ポストシガーロス?
Title:Dead Waves
Musician:KYTE
2007年にリリースされたデビューアルバムで、「ポストシガーロス」あるいは「ポストレディオヘッド」と称され、イギリスのメディアから大きな注目を集めた5人組バンドの3枚目。シガーロスだのRADIOHEADだの、個人的におもいっきり壺のはずなのですが、この3枚目で、はじめて彼らのアルバムを聴いてみました。
まず1曲目「The Smoke Saves Lives」からして素晴らしかった!分厚いアレンジと、ポップなメロディーは、シガーロスやRADIOHEADよりも、むしろPET SOUNDSあたりのTHE BEACH BOYSを思い出したくらいなのですが、その甘いサウンドの波に、心地よくひたることが出来ました。
続く「Ihnfsa」も同じような心地よいポップソング。これはかなり傑作かも・・・と思い、その後も聴いていったのですが・・・
はっきりいって、中盤以降はちょっとだれてしまいました。
全16曲70分はちょっと長すぎ。打ち込みメインとなるアレンジに、ポップなメロディーラインは、シガーロスやレディへ、というよりもむしろ80年代のニューウェーヴを彷彿とさせるような楽曲もあったのですが、全体的にはダウナーな感じの曲が多く(ここらへん、シガーロスやレディへと比較される理由か?)、ちょっとだれてしまいました。
似たようなタイプの曲も多かったのも、中盤以降飽きてしまった理由かもしれません。
後半になると、エレクトロ路線の楽曲が増えてきました。また、「The Strangest Words And Pictures」のような、サウンドとコーラスラインが美しい名曲も顔をのぞかせたり、音数をしぼった緩急あるアレンジも魅力的には感じたのですが、やはりいかんせん、70分もテンションをキープするのはちょっと辛かったかも。曲数を絞って60分弱くらいにおさめれば傑作だったと思うのですが・・・。
そういう意味では、とても惜しいアルバムだったかもしれません。特に序盤に関しては、かなり惹きつけられる美しい音を出していただけにちょっと残念。ただ、次回作も、チェックしてみたいかも、と思わせるだけの力はある作品でした。
評価:★★★★
ほかに聴いたアルバム
OCTAHEDRON/THE MARS VOLTA
邦題「八面体」。ヘヴィーロックやメタルからの影響も感じるヘヴィーなギターサウンドを、聴き込めば聴き込むほど癖になりそうな複雑なアレンジで絶妙に奏でながらも、アルバム全体としてはポップさも感じる・・・という点は前作同様ですね。プログレ好きにはもちろん、ぱっと聴いた感じだと頭でっかちさを感じないあたり、広いリスナー層にアピールできそう、かも。評価:★★★★★
THE MARS VOLTA 過去の作品
The Bedlam In Goliath(ゴリアテの混乱)
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コメント
初めまして!
いつも楽しく拝見させていだいてます。
Kyteの新作はたしかに途中でだれますね・・・。
ボーナストラックはいらなかった気がします。
でも彼らの音はとても聴き心地がよくて好きです。
ちなみに1stがかなりいい出来なので、
機会があれば是非聴いてみてください。
また遊びに来ます♪
投稿: スメル | 2010年8月 6日 (金) 01時36分
>スメルさん
はじめまして!書き込みありがとうございます。
KYTE、最初は「これはすごい傑作かも!」と思ったのですが、途中、やはりだれますよね。1曲1曲を個別に聴けば、名曲なのですが・・・。
1枚目は、傑作なんですか!まだ聴いたことないので、今度、是非聴いてみますね~。
また、遊びに来てください~。
投稿: ゆういち | 2010年8月13日 (金) 10時50分