リズムが心地よい
Title:旧ベルギー領コンゴ地方の伝統音楽
今回紹介するアルバムは、タイトル通り、アフリカの、現在のコンゴ民主共和国で、1935年~36年にかけて録音された、現地の民俗音楽を録音したアルバム。もともとは、77年に「アフリカ音楽のルーツを訪ねて」というシリーズでリリースしたそうです。
「ポピュラーミュージック」というよりは、「学術的な音楽」の色合いの濃いようなアルバムで、音楽も、曲としてまとまっているわけではなく、現地の太鼓や合唱、踊りなどの模様をそのまま録音したもの。そのため、1トラックに「1曲」という構成ではなく、民俗音楽の一部一部を切り取って、1トラックに何曲かおさめられているような構成になっています。
もともと、ここ最近、ワールドミュージックというのにも興味を持ち始めて、いろいろと聴きはじめたりしているのですが、今回のアルバムは、もともと「ミュージックマガジン誌」に高評価で紹介されていたのがこのアルバムを知ったきっかけ。なんとな~く、おもしろそうに感じて聴きはじめました。
正直言うと、最初のうち、あまりにも商業ベースからかけはなれた、現地の民俗音楽そのままの内容に、ちょっと抵抗を感じたのも事実。ちょっと呪術的なものをかじる、彼らの合唱に関しては、神秘的な魅力を感じつつも、音楽として聴き入るには抵抗を感じてしまいました。
ただ、そんな音楽を徐々に魅力的に感じたのが中盤からの「バベレ族の踊りとカルミ首長の踊り」や「ルベーロ地方の木琴」などといった、リズムを前面に押し出した音楽の数々でした。
いまでいえばミニマル的に、似たようなフレーズを繰り返しながら、抑揚のつけたリズムを繰り出す音楽は、いまでいえばトランスミュージックの要素を感じるような部分もありました。かつ、単調な四つ打ちではなく、微妙にテンポをずらすような独特のリズム感は、やはりブラックミュージックのルーツ、でもあり、アフリカ人独特のリズム感覚なのでしょうか?ある種の「ファンキー」ともいえる要素も感じ、聴いているうちに、はまっていってしまう魅力がありました。
そのため、アルバム全体としては決して小難しくなく、今の耳でも十分楽しめるような、普遍性もある魅力的な「ポップな」アルバムになっていたと思います。普段のポップスとはちょっと違った世界の音楽を聴きたいなぁ~なんて思っている方、いかがでしょうか?お勧めです。
評価:★★★★★
ほかに聴いたアルバム
THE E・N・D/THE BLACK EYED PEAS
いままでのアルバムと異なり、エレクトロサウンドを多く取り入れたサウンドが、ファンの間でも賛否両論・・・みたいですね。最新の音を取り入れ「今」を感じさせる音作りをしながら、あくまでもポップにまとめあげている点、ジャンル的にはちょっと異なるけども、m-floあたりと似たスタンスを感じました。ただ、インパクトという点は、以前の方があったような気が・・・?評価:★★★★
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