値あり!です。

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2010年9月20日 (月)

沖縄出身のミュージシャンとして

Title:エメラルド
Musician:Cocco

エメラルド

昨日はアイヌのミュージシャンで、今日は沖縄・・・いや、単なる偶然なんですが(^^;;

で、3年ぶりのCoccoのニューアルバムを聴いた時、もっとも特筆すべきキーワードは「沖縄」ではないでしょうか。もちろん、Coccoと沖縄といえば以前から切っても切れない関係。しかし、そんな中でも、特に今回は沖縄の色が強いアルバムでした。

1曲目「三村エレジー」から琉球弁を歌詞に取り入れ、沖縄音楽の色が強い作品。続く先行シングル「ニライカナイ」も、基本的には彼女らしいハードなロックナンバーながらも、沖縄の太鼓集団、琉球國祭り太鼓のメンバーが太鼓で参加し、沖縄風の太鼓のリズムを聴かせてくれています。

特にラストの「絹ずれ~島言葉~」はタイトル通り、全編沖縄の言葉で綴ったナンバー。沖縄の言葉を噛み締めるように歌う彼女のボーカルは、彼女のアイデンティティを確かめるよう。リスナーとしては、異国情緒を感じる独特の雰囲気が、とても魅力的なナンバーになっています。

そして、この「沖縄」という点と同じくらいこのアルバムを特徴付けていたのが、彼女にとって初のセルフプロデュース作であり、曲によって、様々なミュージシャンが編曲を行っている点でした。

アレンジャーとして参加したのは、Curly Giraffeに根岸孝旨、RYUKYUDISKOに堀江博久など、豪華なメンバーがズラリ。そして、それぞれのアレンジャーがそれぞれ個性を発揮しているため、実にバラエティー豊かな作品に仕上がっています。

RYUKYUDISKOが編曲を手がける「Spring around」「のばら」では打ち込みのリズムが導入されたダンサナブルなナンバーになっていますし、「十三夜」は、今時のR&B風のアレンジに。「あたらしいうた」はメロディアスパンク風など、いままでのCoccoにないような、幅広い作風を聴かせてくれます。

そしてどの楽曲もとても完成度が高く、しっかりと聴かせてくれる内容なのが見事。もちろんそれは、Coccoのボーカルの力があってこそなのでしょうが、楽曲の幅の広さに反して、アルバム全体にも統一感があり、最後まで耳が離せないアルバムでした。

そんな訳で間違いなく傑作のアルバム・・・なのですが、もろ手をあげて大絶賛するには、ちょっとひっかかる点もありました。なんというか、Coccoの曲を聴いてしばしば感じるような「ガツン」と来るような、そのボーカルに震えるような場面がなかった、という点でした。

Coccoの、やるせない、どうしても表現しないといけない心の叫び。そのあまりにも迫力のあるボーカルに衝撃を受けたのですが、活動再開以降の作品には、そういった衝撃をあまり感じる曲に出会えなくなったような感じがします。

ただ、その一方、アルバムとしての完成度という点では、ひょっとしたらいままでで一番、という作品かもしれません。そういう意味では、私が過去の幻想を追い求めすぎなのかもしれませんが・・・。

評価:★★★★★


ほかに聴いたアルバム

KABA/UA

KABA

タイトル通りのカバーアルバム。オーガニックだったり、アコースティックだったり、ちょっと民族音楽的な要素が入ったりと、原曲とは異なるアレンジをほどこしていたりします。原曲もマニアックな選曲よりも、有名な曲が多く、原曲とのイメージの違いがおもしろいかも。ただ、そんな中でも彼女自身のボーカルは、メロディーを丁寧にたどり、曲の良さをしっかりと引き出していて、原曲に対する愛情を感じられます。もともと、学生時代から歌ってきた曲や思いいれのある曲を選んだためでしょう。原曲のイメージをほどよく崩し、かつ、原曲の良さをしっかりと残した名カバーでした。

評価:★★★★★

UA 過去の作品
ATTA
ハルトライブ

EXPERIENCE/RIZE

EXPERIENCE

デビューから10年を迎えるRIZEの新作・・・って、もう10年も経つのか・・・。青っぽい若手バンドというイメージだったのですが、いつのまにかベテランの域に入るようなバンドになりましたね。前作「K.O.」は、やけに青さが目立っていまひとつだったのですが、今回のアルバムでは、活動年数相当の、安定感のあるヘヴィーなロックサウンドを聴かせてくれます。ある意味、昔ながらのミクスチャーロックも安心感を持って聴くことが出来ます。まあ、「昔ながら」という点は、ロックバンドとしては良し悪しといった感じなのですが・・・。

評価:★★★★

RIZE 過去の作品
K.O.

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2010年9月19日 (日)

アイヌ発ワールドミュージック

Title:SAKHALIN ROCK
Musician:OKI DUB AINU BAND

SAKHALIN ROCK

アイヌ民族の血をひくミュージシャンであり、アイヌの民族楽器であるトンコリ奏者として知られるOKI率いるOKI DUB AINU BANDのニューアルバム。

OKIというアイヌの民族音楽を奏でるミュージシャンがいる、というのは以前から知っていたのですが、その音楽はこのアルバムではじめて聴きました。

その音楽は一種独特・・・というか、こういう音楽、はじめて聴いたかも。彼の奏でるトンコリという楽器は、わずか5弦の楽器で、その音はとてもシンプル。ただ、そんなシンプルさが、はじめて聴く者にとっては、逆に新鮮に感じられました。

そんなアイヌの民族音楽をベースに、多種多様な音楽と組み合わさっていて、まったく独自の音楽性を作り出しているのがとてもおもしろく、耳を惹きました。例えば「OSORO OMAP」はブルージーな雰囲気を感じますし、「KARAPT ATUY RIRI」あたりで聴こえてくるのはジャズからの影響でしょうか?「FLOWER AND BONE」ではダブの要素を入れています。

そんな中でも一番気に入ったのが、「SAKHALIN ROCK」「BEKABEKA」のような、アフリカのアフロビートの要素が感じられる曲。トンコリのシンプルな音色が、アフロビートのリズムとピッタリとマッチして、とても魅力的な曲になっていました。

他にも最後の「TOYA」のように、彼の奏でるリズムがとても心地よく、最初はその独特な音の世界に戸惑いつつも、ついつい聴き入ってしまい、気がついたらはまっていた・・・そんなアルバムでした。

「DUB AINU BAND」という名義の通り、バンド形態の作品で、ドラムスに沼澤尚、キーボードにエマーソン北村、またエンジニアに内田直之、とロックリスナーにもおなじみのメンバーが参加しています。そのため、独特な音といっても、聴き馴染みのあるバンドサウンドで装飾されているため、決して気難しい感じはありません。

最初はちょっと不思議な感触を抱いたアルバムでしたが、とても魅力的な作品だと思います。

評価:★★★★★


ほかに聴いたアルバム

MONKEY MAJIK BEST~10years&Forever~/MONKEY MAJIK

MONKEY MAJIK BEST ~10 Years & Forever~

当たり前の話かもしれませんが、やはりメロディーに英語詞を載せるのが抜群に上手いなぁ~。というか、ここらへん、日本人とネイティブの差を如実に感じてしまいます。そして、そんな英語詞のリズムの良さが、MONKEY MAJIKの曲を聴いていて感じる「洋楽っぽさ」の正体なのかなぁ。

そんな英語詞と日本語詞を自在に行き来するもの魅力的。洋楽っぽいんだけど、邦楽のような馴染みやすいメロを書いてきているのが、彼らが人気を獲得している理由かも。ただ、一方で、メロディーに関しては、いいメロディーは書いているのですが、ちょっと地味な感じ。「Around The World」以降、大きなヒットに恵まれないのも、それが理由かも。

評価:★★★★

MONKEY MAJIK 過去の作品
TIME

ALIVE/キマグレン

ALIVE

先行シングルの「リメンバー」はとてもよかったし、特に前半の爽快なポップチューンはとても楽しめました。ただ一方、後半、聴かせるナンバーに関しては、いかにも売れ線の「泣き歌」っぽいというか、ちょっと狙いすぎな感じが・・・。前作「空×少年」よりはよかったと思うけど・・・。

評価:★★★

キマグレン 過去の作品
LIFE
ZUCHI

空×少年

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2010年9月18日 (土)

ルーツを求めて

Title:WE WALK THIS ROAD
Musician:ROBERT RANDOLPH AND THE FAMILY BAND

ウィ・ウォーク・ディス・ロード

若きスティール・ギターの名手、ロバート・ランドルフ率いるファンク・バンドによる3枚目となるオリジナルアルバム。T・ボーン・バーネットがプロデュースした今回の作品は、「WE WALK THIS ROAD」というタイトル通り、いわば音楽のルーツをたどるアルバムになっています。

そのためか、「TRAVELING SHOES」のコーラスや「BACK TO THE WALL」のリズムなど、アフリカン・ミュージックの要素を強く感じます。で、やはりルーツといえばアフリカ系の音に突き進むのかな?と思いきや、「I STILL BELONG TO JESUS」はメロウなソウル風、「WALK DON'T WALK」をはじめ、後半はロックなナンバーが並んでいました。

確かに、様々なジャンルを取り入れ、音楽のルーツを探っているような作品。楽曲にバラエティーが多く、最後まで飽きずに楽しめます。また、ボブ・ディランやジョン・レノン、プリンスなどのカバーにも挑戦しています。そんなメジャー系ミュージシャンのカバーも含め、ルーツを探るといっても決して難しい方面に走っておらず、むしろ全体的には比較的、ポップで聴きやすい内容になっていました。

ただ、そんな中でも、スティール・ギターの音色が、楽曲になんともいえないブラックでファンキーな雰囲気を与えていてとても魅力的。基本的にボーカル曲なのですが、やはりついつい耳は、その魅力的なギターの音色を追ってしまいます。

最近のスタイリッシュなR&Bではなく、ちょっとオールドスタイルのブラックミュージックを聴きたいという方にはピッタリ・・・といってしまってもいいのかなぁ?ほどよいルーツ志向と、ほどよいソウルの風味、そしてほどよいロックテイストに、とても魅力的なペダルスティールの音色を存分に楽しめた作品でした。

評価:★★★★★

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2010年9月17日 (金)

日韓の人気男性グループが

今週の着うたチャート

2010年9月8日~2010年9月14日付チャート

今週の1位は、あの人気男性グループの新曲です。

もっと強く

EXILEの新譜「もっと強く」が見事1位獲得です。9月15日発売予定のシングルからの先行配信。映画「THE LAST MASSAGE 海猿」の主題歌です。聴かせるバラードナンバーで、これはヒットしそう。シングルチャートの動向も注目です。

2位は先週1位西野カナ「if」がワンランクダウン。まだまだロングヒットを続けています。

3位には、放課後ティータイム「U&I」がランクイン。TBS系アニメ「けいおん!」の劇中歌ですね。シングルでもランクインした「ごはんはおかず」と両A面。2曲目のこちらの方が上位にランクインしました。90年代J-POP風の軽快なギターポップのストレートなラブソングになっています。ファンの中では、「ごはんはおかず」よりも人気が高いということでしょうか?ちなみに、「ごはんはおかず」も10位にランクインしています。

7位はLove「片思い」・・・って、これ、なんとJungle Smileの名曲のカバー(!)。個人的に、ジャンスマを知るきっかけになった大好きなナンバーなのですが・・・それだけに、かなり複雑な心境・・・・・。

9位初登場はNO DOUBT FLASH「抱きしめて×抱きしめた」。LGYankeesのリーダーHIROらを中心に結成した4人組のユニットで、10月6日にリリース予定のアルバム「FLASH PLAYERS」からの先行配信です。女性ボーカル+ラップの組み合わせで着うたヒットの王道パターンといった感じのナンバーになっています。

初登場でベスト10入りした曲は以上。あと1曲。先週のベスト10圏外からベスト10に入ってきた曲が。8位に韓国のアイドルグループ少女時代「Genie」がランクインです。シングルチャートに続き、着うたチャートでもベスト10入りしてきました。


今週のアルバムチャート
http://www.oricon.co.jp/rank/ja/

着うたは日本の人気男性グループでしたが、一方、アルバムでは韓国の人気男性グループが1位獲得です。

The…(ジャケットA)

今週の1位はJUNSU/JEJUNG/YUCHUNのミニアルバム「The...」。韓国のアイドルグループで、現在、活動休止中の東方神起のメンバーによるユニットです。オリジナルアルバムとしては、東方神起は1位を獲得していないので、初の1位となります。ただ、初動売上は、東方神起の現時点での最新作「The Secret Code」の15万7千枚より若干ダウンし、13万9千枚に留まりました。ただ、彼らも日本での活動休止を先日公表。これ以降、しばらく新作は出なさそう・・・今後、どうなるのでしょうか?

2位はSuperfly「Wildflower & Cover Songs:Complete Best 'TRACK 3'」が先週よりもワンランクダウンで2位をキープしています。

続く3位には氷室京介「"B"ORDERLESS」がランクイン。オリジナルとしては3年10ヶ月ぶりとなる新作です。初動5万7千枚は前作の6万6千枚からダウン・・・とはいえ、いまだにベスト3に入ってくるあたり、ベテランの貫禄を感じます。

以下、初登場は・・・

4位 言葉にならない、笑顔を見せてくれよ/くるり
5位 LIFE/アンジェラ・アキ
6位 シトロンの雨/田村ゆかり

と続いています。くるりは、前作B面ベスト「僕の住んでいた街」で初の1位を獲得したのですが、オリジナルの今回は4位。ただ、初動は3万3千枚と、「僕の住んでいた街」の2万枚よりはアップ。もっとも、オリジナルとしての前作「魂のゆくえ」の初動4万枚よりはダウンしてしまったのですが・・・。

アンジェラ・アキは、前作「ANSWER」が、シングル「手紙」のロングヒットに助けられ、1位を獲得し、初動売上も7万4千枚を記録したのですが、本作はガクッとダウンし、初動も2万5千枚。ただ、このペースの人気を維持できればいいのですが・・・。

6位は声優アイドル田村ゆかりの新作。初動は2万枚と、前作の1万3千枚よりも大きくアップ。いまなお勢いのあるところを感じます。

初登場はあと2枚。9位にclear「Dearest」、10位に安藤裕子「JAPANESE POP」がそれぞれランクインです。

9位clearは、ニコニコ動画でその歌を披露し、人気を博していた男性シンガー。初のアルバムが見事ベスト10ヒットです。初音ミク界隈といい、ネット発のミュージシャンが増えてきましたが、この流れはおもしろいですね。特に、「素人」が、動画投稿サイトなどを通じて、いきなり人気を獲得する流れは、とても興味深いです。ただ、まだまだ一部の層の人気に留まっているのですが・・・今後の動向に注目したいです。

そのまんまなタイトルの安藤裕子の新作は、オリジナルとしては約2年4ヶ月ぶりとなる作品。ギリギリベスト10入りを記録しましたが、初動1万1千枚で、オリジナルとしての前作「chronicle.」の1万8千枚からダウンしてしまいました。

着うた&アルバムチャートは以上!チャートはまた来週の水曜日に~。

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2010年9月16日 (木)

渋~い大人のロック

Title:MALPASO
Musician:長田進 with GRAPEVINE

MALPASO

Dr.Strange Loveのメンバーで、CoccoやGreat3などのプロデューサーとしてもおなじみの長田進の、初のソロアルバム。ただし、本作では、バックに、「deracine」移行、プロデュースを手がけるGRAPEVINEが参加し、共同名義でのアルバムになっています。

個人的に、GRAPEVINEのファンなので、やはり最初は正直長田進の名前よりも、GRAPEVINEの名前に惹かれてこのアルバムを聴きました。おそらく、私みたいなリスナーは多いのではないでしょうか。

そんな私は、1曲目のタイトル曲「MALPASO」ですっかりとやられてしまいました。ノイジーなギターに、ヘヴィーなドラムスが切り刻まれるこの作品は、巨大なうねりのような迫力のあるインストナンバー。ある意味、このアルバムの顔とも言えるのですが、バンドの魅力がこれでもかというほど発揮された、文句なしにカッコいいナンバーになっていました。

ただ、この曲はある意味ご挨拶代わり。その後の「愛ゆえに」でも同じくGRAPEVINEファンにはたまらないグルーヴィーなサウンドを聴かせてくれるのですが、やはりアルバムで主軸となるのは、長田進の歌でした。

「雨に唄えば」「Beautiful orphan」などアコースティックテイストのナンバーをじっくりと聴かせてくれるのですが、これがまた渋い!低音を聴かせるボーカルを、しんみりと聴かせてくれるのですが、御年52歳の彼だらこそ聴かせてくれることが出来る、味のあるボーカルを楽しむことが出来ます。

Disc2の「俺の車」も(タイトルからして「らしい」のですが)、長田進がレコーディングなどで共演している奥田民生が、作詞作曲から楽器演奏まで手がけた曲。奥田民生らしい飄々としたナンバーなのですが、長田進のボーカルにより、なんともいえない深みを感じます。

最初は、GRAPEVINEらしさをもとめて「MALPASO」でうれしくなるも、アルバムが進むにつれて、徐々に長田進の魅力にはまっていくような、そんな作品でした。いやぁ~彼のボーカルは本当にカッコよかった!そういう意味では、よく考えられた構成は、さすがプロデューサーとしての実績のある彼ならでは、ということなのかな??

評価:★★★★★


ほかに聴いたアルバム

乱反射ガール/土岐麻子

乱反射ガール

土岐麻子の新作は、とにかく作家陣が豪華。真心ブラザーズの桜井やTRACERATOPSの和田唱、TOKYO No.1 SOUL SETの渡辺俊美に、NONA REEVES奥田健介、さらには森山直太朗まで(!)。他にもビートルズやマイケルジャクソンのカバーなど、盛りだくさんの内容になっています。

ただ、これだけ様々な曲を取り上げていながらも、アルバム全体として、ブレのない爽やかでキラキラとした空気を感じるシティポップチューンになっているのが見事。アルバム全体を貫く統一感がある一方で、楽曲の間で微妙に異なる音楽性のため、飽きのこない内容に。爽やかなポップソングは、暑い夏にはピッタリ!・・・って紹介するのがちょっとおくれてしまいましたね(^^;;

評価:★★★★★

土岐麻子 過去のアルバム
TALKIN'
Summerin'
TOUCH
VOICE~WORKS BEST~

HOLIDAYS IN THE SUN/YUI

HOLIDAYS IN THE SUN

正直、前作「I LOVED YESTERDAY」は、「ティーンズの心の叫びを歌う代表」みたいな部分を「演じさせられている」ようなものを感じて、歌詞にどこか違和感を覚えていました。ただ、本作は、今時の若者のいかにもな叫びは抑えられて、もっと等身大な歌詞になったような印象を受けます。

ただ、その分、ハッとするようなワードも少なく、歌詞の面でのインパクトは少なめ。メロディーも「GLORIA」は文句なしに名曲だと思い、メロディーの面では勢いが出てきたのかな?と期待していたのですが、「GLORIA」に匹敵するような曲もなく、残念。いい方向には進んでいるかな、とは思うのですが・・・。

評価:★★★

YUI 過去の作品
I LOVED YESTERDAY

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2010年9月15日 (水)

アイドルが席巻

今週のシングルチャート
http://www.oricon.co.jp/rank/js/w/

今週はアイドル系の活躍が目立つチャート。ベスト10のうち5曲がアイドルというチャートとなりました。

その中で1位を獲得したのは、そんなアイドル系の中でも圧倒的な人気を誇る「Løve Rainbow」が初動52万8千枚で2位以下を突き放しての1位獲得となりました。メンバーの松本潤主演のフジテレビ系月9ドラマ「夏の恋は虹色に輝く」の主題歌で、タイアップの良さもあり、初動は前作の42万6千枚より大幅にアップしています。

2位はGLAY「Precious」がランクイン。自主レーベル「loversoul music & associates」立ち上げ後、初となるシングルなのですが、初動6万3千枚は前作の初動4万枚から大きくアップ。幸先の良いスタートとなったと共に、いまだにGLAYの根強い人気を見せつける結果となりました。

3位は、シングルチャートではすっかりおなじみ、TBS系アニメ「けいおん!」の劇中歌、放課後ティータイム「ごはんはおかず」がランクインです。ユーモラスなタイトルは、個人的にはマキシマム・ザ・ホルモンのキャッチフレーズ「三度の飯より飯が好き」を思い出してしまいました(笑)。軽快なギターポップのナンバーなのですが、この曲の作曲を手がけたシンガーソングライターのbiceが、7月26日に若干38歳で逝去。これが遺作になってしまいました。この曲のヒットを機に、これから・・・というところだっただけに、大変残念なニュース。あらためて、故人のご冥福をお祈りします。

さて、以下、アイドル系が続く今週のチャート。4位には、韓国のアイドルグループ少女時代「GENIE」がランクインしました。今風のR&B風ナンバーで、どうもファンの多くは女性層みたいで、どちらかというと、アイドルでも浜崎あゆみや倖田來未あたりの系統といった感じでしょうか。デビューにあたって、かなりマスメディアの強力なプッシュがあって、正直、ちょっとひいてしまった部分もあるのですが・・・結果、4位は、海外の女性ミュージシャンのデビューシングルの初登場の順位としては、過去最高位らしいです。なんだかんだいっても、まだまだマスメディアの力は強いなぁ・・・と思いつつも、あれだけプッシュしても4万4千枚というのは、むしろ厳しいと見るべきなのか・・・。

5位もアイドル系。AKB48の別働ユニットフレンチ・キス「ずっと前から」がランクインです。ちなみに今週はAKB48「ヘビーローテーション」が6位にランクインしており、5位6位とAKB48関連の曲が並んでいます。

そしてもう1曲。WaT「24/7~もう一度~」が10位にランクインしています。ここ最近、ちょっと元気がないのですが、初動9千枚と、前作の1万8千枚から大幅ダウン。ベスト10入り崖っぷちという状況になっています。

初登場はあと2曲。8位に大塚愛「I LOVE ×××」がランクインです。「第77回NHK全国学校音楽コンクール」中学校の部課題曲で、NHK「みんなのうた」でも流れているそうです。「NHK全国学校音楽コンクール」中学校の部課題曲といえば、昨年はいきものがかりの「YELL」、その前はアンジェラ・アキの「手紙」とロングヒットを記録していますが、それに続くことになるのか・・・・・・っていまさらながら、「全国学校音楽コンクール」の課題曲って、いわゆるヒット曲を歌わせるんですね。調べると、以前の課題曲は、いわゆる教科書にのってそうな合唱曲だったみたいですが・・・なんか、ちょっと媚びすぎじゃない??

そして9位には10-FEET「hammer ska」がランクイン。自動車の「Hummer」を前にMCハマーのコスプレをしたメンバーが踊るPVがめちゃくちゃおもしろいんですが(笑)。とりあえず、You Tubeでレコード会社からオフィシャルでPVがアップされているみたいなので、一度見てみてください。笑えます。→http://www.youtube.com/watch?v=sAn-rjHvvAM

今週のシングルチャートは以上。アルバム&着うたは金曜日に~。

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2010年9月14日 (火)

アメリカへの憧憬

Title:THE UNITED NATIONS OF SOUND
Musician:RPA&THE UNITED NATIONS OF SOUND

ユナイテッド・ネイションズ・オブ・サウンド

2009年に3度目の解散が発表された、イギリスの人気バンドthe verveのボーカリスト、リチャード・アッシュフロフトによる新バンド。プロデューサーに、シカゴのHIP HOPシーンの大物プロデューサーNO IDを迎えたり、ストリングスのアレンジに、アレサ・フランクリンやマイケル・ジャクソンとの仕事でも知られるベンジャミン・ライトを採用したり、HIP HOP、ブラックミュージックよりの人選が目立つプロジェクトとなっています。

それだけに、例えば「AMERICA」のように、HIP HOPの影響を強く感じる曲なども収録されています。ただ、それ以上に強く感じるのは、アメリカ音楽からの影響。HIP HOP的な要素の他に、「HOW DEEP IS YOUR MAN?」では、ちょっとブルースの雰囲気を感じましたし、「SHE BRINGS ME THE MUSIC」もいかにもアメリカンロック風のバラード。他にも、ソウルの影響を感じる部分も随所に感じられ、HIP HOPに限らず、広くアメリカ音楽からの影響を感じました。

これは、ある種の勝手な憶測に過ぎないのですが、例えばビートルズやストーンズが、アメリカのブラックミュージックやブルースに憧れを抱いたように、今でもイギリスのミュージシャンは、アメリカの音楽に対して、ある種の憧れを抱いている部分があるのかなぁ・・・なんてことを思いました。ちょうど日本人が、アメリカのミュージックシーンに抱く憧憬と同じように。

ただ、そういうアメリカ音楽からの要素を取り込みながらも、結局はUKロックになっているところが、大きな魅力(笑)。冒頭の「ARE YOU READY?」は、祝祭色豊かなロックナンバーは、どこかthe verve時代の名曲「Bitter Sweet Symphony」を思い出しますし、続く「BORN AGAIN」もいかにもなUKギターロックに仕上がっています。

アルバム全体としては、そんなUKギターロック好きの壺をつきまくるような曲も多く、ある種のわかりやすさも感じます。the verveのファンはもちろん、イギリスのギターロックバンドが好きなら、間違いなくはまるアルバムだと思います。

今年のサマソニに来日したのですが、私が行った日とは別の日のステージだったので見れなかったのが残念・・・。今後はこのバンドでコンスタントに活動を続けていくのでしょうか?これからの活躍も楽しみです!

評価:★★★★★

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2010年9月13日 (月)

2つの顔

エレクトロの要素を取り入れた、先駆的なサウンドを取り入れながらも、ポップなメロディーラインで魅了する男女3人組バンド、Spangle Call Lilli Line。このたび、2枚のアルバムが、わずか2ヶ月のインターバルで発売されました。

その2枚のアルバム、Spangle Call Lilli Lineの魅力を、全く別の方向に引き出しているのが特徴的。いわば彼女たちの2つの顔を表現したアルバム、と言えるかもしれません。

Title:VIEW
Musician:Spangle Call Lilli Line

VIEW

こちらは、「歌」を主眼としたポップアルバム。共同プロデューサーとして、ROVOなどの活動でおなじみの益子樹を迎えています。

もちろん、どこかユーモラスな「shower beige」や、ちょっとブラックミュージックからの影響も感じる(?)「garden loy」など、凝ったサウンドも魅力的なのですが、あくまでもメロディーと歌が作品のメインには据えられていました。

個人的に特に気に入ったのが、アップテンポな曲調ながらも、どこか憂いを帯びたメロディーが印象に残る「cliche」でした。他にも「apres guerre」など、ボーカルの大坪加奈の声が曲の雰囲気にピッタリとあっていて、ポップスミュージシャンとしてのSpangle call Lilli lineの魅力を存分に感じることが出来る1枚でした。

Title:forest at the head of a river
Musician:Spangle Call Lilli Line

forest at the head of a river

一方、こちらはその2ヵ月後にリリースされたアルバム。こちらは6曲入りのミニアルバム・・・ながらも50分に迫る内容のアルバム。toeの美濃隆章を共同プロデューサーとして迎えたこのアルバムは、その美しい音の世界を繰り広げたアルバムになっています。

ピアノやストリングスを中心につむがれた音の世界は、実に魅力的。タイトル通り、森の中を歩いているような、すがすがしい雰囲気が満ち溢れたアルバムになっています。

メロディーラインもポップで心地よいし、ボーカルのクリアボイスも魅力的ですが、立場的にはピアノやバンドサウンドの音と対等。一緒になってその世界を作り出しているという感じのアルバムです。

ラストの「univocal」は14分にも及ぶ壮大なナンバー。ゆったりと流れるピアノの音色に、ドラムスのリズムが心地よいインパクトに。ラストを飾るふさわしいナンバーになっていました。

曲の雰囲気としては似たような部分も多いし、全く異なる、という訳ではないのですが、Spangle call Lilli lineの2つの顔をそれぞれ現したアルバムになっていたように感じました。

ただ、惜しむらくは、どちらもちょっとインパクトは弱かったかな?一曲、核になるようなガツンと来る名曲が欲しかったような感じがします。どちらもいい作品だとは思うのですが・・・。

評価:
VIEW ★★★★
forest at the head of a river ★★★★

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2010年9月12日 (日)

直感的なサウンドとリズム

Title:Spirit In The System
Musician:THE QEMISTS

Spirit In The System [日本盤先行発売 / ボーナストラック・日本語解説付き国内盤] (BRC-265)

最初、どうしようかなぁ・・・と思っていたのですが、試聴していて購入決定!正直言って、激しいビートとロッキンなサウンドに、直感的にひかれてしまいました(笑)。

こういってはなんなのですが、ドラムンベースのリズミカルでハイテンションなサウンドに、ノイジーなロックサウンドは、リスナーの脳天へダイレクトに直撃するサウンド。素直に気持ちよくなれるダイナミックなサウンドが、とても心地よかったです。

ボーカルレスなバンドで、曲ごとにボーカルを連れてきているのですが、そのボーカルによって曲の雰囲気が変わり、アルバムにバリエーションが出ているのも彼らの特徴。特に「HURT LESS」「FADING HALO」のような、女性ボーカルがソウルフルに歌い上げるナンバーが、アルバムの中でほどよいインパクトを与えていて、印象に残りました。

そんな中、やはり個人的には、冒頭の「TAKE IT BACK」が一番よかったかも。ちょっと好みがベタでごめんなさい。他にも、全体的には前作以上に激しく、ロックテイストが強かったような印象がありました。

ただ、全体としては、ひとつこれといってずば抜けたようなナンバーがなかったのがマイナスポイントかも。あと、とにかく激しい音を詰め込んだ内容は、最後まで聴くと、ちょっとダレる部分も。ライブだと文句なしに盛り上がれそうなアルバムなのは間違いないんですけどね!

評価:★★★★

THE QEMISTS 過去の作品
Join the Q


ほかに聴いたアルバム

LET IT ROLL/GEORGE HARRISON

オールタイム・ベスト

ジョージ・ハリスンのソロベスト盤。すいません、そんなに熱心なビートルマニアじゃないんで、偉そうにあれこれ語れませんが(^^;;正直、ビートルズ時代のジョージの曲は、名曲も多いのですが、そんなに「大好き!」といった曲は少なかったので、ソロを聴くのがかなり後になってしまいました。そしてはじめて聴いたジョージのソロがお決まりの「All Things Must Pass」。「My Sweet Lord」をはじめて聴いて、一発ではまりました。「All Things Must Pass」はいうまでもなく、今では大好きなアルバムです。このアルバムでは、ビートルズ時代の曲も収録されているジョージのオールタイムベスト。言うまでもなく名曲揃い。はまります。

評価:★★★★★

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2010年9月11日 (土)

歌謡曲風のメロがボーカルにマッチ

Title:ハラッド
Musician:原由子

ハラッド(通常盤)

いわずと知れた、サザンのキーボーディストであり、桑田佳祐のパートナーでもある、原由子の2枚目となるベストアルバム。

売上的には初登場3位で初動約6万枚。もちろん、十分すぎる成績だとは思うのですが、個人的には、もっともっと売れてもいいと思うんだけどなぁ~。

楽曲は、主に桑田佳祐が提供している曲がメインなのですが、彼が原由子に提供する曲って、彼女のボーカルの魅力を最大限に生かして、かつ、彼自身のメロディーメイカーとしてのセンスを最大限発揮した名曲揃いだと思うんですよね。

桑田佳祐と原由子のおしどり夫婦ぶりは有名な話ですが、これだけ彼女の声にマッチした名曲を作り続けるのって、やはり愛情のあらわれなのかなぁ~なんて思ったりして(笑)。

「鎌倉物語」「私はピアノ」など、歌謡曲テイストが強い曲も多いのですが、切ないメロディーがグイグイとリスナーの耳を釘付けにする桑田佳祐のメロディーセンスが冴え渡っている曲ばかり。もちろん、それに勝るとも劣らない魅力をみせてくれるのが彼女のボーカルで、時にはかわいらしく、時には色っぽく、そして時には力強いボーカルがあればこその名曲の数々でしょう。

でも、なにげに収録曲で一番好きなのが原由子作詞作曲の「少女時代」だったりするんですよね。歌詞も含めて、とても切ない楽曲で、アルバム「MOTHER」をリアルタイムで聴いた時から好きだったのですが、あらためて、名曲だなぁ、と実感しました。

他にも、JR東海のCMソングとして大ヒットした「花咲く旅路」や、ハラフウミ名義の「夢を誓った木の下で」、桑田佳祐とデュエットした「いつでも夢を」など、名曲たくさんのベスト盤です。2枚組のフルボリュームなのですが、それを感じさせない内容でした。

評価:★★★★★


他に聴いたアルバム

SPARK/moumoon

SPARK

「Sunshine Girl」が資生堂のCMソングとなりブレイクした男女デゥオ。洋楽テイストの強い爽やかなポップソングが魅力的。出来としてはやはり「Sunshine Girl」が秀でているものの、他の曲も同様に爽やかなメロディーが印象に残り、都会的なおしゃれな感じながらも、スノッブな雰囲気はなく、至ってポップ。「Sunshine Girl」が気に入ったのなら、気に入りそう。

評価:★★★★

DISCHARGE/山中さわお

ディスチャージ

the pillowsのボーカリスト、山中さわおによる初のソロアルバム。基本的にはオルタナ系ギターロックという意味では、the pillowsと同系統。ただ、ミディアムテンポのメロディーをしっかりと聴かせるタイプの曲が多く、the pillowsとはその方向性を分けていました・・・が、個人的には、こういう曲を、別にthe pillowsで演っても別に違和感はないかなとも思ったのですが・・・。もっとも、全体的に地味な曲は多くても、聴けば聴くほど味が出るポップなメロディーは、さすが山中さわおといった感じ。the pillowsファンはとりあえずチェックすべきアルバムだと思います。

評価:★★★★

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2010年9月10日 (金)

着うた女王の面目躍如&カバーアルバム強し!

今週の着うたチャート

2010年9月1日~2010年9月7日付チャート

今週のチャートは着うたの女王が、見事1位に返り咲きました。

if

西野カナ「if」が先週の3位からランクアップで1位返り咲き。ここ2週、AKB48に首位をあけわたしていましたが、見事に復活。これで4週目の1位獲得となりました。ただ、AKB48「ヘビーローテーション」は今週も2位にランクイン。こちらもロングヒットとなりそうです。

3位はSuperfly「Wildflower」が初登場でランクインです。こちらは、この曲が収録されたシングルが「アルバム」扱いでアルバムチャート1位にランクインしています。

4位も初登場。miwa「chAngE」が入ってきました。シングルチャートでも今週8位にランクインしていますが、着うたチャートではそれを上回る順位でランクインです。

初登場でベスト10入りの新曲はあと1曲。7位に光井芙美香「天国のドア」がランクイン。音楽配信サイトの「レコチョク」によるオーディションのグランプリ受賞者。歌い上げるタイプの聴かせるポップソングは着うた向きなのですが・・・よくありがちなポップソングという印象なのですが・・・。最終選考がダウンロード数を競うものだったそうで、ここらへんが着うたサイトによるオーディションらしいといった感じですね。

ベスト10以下からランクアップしてのベスト10入りも今週は2曲。

まずは9位に韓国の女性アイドルユニットKARA「ミスター」がランクイン。どうも女性ファンによる人気が高いみたいですね。着うたでもベスト10ヒットとなりました。

そして10位には、先週の33位からサスケ「青いベンチ」が一気にランクアップし、ベスト10入りしました。サスケは、2000年に結成し、2009年に解散した男性2人組デゥオユニット。この曲は、2004年にシングルとしてリリースして、オリコンシングルチャートで8位にランクインしています。この曲、8月31日にフジテレビ系バラエティー「青春アカペラ甲子園 全国ハモネプリーグ」で、決勝に進出したチームが歌ったことから話題となり、一気に着うたチャートでベスト10入りとなったようです。


今週のアルバムチャート
http://www.oricon.co.jp/rank/ja/

今週のアルバムチャートは、なんとベスト3のうち2枚がカバーアルバムというチャートになりました。

Wildflower & Cover Songs;Complete Best 'TRACK 3'(通常盤)

まず今週1位はSuperflyの「Wildflower & Cover Songs:Complete Best 'TRACK 3'」が獲得しました。CD2枚組で、うち1枚は着うたチャートでもランクインした「Wildflower」や、NHKのワールドカップのテーマソングとしておなじみの「タマシイレボリューション」などの新曲が4曲収録されており、あと1枚は、洋楽のカバー15曲が収録されたカバーアルバムになっています。

一応、公式では、「シングル」なのですが、さすがに15曲入りのカバーアルバムがついてくる、ということでオリコン的にはアルバム扱いに(ちなみにオリコンのルールでは、5曲以上収録されたCDはアルバム扱いだそうです)。初動14万6千枚は、シングルと考えれば、前作が初動1万8千枚なので大幅アップ。アルバムと考えれば前作が初動21万4千枚なので若干ダウンしています。なお、もしシングル扱いだったとしても、今週の1位V6の「only dreaming」の売上は5万6千枚だったので、こちらでも圧倒的な差で1位獲得となっています。

ちなみに今週の3位は、先週1位だったコブクロ「ALL COVERS BEST」。奇しくも今週のベスト3に、カバーアルバムが2枚並びました。

で、売上14万枚で惜しくも2位に終わったのが堂本光一「BPM」。ただ、惜しくも2位とはいっても、前作「mirror」の初動12万1千枚は上回っており、好セールスだったのですが。

以下、今週初登場のアルバムが5位から7位に並びました。

5位はイギリスのエレクトロ系ユニットunderworld「Barking」がランクインです。約3年ぶりとなるニューアルバムで、日本での人気の高さを感じます。ただ、初動は1万2千枚と前作の初動2万3千枚から大幅にダウンしてしまいました。

6位はレゲエミュージシャンINFINITY16のニューアルバム「LOVE」。約1年9ヶ月ぶりの新譜です。前作は15位に終わったのですが、今回は見事にベスト10入りを果たしました。初動は1万1千枚と前作の1万9千枚よりダウン。ただ、前作の初登場が、ちょうど正月の2週集計チャートの週だったので、初動売上は、好セールスだったといえるでしょう。

初登場最後7位には新選組リアン「上京物語」がランクイン。島田紳助プロデュースで出てきたアイドルユニットで、アルバムとしてはこれが1枚目。ただ、初動9千枚はシングルとしては最新作の「愛の唄」の初動1万3千枚を下回ってしまいました。

今週のアルバム&着うたチャートは以上。チャートはまた来週の水曜日に~。

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2010年9月 9日 (木)

2人の個性が見事に融合

Title:TAKE YOUR PICK
Musician:Larry Carlton&Tak Matsumoto

TAKE YOUR PICK

ジャズフュージョン界を代表するアメリカのギタリスト、ラリー・カールトンと、日本のB'zの松本孝弘によるコラボレートアルバム。

世界的な著名ミュージシャンと、日本人の共演っていうと、「日本でも売り目的でしょ?」みたいなちょっとうがった見方をしちゃうところで、最初、このアルバムについても、正直、そんな見方をしていた部分もありました。

しかし、聴いてみて、そのイメージは一変。ごめんなさい、変なうがった見方が一変に吹っ飛んだ、素晴らしい作品でした。

アルバムは、ラリー・カールトンが作曲した曲と、松本孝弘が作曲した曲が交互に入っています。聴いていて、フュージョンの色合いが濃く、メロディアスなのがラリーの曲で、ロックテイストが強いのが松本の曲だなぁ、というのがわかります。

時おり、日本的なメロディーが顔をのぞかせたり、かと思えばラリーが「Islands of Japan」のような、三味線の音を取り入れたりと、2人とも、日本であることを意識しながら、それぞれの個性を上手く出し合っているような印象を受けました。

全体的には、ラリー・カールトンの色合いは濃かったのですが、その中でも、松本の楽曲も上手く調和していて、ほどよいインパクトをアルバムに与えていたと思います。また、ポップな作風の楽曲だっただけに、広い層にアピールできそう。

2人のギターの音色に聴きほれる、本当に素晴らしいアルバムで、普段、B'zを聴かない方でも、いや、聴かない方にこそお勧めしたいアルバムだと思います。

個人的には、ロックテイストが強いタイトル曲の「Take Your Pick」や、ファンキーなテイストのギターの中に、ふいにジャジーなテイストのキーボードが紛れ込むのがおもしろいラストの「A girl from China」あたりが、とても気に入りました。他にも、思わず聴き入ってしまう曲ばかり。日米のギタリストの共演が、すばらしい形で実現した1枚でした。

評価:★★★★★


ほかに聴いたアルバム

WATCH YOUR BLINDSIDE/The Birthday

WATCH YOUR BLINDSIDE

いままでのシングルのB面曲や、ライブ会場限定のシングルなどを収録したアルバム未収録曲集。もちろん、カッコいい名曲も多数収録されていますが、正直、「捨て曲かな・・・」という曲もあるので、2枚組というフルボリュームとあわせて、どちらかというとファンズアイテムといった感じでしょうか。

評価:★★★

The Birthday 過去の作品
TEAR DROP
MOTEL RADIO SiXTY SiX
NIGHT ON FOOL

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2010年9月 8日 (水)

AKB48がベスト3に・・・

今週のシングルチャート
http://www.oricon.co.jp/rank/js/w/

今週のシングルチャート、1位はV6「only dreaming」が獲得しました。

only dreaming/Catch(ジャケットC)

メンバーのイノッチも出演しているテレビ朝日系ドラマ「新・警視庁捜査一課9係」の主題歌。ドラマのイメージにマッチしているような、しんみりと聴かせるナンバーに。ただ、初動売上は5万7千枚で前作の6万3千枚からはダウンしており、タイアップ効果はあまりなかった模様です。

で、今週は2位3位にAKB48関連が並んでいます。

2位にはAKB48のメンバーが集まったユニット渡り廊下走り隊「ギュッ!」が初登場でランクイン。さらに3位にはAKB48「ヘビーローテーション」が先週の4位からランクアップしています。

「ヘビーローテーション」はロングヒットの感すらあります。テレビ番組にもよく見かけるようになりましたし、一部のアイドルファン層以外に支持層が広まった模様。ただ、一方、渡り廊下走り隊は初動が3万8千枚と、前作の4万枚から若干ダウン。「ヘビーローテーション」も初動の伸びは鈍化しているので、ライトユーザーにファン層が広がった反面、コアなファンは横バイor若干の減少傾向といったところでしょうか。

かつてのモーニング娘。の「LOVEマシーン」の頃のように、一種のピークを迎えたといった感じでしょうか?次回作あたりでもう一発大きいヒットが出そうな感じもするのですが・・・ピークを迎えた後、どのような手を打ってくるのか、気になるところです。

4位は倉木麻衣「SUMMER TIME GONE」が入ってきました。日テレ系アニメ「名探偵コナン」オープニング曲。秋の訪れを予感させるような、哀愁のある、どちらかというと歌謡曲風のナンバー。暑い日が続きますが、ヒット曲は秋の曲がチラホラ。

以下、3曲が初登場でランクインしています。

7位 くちづけ/BUCK-TICK
8位 chAngE/miwa
10位 指環/SPEED

BUCK-TICKは、初動売上1万4千枚と、前作と同水準。ガッチリと固定ファンで固めている模様です。SPEEDは、2008年の再結成以来、コンスタントにシングルをリリースしているものの、いまひとつ。このシングルも、初動1万1千枚と前作の1万4千枚からダウンしています。もっとも、それでもちゃんとベスト10入りしてくるあたり、根強い人気も感じますが。

8位にランクインしたmiwaは、若干20歳の女性ロックシンガー。これがメジャー3枚目となるシングルなのですが、テレビ東京系アニメ「BLEACH」オープニングテーマというタイアップに恵まれて、初のベスト10ヒットとなりました。テンポのよいポップスロックチューンは、幅広い層に支持されそう。アニメタイアップでのブレイクなだけに、ちゃんとその人気をミュージシャンの人気と出来るか気になるところ。次回作も注目したいところです。

今週のシングルチャートは以上。アルバム&着うたチャートは金曜日に~。

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2010年9月 7日 (火)

アングラ系のベテランバンド

今日紹介するバンド2組は、どちらも20年以上のキャリアを誇るベテランバンド。どちらのバンドも熱烈な支持を得ていますが、一般的には音楽ファン以外の知名度は低いかもしれません。そういう意味で、「アングラ系」といってしまっていいのかな?どちらも、久しぶりの新譜がリリースされたので聴いてみました。

Title:2013:Live Friction
Musician:FRICTION

2013:ライヴ・フリクション

FRICTIONは1978年に結成されたバンド。1980年にリリースされた「軋轢」は、名盤ガイドの類によく紹介されていますが、残念ながらまだ聴いたことなく、今回発売されたライブ盤で、はじめて彼らの音楽に触れました。

今のFRICTIONは、オリジナルメンバーのレック(Vo,B)と、ドラムスに、元ブランキーの中村達也を加えた2人組で活動しています。ギターレスで、基本的にドラムスとベースでサウンドを作り上げているため、そのグルーヴ感は一種独特。かなりヘヴィーなリズムは、迫力があります。

ただ、正直、サウンドにはポピュラリティーがなく、癖のあるサウンドなだけに、最初聴いた時は、さほど楽しめませんでした。その後、何度か聴くうちに、徐々にそのカッコよさがわかってきたのですが・・・2枚組でどちらも70分近くに及ぶフルボリュームは、FRICTION初心者の私にとっては、聴きこむには厳しい内容。「彼らの良さはライブ盤にこそ詰まっている」という本作へのアルバム評も読んだのですが、良さがわかるには、ちょっと私は若輩者だったかも。今後、一度、名盤と言われる「軋轢」を聴いてみたいな。

評価:★★★★

Title:星を見る
Mucisian:割礼

星を見る

こちらは、80年代に名古屋で結成されたバンド。当初はパンクバンドだったらしいのですが、現在は、サイケデリックロックへ移行。シューゲイザーバンドとの比較もよくされているようです。

ノイジーなギターサウンドなど、確かに、シューゲイザー系あたりが好きな人には壺かもしれません。ミディアムテンポでゆっくりと奏でられるノイズギターは、聴いていて別の世界にトリップできるよう。個人的にも、はまってしまいました。

ただ、一方で、メロディーラインには、むしろフォークっぽさも感じられ、80年代のバンドながらも、やはり60年代や70年代あたりのサイケバンドの色も強く感じました。また、メロディーがしっかりしているためか、意外と聴きやすかったのも印象的でした。

個人的には、その中でも、10分以上にわたり、その世界観を、ゆったりとしたリズムでじっくりと聴かせてくれるタイトル曲の「星を見る」や、同じく10分を大作で、特に後半のインストパートのノイジーでスペーシーな雰囲気がたまらない「ルシアル」が気に入りました。

評価:★★★★★


ほかに聴いたアルバム

Mother/MINMI

MOTHER

MINMIが母親となってはじめてのアルバム。タイトルからしてそのまんまなのですが、結婚→出産を意思した曲が多いのも大きな特徴となっています。

で、アルバム全体として今回はレゲエ色がかなり薄め。ジャンル的には「レゲエ」というよりも、レゲエ風のポップアルバムとなった感じ。まあ、もともとMINMIはレゲエ色の薄いポップスも歌っていた印象があったのですが、今回は、いつも以上。その分、広いリスナー層にアピールできそうな一方、ファンからは賛否両論のよう。個人的には、レゲエはそんなに好きなジャンルではないので、純粋なポップスアルバムとしては楽しめた一方、確かに、ちょっと物足りなさもあったかな・・・と思いました。

評価:★★★

MINMI 過去のアルバム
THE LOVE SONG COLLECTION 2006-2007
MINMI BEST 2002-2008

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2010年9月 6日 (月)

めちゃくちゃカッコいい

Title:10'S
Musician:OKAMOTO'S

10’S

いろんなところで評判は聴いていて、ずっと気になってはいたんですけどね。

ようやく聴きました。話題のバンドOKAMOTO'Sのメジャーデビューアルバム。

もうね、めちゃくちゃカッコいいんですけども(笑)。

最近、どんどん粋のいい若手バンドが増えてきています。その中でも、60年代のロックンロールのスタイルにそのまま影響を受けたようなバンドが増えてきています。個人的に大好きなTHE BAWDIESもその代表格なのですが、彼らOKAMOTO'Sも、そんな粋のいい若手バンドの一組。

60年代のブリティッシュビートからストレートな影響を感じる彼ら。THE WHO「The Kids Are Alright」のカバーにも挑戦していますし、他にも同じくブリティッシュ・ビートの影響を受けていたルースターズの「恋をしようよ」もカバーで取り上げています。

ただ、なんといっても彼らの大きな魅力はそのバンドサウンド。「Beek」のファンキーなサウンドは、CD音源を聴いてもしびれますし、時にはパンキッシュに、時にはファンキーに、若手バンドならではの勢いも感じられるバンドサウンドが、とても印象に残りました。

THE BAWDIESがもっとソウル色が強い分厚いサウンドが特徴的なら、彼らはもっとソリッドなロックンロールサウンドが特徴的。ただ、THE BAWDIESも、単純な過去の模倣ではなく、オールドスタイルのロックンロールに現在風の解釈を加えているのと同様に、彼らも、単純に60年代ロックを模倣するだけではなく、パンクやファンク、またラストを飾る「マダラ」のサイケサウンドのように、様々な要素を取り入れ、彼らなりの解約を加えていたように感じました。

ボーカルに関しては、いろいろなところで賛否両論のようですが、個人的には、こういう(言い方は悪いかもしれませんが)ヘナヘナなボーカルは、むしろありなんじゃないかなぁ・・・と思います。逆に、変に端整だったり、上手いボーカルだったりした方が、浮いちゃうような気がするんですが・・・。

とりえあず、ライブも一回、是非見てみたいなぁ~。メロディーからはポピュラリティーも感じられますし、インパクトも十分。もっともっと大物になってくるような予感もします。これからが、本当に楽しみになってくるバンドです。

評価:★★★★★


ほかに聴いたアルバム

蔦からまるQの惑星/筋肉少女帯

蔦からまるQの惑星

「アウェー イン ザ ライフ」といい「あのコは夏フェス焼け」といい、なぜか夏フェスをテーマにした曲が目立ちます。つーか、夏フェスそのものをテーマとして歌った曲って、他にあったっけ?夏フェスが一種のブームになっちゃっていますが、そういうテーマをあっさりと取り入れるあたり、オーケンらしい、といったところかなぁ?

その「アウェー イン ザ ライフ」や「ゴミ屋敷の王女」など、アウェイ感を歌ったような曲も目立ったような印象が。そのテーマ性も、ある意味、筋少らしいといった感じでしょうか。ただ、全体的にはちょっと薄味。歌詞も、強烈なインパクトを残す内容は少なく、悪くはないけど、無難な内容、といった感じかなぁ。

評価:★★★★

筋肉少女帯 過去の作品
新人
大公式2
シーズン2

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2010年9月 5日 (日)

グッと聴きやすくなりました。

Title:MAYA
Musician:M.I.A.

M A Y A

あれ、すごく聴きやすくポップになったような感じが・・・・・・。

最初、単純にM.I.A.の、独特のサウンドに耳が慣れたのかな?と思い、デビュー作をあらためて聴きなおしたのですが、やはりこのアルバム、全体として、作風がかなりポップで聴きやすくなったような感じがします。

HIP HOPやらレゲエやらテクノやらロックやらアフリカやらいろいろなところのリズムの強烈な部分だけ取り出したようなサウンドは印象的。社会に対してアンチを突きつけるような歌詞も彼女らしいところ。そういう意味では、根本的な部分は、前作から変わりないようにも思えます。

ただ、例えば「XXX0」など、エレクトロなサウンドが、かなりポップにまとまっていて、とても聴きやすい作品になっていましたし、「MEDS AND FEDS」など、ダイナミックでハードなギターサウンドは、ロックリスナーにもすんなり受け入れられそう。

グッとポピュラリティーも増して、間口も広くなった今回のアルバム。デビューアルバムのような衝撃が薄れた・・・という点で、賛否わかれている部分もあるみたいです。

で、個人的には今回のアルバム、結構気に入っています。ごめんなさい、基本的にポップス好きで耳がミーハーなので(^^;;ただ、表現したい音が、とにかくあふれ出ていたいままでの作品と比べて、いい意味で楽曲に、ポピュラーミュージックとしてのまとまりが出来てきたような印象を受けました。

個人的にお気に入りはやはり「BORN FREE」かな、やはり。強烈でロッキンなビートがかなり刺激的。「BORN FREE」と叫ぶサビも、かなり直感的で、ライブで聴いたら盛り上がりそう。

なによりも強烈な個性は本作でも健在。傑作なのは間違いありません。いままで以上に幅広い層が楽しめそうな作品でした。

評価:★★★★★

M.I.A. 過去の作品
KALA

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2010年9月 4日 (土)

様々な邦楽を調理

Title:沿志奏逢3
Musician:Bank Band

沿志奏逢 3

ap bankのために、ミスチルの桜井和寿や、プロデューサー小林武史が組んでいるバンドの、これが既に3枚目となるアルバム。毎回、邦楽を中心に、若手からベテラン、サブカル系からヒットチャートの王道系まで、様々なタイプのミュージシャンのカバーに挑戦しています。

ボーカルの桜井和寿は、ミスチルの大ヒットでもわかるように、ある種の華があるボーカリスト。一方で、サブカル系ミュージシャンの曲は、楽曲自体は素晴らしくても、ミュージシャン自体に華がなくて、地味に聴こえてしまうケースも少なくありません(まあ、その地味さが逆に良い、と言えるかもしれないのですが)。

そのため、特にサブカル系ミュージシャンの曲に関しては、桜井のボーカルによって、その曲の本来持つヒットポテンシャルにハッと気がつかされるカバーが少なくありません。

今回のアルバムで一番それに気がつかされたのがフジファブリック「若者のすべて」。いや、フジファブのボーカリスト志村正彦も個性的なボーカリストだったんですけどね(過去形で書かなくてはいけないところが非常に悲しい・・・)。でも、桜井のボーカルで、より曲自体の魅力が引き出されたような感がありました。

同様に印象が大きく異なったのが、キリンジ「Drifter」。いや、キリンジの場合は、彼らのボーカルも売りのひとつなんですけどね。でも、この曲を桜井がカバーすると、あら不思議。ヒットチャートで何万枚も売れていそうなポップスに変身(笑)。まあ、このカバーに関しては、原曲の良さを引き出している反面、別の良さが失われているような感じもするんどえすが。

ただ、そんな桜井のボーカルに加えて、もうひとつ大きく気になったのが、小林武史のアレンジ。彼のアレンジって、こんなに大味だったっけ?レミオロメンのアレンジの時も感じたのですが、安直にストリングスを入れて曲を盛り上げる手法も目立ち、平面的に感じました。

一番残念だったのが、RCサクセション「ステップ!」のカバー。桜井のボーカルも単なるキヨシローの真似に終わっていたし、小林武史のアレンジもいまひとつ。原曲の持つファンキーな良さもなければ、Bank Bandとしての新たな魅力を付け加えることもなく、いまひとつなカバーに終わっていました。

全体的には、ある意味、癖のない「売れ線」的なカバーが多かったので、原曲に思いいれのある方には、ちょっと厳しいカバーも少なくなかったかも。逆に、原曲を知らないリスナーが、これを機に、そのミュージシャンに興味を持つには、ちょうどよい「入り口」だったかもしれません。

個人的に、小林武史の手からはなれて、桜井和寿が他のプロデューサーと組んでのカバーを聴いてみたいかも・・なんて思ってしまったのですが(^^;;

評価:★★★★

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2010年9月 3日 (金)

なんと2週連続

今週の着うたチャート

2010年8月25日~2010年8月31日付チャート

今週の着うたチャート。なんと、あの曲が2週連続の1位です。

【特典生写真無し】ヘビーローテーション<Type-A>

AKB48「ヘビーローテーション」が先週に続いての1位獲得。アイドル系の曲が、シングルの順位より上に来るのは着うたチャートでは珍しいかも。勢いを感じます。

初登場最高位は2位にランクインされたヒルクライム「Please Cry」。こちらは着うたチャートの常連ですね。9月22日にリリースされる予定のシングル「トラヴェルマシン」のカップリング曲の先行着うた配信。着うたでは相変わらずの強さを見せています。

3位は西野カナ「if」が先週の2位からワンランクダウンで3位をキープ。こちらはいつものようにロングヒットを記録しています。

初登場2曲目は4位にランクインしたPerfume「575」。8月11日にリリースした「VOICE」のカップリング曲。KDDI「iida」のCMソングなので着うた狙い??・・・なのですが、ミディアムテンポの曲調は、着うたにはちょっと向かないかも。ちなみにPerfumeは「VOICE」も9位にランクインしています。

初登場はもう1曲。10位にAAA「負けない心」がランクインです。こちらは先週のシングルチャートで既に3位にランクインしていますね。着うたチャートではシングルほど奮わなかった模様です。

初登場は以上なのですが、今週は、ベスト10圏外からのランクインが2曲ありました。

まず6位に中島美嘉「一番綺麗な私を」が先週の12位からランクアップ。初登場は10位でしたから、最高位更新です。シングルが発売になり、プロモーションも本格化した影響でしょうか?

そしてもう1曲。WEAVER「僕らの永遠~何度生まれ変わっても、手を繋ぎたいだけの愛だから~」が先週の15位からランクアップし、初のベスト10入りです。今週、アルバムチャートでもランクインしているアルバム「新世紀創造期・前編」からのリカットとなる配信限定シングル。3ピースロックバンドの彼ら。アルバムと共に、自身初のベスト10ヒットとなりました。


今週のアルバムチャート
http://www.oricon.co.jp/rank/ja/

今週も、先週に続き初登場は5枚。ちょっと寂しめ・・・って十分多いか(^^;;

ALL COVERS BEST(完全生産限定盤B)(オリジナルピック付)

そんな中で1位を獲得したのが、コブクロ「ALL COVERS BEST」。タイトル通りのカバーアルバムです。初動29万枚は、カバーアルバムとしては、過去最高の初動売上だそうで、その人気のほどをうかがえます。オリジナルとしての前作「CALLING」が初動23万1千枚で、それを上回ったということは、完全生産限定というのも大きな理由でしょうが、やはりファン以外の支持を集めたということでしょうか。

CMソングとして話題となった、配信限定シングルのDerek&Dominosの「Layla」の他、洋邦の有名曲をカバー。以前からファンを公言していた渡辺美里の「Lovin' You」をカバーしてくれていることも、ちょっとうれしいかも。これで、なにかと大変な岡村ちゃんにも、ちょっとした印税のお小遣いが入ったってことでしょうか(笑)。

2位は「僕の見ている風景」が先週から同順位でキープ。3位は先週1位の稲葉浩志「Hadou」が2ランクダウンながらもベスト3をキープしました。

続く4位から6位には初登場が並びました。

まず4位にはWEAVER「新世紀創造記・前編」がランクイン。着うたチャートでもベスト10入りしていますが、アルバムチャートでも見事ベスト10入りを果たしています。前作「Tapestry」を聴いた時、「売れそうなバンドだな」と思ったのですが、続くシングル「Hard to say I love you~言い出せなくて」がドラマタイアップに恵まれたにも関わらず、最高位19位と奮わなかっただけに、ブレイクは厳しくなったかな、と思ったのですが、本作で見事ブレイクとなりました。タイトルからわかるとおり、9月29日には「後編」をリリース予定。こちらの売れ行きも注目です。

5位はTakamiy「Fantasia」が入ってきました。Takamiyは、ご存知THE ALFEEの高見沢俊彦のこと。ソロとしては3年ぶりなのですが、Takamiy名義では初リリースとなります。ちなみに初動売上は3年前の前作が1万6千枚。本作は初動1万5千枚。ほぼ横バイ。相変わらずの根強い人気といったところでしょうか。

6位には、アメリカのシンガーソングライターKATY PERRY「TEENAGE DREAM」がランクインです。KATY PERRY名義では2枚目となるアルバム。アメリカビルボードでも1位を獲得する見込みのようですが、日本でも初のベスト10ヒットとなりました。KATY PERRYといえばその際どい歌詞。2008年にリリースしたシングル「KISS A GIRL」では、タイトルの通り、「女の子とキスしたの 気持ちよかったわ」というレズビアンを彷彿とさせる歌詞が話題になったりもしました。日本でも徐々に注目をあつめ、ついにブレイクとなった模様です。

初登場はもう1枚。10位にEvery Little Thing持田香織のソロ2作目「NIU」がランクインしてきました。前回に引き続き、彼女が敬愛するミュージシャンたちが参加した本作は、SPENCERこと大谷友介(って、誰かと思ったら、元Lab LIFe→Polarisのオオヤユウスケなんですね)やSAKEROCKの田中馨、谷山浩子などが参加しています。参加ミュージシャンからもわかるように、ELTとは一風かわったオーガニックな作風になっています。初動は前作の1万1千枚から8千枚にダウンしてしまっています。

着うた&アルバムチャートは以上。また来週の水曜日に~。

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2010年9月 2日 (木)

2000年代バンドとして

Title:マジックディスク
Musician:ASIAN KUNG-FU GENERATION

マジックディスク

ここ最近、ポップス路線が続いているASIAN KUNG-FU GENERATIONですが、約1年8ヶ月ぶりとなるニューアルバムは、ここ最近のアルバムと同様、バンドサウンドを聴かせるよりも、ポップなメロディーを聴かせる路線が続いていました。

そして、同じポップス路線として、さらに音楽性の広がりを感じたのが今回のアルバム。先行シングルとなった「迷い犬と雨のビート」では、いままでにないホーンアレンジを取り入れた作品になっていましたが、3拍子のリズムがグルーヴィーな「双子葉」や、ダンサナブルなパーカッションを聴かせる「ラストダンスは悲しみを乗せて」など、多様な音楽性の広がりを感じます。

一方では、「イエス」「橙」あたりは、彼らの王道ともいえるパワーポップ路線。力強いバンドサウンドと、ポップなメロディーラインが楽しめるナンバーです。

音楽性の幅もグッと広がり、1曲目の「新世紀のラブソング」からミディアムテンポのナンバーではじまるなど、メロディーにも自信を感じさせます。前作「サーフ ブンガク カマクラ」あたりから勢いにのってきたように感じたのですが、今、バンドとして最も脂ののっているように感じました。彼らの今のパワーを感じる作品でした。

一方、歌詞で印象的だったのが「さよならロストジェネレイション」。作詞を担当している後藤正文は1976年産まれで、いわゆる「ロスト・ジェネレーション」を呼ばれる世代。しかし、その世代が一括りに「失われた世代」と呼ばれることに反発し、外へ飛び出そうと歌ったこのナンバー。個人的に同世代なだけに、共感できる歌詞でした。

ASIAN KUNG-FU GENERATIONは、いわば2000年代を代表するバンドのひとつ。00年代の代表格として、「新世紀のラブソング」では、新しい世紀を力強く生きていこうとしている姿を感じますし、タイトル曲「マジックディスク」の内容は、CDの時代からダウンロードの時代への移り変わりを歌詞に読み込んでいるよう。

「さよならロスト・ジェネレイション」とあわせて、2000年代のバンドとしての同時代性を歌詞に読み取り、その世代の人間として前に進んでいこうとする意思を感じました。

そしてもうひとつ歌詞で印象に残ったのが「青空と黒い猫」。ピアノやストリングスを取り入れたアレンジも印象的だったのですが、青空を通じて、様々な人とのつながりを歌った内容が心に残ります。美しい青空が目に浮かぶような歌詞も印象的でした。

個人的に、ASIAN KUNG-FU GENERATIONの代表作のひとつになりそうなアルバムだったと思います。2000年代のバンドの代表格として、2010年代という時代を進んでいくための重要な1枚。まだまだアジカンの勢いは続きそうです。

評価:★★★★★

ASIAN KUNG-FU GENERATION 過去の作品
ワールドワールドワールド
未だ見ぬ明日に
サーフ ブンガク カマクラ

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2010年9月 1日 (水)

5年代連続

今週のシングルチャート
http://www.oricon.co.jp/rank/js/w/

タイトルは、今週2位の曲の話題で。

今週も、10曲中9曲が初登場という新譜ラッシュ。その中で1位は関ジャニ∞「LIFE~目の前の向こうへ~」が獲得しました。TBS系ドラマ「GM~踊れドクター」主題歌。初動25万6千枚は前作の24万5千枚から若干アップです。

そして2位は、桑田佳祐「本当は怖い愛とロマンス」がランクインしてきました。これで、1970年代から、5年代続けてのベスト3入りだそうです。ベスト10入りでもすごいのですが、ベスト3で30年以上というのはすごいなぁ。ちなみに同じく1970年代から2000年代まで4年代続けて中島みゆきも同じ記録を達成しているそうなので、こちらも5年代続けになる可能性、まだまだ十分にあります。

食道がんが見つかり、現在、病気療養中の彼。ただ、先日、無事退院したそうで、ファンにとっては、ほっと一安心というところでしょう。初動売上11万枚は、前作「君にサヨナラを」の7万1千枚を大きく上回っており、いまだに衰えぬその勢いを感じます。ただ、いまはゆっくりと病気の療養に専念し、また、元気になって名曲をたくさん作って欲しいですね!

3位は氷川きよし「虹色のバイヨン」がランクイン。ちなみに「バイヨン」とはブラジル北東部のダンス音楽の一種、らしいですが、本当の「バイヨン」とは全然違うタイプだそうです。ちなみに初動6万6千枚は、前作の8万3千枚より大幅減。ただ、今後、コンサート会場などの売上でロングヒットは記録しそうですが・・・。

以下、5位から10位までは初登場がズラリ。

そんな中でも今週、ベスト3もすべて男性陣でしたが、男性ミュージシャンのヒットが目立ちました。5位から10位の中でも、

5位 慈愛への旅路/ゆず
6位 Punchしたっていいんだよ/はんにゃ、フルーツポンチ
7位 BEAUTIFUL HANGOVER/BIG BANG
9位 うたかた花火/supercell

と、4曲が男性勢。ゆずは、メンバーの北川悠仁が、フジテレビの退社が決まった高島彩との結婚で、最近、よく話題にのぼっています。未来へ向かって羽ばたくような、壮大な雰囲気が魅力なナンバーです。

6位は、テレビ東京系の子供向けバラエティー「ピラメキーノ」から産まれた企画CD。タイトル曲は、お笑いコンビはんにゃの金田哲らによるユニットオンナラブリーによる曲。初動2万9千枚は前作「Onaraはずかしくないよ」の初動6万6千枚から大きくダウン。いわば子供向けなのですが、完全に子供にも飽きられちゃっていますね・・・。

BIG BANGは、ご存知韓国出身のアイドルグループ。初動は、デビュー作から2万6千枚→2万1千枚→2万枚→3万1千枚→2万5千枚と、若干上昇傾向なものの、いまひとつ波に乗り切れない模様です。

初音ミクを取り入れた楽曲でヒットを記録したsupercellも、初動2万枚は前作からほぼ横バイと、いまひとつ足踏み気味。テレビ東京系アニメ「NARUTO-ナルト-疾風伝」エンディングと好タイアップなのですが・・・。

一方、女性陣は、まず8位にハロプロ系アイドルユニット℃-ute「Danceでバコーン!」がランクイン。10位には中島美嘉「一番綺麗な私を」がランクインしています。中島美嘉は着うたチャートでも10位だったのですが、シングルでもギリギリ10位でした。初動1万6千枚は、前作の初動2万1千枚からダウン。ちょっと厳しい状況が続いています。

シングルチャートは以上。着うた&アルバムチャートは水曜日に~。

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