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2010年8月16日 (月)

ボーカルの力があればこそ

Title:Music Is My Life
Musician:福原美穂

Music is My Life

福原美穂といえば、デビュー当初、メディアでは大絶賛を受け、大きな話題となった女性ボーカリスト。ただ、デビューアルバム「RAINBOW」はヒットしたものの、その後はあまりメディアでも話題にのぼらなくなり、今に至っています。

とはいえ、このアルバムも、「RAINBOW」の売上を大きく下回っているとはいえ、ベスト10ヒットは記録しているんですけどね。

しかし、アルバムの内容としては、前作をはるかに上回る傑作になっていたと思います。

耳をひくのは1曲目。「RISING LIKE A FLAME」。かなり本格的なソウルナンバー。「RAINBOW」でもみせてくれた、彼女天性のリズム感により、パッと聴いただけだと、日本人だと気がつかないかも?また、同じく「Baby Baby」も、本場そのままの、ミディアムテンポのソウルナンバー。デビュー当初、ただ歌い上げるだけだった彼女から一変、声量はおさえながらも、表現力豊かなボーカルは、彼女のボーカリストとしての実力をしっかりと感じられるナンバーです。

そして、今回のアルバムの聴きどころは、そんな「本格的なソウルナンバー」だけではありません。

今回のアルバムは、実にバリエーション豊か。必ずしもひとつのジャンルで括れないのが、大きな特徴となっています。

「RISING LIKE A FLAME」に続く「HANABI SKY」は、カラッとしたロックナンバー。ただ、本格的だった「RISING~」に比べると、日本語詞で、邦楽色の強いナンバーになっています。

「Apologies」は、おなじく北海道出身のバンドsleepy.abを迎えたギターポップチューン。sleepy.abといえば、独特の浮遊感と幻想感のあるサウンドが評判のバンドなのですが、この曲も、どこか幻想的なアレンジが、アルバムの中では異色な作品となっています。

他にも、しっとり聴かせるソウルバラード「Cry No More」、80年代風のソウルチューンに仕上げている「なんで泣きたくなっちゃうんだろう」、ファンクナンバーの「TOUCH&LOVE」など、実にバリエーション豊富。

そしてラストの「あいのうた」は、アコギ一本で歌をしっかりと聴かせるバラードナンバー。ラストはしんみりと締めくくります。

基本的にブラックミュージックを機軸にしながらも、ロック、ポップスまで幅広く手を広げ、さらには本格的な洋楽風のナンバーから、典型的なJ-POPチューンまで、はっきりいってしまえば、かなりバラバラの作風のアルバムになっています。

ただ、それでもアルバムの流れが破綻していないのは、彼女のボーカリストとしての実力、包容力があってのことでしょう。前作は、いかにも日本的な、ボーカルの声量を聴かせるだけの作風が気になったのですが、今回は決してはりあげるだけのボーカルではなく、表現力も豊か。ボーカリストとして一回りも二回りもおおきくなった彼女がいました。

「RAINBOW」を上回っただけではなく、今年を代表する傑作の1枚だと思います。ようやく、デビュー当初の評判の高さが納得できる作品になりました。これからの彼女が本当に楽しみです。

評価:★★★★★

福原美穂 過去の作品
RAINBOW


ほかに聴いたアルバム

理想的なボクの世界/plenty

理想的なボクの世界

前作同様、歌詞にいまひとつピンと来ないのは、若者のどこか醒めて社会を見ている視点が、オーバーサーティーのおじさんになってしまった私にとっては、いまひとつ共感できないからでしょうか?

もうひとつ気になったのは、歌詞を売りにしているバンドの割りには、ちょっとその歌詞が聴き取りにくい点。インパクトのあるワンフレーズも少なく、さらっと聴けば、「よく出来たギターロックバンド」で終わってしまいそう。リスナーを意識した一工夫があるとおもしろいと思うのですが・・・。

評価:★★★★

plenty 過去の作品
拝啓。皆さま

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